◆第一話 十二月の奇跡◆
ろくでもない人生を送ってきたと嗤う老人は、空港で我が身を振り返る。そんな彼にも身のうちに抱いた宝石のような思い出があった。
◆第二話 雪うさぎの夜◆
海外で気が向くまま自由に暮らしてきた、画家兼ライターのあずさは、久しぶりの帰郷の後、夜の空港で、穏やかに生きた亡き母を思う。
◆第三話 竜が飛ぶ空◆
世界を救う医師を夢見て浪人中の翔太郎は、嵐の空港で、魔法使いのような不思議な男に出会う。亡き父に似たそのひとの正体は?
◆第四話 屋上の神様◆
子どもの頃から、涙をこらえ、頑張ってきたタクシー運転手の今日子。思わぬ病を得て気弱になった彼女が空港の屋上で出会ったのは、二匹の狐とそして――
◆最終話 夢路より◆
出張のため、都会の空港に降り立った司。ストリートピアノを奏でる青い目の老婦人になぜか懐かしそうに声をかけられ――
続編が出てとても嬉しいです。前作は泣きそうになりながら読んだのを思い出しました。
今回の作品も本当にどのものがたりも素敵で、美しくて、また泣きそうになりました。
今一人だと思っていても、一人じゃないよって、見守っているからねって誰かが言ってくれているようなそんな気持ちにさせてくれます。
私が言われたわけではないけれど、あなたが選んだ道は間違っていないよって言われているような。
どの作品もとても素敵だったのですが、最終話で小学生の時に関わった同級生が時を越えて再び人生が交差する感じがとても素敵で、猫ちゃんが手助けしてくれたのかなと思ったり。
読んでいるこちらもとても幸せな気持ちになれました。
<徳間書店 2025.1>2025.2.17読了