苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

夢枕獏

陰陽師 烏天狗ノ巻 夢枕獏5

陰陽師 烏天狗ノ巻
夢枕 獏
文藝春秋
2023-10-06


「もしも、おれが先に死んだら、いったいこの世のたれが、ここに座っておまえの酒の相手をするというのだ」――。
シリーズ第18巻となる最新作には、衝撃的な展開でファンを沸かせた「梅道人」を収録。晴明と博雅の移りゆく気持ちと、変わらない絆とは……。
さらに構想10年・蘆屋道満を主人公に据えた「殺生石」や、動く不動明王にまつわる謎を解く「ちび不動」など、傑作ぞろいの8編を集めました。

健ちゃんが舞台で安倍晴明を演じると聞いてから読み始めた陰陽師シリーズ。ついに追いつきました。
あらすじに書かれている「衝撃的な展開でファンを沸かせた」に笑いました。確かに私も一人で読んでて声が出ましたもんね^m^清明があんなに動揺している姿は初めて読んで気がしましたし、あそこまで動揺させるのは博雅だけなのだろうなとも思いました。あぁ、ニヤニヤが止まりません(笑)っていうかそう言う事をさらりと言う博雅って本当に…可愛いですよね←「梅道人」も良かったですが露子姫が登場する「哪吒太子」「按察使大納言 不思議のこと」も好きです。露子姫が言う「清明のおじさま」が好き(笑)
あとがきも読みましたが、どうかどうか、陰陽師シリーズをしばらく続けて下さい。よろしくお願いいたします。

<文藝春秋 2023.10>2024.5.23読了

陰陽師 水龍ノ巻 夢枕獏5

陰陽師 水龍ノ巻 (文春文庫 ゆ 2-39)
夢枕 獏
文藝春秋
2023-06-07


「博雅よ、無垢は、時に罪だ……」
源博雅の笛・葉二の過去、蝉丸の若き日の恋。
そして、人の魂を召喚する秘事の正体とは。
「陰陽師」シリーズ第17巻!
源博雅の無垢さが鬼をもうろたえさせる「読人しらず」のほか、若き日の蝉丸の恋と、ある秘儀を描いた原稿用紙120枚の中篇「蘇莫者(そまくしゃ)」、そして、碧い眼の陰陽師が登場する「秘帖・陰陽師 赤死病の仮面」など、全8編を収録。
安倍晴明ブームの原点、祝・35周年!

今回は博雅のお話が多めでどれも博雅らしい純粋無垢な感じが存分に出ていてよかったです(笑)
博雅が鬼から譲り受けた葉二の謎が明らかになった「麩枕」が好きでした。博雅は1度聞いただけで笛を吹くことが出来るんですね…。鬼が弾いていた曲を作ったのが母だと名乗る女性。その曲が生まれて博雅に出会うまで長い年月がかかったことが分かりましたし、母親の願いが届けられて良かった…
そして「読人しらず」こちらも博雅が活躍。鬼が気に入った歌をもらい受け一つにまとめようとする。博雅はその鬼に感情のままに意見する。博雅の歌に対する想いが伝わってきて、なんだかじんわりしてしまいました。鬼にもその必死さと情熱が伝わったみたいで良かった。っていう顔にを説得させる博雅強い。
そしてそんな強さがありつつも無垢で鈍感な博雅は知らないところで敵を作り、あわや殺されるところであったという衝撃的な展開もありました。「蘇莫者」は中編でしたね。博雅のこともあり、蝉丸の過去も関わっていました。蝉丸がなぜ盲目となってしまったのかも明らかとなります。
そして清明も博雅も登場しない「秘帖・陰陽師 赤死病の仮面」これは新型コロナを彷彿とさせましたよね…
今回も面白かったです!

<文藝春秋 2021.8>2024.5.13読了

陰陽師 女蛇ノ巻 夢枕獏5

陰陽師 女蛇ノ巻 (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
2021-10-06


「そういうおまえが愛しうて、こういう眼になってしまうのだ。博雅よ」(「さしむかいの女」)
シリーズ開始から30年を迎えた、稀代の陰陽師・安倍晴明と心優しき笛の名手・源博雅が活躍する600万部超の人気シリーズ第16巻。
【目次】
「傀儡子神(くぐつがみ)」桜を愛で酒を呑む晴明と博雅。そこへ道満が木偶を持ってやって来る。
「竹取りの翁(おきな)」老母が山にでかけたまま消えて五年。妻が目が痛いと訴え……。
「さしむかいの女」兄弟子に頼まれた晴明は三日間目を覚まさない男のもとへ向かう。
「狗(いぬ)」女の童をつけ狙う白い狗。道満は童と狗を離すように忠告したのだが……。
「土狼」姿を見せずに人の足を喰うものの正体を、晴明が突き止めると……。
「墓穴(つかあな)」雨宿りするために入った墓穴で、男は鬼と出会った。
「にぎにぎ少納言」毎夜あらわれては少納言の右手ばかり噛む女の正体とは。
「相人(そうじん)」僧の登照は、夜道をゆく博雅の笛の音を聴いて死相を感じた。
「塔」比叡山の僧・玄珍は、奇妙な夢を見た。
「露子姫」薄紫色の衣を来た女性が、露子姫の夢に出て歌を詠むのだが……。
「月を飲む仏」巨大な薬師如来を目撃した晩、博雅の夢に美しい女が現れる。
「蝉丸」逢坂山で独り暮らす蟬丸は自然の中で琵琶を弾く。

何だこのあらすじは…!←
改めて一部抜粋されるとヤバいですね(語彙力)
清明様と博雅は急にそう言うのぶっこんでくるから油断できません…。
今回は道満の登場が多めでしたね。個人的に露子姫が大好きなので出てきてくださり嬉しいです。お名前がタイトルになっているお話は露子姫らしくて可愛らしかったです。ずっとこのままでいてほしい…
蝉丸も好きです。今回は博雅との初めての出会いを蝉丸目線で読むことが出来て嬉しかったです。

<文藝春秋 2019.2、2021.10>2024.4.18読了

陰陽師 玉兎ノ巻 夢枕獏5

陰陽師 玉兎ノ巻 (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
2019-06-06


連載開始から30年目を迎えた、大人気の『陰陽師』シリーズ。
今回も、稀代の陰陽師・安倍晴明と心優しき笛の名手・源博雅が活躍するほか、酒をこよなく愛する法師陰陽師・蘆屋道満や盲目の琵琶法師・蝉丸も登場。
月の蝕が起こる夜、奇異なる兎が晴明を呼ぶ――
二本足で立ち、人の言葉を話す兎が探していたものとは。
今宵も晴明と博雅が、平安の都の怪異に挑む。

こちらで陰陽師シリーズも15冊目になるんですね。
今回は清明や博雅はもちろん、蘆屋道満と蝉丸も登場します。そして今までとは少し異なり太鼓の神様や異国の魔物が登場したりして楽しめました。
1番印象的だったのは「道満月下に独酌す」でした。道満…お前そんなに純愛なことをする奴だったのか…!←この作品で道満の株が上がったんですけど「月盗人」でやっぱりな…となりました(笑)
あとは「魃の雨」が好きです。博雅の良さが表れている作品でした。葉二を奏でる博雅は本当に美しいです。

<文藝春秋 2016.9、2019.6>2024.3.18読了

陰陽師 螢火ノ巻 夢枕獏5

陰陽師 螢火ノ巻 (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
2017-06-08


稀代の陰陽師・晴明と心優しき笛の名手・博雅が活躍する六百万部超の人気時代小説第14弾。今回は、晴明のライバルにして、シリーズ登場人物で人気第三位でもあり、酒をこよなく愛する播磨の蘆屋道満が大活躍。彼を主人公にした三本の短編が登場。通常のシリーズとは、ちと違う平安の幽玄とあわれの世界に読者を誘います。

あらすじに書かれていた通り、今回は道満が活躍する作品が3本ありました。どのお話も道満の想い道理の展開にはならず、結果道満が良い人な感じで終わったのが印象的でした。お、お前!たまにはいいことするじゃねぇか…!となりました(笑)著者さん曰く、清明たちを動かすには手順が必要で大変だけど道満は神出鬼没なので書きやすいとのこと。なるほど(笑)
清明と博雅は相変わらず仲が良さそうで(笑)2人の会話でなぜうぶという言葉が出てくるんだ!←
ずっと続いていってほしいシリーズです。次回も楽しみ。

<文藝春秋 2014.11、2017.6>2024.2.20読了

陰陽師 蒼猴ノ巻 夢枕獏4

陰陽師 蒼猴ノ巻 (文春文庫)
獏, 夢枕
文藝春秋
2016-06-10


安倍晴明と源博雅が活躍する国民的人気シリーズ、「陰陽師」の第11弾(長編、絵物語をのぞく)!
仏師の明念は、助けた女・紅音と懇ろになり、やがて息子・真足が産まれる。明念は、妻子を養うため、野山で獣を獲り、山菜を摘んで暮らしている。やがて妻が病死し、幼い息子を一人で育てるようになった。
ところが六歳になった息子も具合が悪くなり、食べ物をうけつけなくなる。ある日、光り輝く桜の木の洞に、明念は季節はずれの見事な桃の実を見つける。それを息子に見せると、元気を取り戻していくのだった――。
フリーアナウンサー・渡辺真理さんからのお題「桃」にこたえて書かれた「仙桃奇譚」など十編を収録。京の不思議がつぎつぎに晴明と博雅に降りかかる超人気シリーズ。

お題をもらってそのお話を書くって面白いですね。桃がお題のお話面白かったです。
今回はお話がたくさんありましたね。特に博雅の初雪のお話が好きでした。博雅の素敵なところが存分に出てました。

<文藝春秋 2014.1、2016.6>2023.10.19読了

陰陽師 蒼猴ノ巻 夢枕獏5

陰陽師 蒼猴ノ巻 (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
2016-06-10


仏師の明念は、助けた女・紅音と懇ろになり、やがて息子・真足が産まれる。明念は、妻子を養うため、野山で獣を獲り、山菜を摘んで暮らしている。やがて妻が病死し、幼い息子を一人で育てるようになった。
ところが六歳になった息子も具合が悪くなり、食べ物をうけつけなくなる。ある日、光り輝く桜の木の洞に、明念は季節はずれの見事な桃の実を見つける。それを息子に見せると、元気を取り戻していくのだった――。
フリーアナウンサー・渡辺真理さんからのお題「桃」にこたえて書かれた「仙桃奇譚」など十編を収録。京の不思議がつぎつぎに晴明と博雅に降りかかる超人気シリーズ。

「仙桃奇譚」の桃が登場するお話が印象的だなと思ったのですが、まさか対談のお題で書かれた作品だとは知りませんでした。面白いですね!
そういえば今回初めてじゃないでしょうか。「ゆこう」と言われて「ゆけぬ」って答えたのは(笑)
博雅がいけないことで何か起きるのではないか…とドキドキしましたけどそういうわけではなくて安心しました^^
事態が解決してもちょっと物憂げな時などは博雅の葉双の音色が心を癒してくれるのですね。
次作も楽しみです。

<文藝春秋 2014.1、2016.6>2023.6.20読了

陰陽師 酔月ノ巻 夢枕獏5

陰陽師 酔月ノ巻 (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
2017-07-14


晴明は、物憂げな博雅に尋ねると、雅楽寮の主とも言われる橘花麻呂の娘である透子姫の姿が消えたと言う。満開の桜の元で、父の琴を弾いているうちに、琴の音は止まぬまま、姫はいなくなってしまったと言うが――「桜闇、女の首。」
雨で月の見えぬ夜に、一条戻橋の晴明の屋敷で、晴明と博雅が酒を飲んでいると、若き藤原道長が晴明の屋敷を訪ねてやって来た。なんでも今をときめく父の太政大臣、藤原兼家の首から下が突然なくなってしまったという。道長とともに白木の箱に納められてやってきた首のみの兼家は、奇妙な痛みを体に感じると、首のみの姿で語り始めるが――「首大臣」。
東三条殿の南の築山に夜になると「早う望月にならばや……」と一人ごちながら徘徊する五位の装束を着た太った男が都に現れた。烏帽子も眼も鼻も口もないというその男の正体とは?――「望月の五位」。
五条大橋まで野辺送りのために来た屍体が入った棺桶に、いつのまにか蓬髪の老人が入り込んでいた……。老人は、その家族に酒を馳走になるかわり、奇妙な約束をする……蘆屋道満のある日の出来事を描く――「道満、酒を馳走されて死人と添い寝する語」。
朱雀院近くの四条大路で、虎が白楽天の詩を吟じながら人を喰らうという奇妙な事件が起こり――「新山月記」。
ほか、「銅酒の飲む女」「めなし」「牛怪」「夜叉婆あ」を含む全十編を収録。

今回は冬から春にかけての物語なのでしょうか。季節が移ろいで行く様が清明様の庭が感じ取れるようでした。そしてそんな庭を見てお酒を飲んでいたら博雅が突然清明様に愛の告白か?と思うような言葉をさらりと言うのだから油断なりません←
今回はなかなかに想像すると怖い物語ばかりでしたね。
兼家が首だけにされたとか、目を抜かれて目無しになってるとか母親が子供たち(成人している)を食らおうとしてるとか…
そして今回は蘆屋道満が多めに登場していましたね^^良いこともしてました。珍しく←
更に山月記のようなお話もあって興味深かったです。っていうかタイトルが「新山月記」でしたね(笑)
今回も楽しく読みました。

<文藝春秋 2012.10、2015.1>2023.5.31読了

陰陽師 醍醐ノ巻 夢枕獏4

陰陽師 醍醐ノ巻 (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
2013-11-08


都のあちらこちらに楽しげに現れては、伽羅の匂いを残して消える不思議の女がいた。露子姫の前にも姿をみせたという話を晴明が耳にした翌日、蜘蛛の巣に妙なものがひっかかったと僧が訪ねてきた。早速、博雅と寺に赴き、蝶のようなそれを放した晴明が知ることとなった女の正体とは?「はるかなるもろこしまでも」他、全九編。

あらすじに出ていた「はるかなるもろこしまでも」がとても好きでした。ちょっと切ないけど、優しい物語で、露子姫が絡んでいたのも良かったな。
「笛吹き童子」で珍しく博雅が落ち込んで悩んで葉双を返そうとしているのが、どうなるのかとハラハラしました。良かった…返さなくて。
「百足小僧」は想像するとめちゃくちゃ怖かったです…。
今回も面白く読みました。

<文藝春秋 2011.5、2013.11>2023.3.12読了

陰陽師 天鼓ノ巻 夢枕獏5

陰陽師 天鼓ノ巻 (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
2013-08-30


盲目の琵琶法師、蝉丸は美しくも怖ろしい女に取り憑かれていた。空ざまに逆立つ髪、睨むよう見つめる眼―その異様なる気配を感じながらも、蝉丸は敢えて女を落とさず憑く侭にしているというのだが…。一体なぜ?女を哀れむ蝉丸が、ある夜、晴明と博雅を前に語り始めたその哀しい過去とは!?「逆髪の女」など全八篇を収録。

今回はいつも以上に博雅が色々大変だった回でしたね(笑)
モノマネされたり、女性と老人に連れて行かれそうになったり←
モノマネの方はそっくりさんで同じことを話すから読む側も非常に大変でした^^;初めに童が登場したお話はこの童が清明や博雅に繋がっていくのか?と思いながら読み進めていきましたが、途中で笛を吹いていたので博雅なのだろうなと察しました。展開は読めなかったけど…。
今回は蝉丸が登場するものが多かったですね。まさかずっと蝉丸が女性に憑りつかれているとは思わなかった…。でも、真実が分かると切なくなりますね…。
今回も清明が博雅に愛の告白めいたものをして博雅をあたふたさせてるの図を見れて幸せでした←

<文藝春秋 2010.1、2012.7>2023.3.7読了

陰陽師 夜光杯ノ巻 夢枕獏5

陰陽師 夜光杯ノ巻 (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
2012-09-20


またしても都に起きる妖しげな事件の数々。晴明と博雅がその因果を探り、鮮やかに解決。「月突法師」「花占の女」など9篇を収録!
「月琴姫」博雅のもとを夜な夜な訪れる異国の美しい女性。語れども声は聞こえず哀しい目で見つめ、翌朝には残り香とともに消える女が気になった博雅は清明に相談する。清明は帝より博雅が賜ったという、吉備真備が唐より持ち帰った音のならぬ琵琶に興味を惹かれる。
「花占の女」菊屋敷で菊の花びらを数える女のしょうたいとは。
「龍神祭」博雅の愛用の笛である葉二がいつの間にか消えていたという。

特に印象に残った3篇のあらすじを残しましたが…。やはり博雅がらみだと食い気味に読みますよね(笑)初めのお話が博雅の素を夜な夜な訪れる女性のお話。なんだか気になる展開です。でも、話を聞いていくうちに改めて博雅の純粋さが分かってただただ博雅が素敵だと思って終わりましたよね…人でも動物でも物でも同じように慈しむ博雅…素敵です。
あらすじは書きませんでしたが「蚓喰法師」で露子姫が登場して嬉しかったです。これからも時々登場して欲しいな。登場しそう。
そして時たま博雅が純粋に清明のことを「この世にお前がいて良かった」とかいうからこっちは悶えますよね←清明も、博雅がまっすぐに言うからからかえもせず「バカ」とか言っちゃって…みせつけられてる!←これからも少しずつ読んでいきます。

<文藝春秋 2007.6、2009.12>2023.2.17読了

陰陽師 瀧夜叉姫 夢枕獏4

陰陽師 瀧夜叉姫(上) (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
2012-09-20

陰陽師 瀧夜叉姫(下) (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
2012-09-20


(上)平安の都では、奇妙な出来事が次々と起きていた。巨大な蜘蛛の牽く車が姿を現わし、孕み女が、たてつづけに腹を裂かれ殺された。そんななか、顔にできた瘡が突然しゃべりだした平貞盛に晴明と博雅が呼び出される。それらは、やがて都を滅ぼす恐ろしい陰謀へと繋がって行く…。
(下)晴明と博雅は俵藤太とともに、平将門の死の謎を追ううち、将門の遺灰を盗み出した者がいたことを突き止める。事件の裏に見え隠れする将門との浅からぬ因縁。誰が、将門を復活させようとしているのか?そして、その背後に蠢く邪悪な男の正体とは?ラストまで息をつかせぬ展開と壮大なスケールで読ませる人気シリーズ長篇。

10/12、13に東京旅行をしていた時の旅のお供だった作品でした^^
陰陽師初の上下巻。「生成り姫」以来の長編…。いやー…大長編でしたね…。
上巻から不穏な感じはしていたんですよね…。平貞盛の顔に出来た瘡が都をひっくり返すほどのものになるという清明や道満。一体何が…と思ったら平将門が絡んでいたとは…びっくり。
平将門の乱も藤原純友の乱も、何となくしか覚えていないな…。それをこんな大スペクタクルの物語にさせるなんて…さすが過ぎます。面白かったです。
不穏過ぎる状態から清明たちはどう平和を取り戻すのかと思ったのだけど、清明たちも活躍しましたけど、やはり平将門と実際に関わった人たちがキーマンでしたね。俵藤太がかっこよすぎました。
そしてそんな状態の中(だからこそ?)維時と滝子の関係が素敵で、2人はこれからどうなるのかな…と思ったらいいところで終わってしまったので残念^m^
清明と博雅は目立たない感じではあったけど、博雅の言葉がヒントになったり、清明のお陰で滝子が九死に一生を得たり、活躍していましたよね。
面白かった…陰陽師の世界を久しぶりに堪能しました。

<文藝春秋 2005.8、2008.9>2022.10.13読了

陰陽師 太極ノ巻 夢枕獏5

陰陽師 太極ノ巻 (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
2006-03-10


安倍晴明の屋敷で、いつものように源博雅が杯を傾けている所へ、橘実之の娘、虫が大好きな露子姫がやってきた。何でも晴明に相談があるというのだ。広沢の遍照寺にいる僧が、眠る前に読経していると、黄金色をした虫が現われるが、朝には消えてしまうらしい。この虫の正体は―。「二百六十二匹の黄金虫」他、全六篇収録。

シリーズ7作目ですね。ゆっくりと読み進めています。
清明の家の縁側で清明と博雅がお酒を飲み交わしている。その風景が当たり前のようにここに存在していることが嬉しいです。
前回お気に入りになった^^露子姫が再び登場して嬉しかったです。虫が大好きな露子姫ならではの出来事でしたね。それにしても262匹の虫の特徴をちゃんと確認して数もちゃんと数えている露子姫凄い…。また登場してほしいです。
「棗坊主」は老人同士の碁の勝負に口を出したために50年もの月日が経過していた僧のお話。でもこの僧がこうなってしまったのは老人に会う前だったのか後だったのか…とちょっと気になりました。まあ老人2人が人を殺めることはないと思うけど…
「覚」ある屋敷に入った者たちが次々と魂が抜かれたような状態となってしまい、助けを求められた清明。清明が妖に動じない姿にさすがだな…と思いつつ喋ってはいけないと言われた博雅は清明にぴったりくっついて喋らないように頑張ってたのかなと思って勝手に妄想してニヤニヤしてました←
「針魔童子」道満が登場しましたね…でもいつもより優しいというか良い人だったような←そうか、道満は播磨出身なんですね。無くした針が見つかって良かった。

<文藝春秋 2003.4、2006.3>2022.5.6読了

陰陽師 龍笛ノ巻 夢枕獏5



とある晩、安倍晴明の師・賀茂忠行の息子保憲が訪れ、晴明に厄介な一件を頼み込んだ。それは―。藤原為成が一条六角堂で妙な首に憑かれてしまい、命も危ういので助けてやってくれぬか、というものであった。源博雅とともに為成の屋敷へ向かった晴明は…。「首」の他、都の闇にはびこる悪鬼、怨霊たちと対峙する全五篇収録。

清明の師の息子である保憲がちょいちょい出てきますけど、だいたい厄介ごとを持ち込んでくるから多分嫌な奴ですよね←
1番好きだったのは「むしめづる姫」かな。昆虫を愛する姫のことを、読んでいるこちらが好きになりました。姫はこのままでいてほしいな。周りが気味悪がっても決して殺そうとはせず慈しみ、誰かを憎むわけでもない、心がとてもきれいで美しい姫でした。
「首」は怖かったなー。こちらの姫は悪趣味すぎる…って本人が仕組んだわけではないのか。
そして相変わらず清明と博雅のお酒の席での会話が可愛らしくて大好きです。ずっとこのままでいてくれ…

<文藝春秋 2002.1、2005.3>2022.3.25読了

陰陽師 生成り姫 夢枕獏5

陰陽師 生成り姫 (文春文庫 ゆ 2-9)
夢枕 獏
文藝春秋
2003-07-10


陰陽師シリーズ初の長篇。すべてが始まったのは、いまから12年も前のことだった。月の明るい晩に堀川の橋のたもとで、心のおもむくまま笛を吹く源博雅。その音色に耳を傾ける姫。名前も知らない、淡い恋だった…。思い悩む友を、そっと見守る安倍晴明。しかし、姫が心の奥底に棲む鬼に蝕まれたとき、2人は姫を助けることができるのか? 急げ博雅! 姫が危ない──。主人公・安倍晴明はもちろんのこと、無二のパートナーである源博雅の清澄な魅力も全開の作品です。

ようやく舞台の原作を読み終わりました…。危ないところだった←
陰陽師シリーズ初の長編ということでそこも楽しみにしていたのですが、最初に安倍晴明の説明があり、次に源博雅、ずいぶん丁寧に入るなと思ったら、こちらは新聞で長期連載していたんですね。その経緯が面白かったです。なるほど。だから2人の説明が丁寧になされていたのですね。でも、その中に本編の出来事もおり混ざっているからいつの間にか物語に引き込まれている…。流石です。
そして本編ですが…。予想はしていたんですよね…でも、読んでいて辛くて辛くて…哀しかったです。
舞台の演出家の鈴木裕美さんが、初めは健ちゃんを博雅役にという案もあったとおっしゃっていて、それもよくわかりました。この物語の主役は博雅なんですよね。心が綺麗でまっすぐな博雅だからこその物語。でも、やっぱり健ちゃんは清明だというのも分かります。姫を救うためにどうすればいいのか苦しむ博雅をちゃんと傍で見守り支える清明。博雅を慈しみ深く包み込む清明。
そしてその博雅役が林君というのも凄く凄く分かるんですよねー…心の清らかさ、綺麗さ…ぴったりだなぁと改めて。
話を原作に戻しますが。誰だって鬼になりたくてなるわけじゃない。でも、ならざるを得ない場合もある…。物語にifを付けてはいけないのは分かっているけど、もし、もしも12年前に博雅が声をかけ、一歩前に進んでいたら…そうしたら…。そう思わずにはいられませんでした。生成りとなった姫へ向ける博雅の愛情が哀しくて美しかったです。
素晴らしい物語でした。

<朝日新聞社 2000.3、文藝春秋 2003.7>2022.2.25読了

陰陽師 鳳凰ノ巻 夢枕獏5

陰陽師 鳳凰ノ巻 (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
2012-09-20


平安京の暗闇に蠢く魑魅魍魎に、若き陰陽師・安倍晴明と朋友の源博雅が敢然と立ち向かう大好評シリーズ第四弾。今回は、晴明が好敵手でもある蘆屋道満と、帝の招きにより宮中で方術比べをすることになった一件を描く「晴明、道満と覆物の中身を占うこと」や、これまた道満が絡む「泰山府君祭」他五篇。

4冊目まで来ました。
清明と博雅がお酒を酌み交わすところから始まるのがたまりませんね。
今回は蘆屋道満が何度か登場します。生成り姫でも登場するようなので意識して読んでいました。
良いコンビのような気もするし、手ごわい敵のような気もするし、これからも登場してきそうな方でしたね。
女の霊ばかり登場しますけど、女が強いのか男がひどいのかどっちなんでしょう…^^;
「晴明、道満と覆物の中身を占うこと」が面白かったです。2人で闘うのかと思いきやカラクリがあったとは…さすがですね。
さ、次は生成り姫!早めに読まなければ(笑)

<文藝春秋 2000.6、2002.10>2022.2.24読了

陰陽師 付喪神ノ巻 夢枕獏5

陰陽師 付喪神ノ巻 (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
2000-11-10


丑の刻、貴船神社に夜毎現われる白装束の女が鬼となって、自分を捨てた男を取り殺そうとする。そんな男の窮地を救うため、安倍晴明と源博雅が目にしたものは!?女の悲しい性を描いた「鉄輪」他、全七篇。百鬼夜行の平安時代。魍魎たちに立ち向かう若き晴明と博雅の胸のすく活躍、魅惑の伝奇ロマンシリーズ第三弾。

あらすじにも書かれている「鉄輪」が特に印象的でしたね。
その女性のこともそうですけど、何とかしてほしいと男に頼まれた博雅があまり乗り気ではない清明にお願いをするのだけど、2人に自分の姿を見られてしまったと後悔する女の姿が切なく、その姿を見てしまったこと、清明に頼んでしまったことを悔やむ博雅がまた素敵だなぁと思いました。
清明の家の庭に咲く草花を見て物思いに耽る博雅が素敵だし、その言葉にちゃんと応え清明も素敵。
たまに2人の世界に入ってて見せつけられるのなんなんですかね^m^
1冊読んでると1回はそういうことがあるんですけど。大歓迎ですけど←
今回は以前登場した方が再び出てきましたね。
こうした繫がりが出てくるのもなんだか嬉しいです。
舞台「陰陽師 生成り姫」をきっかけに原作を読み始めているのですが今回「生成」という言葉が出てきてドキッとしました。鬼になり切る前の姿、鬼の角が生えかかっている状態のことを言うんですね…。
今回も面白かったです。

<文藝春秋 1997.11 文春文庫 2000.11>2022.2.3読了

陰陽師 飛天ノ巻 夢枕獏5

陰陽師 飛天ノ巻 (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
2012-09-20


「童子のあやかしが出没し、悪さを働いているようだな、博雅」「よし。では、ゆくか晴明よ」。われらが都を魔物から守れ。百鬼が群れる平安京の闇の果て、幻術、風水術、占星術を駆使し、難敵に立ち向う希代の陰陽師・安倍晴明、笛の名手・源博雅。名コンビの活躍、すがすがしくて、いと、おかし。

シリーズ2冊目です。
早くも博雅の実直で優しいところにキュンキュンしています^m^
今作も1冊目と同じく短編集でしたが、1話だけあやかしが全く出てこないお話がありました。ただの狂言だったわけですが、博雅が素直で真面目な人であることをみんなが分かっていて、悪く言うと上手く利用されてしまった回でしたね^^;博雅可哀想。でも、清明が慰めているのもなんだか可愛かったです。
あとは清明から誰が来ても戸を開けてはいけないと言われていたのに、清明の声が聞こえて何の疑いもせずに戸を開けてしまったところとか可愛すぎましたよね^m^一緒にいた方はお母さんが鬼に喰われている(ように見せかけている)声が聞こえても開けちゃダメって言われてたのに。そのあとに博雅がピンチになるのに可愛くて笑っちゃいましたよね。博雅…愛すべきキャラクターです。
舞台で見るのは多分5冊目の生成り姫だと思うのですが今出ているところまでは時間がかかっても読み進めていこうと思います。それにしても驚いたのは1冊目と2冊目の間が10年近くも開いていたということ。待ちに待った新刊だったでしょうね。

<文藝春秋 1995.6、文春文庫 1998.11>2022.1.19読了

陰陽師 夢枕獏5

陰陽師(おんみょうじ) (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
1991-02-09


平安時代。闇が闇として残り、人も、鬼も、もののけも、同じ都の暗がりの中に、時には同じ屋根の下に、息をひそめて一緒に住んでいた。安倍清明は従四位下、大内裏の陰陽寮に属する陰陽師。死霊や生霊、鬼などの妖しのもの相手に、親友の源博雅と力を合わせ、この世ならぬ不可思議な難事件にいどみ、あざやかに解決する。
映画、舞台、漫画にもなった超人気シリーズの記念すべき第一作。

ついに読み始めました。
映画も観よう観ようと思って結局見ていなくて、でも舞台を観ることになったから、先入観なく見られるのでそれでよかったのかなと思います。
でも原作は読んで世界観を知っておきたいと思い手に取りました。
連作短編集のような形だったんですね。そして1番最初の作品は昭和に刊行されていたことを知り息の長いシリーズなんだと改めて気づきました(本当に今更)
安倍晴明は妖を母に持つと噂があるし、本人も年齢不詳で見目麗しい青年…という先入観は持っていたのですが間違ってはいなかったですね。
人ではないものが都で巻き起こすあれこれを飄々と解決していく感じが爽快感すらありますね。清明に弱点はあるのだろうかというくらいいつも余裕な感じで、ちょっと悔しさも感じるような(笑)
そして相方である源博雅は実直で素敵な人ですね。ただ真面目さゆえに清明に振り回されている感じがしますけど^^正反対な2人だからお互いを認め合い、尊敬しあっているのかななんて思ったりしました。
面白かったです。取り合えず来月までに生成り姫まで読みますよー
余談ですが清明の人物像で「四十歳を過ぎていてもおかしくないはずなのに、まだ三十歳にもならない青年のようにも見える」に笑いました。このくだりピッタリですね^^

<文藝春秋 1988.8 文春文庫 1991.2>2022.1.11読了
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苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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