天から与えられた才能はどこへ消えた?
舞台はヴィクトリア朝京都。
洛中洛外に名を轟かせた名探偵ホームズが……まさかの大スランプ!? 謎が謎を呼ぶ痛快無比な森見劇場、ついに開幕!
この手記は脱出不可能の迷宮と化した舞台裏からの報告書である。 いつの間にか迷いこんだその舞台裏において、私たちはかつて経験したことのない「非探偵小説的な冒険」を強いられることになったわけだが、世の人々がその冒険について知ることはなかった。スランプに陥ってからというもの、シャーロック・ホームズは世間的には死んだも同然であり、それはこの私、ジョン・H・ワトソンにしても同様だったからである。 シャーロック・ホームズの沈黙は、ジョン・H・ワトソンの沈黙でもあった。
シャーロック・ホームズの話なのに舞台は京都?とその設定から興味をそそられる内容でした^^
私はシャーロック・ホームズの本を読んだことがなかったので登場人物の名前で分かる人はいますが、ホームズが関わった事件等はよく分からないのでもったいないことをしているのだろうか…と思いながら読んでいました(笑)
途中からの展開にドキドキし、読む手が止まらなくなりました。
まさにハラハラドキドキです。
ロンドンのホームズと京都のホームズ、一体どちらが本物なのか、読んでいてもよく分からなくなりましたが^^;最後のヴィクトリア女王の佇まいと言葉がとても印象的でした。
物語は分からないですがホームズやワトソンは多分哀しい別れをしていると思うのですが、こちらは皆が幸せそうで大団円で良かったなぁと思います。
<中央公論新社 2024.1>2024.2.15読了