苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

大沼紀子

路地裏のほたる食堂 3つの嘘 大沼紀子5



闇夜に現れる屋台「ほたる食堂」は、過去の記憶を一切持たない店主の神宗吾と、学生アルバイトの鈴井遙太が営む美味しいお店。今夜の一品、ビーフストロガノフの芳醇な香りに包まれ、いつもの平和な夜が始まろうとしていた矢先、一見客の紳士がもたらした「駆け落ちした一人娘の行方不明」事件によって、食堂は大騒動!大切な思い出のレシピに隠された、甘くてしょっぱい家族の物語。

シリーズ第3弾です。
相変わらず人の困りごとに首を突っ込む遙太。良い奴だから困っている人を何とかしたいと思っているんでしょうね。それでも自分一人ではどうにもならず結局神を頼りにして結局は巻き込まれるという^^;
神の記憶喪失は以前改善の余地がありませんでしたが、行方不明になっている女性の手がかりを探すためにもしかしたら神の過去も分かるかも…!と思うくだりもありましたが、結局そこでは分からずじまい。
更に一人娘の行方不明事件はどんどん不穏な空気が漂ってきて一体どうなるんだと思いましたが、そこはやっぱり名コンビのお陰で。前作の様にハラハラドキドキでしたが何とか収まって良かったです。
そしてとても気になる終わり方。
いよいよ次回は神の過去が明らかになるのでしょうか。楽しみです。

<講談社 2019.6>2019.8.27読了

路地裏のほたる食堂 2人の秘密 大沼紀子4

路地裏のほたる食堂 2人の秘密 (講談社タイガ)路地裏のほたる食堂 2人の秘密 (講談社タイガ)
著者:大沼 紀子
講談社(2018-01-24)
販売元:Amazon.co.jp

神出鬼没の屋台「ほたる食堂」店主の神宗吾と、冬休み限定の高校生バイト鈴井遙太には、秘密がある。それは「料理を食べると作り手の思念や過去が見える」というもの。奇妙な力を隠したい神と力が役に立つことを信じる遙太の前に、思い詰めた一人の客が。彼の悩み―姿を消した少女の行方捜しを手伝ううちに、屋台の元常連客・倉持翔平のきな臭い失踪事件に巻きこまれ…。

シリーズ第2弾です。そういえばこの作品、1冊目が何だか気になる始まり方をして、それが尻切れトンボのような感じでモヤモヤが残る終わり方だったような気がするのですが…それすら何だったか覚えていませんが^^;
読んでいて思い出してきました。神と遥太は人が作ったものを食べるとその人の感情や何やかやが見えてしまう能力を持つんでした。
同じ能力を持っていても、それを隠したい神と何か人の役に立つのではと考える遙太で正反対。それでもそれぞれの言い分がちゃんとあってどちらも納得してしまうのだから仕方ないというかなんというか…。
そのせいで今回色々関わってしまって、巻き込まれていくわけだけど、それでもまあ結果的には良かったのかなと思います。
行方知れずになった少女の行方を探すのと、更に屋台の常連客だった人でその人も行方知れずになっていて探すのと、人間関係が繋がっていくのが面白かったです。
皆が人の事を考えて思いやっていて、良いお話でした。少しハラハラするけどまた続編が出てほしいです。神が何者なのか、それも気になります。

<講談社 2018.1>H30.5.9読了

真夜中のパン屋さん 午前5時の朝告鳥 大沼紀子5

真夜中のパン屋さん 午前5時の朝告鳥 (ポプラ文庫)真夜中のパン屋さん 午前5時の朝告鳥 (ポプラ文庫)
著者:大沼 紀子
ポプラ社(2017-06-14)
販売元:Amazon.co.jp

真夜中に開店する不思議なパン屋「ブランジェリークレバヤシ」。希実の母・律子の死から五年の月日が経ち、暮林や弘基の周辺には様々な変化の波が訪れていた。それは、常連客である斑目やソフィアやこだま、美作親子や多賀田たちにとっても同様だった。そしてもちろん、希実にとっても……。累計140万部突破のベストセラー「まよパン」シリーズ、ついに完結!!

前作の内容をスッカリ忘れた状態で読んでいたのですが^^;
でも、この完結編が前作から4年も経過しているとは!びっくり!
その4年の間にブランジェリークレバヤシの周りの人たちにいろんなことがあって、それが細かく書かれていて良かったかな。
班目氏にはビックリだったな!まさかそんなことになっているとは!人生分からないすね←
班目、ソフィアとこだま、弘基、希実、暮林の順で展開していくのですが順番も良かったですね。意外とこだまの成長ぶりにびっくりしたりして。小生意気に成長してましたね。でも、家庭が複雑な中でいい子に育ちましたね。ソフィアのお母さんに対してもソフィアに対しても希実に対しても、ちゃんと気を遣って自分の言葉で相手に伝えていて。このまま小生意気な優しい青年に成長していってほしいです^^
そして弘基と希実ですよ。お互いに想い合ってるのにすれ違っているというかお互いの気持ちをここまで正反対に受け取るかっていう感じでしたけど。でも相手の事をちゃんと大事に思っていたらきっと大丈夫ですよね。希実の臆病な感じ、その気持ち、わかるなー。
それよりも希実も4年間色々あったんですね。でもずっと突っ走ってきた希実だから、少し休みなよって脳が心が言ってくれてたんじゃないかなぁ。その時間もきっと必要だったんだと思います。
クレさんが締めって言うのが良いですね。
またいつかどこかで会えると良いなと思います。

<ポプラ社 2017.6>H29.8.5読了

路地裏のほたる食堂 大沼紀子4

路地裏のほたる食堂 (講談社タイガ)路地裏のほたる食堂 (講談社タイガ)
著者:大沼 紀子
講談社(2016-11-17)
販売元:Amazon.co.jp

「あんたの秘密。聞かせてくれたら、金はいらない」
お腹を空かせた高校生が甘酸っぱい匂いに誘われて暖簾をくぐったのは、屋台の料理店「ほたる食堂」。風の吹くまま気の向くまま、居場所を持たずに営業するこの店では、子供は原則無料。ただし条件がひとつ。それは誰も知らないあなたの秘密を教えること……。
彼が語り始めた“秘密”とは? 闇夜にまぎれるように佇む路地裏の食堂を舞台に、足りない何かを満たしてくれる優しい物語。

タイトルからこの食堂に来たお客さんたちの諸々の悩みとか解決する連作短編集なのかなと思ったら違いましたね^^;
冒頭で食堂の店主と高校生らしき子が出てきて会話してるなーと思ったら全く違う子目線になったので戸惑いました。そして連作短編集なのかと思ったら大きな一つの物語でしたね。
冒頭と本編の内容が全く異なるので何だかもったいないなぁと思いました。どちらも内容が重たくて濃いからどっちかにすればよかったんじゃないかなぁ。
本編の話は主人公の亘は教育実習のため田舎に帰ってきた。そこで幼馴染の結衣と再会し、猫缶事件に巻き込まれていく。
この事件がなかなか重たい感じで2人がずっと気にしている幼馴染のクロエという人物についても考えていくことになります。「たった5センチで人生が変わった」亘とクロエ。2人はなんとなくはみ出し者でいじめられていた2人。そこに周りになじめない結衣も加わり、3人はいつも一緒にいた。でも、ある日を境に2人はクロエを避けるようになり、そして長い月日が経った。
亘はなんとなく事なかれ主義な気がしていたんですけど、結構熱血な良い奴でしたね^^
単位のためのような感じで実習に来ていましたが私も亘は先生に向いてるんじゃないかなと思いました。
いつかどこかで再会できるといいな。そして冒頭とエピローグのみで話されている謎…
気になりました。

<講談社2016.11>H29.2.7読了

真夜中のパン屋さん 午前4時の共犯者 大沼紀子4

([お]7-8)真夜中のパン屋さん 午前4時の共犯者 (ポプラ文庫)([お]7-8)真夜中のパン屋さん 午前4時の共犯者 (ポプラ文庫)
著者:大沼 紀子
ポプラ社(2016-03-15)
販売元:Amazon.co.jp

真夜中に開店する不思議なパン屋「ブランジェリークレバヤシ」に、手から白いハトを出す怪しげな中年男が現れる。それが店を揺るがす大騒動の幕開けだった。一方、母親と久しぶりの対面を果たした希実だったが、その隣にいたのは実に意外な人物で…。人気シリーズ第5弾!!

本屋さんで見つけてほんの分厚さに驚きましたよね。京極夏彦かよ!と突っ込みを入れましたよね。
今回は希実の出生の秘密がわかったり色々あったので長くなっちゃったのかな。
希実の事や母親の事、希和子の事、3人の過去が出てくるから長くって^^;
しかもねー…ちょっと文章が気になるところが出てきてそればっかり気になっちゃって。
なんとかみたいな?とか文章途中で止まって?で終わるみたいな文章。
それが多すぎてちょっと嫌だったかなぁ…
希実のお父さんやらおじさんやらが登場して、いったいどうなることかと思いましたけど、希実はちゃんと愛されていたんだなということが分かって、よかったねと思いました。
弘基と希実の感じもいいなー。2人たぶんあんまり年変わらないんですよね。5つくらいかな。
最後に分かった秘密。みんなが希実のために隠していたんですね。
律子は好きになれなかったけど、でもちゃんと希実の事を愛していたんだなと思って温かい気持ちになりました。

<ポプラ社 2016.3>H28.6.4読了

真夜中のパン屋さん 午前3時の眠り姫 大沼紀子4

真夜中のパン屋さん 午前3時の眠り姫 (ポプラ文庫 日本文学)真夜中のパン屋さん 午前3時の眠り姫 (ポプラ文庫 日本文学)
著者:大沼紀子
ポプラ社(2013-10-04)
販売元:Amazon.co.jp

午前3時――真夜中にオープンする不思議なパン屋さんに現れたのは、ワケアリ男女の二人組。居候女子高生の希実は、彼らが抱える不穏な秘密によって、不本意ながらも、またまた事件に巻き込まれていく。降り止まない雨の中、希実の過去に隠された謎が明らかに……。人気シリーズ第4弾!!

シリーズ第4弾です。希実の過去がようやくわかる…と思って意気込んで読んだのだけど…その前のお姫様のくだりが最初イライラしてしまって。しかもどんでん返しというか思っていたものが代わる代わるえ?え?という展開でついていくのが大変でした。
お姫様である従姉妹の沙耶に対してももーイライラしたのだけど。
それでも出てくる人たちがおせっかいで優しいからしょうがないなと思って読むことが出来ました。
希実の過去が分かったけど、思ったほどでもなかったな…なんて思ってしまってすみません。確かに酷く悲しいことなんだけど。でもそう思うのはまだ過去の全貌が明らかになっていないからなのかな。
きっとまだ続きますよね。希実がさらにどう変わっていくのか楽しみです。

〈ポプラ社 2013.10〉H26.1.5読了

真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生 大沼紀子5

真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生 (ポプラ文庫 日本文学)真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生 (ポプラ文庫 日本文学)
著者:大沼 紀子
ポプラ社(2012-12-05)
販売元:Amazon.co.jp

夜が深まる頃、暗闇に温かい灯りをともすように「真夜中のパン屋さん」はオープンする。今回のお客様は希実につきまとう、少々変わった転校生。彼が企む“計画”によりパン屋の面々は、またもや事件に巻き込まれていく。重く切なく、でも優しい、大人気シリーズ第3弾。

ネタバレあります。

シリーズ3冊目です。このシリーズが「まよパン」って言われてるのが本当に嫌です。マヨネーズパンみたいだしそんなパン出てこないし、何だかイメージが狂う気がする…ってタダの読者が言ってもしょうがないんですけど。意見には個人差があります。
ということで、久しぶりの新刊。登場人物がどんどん増えていくので正直分からない人もいたりして^^;多賀田って誰だったっけ?
一応章ごとに分かれてはいるのですが、話はほぼ一つに繋がっています。
希実のクラスに転校生がやってきます。その転校生はアンジェリカという人形を抱えて腹話術をするおかしな男の子、美作孝太郎。彼と関わるうちに希実はだんだん大きな事件に巻き込まれていきます。
今回は美作孝太郎とその父親に怪しげな医師の安倍がメインで他の名脇役たちは本当に脇役でした^^;でも斑目氏はストーカー能力を発揮して活躍しますが。
めくるめく展開に読む手が止まりませんでした。面白かったです。
ものすっごい危険な展開になりそうでしたが、基本的にみんな良い人なので最後は良かったです。
暮林さんと弘基が出てくるのは希実が危険な時と希実の過去について触れられる時くらいでしたね^^;今回たくさん登場したフルーツサンドがとても美味しそうでしたー。私も食べてみたい。
最後はとぉっても気になる感じで終わったので早くも続きが読みたくてしょうがありません。望実の過去も明らかになるのでしょうか。
弘基の熱さが私は好きです。
安倍医師が希実の過去を知っていて、弘基に無理に思い出させて希実が苦しむことになっても良いのかと言ったら、弘基は「意地でも助けるに決まってるじゃないか。苦しまなくなるまでなんだってしてやる」って、言うんですよね。
正直希実の正体は分からないままで、もしかしたら赤の他人なのかもしれないのに、暮林さんも弘基も希実のことを家族のように大切に思っていることが伝わってきて、心があったかくなるようでした。
大沼さんの描くこの温かさが私は大好きです。
第4弾も楽しみにしています。
そういえばこのシリーズドラマ化されるんですよね。まだ解決していないのに…
暮林さん役をタッキーがやるようですが、どちらかというと弘基っぽい気がしますけどね。でも弘基を演じたら思いっきりアンティーク(西洋骨董洋菓子店)を思い出しちゃいそうですけど。
まあ、私は見ませんので、見た方感想を教えてください←

〈ポプラ社 2012.12〉H25.1.23読了

真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒 大沼紀子5

真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒 (ポプラ文庫)真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒 (ポプラ文庫)
著者:大沼紀子
ポプラ社(2012-02-03)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

真夜中にだけ開く不思議なパン屋さん「ブランジェリークレバヤシ」に現れたのは、美人で妖しい恋泥棒―。謎だらけの彼女がもたらすのは、チョコレートのように甘くてほろ苦い事件だった…。不器用な人たちの、切なく愛おしい恋愛模様を描き出す“まよパン”シリーズ第2弾。

第2弾です。いつの間に「まよパン」何て呼ばれてるんだ。マヨネーズパンの略か?
何でも略すればいいってもんじゃない。
第2弾が出ると思わなかったので驚きました。でもよく考えたら希実の行く末もまだ分からないしどうして夜中にパン屋さんをしているのかも分かっていないですよね。
でも、意外とあっさりと真夜中にする理由が出てきましたね。そうか、そういう事だったのか。
それにしてもまた謎が深まりましたね。希実は全くの他人じゃなかったのでしょうか…。気になります…
弘基がかっこよかったですね。ハチャメチャだけどハートは熱い。こういう男の人私は好きです^^最後も解決したんだかしてないんだかだけど、でもこれで良かったのだと思う。
今回は斑目氏が頑張ったんじゃないですか。ちゃんと報われていたと思うし。
変態なりにいや、変態だからこそ活躍できたんじゃないかと思う。(褒めてる)
にしても「バビロニア」って聞いて「Lookin' The World」が思い浮かんだり、誰かの傘になりたいという部分では「明日の傘」が思い浮かんでくる時点で私は相当いっちゃってると思う^^;

<ポプラ社 2012.2>H24.3.17読了

てのひらの父 大沼紀子5

てのひらの父てのひらの父
著者:大沼紀子
ポプラ社(2011-11-16)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

オススメ!
世田谷区、松陰神社前駅から徒歩15分。女性専用の下宿「タマヨハウス」には、年ごろの三人の女が暮らしていた。弁護士を目指す涼子、アパレルのデザイナーとして働く撫子、そして不条理なリストラに遭い、人生にも道にも迷い続ける柊子。幸せでも不幸せでもない日常を過ごしていた彼女たちだが、春の訪れとともに現れた真面目だけが取り柄の臨時管理人の過干渉によって、少しずつそれぞれの「足りない何か」が浮き彫りになっていく。

好きだ〜。好きです。とても良かった。大沼さんの作品はやっぱり大好きです。
登場人物は主に4人。(付属品もありますが^^;)
下宿「タマヨハウス」に住む、アパレル関係の仕事に就いているでこちゃん、弁護士を目指して勉強中の涼子ちゃん、そして語り手の無職の柊子。
管理人のタマヨさんがかつて恋をしていた相手がアメリカで危篤となったため急きょその人の元へ行くことになった。
代わりに管理人となったのがニシオトモミさん。名前から女性かと思ったら初老の男性。タマヨさんの幼馴染らしい。
人相が悪くて見た目はちょっと怖いトモミさん。でも、管理人の仕事を一生懸命全うしようと仕事をこなしていきます。
下宿人の3人の悩みに応えようとするのも管理人の範疇だと言って本当に何でも一生懸命なんです。
トモミさんのそのあったかさがとても好きでした。
トモミさんがアメリカで暮らしていたから、そのずかずかした感じがあったのかも。日本で暮らしていたらきっと勝手に手紙を読んだり、人のプライベートにここまでズカズカ入ろうとはしなかったと思うから。
きっと、トモミさんもいろいろあったんだろうなと思うけど、だからかその優しさがとても温かくて。私もトモミさんの優しさに包まれているような気がしました。
柊子の就活している姿も思い悩む姿とか心の中で思っていることとか何だか他人とは思えなくて胸が痛くなる思いでした^^;
またトモミさんに会いたいなぁ。
物凄く大きな変化ではなかったけど、3人とも前向きになって良かったと思いました。

〈ポプラ社 2011.11〉H24.1.18読了

真夜中のパン屋さん 大沼紀子5

真夜中のパン屋さん (ポプラ文庫)真夜中のパン屋さん (ポプラ文庫)
著者:大沼紀子
ポプラ社(2011-06-03)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

都会の片隅に、真夜中にだけオープンする不思議なパン屋さんがあった。あたたかい食卓がなくても、パンは誰にでも平等に美味しい。心地良い居場所を見つける物語。
謎多き笑顔のオーナー・暮林と、口の悪いイケメンパン職人・弘基が働くこの店には、パンの香りに誘われて、なぜか珍客ばかりが訪れる……。
夜の街を徘徊する小学生、ワケありなオカマ、ひきこもりの脚本家。
夜な夜な都会のはぐれ者たちが集まり、次々と困った事件を巻き起こすのだった。 家庭の事情により親元を離れ、「ブランジェリークレバヤシ」の2階に居候することになった女子高生・希実は、“焼きたてパン万引き事件”に端を発した失踪騒動へと巻き込まれていく…。
期待の新鋭が描く、ほろ苦さと甘酸っぱさに心が満ちる物語。

大沼さんの作品が好きで、多分出ている本は全部読んでます。といっても、この本で3冊目だと思いますが^^;
大沼さんの新刊が出てる!予約しなきゃ!と思い予約。
私は3番目だったのですが、待っている間にどんどん予約が膨れ上がり凄い件数に。
言ったら失礼ですが、そこまで知られている人気作家さんだったか・・・?と思ったのですが。ブランチかなにかで紹介されたらしいですね。
大沼さんの作品っていつもどこか家族の形が特殊なんです。
子どももとても変わっている子が多い。でも、悪いわけではなくて大人になりすぎているんですよね。でももちろん子どもの部分もあるから、人と関わって行く中で葛藤があって。今回も出てくる人達の様々な葛藤が見えました。
暮林も弘基も希実もこだまも織絵もソフィアも斑目もみんな何かしらの闇を抱えているのだけど、それでもいろんな形で人を思いやっていて。それが切ないくらいに素敵なんです。
みんな不器用なのだけど、人のことをすごくよく考えている。思いやってる。
何だか自分がなんてちいさな人間なんだろうって思うくらいに。
希実のことに関しても、いきなり奥さんと異母姉妹らしいので置いてくださいって言ってる言わば赤の他人を何の疑いもせずに住まわせる暮林も弘基も最初は何で?と違和感が物凄くあったのだけど。それでも全部読み終えてからそれが少し理解できた気がします。
最後もとても好きです。みんなが集まっている姿を想像すると、とても幸せな映像が思い浮かぶんです。これからも様々な問題が生じるのかもしれないけど、それでもこの人達なら自分のことはそっちのけで何とかしようとするんだろうなという気もします。
やっぱり大沼さんの作品は素敵です。これからもずっとずっと追いかけていきたいと思います^^

〈ポプラ社 2011.6〉H23.9.22読了

ばら色タイムカプセル 大沼紀子5

ばら色タイムカプセルばら色タイムカプセル
著者:大沼 紀子
ポプラ社(2010-08-07)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

オススメ!
13歳の家出少女・奏が流れ着いた場所は、海が見える町にたたずむ、不思議な老人ホーム『ラヴィアンローズ』だった。咲き誇る薔薇が自慢のこの施設で、年齢を詐称して働きはじめた奏は、薔薇園に隠されたある噂を知ることに…。40年以上の時を超えてその秘密が明かされるとき、止まっていた、みんなの時間がふたたび動き出す。

私好きです!この作品!大好きだ!
家で少女の奏(かなで)は、家での居場所を失い、家出をする。そこでたどり着いたのが老人ホーム。
その老人ホームの人たちがみんな粋なのです。
長い年月を生きているだけあって、みんな「死」についての覚悟を持っていて、それを抱えて明るく生きてる。
だから、若造の考えている事は多分お見通しなのだと思う。
奏はストレスからか白髪だけど、よく見ると幼い顔をした13歳の少女。20歳と偽って働かせてもらう事になったけど、きっとみんな気付いているはず。
全てを分かった上で働かせているんだから、相当肝の据わった人たちなんだろうなと思った。
遥さんや登紀子さんも素敵だったけど、特に印象深いのはプロ乙女集団^m^
万理さん、千恵さん、佐和子さん。結局この3人が最後までキーマンだったな。
途中から登場した山崎君も、とってもいい子。
出てくる人たちみんな個性的で、そしてあったかかった。
奏のおかれている状況は変わっていないけど、奏はもう前向きに生きようとしているから大丈夫だと思う。
そういう罪の心は誰でも持つものだと思うから、気にしないで生きて、大人になっていってほしいなと思った。
大沼さんの作品、好きだ!「ゆくとしくるとし」も好きだけど、こっちも好き。どんどん書いていって欲しい作家さんです!

〈ポプラ社 2010.8〉H22.11.4読了

ゆくとしくるとし 大沼紀子4

ゆくとし くるとし

オススメ!
「ゆくとしくるとし」
1年ぶりに実家へ帰ってきたトリコ。
そこには母しかいないはずなのに、何故か母とオカマが炬燵で寛いでいた。
「僕たちのパレード」
ぼくが小学校へ入学する日、お姉ちゃんは言葉を失った。
まったく、喋らなくなったのだ。

「ほんだらけ」のuririnさんがブログで癒されます。って書かれていたので、気になって読んでみました。
とっても良かったですね。好きです。こういうお話。
どちらの作品も、主人公が心に闇を抱えているんですよね。
でも、周りが支えているのも分かるし、本人も考え方はとっても大人で、読んでいて癒されるって言うのが分かりました。
やっぱりオカマのミカちゃんが印象的ですよね〜。
彼女は想像できなかったです^^;
いろいろ苦労しているからなのか、言う事は軽く言うけどとっても重たくて心にしみるんですよね。
トリコにとって、ミカちゃんは必要な人になるのかなと思いました。
あ、恋愛ではないですけど^^;
サムにとってのよんちゃんも大きな存在ですよね。
よんちゃんの言葉も、とっても重たい。
その影響かとってもサムはいい子なんですよね。
紺野君とのかかわりなんて、私は近づきなくないと思うのに^^;サムはちゃんと向き合っているし。
人の痛みを分かっているのかも知れないね。
どっちも素敵な作品です。
ちょっと前向きになれました^^

〈マガジンハウス 2006.11〉H19.3.14読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
Categories
Archives
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

記事検索
Recent Comments
  • ライブドアブログ