苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

原田マハ

本日は、お日柄もよく 原田マハ5

本日は、お日柄もよく (徳間文庫)
原田マハ
徳間書店
2016-08-05


二ノ宮こと葉は、製菓会社の総務部に勤める普通のOL。他人の結婚式に出るたびに、「人並みな幸せが、この先自分に訪れることがあるのだろうか」と、気が滅入る27歳だ。けれど、今日は気が滅入るどころの話じゃない。なんと、密かに片思いしていた幼なじみ・今川厚志の結婚披露宴だった。ところが、そこですばらしいスピーチに出会い、思わず感動、涙する。伝説のスピーチライター・久遠久美の祝辞だった。衝撃を受けたこと葉は、久美に弟子入りすることになるが…。

私はYouTubeの有名人に1万円を渡して本屋さんで本を選ぶ企画が好きなんですが、登場した2,3人が連続で最近読んだ本で面白かった作品ということでこちらの作品を上げていて気になって手に取りました。
確かに素晴らしい作品でした。スピーチライターという仕事も、政治の世界も自分には縁遠いものだと思っていたけど、厚志君の立候補により急に勝手に身近なものに感じながら読んでいました。
こと葉がスピーチライターという仕事を知り、自分もその仕事に邁進する決意をしてからは本当にキラキラしていて働く女性として素敵だなと思って読んでいました。
最後も素敵!なんて素敵なラストなんだろう。素晴らしい物語でした。
久美さんが絶望すること葉に向かって言った言葉、私も心に刻んで生きていきたいです。

<徳間書店 2016.5>2024.9.14読了
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いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画 原田マハ5



アート小説の旗手として圧倒的人気を誇る原田マハが、自身の作家人生に強い影響を与えた絵画はもちろん、美術史のなかで大きな転換となった絵画を紹介。原田作品ではおなじみの名画も多数掲載!一枚の絵画に秘められた、強烈な力。何もかも変えてしまうほどの革新的な表現。抜きん出た技術。美術史を大きく転換するほどの先見性。そういった個性をもつ絵画を「絶対絵画」と名づけて紹介する。掲載作品……ピカソ『アヴィニヨンの娘たち』『ゲルニカ』、ジョット・ディ・ボンドーネ『聖フランチェスコの伝説』、ボッティチェリ『プリマヴェーラ』、モランディ『ブリオッシュのある静物』、ゴヤ『1808年5月3日』、レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』、セザンヌ『セザンヌ夫人の肖像』、マネ『バルコニー』、モネ『睡蓮』、ドガ『エトワール』、ゴッホ『星月夜』、クリムト『アデーレ・ブロッホ=バウワアーの肖像I』、マティス『ダンス』、ロスコ『シーグラム壁画』、ルソー『夢』、ビアズリー『おまえの口に口づけしたよ、ヨカナーン』、マレーヴィチ『黒の正方形』、ポロック『No.1』、ムンク『叫び』、東山魅夷『道』など、全26点。

原田マハさんおススメの生きているうちに見るべき作品が紹介されています。知っている有名な作品もあればそこまで有名でもない作品もあって^^;年代も様々です。
作品の紹介は1枚につき8ページ程度ですが、マハさんらしくとても分かりやすい解説ですいすい読めました。ゴッホやビアズリーは原田さんの小説も読んでいるので尚更気になりました。
海外へ見に行くのはなかなか難しいから、日本に来た時でも見ることが出来たら良いなと思います。

<集英社 2017.8>2024.6.23読了

坂上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh 原田マハ5



「ワぁ、ゴッホになるッ!」
1924年、画家への憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。
しかし、絵を教えてくれる師もおらず、画材を買うお金もなく、弱視のせいでモデルの身体の線を捉えられない棟方は、展覧会に出品するも落選し続ける日々。
そんな彼が辿り着いたのが木版画だった。彼の「板画」は革命の引き金となり、世界を変えていくーー。
墨を磨り支え続けた妻チヤの目線から、日本が誇るアーティスト棟方志功を描く。
感涙のアート小説。

棟方志功の作品は、生では見たことがありませんがテレビなどで拝見したことがあります。
荒々しい中にも表情に柔らかさを感じるような作品が多く、唯一無二の芸術家という印象がありました。
こちらの作品は妻のチヤ目線で書かれている作品です。
フィクションの部分もあると思いますが、きっと馴れ初めのところは史実なんですよね…
本当に、結婚も人生も含めて棟方志功は持っている人だったのかなと思います。もちろん才能もあると思いますが。
日本民藝館は行ったことがあります。ありますが…休館日で中に入ったことはありません^^;その時は柚木沙弥郎先生の作品を観たいと思って行ったのですが…悔しい。この作品を読んでますます行きたくなりました。
チヤ目線だからこそ棟方志功がどう上り詰めたのか、そしてどれほどの家族愛に溢れているのか、それが伝わってきました。最後はうるうるしてしまいました。この作品を読んで棟方志功という芸術家を知ることが出来て良かったです。

<幻冬舎 2024.3>2024.5.21読了

やっぱり食べに行こう。 原田マハ4

やっぱり食べに行こう。 (毎日文庫)
原田 マハ
毎日新聞出版
2021-11-01


世界中の「おいしい!」を探しに。
パリ、NY、ロンドン、スペイン、ロシア、京都、蓼科......
いざ、アートと小説と美味探訪の旅へ!
小説、アートと同じくらい「おいしいもの」が大好き!な著者が 『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』『たゆたえども沈まず』などの取材先で食べた「思い出の一品」をつづる満腹エッセー集。

日本にとどまらず世界中の美味しいものを求めて旅に出るマハさんのエッセイです。
2〜3ページのお話がずっと続いていくのですがとにかくずっと食べ物の話!(笑)よくもこんなにネタが出てくるなっていうくらいたくさんの食べ物のお話が収録されています。
とりあえずマハさんはあっつあつが好きなのだということが分かりました。そして牡蠣の生まれ変わり(笑)
コロナ禍もあって、旅をしてもその先で外食をするということを最近あまりしていなかったのですが、そろそろそれもやめにしようかな…と読んでいて思いました。

<毎日新聞出版 2018.5>2024.4.21読了

黒い絵 原田マハ3

黒い絵
原田マハ
講談社
2023-11-01


深海魚 Secret Sanctuary
高校生の真央は友だちも彼氏もいないうえ、クラスメイトからいじめられていた。そんな真央が安息を得られるのは押入れの中だけだった。真っ暗にすると「海の底」のようで……。
楽園の破片 A Piece of Paradise
ニューヨーク発の急行列車は遅れていた。ボストン美術館での講演会でスピーチをする予定の響子は焦る。もうひとりの話者のレイとは7年間の不倫関係を清算したばかりだった。
指 Touch
私は私大の日本美術史博士課程の2年生。家庭を持つ彼の研究室で助手をしている。ある週末に奈良の室生寺を訪れ、ずっと手をつないでいる私たちは、どう見ても不倫カップルだ。
キアーラ Chiara
アッシジには10年ぶりの再訪だった。亜季は文化財の修復科のある芸術大学を休学して20歳で渡伊し、長年フレスコ画修復の修業をしていたところ、中部の大地震に見舞われ……。
オフィーリア Ophelia
わたくしは絵の中の囚われ人。水に浸ってあとひと息で命が絶えるその瞬間を、生き続けています。ロンドンから日本へ連れて来られたわたくしが目撃した、残虐な復讐とは…。
向日葵(ひまわり)奇譚 Strange Sunflower
超売れっ子の役者・山埜祥哉の舞台の脚本を書きたくて、脚本家の私は、ゴッホが主人公の脚本を完成させる。が、脚本が仕上がった直後に、ゴッホらしき人物の奇妙な写真を入手して……。

著者初のノワール小説ということでしたが、怖いというよりも私は気持ち悪いとか嫌悪感が先に来てしまいました^^;最初の作品が本当に色々気持ち悪くて…ちょっとだめかもしれません…
美術館や絵画にまつわるお話も登場しましたが、直接は絡んでいなかったですね。
やっぱり著者さんの作品はまっすぐに絵画を見つめた作品が良いな…と私は思ってしまいました。

<講談社 2023.11>2023.12.15読了

たゆたえども沈まず 原田マハ5

たゆたえども沈まず (幻冬舎文庫)
原田マハ
幻冬舎
2020-04-08


19世紀後半、栄華を極めるパリの美術界。画商・林忠正は助手の重吉と共に流暢な仏語で浮世絵を売り込んでいた。野心溢れる彼らの前に現れたのは日本に憧れる無名画家ゴッホと、兄を献身的に支える画商のテオ。その奇跡の出会いが"世界を変える一枚"を生んだ。 読み始めたら止まらない、孤高の男たちの矜持と愛が深く胸を打つアート・フィクション。

ゴッホとテオ兄弟の物語。面白かったです。
ゴッホはずっとテオからの支援を受けて絵を描き続けていて、テオは抵抗はなかったのだろうか。嫌だと思うときはなかったのだろうかと思うことがありました。この作品を読んで、フィクションではありますがきっとテオはそんな思いでゴッホを支援していたのかな…と感じました。
そして林忠正。お名前は拝見したことがあります。でも加納って聞いたことあったかな…?と思ったらこちらは原田さんが作り上げたオリジナルの人物だったんですね。オリジナルの人物とテオを友人にさせるなんてとても大胆で、だったらいいなという思いが溢れていて小説ならではだなと思います。
ゴッホと忠正の間に交流があったかどうかというのは文献として残っていないそうですが、同じ時代に同じ場所で生きていたのですから、面識があったって不思議ではないですよね。そうであってほしい。そんな著者さんの強い想いが溢れている作品だと思いました。
ゴッホとテオの物語は悲劇だと感じてしまいます。でも、悲劇で終わらせなかったのはテオの奥様がゴッホの作品を守り続けたからこそなのかなとも思います。奥様ならもしかしたらテオが若くして亡くなったのはゴッホのせいだと思ってもおかしくないのに、それでも2人が生きた証を守り続けていて、素敵な女性だなと感じました。
ゴッホの作品はテレビ等ではよく拝見しますが現物を見たことはない気がします。一度間近で見て見たくなりました。

<幻冬舎 2017.10、2020.4>2023.11.19読了

サロメ 原田マハ5

サロメ (文春文庫)
原田 マハ
文藝春秋
2020-05-08


現代のロンドン。日本からビクトリア・アルバート美術館に派遣されている客員学芸員の甲斐祐也は、ロンドン大学のジェーン・マクノイアから、未発表版「サロメ」についての相談を受ける。
このオスカー・ワイルドの戯曲は、そのセンセーショナルな内容もさることながら、ある一人の画家を世に送り出したことでも有名だ。
彼の名は、オーブリー・ビアズリー。
保険会社の職員だったオーブリー・ビアズリーは、1890年、18歳のときに本格的に絵を描き始め、オスカー・ワイルドに見出されて「サロメ」の挿絵で一躍有名になった後、肺結核のため25歳で早逝した。
当初はフランス語で出版された「サロメ」の、英語訳出版の裏には、彼の姉で女優のメイベル、男色家としても知られたワイルドとその恋人のアルフレッド・ダグラスの、四つどもえの愛憎関係があった……。
退廃とデカダンスに彩られた、時代の寵児と夭折の天才画家、美術史の驚くべき謎に迫る傑作長篇。

山田五郎さんのYouTubeを時たま見ているのですが^^先日オーブリー・ビアズリーについてお話をされていて、こちらの作品のことにも触れられていたので気になって読んでみました。
ビアズリーは「サロメ」の挿絵で有名ですが、私はこの作品しか知りませんでした。
そして早逝だということやオスカー・ワイルドとの関係性などもあまり詳しくは知らなくて、五郎さんのお話を聞いてそうだったんだ…と知った次第です(笑)オスカー・ワイルドといったら私は「幸福な王子」しか知らないのですが^^;何か…色々あった人だったんですね←
幼少のころから肺結核を患っていたビアズリーは常に死が頭の中にあったのだと思います。そんな中絵を見出されて脚光を浴びたこと自体は悪いことではなかったと思います。
物語が姉のメイベルというもの面白かったです。

<文藝春秋 2017.10、2020.5>2023.8.7読了

CONTACT ART 原田マハの名画鑑賞術 原田マハ5

CONTACT ART 原田マハの名画鑑賞術
原田 マハ
幻冬舎
2022-10-26


理解するのは、あとでいい。
まずは心の窓を開けてみる。
「日本は世界的に見ても美術館大国。私たちはいつでも素晴らしい作品に出会えます」。
豪華オールカラー、55の名画掲載。
アート小説の大家が日本全国の美術館を巡り至宝とコンタクト。
モネ、ルソー、セザンヌ、ウオーホル、東山魁夷、草間彌生――。
古今東西の今見るべき名画を厳選し徹底解説。
大人気番組WOWOW「CONTACT ART」待望の書籍化。

WOWOWのこちらの番組、大好きなんです。シーズン1も2も見ました。再放送もたまに見ます。新シリーズはまだかなって待っているところです^^
どこの美術館も行ったことがなくて、でも登場する画家さんは名前や作品は知っているものばかりで、さらにマハさんの解説によってより近づけるような感覚になります。多分、マハさんが友人と会うように美術作品と関わっているからだと思います。
まずは逢いに行かなきゃですよね。分からなくてもまずは逢ってみる。会話をしてみる。何かが見えてくるかもしれない。そう思える作品でした。
2月に横浜に行くから横浜美術館に行こう!と思って検索してみたら長期休業中なんですね…ショック。ルネ・マグリットの作品を観てみたかった…またの機会ですね^^;
まあこだわらずにたくさんの作品に触れてみたいと思いました。

<幻冬舎 2022.10>2022.12.21読了

妄想美術館 原田マハ ヤマザキマリ5

妄想美術館 (SB新書)
ヤマザキマリ
SBクリエイティブ
2022-01-06


アートを溺愛する作家と漫画家の2人が創る究極の美術館とは? 原体験から現在に至るまでのアートヒストリー、偏愛アーティストたちから受けたインスピレーション、小説や漫画の創作のバックステージをまじえ、名画にまつわる裏話、お気に入りの美術館案内、絵画鑑賞の秘訣、画家たちの知られざるエピソードなど尽きぬアート談義。泉のように湧き上がる2人のファンタジーが炸裂する名画のラビリンスに迷い込んでみませんか?

いやー…面白かったですね。
お2人が世界中の美術館に行かれているからお話が盛り上がる盛り上がる(笑)
ヤマザキマリさんが最初に印象に残った方が神田日勝だとおっしゃっていて、そういえば道産子だったなと思い出しました。小さい頃に見たら結構なインパクトですよね…
お2人が紹介される作品がカラーで載っているのが嬉しいです。
お2人とも作家さんだから妄想が膨らむ膨らむ(笑)こういう妄想、楽しいですよね〜
それぞれ好きな作家さんを上げるのですが、マハさんは結構人気の方が多くて意外だったかも。いやいいんですけど^^逆にマリさんはマニアックな方を上げられてるなーという印象。
それぞれが語る妄想美術館が面白かったです。ぜひお二人で美術館を巡ってほしい!そしてカメラを回してほしいです!^^

<SBクリエイティブ 2022.1>2022.5.27読了

丘の上の賢人 旅屋おかえり 原田マハ5



売れないタレント・おかえりこと丘えりかは、依頼人に代わり旅をする「旅の代理人」。秋田での初仕事を終え、次なる旅先は北海道──ある動画に映っている人物が、かつての恋人か確かめてほしいという依頼だった。依頼人には、初恋を巡るほろ苦い過去があって……。『旅屋おかえり』未収録の、幻の札幌・小樽編が待望の書籍化。北海道旅エッセイ&おかえりデビュー前夜を描いた漫画も収録した特別編!

こちらは前作の続編ではなくて、角館と内子の間で行った旅のお話だったんですね。面白い。
こちらは本編も札幌と小樽が舞台だし、原田さんのエッセイも帯広で北海道が舞台。北海道民としては嬉しい限りでした。私は札幌生まれ札幌育ち札幌在住なのですが勤務先は小樽なんです^^;なので小樽駅を降り立ったおかえりさんが見た風景はそのまんま思い浮かべましたし、そのあと向かったお店までの道のりも頭の中に簡単に思い浮かべることが出来て、楽しかったです(笑)
でも、依頼人もおかえりさん自身も北海道の地に足を踏み入れられないと思っていて、ちょっと寂しかったですけど^^
依頼人さんの内容がお姉さんに対しても元彼に対しても哀しくて寂しくて、何とかなってほしいなぁ!と思ったら想像以上に何とかなって(語彙力よ)心が満たされました。ここまで相手を想い合えるなんて、なんて素敵なんだろう。本当に良かった…。でも、お姉さんの気持ちも分かるんですよね。私もきょうだいで1番上なので。お母さんから言われた言葉は、言い方は悪いですが呪いの言葉です。自分を犠牲にして妹を育ててきた。だからこそ妹には幸せになってほしいし、自分も報われたかった。だから今回お姉さんもきっと救われたはずで、本当に良かったなぁと思いました。
原田さんのエッセイも面白かったです。
私は帯広は1度しか行ったことがありません^^原田さんは何度も行かれているんですね。まあ、札幌なんで六花亭何店舗もありますし←でも中札内美術村は知りませんでした。美術館巡りが好きな身としては見過ごすわけにはいかないですね。いつか行きたいな。
最後の漫画も良かった。解説も良かった。大満足でした。

<集英社 2021.12>2022.4.9読了

旅屋おかえり 原田マハ5

旅屋おかえり (集英社文庫)
原田 マハ
集英社
2014-09-19


あなたの旅、代行します!売れない崖っぷちアラサータレント“おかえり”こと丘えりか。スポンサーの名前を間違えて連呼したことが原因でテレビの旅番組を打ち切られた彼女が始めたのは、人の代わりに旅をする仕事だった―。満開の桜を求めて秋田県角館へ、依頼人の姪を探して愛媛県内子町へ。おかえりは行く先々で出会った人々を笑顔に変えていく。感涙必至の“旅”物語。

ドラマ化されたのに便乗し、続編が出たこともあって読んでみました。と言ってもドラマは見ていませんすみません^^;
唯一のレギュラーだった番組が打ち切りになり、途方に暮れていたところで病気で旅が出来ない娘の代わりに旅をしてくれないかと依頼をされる。
今回の舞台は秋田県と愛媛県。角館は行ったことがありませんが内子町は行ったことがあります。しかも去年。試験を受けに行ったんですよねーダメでしたけど。のどかで素敵な町でした。
秋田は横手市に行ったことがあります。「炎立つ」を見て家衡が最期を迎えた場所に行きたかったんです。横手焼そばを食べに行った時地元のおじいさんがいて。どこから来たのか、なぜここに来たのか聞かれて金沢柵と沼の柵を見に来たって言ったら凄く喜んでくれたのを思い出しました。
このご時世だから今はこういう交流はできにくいですけど、こういう人との触れ合いが旅の醍醐味でもあるよなーと思い、おかえりさんの気持ちも凄く良くわかりました。
どちらの旅も良かったです。依頼人の姪とも仲良くなれて良かった…。気になって一気読みでした。
続編も楽しみです。

<集英社 2012.4、2014.9>2022.2.17読了

リボルバー 原田マハ5

リボルバー (幻冬舎単行本)
原田マハ
幻冬舎
2021-05-25


誰が引き金を引いたのか?    
「ゴッホの死」。アート史上最大の謎に迫る、著者渾身の傑作ミステリ。
パリ大学で美術史の修士号を取得した高遠冴(たかとおさえ)は、小さなオークション会社CDC(キャビネ・ド・キュリオジテ)に勤務している。週一回のオークションで扱うのは、どこかのクローゼットに眠っていた誰かにとっての「お宝」ばかり。
高額の絵画取引に携わりたいと願っていた冴の元にある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれる。
それはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという。
「ファン・ゴッホは、ほんとうにピストル自殺をしたのか? 」 「――殺されたんじゃないのか? ……あのリボルバーで、撃ち抜かれて。」
ゴッホとゴーギャン。
生前顧みられることのなかった孤高の画家たちの、真実の物語。

どこまでがフィクションでどこまでが真実なのか分かりませんでした。引き込まれました。面白かった…。
ゴッホもゴーギャンも今の時代でも名の残る画家の二人です。
と言っても私もそこまで知っているわけではありません。ゴーギャンを引き留めるためにゴッホが自分の耳を切ったことくらい←
原田さんがどれほどゴッホとゴーギャンを愛しているかが分かります。二人の遍歴がとても分かりやすかったです。2人の心情の機微も本を読んで伝わってきます。創作ではあるけどすべてが真実なんじゃないかなって思えるくらい。
2人は幸せだったのか。それは本人じゃないとわからない。それでも自分の好きな絵を追求し続けた2人はやっぱり幸せだったのではないかな…と読んでいて感じました。
そして分かってはいましたけどテオの存在がとても大きいですね。どうしてあそこまでできたのだろう…と純粋に思います。お兄さんの絵を信じていたのでしょうか。そしてテオの奥様も素晴らしい方ですね。テオを幸福にも不幸にもしたゴッホの絵を守り続けたんですから。原田さんの作品をもっと読んでいきたいと思いました。素晴らしかったです。

<幻冬舎 2021.5>2021.10.7読了

ハグとナガラ 原田マハ5

ハグとナガラ (文春文庫 は 40-5)
原田 マハ
文藝春秋
2020-10-07


どこでもいい。いつでもいい。
一緒に行こう。旅に出よう。人生を、もっと足掻こうーー。
恋も仕事も失い、絶望していたハグ。突然「一緒に旅に出よう」と大学時代の親友ナガラからメールが届いた。以来、ふたりは季節ごとに旅に出ることに。
ともに秘湯に入り、名物を堪能し、花や月を愛でに日本全国駆け巡る、女ふたりの気ままな旅。
気がつけば、四十路になり、五十代も始まり……。
人生の成功者になれなくても、自分らしく人生の寄り道を楽しむのもいい。心に灯がともる六つの旅物語。
文庫オリジナル短編集です!

旅のお供に持って行った文庫本の中の1冊。ぴったりな本でしたね。意図していたわけではないのですが。年を重ねても1年に何度か必ず旅をする友人がいるって素敵です。ナガラがとても素敵な人でした。私も多分どちらかというとハグに似ている気がして。こうして弱っているときに優しい言葉をかけてくれるナガラのような人がいたら良いなぁーなんて思いました。
6つの連作短編で最初は30代だった2人は最後は50代半ばくらいになっているのかな。お互いも年を重ねたけど、周りの家族も同じように年を重ねて。色々ありますよね。
私は1つ目の物語の2人と同じくらいの年齢です。ナガラがハグに最初にいった「もっと足掻こう」という言葉に凄く胸を打たれました。
「足掻く」という言葉を見たとき、トニセンの「不惑」という曲を思い出しました。「赤い血を滾らせたい もう一度」という歌詞とちょっと似てるなと思って。曲のタイトルから色々察してください^^;
私もまだまだ足掻いていたいし、血を滾らせてギラギラと生きてもみたい。
改めてそう感じさせてくれた作品だったと思います。
旅のお供に持って行ったこの本ですが、1日目の目的地に着く前に読み終わってしまいました(笑)一気読みでした。
私も状況は違えど絶望のさなかにいるような気持ちでいて。私は一緒に足掻いてくれる人はいないけど、一人で足掻いて足掻いて生き抜いていきたいなって思いました。ちょっと重いですね…。
今、読めて良かったです。

<文藝春秋 2020.7>2021.9.24読了

ゴッホのあしあと 原田マハ5

ゴッホのあしあと (幻冬舎文庫)
原田マハ
幻冬舎
2020-08-06


生前一枚しか絵が売れず、三七歳で自殺したフィンセント・ファン・ゴッホ。彼は本当に狂気の人だったのか? その死の真相は? アート小説の第一人者である著者が世界的謎を追う。フランス各地に残されたゴッホのあしあとを辿り、努力家でインテリ、日本に憧れ続けた「人間・ゴッホ」の魅力を再発見。旅のお供にも最適な名解説。

著者である原田さんがフィンセント・ファン・ゴッホのあしあとを辿りながら、ゴッホは何を考え、何を想っていたのか考察しています。
ゴッホと言ったら私はひまわりが思い浮かびます。そして生前は名を残すことなく自殺をした人だという印象です。すみません^^;
私は狂気の人という印象は無かったですが、苦悩はしていたんだろうなとは思っていました。
この本を読んで、それだけではないゴッホの魅力を知ることが出来た気がします。
ゴッホが日本の浮世絵に興味を持ち、日本に憧れを抱いていたというのは聴いたことがありました。でも、林忠正という方は初めて知りました。日本に興味を持っていたゴッホですから、もしかしたら実際に交流があったのかもしれませんね。だったら良いなと思います。
『たゆたえども沈まず』も必ず読みます。

<幻冬舎 2020.8>2021.2.16読了

20CONTACTS 消えない星々との短い接触 原田マハ4



私はある日、私からの挑戦状を受け取った。――20名の巨星との〈接触〉を開始すべし。
『楽園のカンヴァス』でルソーを、『ジヴェルニーの食卓』でモネを、『暗幕のゲルニカ』でピカソを、『たゆたえども沈まず』でゴッホを描いてきたアート小説の第一人者・原田マハが、キュレーターとして自身初となる展覧会を企画。
それに合わせ、以下20名の著名アーティストの真髄に迫る20作品を書き下ろしました。
猪熊弦一郎、ポール・セザンヌ、ルーシー・リー、黒澤明、アルベルト・ジャコメッティ、アンリ・マティス、川端康成、司馬江漢、シャルロット・ペリアン、バーナード・リーチ、濱田庄司、河井寛次郎、棟方志功、手塚治虫、オーブリー・ビアズリー、ヨーゼフ・ボイス、小津安二郎、東山魁夷、宮沢賢治、フィンセント・ファン・ゴッホ――。
アート、文学、映画、マンガ……
巨匠たちの創作の秘密を解き明かす、10年ぶりの書き下ろしアート短編集誕生!

9月に原田さんが監修のアート展〈20 CONTACTS〉が金閣寺で行われていたことは知っていました。でも、やっぱり行くことは出来ず^^;悔しい思いをしたのですが、書籍で少しでも触れることが出来て良かったです。
既に亡くなっている20人の巨星たちとコンタクトをする。面白い企画ですよね。
会ったことがないし、一緒にお話をすることは出来ないのに、インタビュアーが原田さんだから現実的でとてもリアルでした。
解説の方がおっしゃっているように、読んでいて笑みがこぼれるような対談もありました。
知らない方もいましたが、どの対談も面白かったです。でも、もう少し長くお話を聞きたかったな。質問が一つか二つだから仕方ないけれど。
個人的には宮沢賢治が印象的でした。きっと賢治だったらこうやって喋るんだろうなぁと想像しながら読むことが出来ました。

<幻冬舎 2019.8>2019.10.17読了

常設展示室 原田マハ5



パリ、NY、東京。世界のどこかに、あなたが出会うべき絵がきっとある。その絵は、いつでもあなたを待っている。人生の岐路に立つ人たちが辿り着いた世界各地の美術館。巡り会う、運命を変える一枚とは――。故郷から遠く離れたNYで憧れの職に就いた美青は、ピカソの画集に夢中になる弱視の少女と出会うが……(「群青 The Color of Life」)ほか。アート小説の第一人者が描く、極上の6篇。

「群青」憧れのメトロポリタン美術館で働く美青。眼科へ行った時に弱視の少女と出会います。少女は食い入るようにピカソの絵を見つめます。その姿に美青は見惚れます。
「デルフトの眺望」仕事により世界各国を飛び回るなづきは少し前に父親を亡くす。なづきの代わりに父親の傍にいたのは弟のナナオだった。
「マドンナ」あおいは海外での仕事が多く、1人で暮らす母親を気にしつつも傍にいることが出来ないでいた。何気ない母親の電話にいら立つときもあった。
「薔薇色の人生」役所の戸籍課で働く多恵子は壁にかかる色紙について尋ねてきた男性の事が気になって仕事が手に着かないでいた。
「豪奢」憧れの仕事に就いた紗季だったが、若き実業家に見初められ、仕事を辞めることになる。しかし、相手は紗季をロンドンまで連れて行ったにもかかわらずドタキャンをしてしまう。
「道」新人芸術家を発掘する審査委員を務める翠はある絵画を見て過去を思い出す。

どの作品も絵画をモチーフとした原田さんらしい作品でした。
「デフルトの眺望」と「マドンナ」の主人公がリンクしていたのが面白かった。
そしてそれぞれの境遇と選択も興味深かったです。そして温かくて切なかった。
特に最後の「道」は本当に切なかった。でも新たな絆も生まれたはずで、未来に期待したいと思いました。

<新潮社 2018.11>H31.2.16読了

ユニコーン ジョルジュ・サンドの遺言 原田マハ4

ユニコーン―ジョルジュ・サンドの遺言ユニコーン―ジョルジュ・サンドの遺言
著者:原田 マハ
NHK出版(2013-09-26)
販売元:Amazon.co.jp

「それが、それだけが、私の唯一の望み──」
ある一つの望みを未来に託し、ジョルジュ・サンドは永遠の眠りにつく。その昔、彼女は滞在していた古城で美しいタピスリーに魅入られた。そこに描かれた貴婦人が夜ごとサンドの夢に現れ、震える声で語りかける。「お願い、ここから出して」と──。「貴婦人と一角獣」に秘められた物語が今、幕を開ける。
■『楽園のカンヴァス』で山本周五郎賞を受賞したアート小説の旗手・原田マハの書き下ろし。中世ヨーロッパ美術の最高傑作「貴婦人と一角獣」の謎に迫る。/「貴婦人と一角獣」のカラー図版掲載。/ジョルジュ・サンドの短編も収載。

原田さんが書かれているので小説なのかと思ったらちょっと違いましたね。テレビとのコラボの本なんでしょうか。(ちゃんと調べていない)
ジョルジュ・サンド、名前は知っていますが女性だということと小説家だと知ったのは名前を知ったかなり後でした。
名前を知ったのは「ときめきトゥナイト」で作者さんが第1部の登場人物を紹介するくだりがあってこの漫画ファンにはおなじみの「ジョルジュ」と「サンド」が紹介されていて、その部分に「2人の名前を合わせるとジョルジュ・サンドになりますね」と書かれていたんです。で、その方はどなただろうと思って調べて知ったというのがきっかけです^^;漫画に出てくる2人は男性なので勝手に男性だと思っていたのですが女性でしたね。
ジョルジュ・サンドの短編を原田さんが書かれていて、これがずっと続くのかと思ったら歴史書に変わり、ちょっと拍子抜けでした。原田さんの書かれるジョルジュ・サンドを読みたかったなというのが正直なところ。
面白かったですがちょっと物足りなかったかなとも思います。

〈NHK出版 2013.9〉H25.10.20読了

ジヴェルニーの食卓 原田マハ4

ジヴェルニーの食卓ジヴェルニーの食卓
著者:原田 マハ
集英社(2013-03-26)
販売元:Amazon.co.jp

「この世に生を受けたすべてのものが放つ喜びを愛する人間。それが、アンリ・マティスという芸術家なのです」(うつくしい墓)。「これを、次の印象派展に?」ドガは黙ってうなずいた。「闘いなんだよ。私の。――そして、あの子の」(エトワール)。「ポール・セザンヌは誰にも似ていない。ほんとうに特別なんです。いつか必ず、世間が彼に追いつく日がくる」(タンギー爺さん)。「太陽が、この世界を照らし続ける限り。モネという画家は、描き続けるはずだ。呼吸し、命に満ちあふれる風景を」(ジヴェルニーの食卓)。モネ、マティス、ドガ、セザンヌ。時に異端視され、時に嘲笑されながらも新時代を切り拓いた四人の美の巨匠たちが、今、鮮やかに蘇る。語り手は、彼らの人生と交わった女性たち。助手、ライバル、画材屋の娘、義理の娘――彼女たちが目にした、美と愛を求める闘いとは。『楽園のカンヴァス』で注目を集める著者が贈る、珠玉のアートストーリー四編。

4人の印象派、マチス、ドガ、セザンヌ、モネを題材にした短編集です。
楽園のカンヴァスを読み、原田さんの芸術への想いが素晴らしく、無知なりに芸術に興味を持ったので作品も読んでみました。
どの作品も最後がどこかせつなく温かいです。マチスは私は知らなかったのですが、家政婦マリアとの関わりがとても好きでした。画家と家政婦という関係が「真珠の耳飾りの少女」の映画を思い出しました。人は違いますけども。
モネと義娘のブランシェの関係も素敵でした。家族同士の関わりが良かったです。
電子書籍も出ていてそちらは絵が見れるそうですね。電子書籍はまだ関わらなくていいかなぁと思いましたが、これは気になります…

〈集英社 2013.3〉H25.5.9読了

楽園のカンヴァス 原田マハ5

楽園のカンヴァス楽園のカンヴァス
著者:原田 マハ
新潮社(2012-01-20)
販売元:Amazon.co.jp

ニューヨーク近代美術館の学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸宅でありえない絵を目にしていた。MoMAが所蔵する、素朴派の巨匠アンリ・ルソーの大作『夢』。その名作とほぼ同じ構図、同じタッチの作が目の前にある。持ち主の大富豪は、真贋を正しく判定した者に作品を譲ると宣言、ヒントとして謎の古書を手渡した。好敵手は日本人研究者の早川織絵。リミットは七日間―。ピカソとルソー。二人の天才画家が生涯抱えた秘密が、いま、明かされる。

ネタバレあります

テレビでたくさんの有名人がオススメしていたこの作品。ようやく読みました。また、原田マハさんは私初読みの作家さんでした。
面白かったです。ホント素晴らしい。著者さん自身もルソーを愛してやまないんだということが文章からにじみ出ています。
現在の2000年と過去の1983年、またルソーの生きた時代。その時代の交錯がまた見事でした。沢山の物語をいっぺんに楽しめたような。この世界観にどっぷりと浸かることが出来ました。この作品は小説ですけど史実に基づいていますから重みを感じるんでしょうか。
持ち主である大富豪のコンラート・バイラーの正体が分かったとき、こんな繋がりがあるのかとドキドキしながら読みました。
ティム・ブラウンと織絵の議論も面白かったです。真絵の父親は読み始めた時はてっきりティムだと思っていたのですが、全然違いました。ティムに課せられた使命と織絵に課せられた使命。どちらも命が懸っているといっても過言ではないもので、一体軍配はどちらに上がるのだろうと読む手が止まりませんでした。
7日間という短い時間で2人は同志になったのでしょうね。
全て読み終えた後に織絵の17年が失礼ですけどもったいないなぁと思っちゃいました。もっと認められるべき女性だったと思うのに。でも、これから変わっていくのかもしれないですね。
17年後のニューヨークで再開した2人のその後が気になります。

〈新潮社 2012.1〉H25.2.9読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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