遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。10歳の時にこの屋敷に引き取られた耀子は、寂しい境遇にあっても周囲の人々の優しさに支えられて子ども時代を生き抜いてきた。
時を経て38歳になった耀子は、ある日、夫の龍治から突然離婚を切り出される。その思いもよらない理由に耀子は驚くが、それを機に自分にとって本当に大事な人が誰だったのか、思いを巡らし始める―。
耀子の葛藤、娘・瀬里の巣立ち、義母・照子の愛。
激動の時代に遠藤家の三代の女たちが守り抜いた家と暮らしは、峰生に暮らす人々にとってもかけがえのない居場所になっていく。
伊吹有喜デビュー15周年記念作品。
4作にわたって描かれた峰生の物語が完結しました。…といっても新刊が出る度にどういうお話だったかと思い出すところから始まっていたのですが^^;
それでも耀子と立海のことは気になっていて。少しずつ再び距離が近づいていく二人にドキドキしながら読んでいました。今回の物語は2作目の続きのような感じでしたけどそれから10年後。龍治の秘密というか想いは初めて語られたのかな。2作目で言っていたか忘れてしまったけど^^;
瀬里が始めは子どもっぽくて甘えているとは思ったけど、成長していきましたね。両親のこと、立海のこと、ちゃんと理解してそして自分はどうしたいのか、ちゃんと自分で考えて行動して、みるみる成長しているのを感じました。両親の想いも龍治のことも、ちゃんと分って良かった。
照子もかっこよかったな。耀子のことを本当の娘のように思っていることが強く伝わって来て胸が熱くなりました。これからもこの関係性は変わらないですよね。
それにしても今までもそうだったと思うけど、外野がうるさいですよねー。本当にイライラしました。辰美も気持ちが悪いし里莉子もあからさま過ぎて嫌い。最後は登場しなかったですけど、まあ性格の悪さは立海も分かっていたんでしょうね。そもそも立海は小さい頃からずっと耀子しか見てないし(笑)だから最後、小さい頃からの想いがようやく叶って、ようやく結ばれて、本当に良かったです。
私はハッピーエンドが大好きなので^^大団円でした。
<ポプラ社 2024.8>2024.9.25読了