迷うのも変えるのも、生き物ががんばって暮らしているから起こる、素敵なことです――。
外敵に襲われ逃げ出したところを、茂さんに助けられたチャボの桜。
茂さんは、仕事も人間関係もうまくいかず調子を崩して、東京の下町の商店街でジイチャンが営む金物店の二階に居候している。
ある日、茂さんを外へ連れ出してくれる相手を探しに出かけた桜は、さまざまな出会いを引き寄せることに――。
本邦初! キュートでユーモラスなチャボ小説。
彩瀬さんの新刊だ!と思い、あらすじを読まずに読み始めたのですが、まさかの主人公がチャボ!チャボ目線の物語!新しい!ということで楽しく読みました。
チャボの桜さんのご主人は茂さん。前に勤めていたお仕事で体調を崩し、祖父母の家に居候をしています。引きこもっていた茂さんだけど、桜さんの姿が見えなくなったことで頑張って外に出たことが大きな一歩だったんですよね。小さな商店街の中でいろんなところに少しずつ居場所を見つけているような気がしました。ジイチャンが茂を見つけてくれたから居候しているのかと思ったけど、両親を見るにそれだけではなさそうな感じでしたね。両親のもとに行っていたら悪化していたかも。ジイチャンとバアチャンが優しい人で良かった。茂は思いやりのある優しい子でした。色々あったけど、みんなが無理せず助け合ってこのまま生活していけたら良いなと思いました。優しい物語でした。
<ポプラ社 2024.6>2024.6.13読了