苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

凪良ゆう

新装版 積木の恋 凪良ゆう4

新装版 積木の恋 (単行本)
凪良 ゆう
フランス書院
2024-03-01


君の百倍、僕は君が好きだ。
僕の世界の真ん中は、もう僕じゃない。それはひどく幸せなことだった。
総合病院の長男である加賀谷は、周囲の期待が重苦しかった。
そんな時に出会った蓮に好意を示され、舞い上がるような心地になる。
借金を背負いながらも一生懸命に生きている彼の力になりたいと思う。
なのに──愛した「蓮」は恋愛詐欺師だった。
彼と過ごした甘やかな時間、それが嘘だとはどうしても受け入れられず……。
短編『ありがとう』も初収録。

凪良さんのわりと初期の頃の作品だそうです。何となく雰囲気というか文章の感じが凪良さんの作品だよね?と思うところがあったので^m^納得でした。新装版のあとがきでも凪良さんが恥ずかしいとおっしゃっていて(笑)そういう頃の作品を読めたのは良かったかなと思います^^
始めは蓮がどうしようもない奴で、加賀谷はどうしてそんなに中身がないのに惹かれているんだろうと思ったら、過去の長い間の想い人に似ていたからなんだなぁと分かって納得しました。まあ始めはそうだったとしても、ちゃんと蓮を一人の人として好きになっていったんだろうな。蓮は相手をお金から、加賀谷は相手を顔から入ったから性格は正反対で、一緒に暮らすとなったらそれはまあ衝突もあるだろうなと思いましたけど、境遇から蓮は甘えられないし自分の意見を押し殺してしまうところがあるので、そこはもどかしいなと思って読んでいました。それでもいくつかきっかけがあって、少しずつ2人が歩み寄っていく感じがとても好きでした。終盤から登場した万里がとってもいい味を出していましたね^^三浦しをんさんがBLが好きだけどBLでは割とタブーな女の子も私は登場させたいみたいなことを言っていたの思い出して、確かに男性しか出てこないより良いなと思って読んでいました。これからまた様々な壁にぶち当たることもあるかもしれないけど、2人は言い合いしてケンカしながら絆を深めていってほしいと思いました。

<フランス書院 2024.3>2024.9.27読了

ニューワールド 凪良ゆうの世界 凪良ゆう5

ニューワールド 凪良ゆうの世界
凪良ゆう
中央公論新社
2024-02-21


二度の本屋大賞受賞、BL作品の世界的大ヒットを成した人気作家が語る、小説への思いとは?
執筆のきっかけをくれたミュージシャン、BLジャンルの大先輩、ともに業界を駆け抜ける戦友、そして今は亡き最愛の作家――。
対談やコミカライズ、全作品インタビューを1冊にまとめた、凪良ゆうを深く知るための必読書!
ここでしか読めない『滅びの前のシャングリラ』スピンオフ小説「ニューワールド」を特別収録。
【対談】
橋本絵莉子(ミュージシャン)
芦沢央(作家)
ヤマシタトモコ(漫画家)
町田そのこ(作家)
榎田ユウリ(作家)
山本文緒(作家)
【インタビュー】
デビュー15年、全作品を振り返る
【座談会】
凪良ゆう担当編集者座談会
【コミカライズ】
浅野いにお『滅びの前のシャングリラ』
【掌編小説】
「ニューワールド」

凪良ゆうさんが書かれた作品のことが詳細に分かる1冊です。
私は文芸書での作品はすべて読んでいると思いますが、BLの作品はほとんど読んだことがありません。凪良さんがどんな思いで書かれていたのかを知ることが出来たので、読んでみたいなと改めて思いました。対談も皆さん面白かったです。そういえばチャットモンチーの曲で歌詞にシャングリラってありましたよね!←そちらは人の名前を差していたのだということをこちらの対談を読んで知りました。そうなんだ!
作家さんとの対談はとても興味深くて面白かったです。特に最後の山本さんとの対談は、もう読むことはできないんだと思ったら哀しくて、1文字も逃さないように読みました(笑)最後に恋愛のバトンを受け取った凪良さん。そのまま走り続けていってほしいななんて思いました。

<中央公論新社 2024.2>2024.4.3読了

星を編む 凪良ゆう5

星を編む
凪良ゆう
講談社
2023-11-07


『汝、星のごとく』で語りきれなかった愛の物語
「春に翔ぶ」−−瀬戸内の島で出会った櫂と暁海。二人を支える教師・北原が秘めた過去。彼が病院で話しかけられた教え子の菜々が抱えていた問題とは?
「星を編む」−−才能という名の星を輝かせるために、魂を燃やす編集者たちの物語。漫画原作者・作家となった櫂を担当した編集者二人が繋いだもの。
「波を渡る」−−花火のように煌めく時間を経て、愛の果てにも暁海の人生は続いていく。『汝、星のごとく』の先に描かれる、繋がる未来と新たな愛の形。

「汝、星のごとく」の続編です。その後の物語が描かれています。
まず初めの「春に翔ぶ」の物語の展開に驚きました。北原先生と結の関係って前に描かれていましたっけ。何と情熱的なことをしてるんですか北原先生(少し違う気がするが)親御さんのことは切なすぎましたけど、北原先生自身が結を育てるという選択をし、2人で生きていく決意をしたのが何だか胸が熱くなりました。月に1度会いに行く菜々さんのことも分かって良かったです。
編集者2人の話も熱かったな…。失礼ながら名前は覚えていなかったんですけど、ずっと支えてくれた人がいたから櫂たちは生きてこれたんですよね。
そして最後の「波を渡る」そんなに先の物語まで読むことが出来るとは思っていませんでした。何度かお互いのためを思って離婚の話も出てきたことがありましたが、ちゃんと話し合いをして誤解を解いているのとか、理想的だなと思いました。
島に住んでいて本当に若い頃からずーっと色々言われてきてるのに、それを憎まず呆れて終わるのが2人ともタフだなぁと思いました(笑)
結もなかなかな人生になってきていたけど^^それでも楽しそう。そして2人を取り巻く家族たちが、血が繋がっていてもいなくても強固に繋がっているのが本当に良いなと思いました。
読んでいる側も、幸せな家族を見ることが出来て良かったです。

<講談社 2023.11>2024.2.21読了

汝、星のごとく 凪良ゆう5

汝、星のごとく
凪良ゆう
講談社
2022-08-03


ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。
風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。
ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

読んでいて辛くて、でも読む手が止まらなくて、ただただ暁海と櫂が幸せになってほしいと願いながら読んでいました。読んでいる間、こちらもずっと閉塞感を感じながら読んでいました。
プロローグからなんだか嫌な感じが漂っていて、暁海が今の家族を裏切るようなことをしたのだろうか…なんて思いながら暁海の17歳の頃から始まり、読み進めていきましたが、予想外過ぎましたね。そりゃそうですよね、そんな読者がすぐわかるような展開にはしないですよね←
始めはただただ暁海と櫂の境遇が辛くて。
暁海の父親が家族を裏切ったのが始まりなのに、壊れた母親の面倒を押し付けて、暁海は母親から逃れられない。
櫂もまた恋愛体質の母親に翻弄されて自分の力で自立しようともがいている。
2人は本当に優しくて良い子。でもそれは誉め言葉にはならないですよね。子供は親の所有物ではないのに。2人の境遇が歯がゆくてしょうがなかったです。自分たちが蒔いた種なのに好き勝手に自分の願望を子供に押し付けて、あああああ腹立つー!!!←
プロローグから暁海と北原先生が夫婦になることは分かっていましたが、こういう展開でしたか。こういう夫婦も良いな…。ある意味気が楽なような気がする。お互いに寄り添いはするけど縋りはしない関係ってフラットで良い気がします。また娘さんも色々としっかりされていて(笑)親子という縛りではなく、暁海と結は相性が良くていい関係なんだなと思いました。こっちの関係も好き。暁海を送り出す台詞がかっこよかったなー。まあある程度結が大人になっているというのもあるのだろうけど。
櫂は最後まで切なかったな…1度生活水準が上がってしまうと下げられないよね…。お互いに好きな気持ちはあるのに、うまくかみ合っていないのが読んでいて切なかったです。
それでも短い時間だけでもようやく2人が一緒になることが出来て、幸せな時間を持てて、良かったと思いました。2人は親には恵まれなかったけど、周りの大人には恵まれたんですよね。瞳子さんも好きだったな…。暁海が慕うのも分かる気がしました。
物語を読んでからのエピローグを読んだら、プロローグと内容は同じなのに全然見方が違うのにびっくり。凄い…。いっそ清々しさすら感じます。ここまで読んだら、周りの目なんてどうでもいいよな…なんて思いました。自分が当事者だったらそれはまた別の話だけど^^;
素晴らしい物語でした。

<講談社 2022.8>2022.10.11読了

ここで待ってる 凪良ゆう4



おまえの体、キスするのに丁度いい―。初対面のゲイバーで大胆に誘ってきた小悪魔美人の飴屋。空手道場の師範代で、恋愛ではいつもお兄ちゃん止まりだった成田が、一目で本気の恋に堕ちてしまった…!?ところが数日後、道場で再会した飴屋は、七歳の息子を持つ良きお父さん!!一夜の情事などなかったように、隙を見せようとしない。どちらが本当の顔なのか…?成田は不埓な劣情を煽られて!?

凪良さんのBL作品を読んだのは初めてでした。
冒頭の2人の出会いが衝動的過ぎて(笑)そこからの子供を交えての再会はなかなかに気まずいですよね(笑)でも、ゲイだと思っていた相手には子供がいて、だからもちろん家庭もある。一目ぼれをしてこんな相手は二度と会えないかもしれない!と思った成田は激しくがっかりします^m^
それにしても、成田は良い人ですよねぇ…。良いお兄ちゃんと言われるのが分かる気がします。そして利用されるだけされてきっと恋愛に発展することなくさようならをしてしまうんでしょうね…カワイソ。
著者さんご本人もおっしゃっていましたがいろんなエピソードがてんこ盛りで闇鍋状態と言えばそうでしたね^m^読んでいる方はいろんな展開が出てくるので面白かったですが。
成田のおじいさんが本当に良い人でしたし、のばらも素敵な女性でした。
飴屋の気持ちにちゃんと気づいて背中を押してあげている優しい女性。でも、押し切ってあげたいけど出来ない現状もある。そのもどかしさを最後はまるっと解決していくわけですが、小さな家族が寄り添って一つの大きな家族になる形が良かったです。

<徳間書店 2015.7>2022.7.1読了

すみれ荘ファミリア 凪良ゆう5

すみれ荘ファミリア (富士見L文庫)
凪良 ゆう
KADOKAWA
2018-07-14


トイレ、風呂、台所共有、朝食夕食付きのおんぼろ下宿すみれ荘。大家代理兼管理人をしている一悟は、古株の青子、TV制作マンの隼人、OLの美寿々ら下宿人と家族のように暮らしていた。そこに、芥一二三と名乗る新しい入居者がやってきた。作家だという芥は、マイペースで歯に衣着せず、攻撃的ではないけれども思ったことを平気で口にする。そのせいか、平穏なすみれ荘の住人たちの今まで見えなかった顔が見えてきて―。一つ屋根の下の他人、そして家族の再生ものがたり。

凪良さんの作品が続きます。
血のつながりはないけど、みんなが長く一緒に住んでいるから何だか家族のような関係になっているすみれ荘の人たち。凪良さんがあとがきで書かれていましたが、血のつながりがない人とも一緒に暮らすような環境で育ったそうで、だからこういう作品が書けるのかなーと思いました。
あらすじを読んでいて、芥が下宿人の関係をかき乱すのかと思ったけどそうではなかったですね。みんなが今まで言わなかったことを口にすることで改めてみんなの内面が見えてくる。それはそれでよかったのかなと思いました。隼人は嫌いだと思ったけど、それ以上の真相があって、感情がむき出しの分かりやすい隼人はまだましなのかなと思ったり。美寿々も「負けるもんか」と闘志むき出しの感じが好きでした。青子に関しては何となく予想していたこともあったけど、ちょっと怖い。ただ、怖い要素以外の青子の性格は似ているところもあって、だからこそ怖かったかもしれません^^;
愛ってなんだろう血の繋がりってなんだろう家族ってなんだろうって読んでいる間ずっと考えていました。芥も別に自分が可哀想な境遇だとは思っていなくて、兄はどんなもんだろうと思って見に行ったら妻を事故で亡くし、まともな会社勤めが務まらない極端な虚弱体質から娘も義父母に連れていかれたという寂しい境遇であることを知る。
全ては手遅れのように感じたけど、そうではなかったですね。全部を失ってからまた新しく始まっていく感じが良かったです。義父母の態度は最初から最後まで嫌でしたけど。
とにかく1番は、兄弟が何だかいい関係になって良かったということです。24年という長い月日をこれから埋めて言ってくれたら良いなぁと思って読み終えました。

<KADOKAWA 2018.7>2020.10.30読了

滅びの前のシャングリラ 凪良ゆう5

滅びの前のシャングリラ (単行本)
凪良 ゆう
中央公論新社
2020-10-07


「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして―荒廃していく世界の中で、四人は生きる意味を、いまわのきわまでに見つけられるのか。圧巻のラストに息を呑む。滅び行く運命の中で、幸せについて問う傑作。

友樹、信士、静香、Locoの4人の視点で物語が繋がっていきます。人も繋がっていくので展開が面白くて一気読みでした。
小惑星が衝突して世界が滅びるというあらすじを読んで「終末のフール」を思い出しました。あちらはそれまでの期間が長くて(8年後)散々荒れた後の無風のような状態の時が描かれていましたが、今回は1か月後ということで最初から最後まで荒れてました(笑)いや、笑い事じゃないんですけど。
この物語に登場する4人(5人か)は、世界が滅びると知った後の方が幸せそうでした。そしてもう少し生きたいと願うようになります。いじめられっ子の友樹は心の優しい子でした。同級生のマドンナである藤森さんに小学生の時から恋をしている。でも、スクールカーストの頂点と底辺で釣り合わないと諦めている。こんな温厚な子なのにお母さんがなかなかの感じで^m^読んでいくうちに理由が分かっていきます。マドンナの藤森さんにも抱える深い闇があって、ヤクザの信士も静香もそれぞれの想いがあって。残り1か月で今までの時間を埋めるように過ごしていく生活が読んでいても愛おしく感じました。幸せな家族に見えたと思います。Locoも、自分が幸せだと感じることに最後に気づいて良かった。
でも、ラストが滅亡だったのかはわかりません。生き延びることが出来て未来を再び紡いでいってほしいと思いました。
更に初回限定?で収録されていたイスパハンも素晴らしかった。友樹と雪絵が未来でもずっと仲良くいられますように。

<中央公論新社 2020.10>2020.10.29読了

神さまのビオトープ 凪良ゆう5

神さまのビオトープ (講談社タイガ)
凪良 ゆう
講談社
2017-04-20


うる波は、事故死した夫「鹿野くん」の幽霊と一緒に暮らしている。彼の存在は秘密にしていたが、大学の後輩で恋人どうしの佐々と千花に知られてしまう。うる波が事実を打ち明けて程なく佐々は不審な死を遂げる。遺された千花が秘匿するある事情とは?機械の親友を持つ少年、小さな子どもを一途に愛する青年など、密やかな愛情がこぼれ落ちる瞬間をとらえた四編の救済の物語。

幽霊の夫と暮らすうる波と、生活していく中で知り合う人々との交流を描くオムニバス形式です。凪良ゆうさんの作品を読んでいると「普通」ってなんだろうって考えさせられます。
色んな愛の形があって、それは他者から見ると異常でも、本人にとっては真剣で真っ当な愛であったりする。
佐々と千花の恋愛が1番歪んでいる気がしました。中学生の時から7年付き合っていているのが当たり前で、だからこそ千花の愛は悪い方向へ向かってしまったのかな…と思いました。
春くんと秋くんとの交流がとても好きでした。うる波の関わり方がとても良かったです。
立花さんと安曇くんに関しては時間が解決するんじゃないかな。いつか2人がお互いに想い合っていることにちゃんと気づけると思います。その時が楽しみですね。にしてもただの熱血漢だったあの先生は何だったんだろうか…
「普通」に考えたら同じように年を重ねられない幽霊と一緒に暮らすなんて異常かもしれない。でも、想うことは自由だ。恋愛は自由。最後が少しドキッとしたけど2人はそれでいいのだと思いました。それで2人は心から幸せなのだからそれで良いんですよね。

<講談社 2017.4>2020.10.19読了

わたしの美しい庭 凪良ゆう5

わたしの美しい庭
ゆう, 凪良
ポプラ社
2019-12-04


オススメ!
統理と小学生の百音はふたり暮らしだが、血はつながっていない。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。その生活を“変わってる”という人もいるけれど、日々楽しく過ごしている。三人が住むマンションの屋上には小さな神社があり、地元の人からは『屋上神社』などと呼ばれている。断ち物の神さまが祀られていて、悪いご縁を断ち切ってくれるといい、“いろんなもの”が心に絡んでしまった人がやってくるが―そこを訪れる“生きづらさ”を抱えた人たちと、「わたし」の物語。

いやー…良かった…。本当に良かったです…。もったいないと思いつつ一気読みでした。止まらなかった。凪良さんの作品は2冊目ですが好き。大好きです。
今回は物語によって主人公が変わる連作短編集です。百音から始まって百音で終わるのが良いな。
同じマンションに住む桃子に路有にかつてこのマンションに住んでいた基。
それぞれが抱える問題を取り上げながら、同じ住民と同じ時を過ごす。
やっぱり桃子の回がグサグサ刺さったかなぁ。刺さるけど読み終えた後には何だか私も背筋をちょっと伸ばして生きられるようなそんな感覚になりました。
39歳の桃子。母と2人暮らしで母は独り身の桃子を心配して勝手に見合い話を決めたりする。職場も若い子が多くてお局扱いされている。
母親の言動はいちいち癪に障りましたね^^;私も同じような年齢だしなぁ…。
私の両親は多分諦めているので何も言いません。弟と妹が結婚して子供がいる(もうすぐ産まれる)のが大きいかもしれない。だから、こんな子がいてもまあいいかと思っているのかもしれないです。
桃子が心の奥底に秘めていた想い。それを引っ張りだしてこれて良かったです。重いって思われたっていいじゃないか。周りがどう思おうと、自分は自分。自分の人生は自分のもの。縁切り神社に書いた「世間体」って凄く良い。私も縁切り神社に行く機会があったら同じことをしてみよう。
私が結婚しないのは出会おうとしてないのもあるけど、男の人が苦手で嫌いだから。パワハラに遭ったことで私は男の人が怖い。父親や弟が怖いと感じる時もあった(一応過去形)
だから、私は2.5次元の男の人の事が大好きなのかもしれません。私を直接傷つけたりしないから。そして私(達)を大事に想ってくれているから。だから惹かれるのかもしれません。
私はずっと、自分が稼いだお金を自分のためだけに時間を使うって決めたんです。
もしかしたらそんな私の想いを取っ払ってくれるような人が今後現れるかもしれないけど、とりあえず今はそう思ってます。
桃子のように近くにこんな素敵な隣人さんがいてくれたらもっといいんだけどな。まあ多くは望みません。
基も何だか危なっかしかったけど、桃子たちに出会えてよかったね…。別にゆっくりでいいよ…。
私も微妙に同じような感じで病院に通ってるけど、焦っても何も良い事ないから。33歳なんて若い若い←これからこれから。
恋愛は人それぞれだし家族の形だって人それぞれ。他人がどう言おうと自分たちの人生は自分のもの。自分の人生をちゃんと生きて、自分をもっと好きになりたいとそう思えた作品でした。読めて良かった。出会えてよかったです。凪良さんの作品を、もっともっと読んでいきたいです。

<ポプラ社 2019.12>2020.5.12読了

流浪の月 凪良ゆう5

流浪の月
凪良 ゆう
東京創元社
2019-08-29


あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人間を巻き込みながら疾走を始める。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。

ツイッターでこの作品がたくさん取り上げられていて、気になって手に取りました。初読み作家さんです。
いやー…言葉に出来ないです。何も言えない。でも、とても余韻の残る作品です。
恋愛、結婚、出産、みんながしているからと言って別に自分がしたいと思っていないのにしなくても良いと私は思います。そういう時代でもないですし。また、病気や障害からそれが望めない人もいる。一人ひとりみんな違う。それを群らがることが好きな人たちは分からない。
更紗も文も、出会った時に共通の何かを抱えていた。世間ではそれが認められない、下手をすれば犯罪だと呼ばれるものだとしても、2人は支え合っていた。それを2人がいくら主張しても、周りは自分が正しいと思った優しさしか示せない。善意だと思って言ったりやったりしているから本当にタチが悪い。
現代はデジタル社会だから、どんなに時間が経っても事件は時効が無いし上書きされる。
それでも更紗と文は自分たちが生きやすいように生きていくことを選んだ。
どこへ行っても何をしても監視されているような環境から抜け出して生きていった2人はとても幸せそうでした。2人で一緒に過ごしていても夫婦でも恋人でもない。でも、お互いに大事で一緒にいたいと思う。その感情だけで良いと思いました。
梨花という理解者が出来たことも良かった。ちゃんと2人自身を見て判断してくれる人もいる。
読み終わった後も余韻が残り、心にずしりとのしかかるような作品だったけど、最後がとても良かったです。
面白かったという言い方は正しいかはわかりませんが、面白かったです。更紗の叔母の息子の事、更紗のDV彼氏の事、世間の目、腹ただしいことはたくさんあったけど、夢中で読みました。一気読みでした。2人がどうなるのか、幸せになれるのか、気になって仕方がなかったです。

<東京創元社 2019.8>2019.12.4読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
Categories
Archives
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

記事検索
Recent Comments
  • ライブドアブログ