苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

青山美智子

遊園地ぐるぐるめ 青山美智子 田中達也5

遊園地ぐるぐるめ (一般書)
田中 達也
ポプラ社
2025-03-05


田中さんの作品を見て、小説を書きました。――青山美智子
青山さんの小説を読んで、作品を作りました。――田中達也
今まで見たことのない! 最高に幸せなコラボレーション連作短編小説。
青山美智子さん作品の装丁を数多く手掛けている田中達也さんのアート作品。今回は「田中さんの作品を見て青山さんが物語を執筆し、その物語を読んで田中さんがさらにアートを作成する」という、楽しさに満ちた小説です。

ぐるぐるめと呼ばれ親しまれている遊園地に来た6人のお話の連作短編集です。
本当にどのお話も可愛らしくてそこに田中さんの作品が加わって更に完成度が増している気がします。
ハンバーガーショップ店員の恋も、OL同士の話も、老夫婦の会話も、頑張っている営業マンのお話も、家族の大黒柱の話も、バスケ部の仲間たちとの話もどれも可愛らしくて温かくて人を思いやっていて何だか涙が出そうでした。
最後に一緒にいた人たちの目線で描かれていてリンクしているのも青山さんらしさが出ていてとても素敵です。ピエロも素敵だったなー。

<ポプラ社 2025.3>2025.4.14読了

人魚が逃げた 青山美智子5

人魚が逃げた
青山 美智子
PHP研究所
2024-11-14


ある3月の週末、SNS上で「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りした。どうやら「王子」と名乗る謎の青年が銀座の街をさまよい歩き、「僕の人魚が、いなくなってしまって……逃げたんだ。この場所に」と語っているらしい。彼の不可解な言動に、人々はだんだん興味を持ち始め――。
そしてその「人魚騒動」の裏では、5人の男女が「人生の節目」を迎えていた。12歳年上の女性と交際中の元タレントの会社員、娘と買い物中の主婦、絵の蒐集にのめり込みすぎるあまり妻に離婚されたコレクター、文学賞の選考結果を待つ作家、高級クラブでママとして働くホステス。
銀座を訪れた5人を待ち受ける意外な運命とは。
そして「王子」は人魚と再会できるのか。
そもそも人魚はいるのか、いないのか……。

あらすじを読んで一体どんな話なんだろうと楽しみにしていました。王子と名乗る人物が人魚を探しているというのはそのままの意味で、同じ時系列で人生の節目を迎えている男女5人の物語が主な話です^^
青山さんは本当にこういう作品を書かれるのがうまいなぁと思います。また5人の絡み方も見事でいつもと同じように何度か前のページに戻って確認をしました(笑)
リアルとフィクションが交差した感じ、良いですね^^王子の正体が途中判明したかと思ったらそうじゃなかったところも憎いです(笑)
5時間の間、いろんな物語の登場人物たちが銀座をウロウロしていたら…と想像したら面白いです^^
それにしても人のリンクが一つの環のようになっているのが良かったです。お互いに相手が考えているであろうことが正反対だったことが判明して、読んでいるこちらは本当にもどかしかった!もう!言いたいことがあるんならちゃんと言いなさいよお互い!と突っ込みたくなりました(笑)
翌日に海外へ飛び立つ娘と母の会話も良かったなー。素敵でした。
青山さんの作品は、いつも心を温かくさせてくれます。

<PHP研究所 2024.11>2025.2.23読了

リカバリー・カバヒコ 青山美智子5

リカバリー・カバヒコ
青山 美智子
光文社
2023-09-21


5階建ての新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの日の出公園には古くから設置されているカバのアニマルライドがあり、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説がある。人呼んで”リカバリー・カバヒコ”。アドヴァンス・ヒルに住まう人々は、それぞれの悩みをカバヒコに打ち明ける。高校入学と同時に家族で越してきた奏斗は、急な成績不振に自信をなくしている。偶然立ち寄った日の出公園でクラスメイトの雫田さんに遭遇し、カバヒコの伝説を聞いた奏斗は「頭脳回復」を願ってカバヒコの頭を撫でる――(第1話「奏斗の頭」)出産を機に仕事をやめた紗羽は、ママ友たちになじめず孤立気味。アパレルの接客業をしていた頃は表彰されたこともあったほどなのに、うまく言葉が出てこない。カバヒコの伝説を聞き、口を撫でにいくと――(第3話「紗羽の口」) 誰もが抱く小さな痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。

アドヴァンス・ヒルに住む人たちが主人公の連作短編集。
それぞれに悩みを抱える主人公たちが近所にある公園にリカバリー・カバヒコという自分の治したい部分と同じ部分に触れると回復するという都市伝説があるアニマルライドを知り、カバヒコに悩みを打ち明ける。出てくる人たちみんなが愛おしくて、悩んでいることが伝わってきて抱きしめたくなるような作品でした。青山さんの作品はいつもそうです。心の中に入ってきて鷲掴みにされます。そしていつものように少しずつ主人公たちが繋がっているのも素敵。
最後の章のリカバリー・カバヒコが生まれたきっかけの家族のお話も素敵でした。カバヒコという名前は息子の和彦にもかけていたのでしょうか(笑)すべてのきっかけは、クリーニング屋のおばあさんだったんですね。そして奥様がとても素敵な方でした。
おばあさんがちはるにむけて言った「先のことじゃなくて、誰かのことじゃなくて、今の自分の気持ちだけを見つめてごらんよ」って言葉を、私も大事にしていきたいです。

<光文社 2023.9>2023.11.29読了

ユア・プレゼント 青山美智子5

ユア・プレゼント
青山 美智子
PHP研究所
2022-12-08


頑張るあなたに、大切なあの人に――「癒し」と「元気」をプレゼント。
2022年本屋大賞第2位『赤と青とエスキース』の著者と装画家が贈る、大好評アート×ショート・ショート第2弾!華やかな赤い水彩画と心動かす物語を48篇、オールカラーで収録。
本書は、新進気鋭の水彩作家・U-ku(ゆーく)氏のアートから受けるインスピレーションを手掛かりに、ハートフル小説の旗手・青山美智子氏が短い物語を綴った特別な作品集。
美しい絵画と優しい言葉のコラボレーションが、あなたの心にそっと寄り添ってくれるはず。
日々を懸命に生きる自分へのご褒美にも、大切な人への贈り物にも最適な一冊です。

第1弾を読んで、涙が止まらなくなってたまらず購入したという経緯があり(笑)
第2弾も楽しみにしていました。こちらで泣くことはなかったけど^m^青山さんの書かれる文章がとても優しくて、癒しと元気をもらえます。
その文章に合ったアートもまた素敵で、綺麗で見入ってしまいます。
こういうコラボレーションもあるんですね。
前作の青を基調としたのも良かったけど、赤も素敵です。静と動みたいな。

<PHP研究所 2022.12>2023.5.8読了

月の立つ林で 青山美智子5

月の立つ林で
青山美智子
ポプラ社
2022-11-07


長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家――。
つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。
月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの想いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく――。
最後に仕掛けられた驚きの事実と、読後に気づく見えない繋がりが胸を打つ、心震える傑作小説。

青山さんの作品は本当に大好きです。出てくる人みんなが優しくて悪い人が出てこなくて、読んでいるこちらが救われる気持ちになります。
そしていつも、物語の中の人たちは繋がっていて人と人との関わりの大切さを教えてもらっている気がします。出てくる人たちはみんな頑張りたくてもがいていてでもどこか上手くいかなくて。頑張れと思いつつ分かる分かるという部分もあってみんなを応援したくなりました。
最初に登場する元看護師は年齢が近いこともあって1番感情移入してしまったかも。優しいこの人ならきっと、必要とされる職業があるはずだと思ったら最後の方に登場して嬉しくなったり。
連作短編ですべてに登場するタケトリ・オキナ。この人かなと途中で思った人がいたんですけど、微妙に間違ってました^^;改めて、人と人との関わりは、どんなに強固なものでもちゃんと言葉にしないと伝わらないんだなと思いました。
読み終えた後の余韻がとてもあたたかいです。大好きな作品がまた増えました。

<ポプラ社 2022.11>2023.1.18読了

いつもの木曜日 青山美智子5

いつもの木曜日
青山 美智子
宝島社
2022-08-26


2021年、2022年本屋大賞2位受賞作家・青山美智子さんが贈る『木曜日にはココアを』に繋がる温かな物語。累計26万部を突破した『木曜日にはココアを』。その12編の物語に登場したワタル、朝美、えな、泰子、理沙、美佐子、優、ラルフ、シンディ、アツコ、メアリー、そしてマコ。これは彼、彼女たちがあの日に出会う前の物語。そんな前日譚を田中達也さんが作ったミニチュアとともに読む、絵本のような小説です。カップにココアが注がれるその瞬間を味わってください。

「木曜日にはココアを」を読んだのが少し前だったので、ちょっと忘れてしまっているところもあったのですが、読んでいくうちにこんな人いたいた。と思い出していきました。
本当に、絵本のような小説で気軽に楽しめて、そしてやっぱり、心が温かくなります。
出てきた人たちみんなが、幸せでありますようにと思って読み終えました。

<宝島社 2022.8>2022.12.10読了

マイ・プレゼント 青山美智子5

マイ・プレゼント
青山 美智子
PHP研究所
2022-07-11


2022年本屋大賞第2位『赤と青とエスキース』の著者と装画家が再タッグ!
癒しの青い水彩画と心震わせる物語を収録した、世にも美しいアート×ショート・ショート。
心が疲れたと感じるとき、嬉しいことがあったとき、現状を変えるきっかけが欲しいとき……。
そんなときは、美しい絵画と言葉を味わいながら、ゆっくり自分と向き合ってみるのもいいかもしれません。
本書は、新進気鋭の水彩作家・U-ku(ゆーく)氏のアートから受けるインスピレーションをもとに、ハートフル小説の旗手・青山美智子氏が短い物語を綴った特別な作品集。
読む人によっても、読むタイミングによっても、まったく違う景色を見せてくれる本書の中には、今のあなただけが受けとれる、何かのヒントが詰まっているかも。

青山さんが書かれるショートショート。きっと読んでいると、これは私のことだ。と思う作品が1つは出てくると思います。私は2つ目の作品で感じました。そうそうそうなのって泣きそうになりながら読みました。最後は前向きな言葉で終わるので元気をもらえます。
個人的に推しがいる人はぜひ49ページの作品を読んで欲しいです。
私はこの作品を読んで涙しました。読むたびに涙が出ます。
私に推しが出来てから、来年で25年経つことに気づいて驚いているんですけど、私はずっと推しがいたから頑張ってこれたし楽しいし、幸せなんだって思えました。好きな人を好きだと思う初心を忘れずにいられる作品だと思いました。
この作品、初めは図書館で借りたんですけど、読んだその日に本屋に行って購入しました^^;ずっと手元に置いておいて、自分を奮い立たせたいときとか、元気をもらいたいときに読みたいなと思って。青山さんの作品は私に生きる勇気を与えてくれる気がします。

<PHP研究所 2022.7>2022.9.21読了

赤と青のエスキース 青山美智子5

赤と青とエスキース
青山 美智子
PHP研究所
2021-11-16


メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画(エスキース)」。
日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく――。
二度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇。
●プロローグ
●一章 金魚とカワセミ
メルボルンに留学中の女子大生・レイは、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる。しかしレイは、留学期間が過ぎれば帰国しなければならない。彼らは「期間限定の恋人」として付き合い始めるが……。
●二章 東京タワーとアーツ・センター
日本の額縁工房に努める30歳の額職人・空知は、既製品の制作を淡々とこなす毎日に迷いを感じていた。そんなとき、十数年前にメルボルンで出会った画家、ジャック・ジャクソンが描いた「エスキース」というタイトルの絵画に出会い……。
●三章 トマトジュースとバタフライピー
中年の漫画家タカシマの、かつてのアシスタント・砂川が、「ウルトラ・マンガ大賞」を受賞した。雑誌の対談企画の相手として、砂川がタカシマを指名したことにより、二人は久しぶりに顔を合わせるが……。
●四章 赤鬼と青鬼
パニック障害が発症し休暇をとることになった51歳の茜。そんなとき、元恋人の蒼から連絡がくる。茜は昔蒼と同棲していたアパートを訪れることになり……。
●エピローグ
水彩画の大家となったジャック・ジャクソンの元に、20代の頃に描き、手放したある絵画が戻ってきて……。

青山さんの作品は1度最初から最後まで読むだけじゃ終わらないんですよね…。途中で「えぇ!?」と驚き最初から読み返すというのが定番なのですが(笑)今回もそうでした。いやー気づかなかったー!!!いや、額職人のときの2人は気になっていたんですよ。でもちらっと気になった程度でスルーしてました。いやーそうですかそうですか。
最初に登場するブーとレイの関係も気になりますが、2章以降に登場する人たちも個性あふれる魅力的な人たちでした。タカシマさんは調子のいい偉そうな人なのかなと最初に思っちゃってごめんなさい^^;砂川さんとの関係がとても素敵でした。
こうして人と人は繋がっていくんだな…とあたたかい気持ちになりました。
青山さんの作品はいつも読んでいて心が癒されて満たされます。私の心の処方箋です。

<PHP研究所 2021.11>2022.1.5読了

月曜日の抹茶カフェ 青山美智子5

月曜日の抹茶カフェ
青山 美智子
宝島社
2021-09-09


川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。
その「マーブル・カフェ」が定休日の月曜日に、1度だけ「抹茶カフェ」を開くことに。
ツイていない携帯ショップ店員と愛想のない茶問屋の若旦那、妻を怒らせてしまった夫とランジェリーショップのデザイナー兼店主、恋人に別れを告げたばかりのシンガーと実家の祖母と折り合いが悪い紙芝居師、時代に取り残されたと感じている京都老舗和菓子屋の元女将と自分の名字と同じ名前の京菓子を買いにきたサラリーマン……。
この縁は、きっと宝物になる――。
人は知らず知らずのうちに、誰かの背中を押していることに気づく、
一杯の抹茶から始まる、東京と京都をつなぐ12ヵ月の心癒やされるストーリー。
『木曜日にはココアを』のおなじみのメンバーも登場するシリーズ続編です。

2022年最初の1冊はこちらです。
「木曜日にはココアを」の続編。こちらも素敵なお話でした。
はじめはマーブル・カフェから始まるのですが、中にいたのはいつもと違う男性。
定休日に場所を貸していて初めに登場したのが抹茶カフェ。そこにいたのは少し不愛想な男性。抹茶をもてなしてくれます。そこから続く御縁。人が繋がっていく連作短編なのがたまらないですね。
今回もお店で出会ったお二人がかわいらしかったですね。
そして前作に登場した方のその後もわかってちょっとふふっとなったり。
今回登場した方々に会いたいので続編が出ると嬉しいです。

<宝島社 2021.9>2022.1.1読了

鎌倉うずまき案内所 青山美智子5

鎌倉うずまき案内所 (宝島社文庫)
青山美智子
宝島社
2021-04-07


古ぼけた時計屋の地下にある「鎌倉うずまき案内所」。螺旋階段を下りた先には、双子のおじいさんとなぜかアンモナイトが待っていて…。「はぐれましたか?」会社を辞めたい20代男子。ユーチューバーを目指す息子を改心させたい母親。結婚に悩む女性司書。クラスで孤立したくない中学生。いつしか40歳を過ぎてしまった売れない劇団の脚本家。ひっそりと暮らす古書店の店主。平成時代を6年ごとにさかのぼりながら、6人の悩める人びとが「気づくこと」でやさしく強くなっていく―。うずまきが巻き起こす、ほんの少しの奇跡の物語。

あ〜…好き。やっぱり青山さんの作品が大好きです。
1話から6話まで6年ごとに遡っていき、6つの物語が少しずつ絡み合っていきます。
もう何度読み返したか分からないくらい読み返しました。そしたら伏線が出てくる出てくる。
前に読んだ作品に登場した人が遡ってたくさん登場するし、この人はあの人だったのか!って思うところもたくさんあるし、もうもうもう!たまらないです!キュンキュンしちゃいます!
最後の大どんでん返しも本当に大どんでん返しで、騙されたー!でも嬉しいー!良かったー!ってなります。
感想がどれも意味不明な感じですが^^;読んでいただければわかってもらえるはず。
本当に6つとも素晴らしいからどれが好きって言えません。みんな好きです。私も鎌倉うずまき案内所に彷徨いたいなぁなんて思ってしまいました。そこで「ナイスうずまき!」って言われたい。
またしても幸せのお裾分けをいただいた気がします。
まさに何度もぐるぐるうずまきのように読み返したくなる作品でした。

<宝島社 2019.7>2021.11.22読了

猫のお告げは樹の下で 青山美智子5

猫のお告げは樹の下で (宝島社文庫)
青山 美智子
宝島社
2020-06-04


ふと立ち寄った神社で出会った、お尻に星のマークがついた猫―ミクジの葉っぱの「お告げ」が導く、7つのやさしい物語。失恋した相手を忘れたい美容師、中学生の娘と仲良くなりたい父親、なりたいものが分からない就活生、夢を諦めるべきか迷う主婦…。なんでもない言葉が「お告げ」だと気づいたとき、思い悩む人たちの世界はガラッと変わっていく―。あなたの心もあたたかくなる連作短編集。

青山さんの作品本当に好きです…大好きです…。
登場する皆さんも悩んでいましたけど、読んでいるこちらも幸せにさせてくれているような気がしました。
どのお話も選べないくらい本当にいい作品でした。中学生の娘と父親の話も良かったし、お父さんとお嫁さんのお話も良かったし、最後の高校の同級生とのお話も好きだった。もうどれも好き。そしてそのお話たちのその後を住職さんが語ってくれているのもまたいい…
私も頑張ろうと思えたし、この物語に出てくるような人たちのように頑張りたいって思いました。
青山さんの作品はいつもそういう気持ちにさせてくれます。頑張ります。
ありがとうございます。
ところで、キュービックっていう超人気アイドルグループは青山さんの書かれる作品の世界では共通なんですかね^^デジチケのくだりとか詳しすぎて笑ってしまいましたよ。

<宝島社 2020.4>2021.10.26読了

木曜日にはココアを 青山美智子5

木曜日にはココアを (宝島社文庫)
青山美智子
宝島社
2020-06-04


僕が働く喫茶店には、不思議な常連さんがいる。必ず木曜日に来て、同じ席でココアを頼み、エアメールを書く。僕は、その女性を「ココアさん」と呼んでいる。ある木曜日、いつものようにやって来たココアさんは、しかし手紙を書かずに俯いている。心配に思っていると、ココアさんは、ぽろりと涙をこぼしたのだった。主夫の旦那の代わりに初めて息子のお弁当を作ることになったキャリアウーマン。厳しいお局先生のいる幼稚園で働く新米先生。誰にも認められなくても、自分の好きな絵を描き続ける女の子。銀行を辞めて、サンドイッチ屋をシドニーに開業した男性。人知れず頑張っている人たちを応援する、一杯のココアから始まる温かい12色の物語。

また素敵な物語に出会いました。ココアのように心の温まる物語でした。
12の物語が少しずつ繋がっていて、最初と最後も繋がっていて、大きな円になっているかのよう。
「僕」がとってもいい子で、お客様たちもとてもいい人ばかりで、こんな喫茶店が近くにあればいいのになーなんて思いながら読んでいました。どうして舞台が東京とシドニーなんだろうと思っていましたが、著者さんがオーストラリアにお住まいだったことがあるからなんですね、多分。
本当にどの人も素敵だったなー。シドニーに旅行に来たご夫婦が特に素敵だったなー。なれそめも可愛いし、お互いを大事にしているのが伝わってきて本当に素敵。
そして喫茶店の僕とココアさん。最後のお話が素敵すぎます…。人との関わりって温かくて素敵だな…と思えた作品でした。
青山さんの作品に最近癒されています。

<宝島社 2017.8>2021.10.15読了

ただいま神様当番 青山美智子5

ただいま神様当番
青山 美智子
宝島社
2020-07-08


ある朝、目を覚ますと手首から腕にかけて「神様当番」と太くて大きな文字が書かれていた!突如目の前に現れた「神様」を名乗るおじいさんのお願いを叶えないと、その文字は消えないようで……?「お当番さん、わしを楽しませて?」幸せになる順番を待つのに疲れている印刷所の事務員、理解不能な弟にうんざりしている小学生の女の子、SNSでつながった女子にリア充と思われたい男子高校生、大学生の崩れた日本語に悩まされる外国語教師、部下が気入らないワンマン社長。奇想天外な神様に振り回されていたはずが、いつのまにか主人公たちの悩みも解決していて……。

この作品を今、手に取ったのは運命だったのではないだろうか…と思うくらいに自分の今抱えていることに対しての答えをくれたような作品でした。びっくりしました。
何度かとめどなく涙があふれて困りました。私は大体通勤中かお昼休みに本を読むので…^^;
大好きな作品が、また1冊増えました。
朝のバス停。いつも同じ時間帯のバスに乗る年齢も性別もバラバラな5人。なぜか順番に「神様当番」に任じられます。
私は特に最初の水原咲良のお話が好きでした。好きというか、自分の今の気持ちに寄り添って答えを出してくれたような気がして。面白かったというか助けられた気がしました。正直救われた気がします。
次の小学生の千帆ちゃんのお話も好きです。こっちの方が泣いたかな^^;兄弟で1番上で、だから強気で弱いところなんて見せないで毎日頑張ってる。でも、お母さんにいった一言に、涙が止まらなくなりました。そういえば私も、ずっと長い間、両親に名前で呼ばれてないなぁ…と思って。でも千帆ちゃんはやっぱり強くて優しい子でした。弟もいい子だったな。ちょっとイラっとするけど(笑)
5人が登場しますが微妙に人間関係がリンクしているのもまた憎いですね。何度読み返したことか。
本当に、今、読めて良かったです。本にも縁ってあるんだなぁ…なんて思ってしまいました。
青山さんの本はまだ2冊目です。どんどん読んでいきたいです。

<宝島社 2020.7>2021.10.1読了続きを読む

お探し物は図書室まで 青山美智子5

お探し物は図書室まで
美智子, 青山
ポプラ社
2020-11-11


オススメ!
お探し物は、本ですか?仕事ですか?人生ですか?悩める人々が立ち寄った小さな図書室。不愛想だけど聞き上手な司書さんが思いもよらない選書と可愛い付録で人生を後押しします。『木曜日にはココアを』の著者が贈る、明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。

図書室というタイトルに惹かれて読みました。ずっと気になっていたのですがようやく読めた初読み作家さんです。
大福のような大きな司書さんというのがインパクト強いですね。お名前は小町さゆりさん。お団子頭でかんざしを挿しています。
5人の男女が図書室を訪れ本の相談と同時に少し人生の悩みも打ち明けます。
その時に本の案内と共にさゆりさんは羊毛フェルトで作った付録を渡してくれます。まるで意図したかのようなラインナップ。でもそれは自分が見つけ出した答えだとさゆりさんは言います。
性別も年齢も関係なく、皆さんが本を通して、図書室を通して変わって言っている姿を観れてこちらも幸せでした。みんな同じ区民だからリンクしているのも良いですね。
1番好きだったのは浩弥が初めて受け取った給料を全部お母さんに渡して感謝のメッセージを伝えたところ。それはお母さん泣いちゃうよね。こっちも泣きました。
20代の悩める女の子の話も、メリーゴーランドに乗っている40代女性の話も凄く胸に刺さりました。起業したいと思いつつ前に踏み出せない30代男性の話も、退職したお父さんと奥さんのお話もみんな良かった。読んで良かったです。
青山さんのほかの作品も読みます。

<ポプラ社 2020.11>2020.12.14読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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