苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

朝井リョウ

生殖記 朝井リョウ4

生殖記
朝井リョウ
小学館
2024-10-02


とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。
体組成計を買うため――ではなく、寿命を効率よく消費するために。
この本は、そんなヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、おそらく誰も読んだことのない文字列の集積です。

未だかつてない目線だと聞き、タイトルからきっとその目線だろうなと思ったらやっぱりそうで(笑)
一体どんな風に書かれているんだろうと思ったら意外とぽわぽわしたというか緩い感じでこちらも緩く読めました^^淡々と尚成のことを第三者のような形で語っていましたけど、同性愛者である尚成に関して語られる場面は何だか哲学的で引き込まれました。同性愛者だから何もかもを諦めていった尚成と、同性愛者だからと闘うことを決めた颯は正反対で、だから尚成が影響を受けるかと思いきやそうでもないのが良かったです(笑)そして後半、尚成が「次」を見つけて変わっていくのが面白かったです。夢中になってやってることが両極端!おもしろ!でも、やりたいことを見つけて最後は幸せそうで良かったと思いました。
私の「しっくり」いく生き方てどんな形なんだろうなぁと、読み終えた後に考えています。

<小学館 2024.10>2024.11.20読了

そして誰もゆとらなくなった 朝井リョウ5

そして誰もゆとらなくなった (文春e-book)
朝井 リョウ
文藝春秋
2022-08-08


『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』に続く第三弾にして完結編。怒涛の500枚書き下ろし!頭空っぽで楽しめる本の決定版!
修羅!腹痛との戦い
戦慄!催眠術体験
迷惑!十年ぶりのダンスレッスン
他力本願!引っ越しあれこれ
生活習慣病!スイーツ狂の日々
帰れ!北米&南米への旅etc……
一生懸命生きていたら生まれてしまったエピソード全20編を収録。
楽しいだけの読書をしたいあなたに贈る一冊です。

エッセイは三部作だったんですね^m^それはさくらももこさんのエッセイが三部作だったから一緒にしたかったとのこと。確かに朝井さんはよくさくらももこさんのエッセイをおすすめ本として紹介しているイメージがあります。
朝井さんが書かれていることで気づいたんですけど、そういえば「ゆとり」って言葉を最近聴かなくなりましたよね。でも確かに30歳前後になったゆとり世代が今でも「私はゆとりなんでー」とか言ってたら「あぁ?」って思うかも^m^時は流れますね…。
今回は時系列的に最近の話が多いのかと思いましたけど、内容的には前作と同じくらいの時のことも多かった気がしますね。コロナ禍になって家にいる時間が長くなったというのもあるんでしょうか。
それにしてもいつも思いますけど、朝井さんってなんで周りが引くようなことを敢えてやろうとするんですかね…。何でそれを選んだ?って思うことがすんごい多い気が…ネタとしてはいいかもしれないけども…
結婚式の余興に命をかけ過ぎじゃないですか?^^;私、何度か結婚式に出席したことがありますけど、余興自体をあんまり見たことがない気がするんですけど…地域性なんだろうか…
そして朝井さんがいつも気にしているあれやこれや、気持ちはよくわかりますよ…本当に。ちょっとエピソードあり過ぎじゃね?って思うけど分かります。私もお腹弱い人間なんで…多分過敏性腸症候群なんで…朝井さんほどじゃないけど。
旅行先ではせっかくだからいろんなものが食べたいと思うんですけど、少しでも量を多く食べるとか、スパイスとか刺激がある食べ物とか、食べたら大体は大変なことになるんですよ。トイレを探すのに必死になるときが来るんですよ。だから「トイレ税法」って名案だなと思いましたよね。同行者に迷惑をかける前提で行けるのは気が楽かも←
まあ、迷惑をかけるかもと思ってひとり旅になることが多い節はありますよね。
朝井さんの海外の旅も面白かったですが、個人的に私も北米のしかもカリフォルニア州を旅したことがあったので、行ったことがある場所がたくさん出てきて嬉しかったです。そういえばアメリカ旅行の時は1度もお腹が痛くならなかったな…テンションが上がって色々忘れていたのかな(笑)
それにしても平成生まれで若者代表みたいな感じなのポジションにいた朝井さんも生活習慣病を気にするような感じになったんですね…。現役大学生の時をテレビで拝見していたのでなんだか感慨深いです…←

<文藝春秋 2022.8>2022.10.21読了

正欲 朝井リョウ5

正欲
朝井リョウ
新潮社
2021-03-26


あってはならない感情なんて、この世にない。
それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ。
息子が不登校になった検事・啓喜。
初めての恋に気づいた女子大生・八重子。
ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。
ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。
しかしその繋がりは、"多様性を尊重する時代"にとって、
ひどく不都合なものだった――。
「自分が想像できる"多様性"だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな」
これは共感を呼ぶ傑作か?
目を背けたくなる問題作か?
作家生活10周年記念作品・黒版。
あなたの想像力の外側を行く、気迫の書下ろし長篇。

読み進めていて途中まで、いつもの朝井作品のように人間模様が怖いなーえぐられるなーと思いながら読んでいたのですが。後半はいつもと違う感情が押し寄せてきて、読み終えた後もずっと考え続けています。こんなことは初めてです。
正欲。正しい欲ってなんなのでしょう…。
食欲、睡眠欲、性欲。人として当たり前に持っていると思われる欲。でもそれが万人に共通しているなんてありえない。そしてその大きな枠組みに入らない人もいる。日本はマイノリティに対して厳しい国だから、その大きな枠組みに入らない人たちに対して冷たい。そのマイノリティ側に入る人たちも自分はそうではないとひた隠しにしている人もいる。
でも、人の欲なんて本当に人それぞれで、犯罪でなければその欲望の赴くままに生きていったっていいはずだ。でも、それが出来ない。
犯罪でなければ、といったけど、結果犯罪とみなされてしまった。それは大多数の人がそうだと思っているから。そうに違いないと断定されてしまっているから。ほかの考えはないと思っているから。佳道や大也の気持ちを考えると絶望しかない。なぜ絶望なのか。違うといっても、その違う理由を言っても決してわかってもらえないと分かっているから。理解してもらえないから。
ただ、絶望だけではなかった。「いなくならないから」という言葉が救いであり一縷の望みでもあったと思う。本当の理解者が近くにいてくれるってなんて心強いんだろう。周りが罪人だと思っていても、1番近くにいる人が、自分を罪人ではないのだとちゃんと分っているってどれだけ救いだろう。
恋愛での結婚ではなく、同志同士の結婚って良いなと思いました。
私も多分どちらかというとマイノリティ側の人間だから。でもそれが間違いだとは思わない。私は私。私の欲は私だけのもの。でも、それなら私の欲って何だろう…?読み終えてからずーっとループしていて頭から離れません。
万人におススメする作品ではないと思います。でも私は、傑作だと思いました。
ただ一つだけ。個人的に大好きな「耳をすませば」と聖司君の名前の出方がすごく嫌だった。私の大好きなあのシーンが嘲笑のネタみたいになっているのがショックでした。それだけ。

<新潮社 2021.3>2021.4.27読了

スター 朝井リョウ4

スター
朝井 リョウ
朝日新聞出版
2020-10-07


「どっちが先に有名監督になるか、勝負だな」新人の登竜門となる映画祭でグランプリを受賞した立原尚吾と大土井紘。ふたりは大学卒業後、名監督への弟子入りとYouTubeでの発信という真逆の道を選ぶ。受賞歴、再生回数、完成度、利益、受け手の反応―作品の質や価値は何をもって測られるのか。私たちはこの世界に、どの物差しを添えるのか。朝日新聞連載、デビュー10年にして放つ新世代の長編小説。

あー…えぐられる。えぐられるなー。
朝井さん、デビュー10周年なんですね。おめでとうございます。っていうかもうそんなに経つのか…
朝井さんも平成生まれで初の直木賞受賞とか、若手なイメージが先行しますけど、今回のテーマから言ったら朝井さんも若い方には入らなくなったのかなーと思ったり^m^主人公の特に尚吾の感情は朝井さんを投影している部分もあるのかなーと思ったりしたのですが違うのかな。
Youtubeが出たての頃、懐かしい映像がたくさんあってはまって観ていた時期もあるのですが、いつの間にか素人さんでもチャンネルを作って発信するようになっていて驚きましたね。
私はYoutubeをずっと見続けるのは苦手なんですよね^^;私は世代が違うからって言えるけど、尚吾と紘のように映像の世界で生きていくとなったらそうは言っていられないですよね。長いものに巻かれなければならない状況になるかもしれないし、妥協しなければならないこともあるかもしれない。うまく取り入って言われた通りの映像を作り上げた方が上手く生きていけるのかもしれない。
それでも、尚吾や絋のように、紆余曲折があったとしても最終的には自分の意志を曲げずにブレずに不器用に真面目に生きていくような人がいても良いんじゃないかなと思いました。
2人は好きなことをしているはずなのにずっと苦しそうで、辛そうで、でも好きなんですよね。
1年たくさんの事を経験して改めて自分がやりたいことが再認識できたのかな。でも、まだ1年なんですよね。2人にはまだまだ紆余曲折あると思いますが頑張れと思いながら読み終えました。

<朝日新聞出版 2020.10>2020.11.12読了

発注いただきました! 朝井リョウ5

発注いただきました!
朝井 リョウ
集英社
2020-03-05


有名企業からの原稿依頼に直木賞作家はどう応えるのか。「これが本当のお仕事小説だ!」無理難題(!?)が並ぶ発注書→本文→解説の順で20編を収録!

作家生活10周年を記念して、様々な依頼を受けて作られた作品20編を収録したもの。
この中で既読はキャラメルが登場する掌編とこち亀とチア男子!のコラボかな。
にしても本当に色んな依頼があるんですねー。それを組んでちゃんと物語を作り上げるんだから凄いです。
ご本人もおっしゃっていましたけど、JA共済のお話だけは何だかやたらと広告めいていた気がしますけど^m^どれも面白かったです。
でも、資生堂から依頼された作品は結末がめちゃくちゃえげつなかったし、最後の受賞をテーマにした作品もなかなか残酷で、朝井さんらしさも垣間見えました…この2作は特に読み終わった後辛かった。
お若いのに既に作家生活10年とは本当に凄い。更にいろんなところに爪痕を残していると私はお持っているのですが^m^これからも新刊を楽しみにしています。

<集英社 2020.3>2020.7.6読了

どうしても生きてる 朝井リョウ5

どうしても生きてる
朝井 リョウ
幻冬舎
2019-10-10


死んでしまいたい、と思うとき、そこに明確な理由はない。心は答え合わせなどできない。(『健やかな論理』)。
家庭、仕事、夢、過去、現在、未来。どこに向かって立てば、生きることに対して後ろめたくなくいられるのだろう。(『流転』)。
あなたが見下してバカにしているものが、私の命を引き延ばしている。(『七分二十四秒めへ』)。
社会は変わるべきだけど、今の生活は変えられない。だから考えることをやめました。(『風が吹いたとて』)。
尊敬する上司のSM動画が流出した。本当の痛みの在り処が映されているような気がした。(『そんなの痛いに決まってる』)。
性別、容姿、家庭環境。生まれたときに引かされる籤は、どんな枝にも結べない。(『籤』)。
現代の声なき声を掬いとり、ほのかな光を灯す至高の傑作。

辛い・・・辛い・・・辛い・・・。
この作品はメンタルが強くないと読めないです^^;読んだ後にずしんと心にのしかかるような感じがしました。
どの作品も後味が悪くて救いがあるようなないような・・・。
その後味の悪さが現代社会の世相を表しているからとてもリアルで実際にこういう人たちがいそうでだから尚更ずしっときます。
SNSのつぶやきと自殺や事故のニュースを交互に記録していたり、契約社員として働いて突然切られてしまったり、夫婦関係と子供について悩んでいたり・・・。
最後のお話はひどすぎますね。子供に障害があるかもしれないと分かったとたん、生まれてもいないのに自分は不倫をしていて最低の男だ見たいなことを言って逃げるとか何なんだろうか・・・。
こういう作品は朝井さんだから書けるんだろうなと思うし、朝井さんしか書けないのではないかとも思ってしまいます。
平成を生きた人から生まれる心の闇。それがとてもうまく書かれていると思います。
辛いけど素晴らしい作品でした。

<幻冬舎 2019.10>2019.11.8読了

死にがいを求めて生きているの 朝井リョウ5

死にがいを求めて生きているの
朝井 リョウ
中央公論新社
2019-03-07


植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。二人の間に横たわる“歪な真実”とは?毎日の繰り返しに倦んだ看護師、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年ディレクター。交わるはずのない点と点が、智也と雄介をなぞる線になるとき、目隠しをされた“平成”という時代の闇が露わになる―“平成”を生きる若者たちが背負う自滅と祈りの物語。

企画ものだとは知っていましたが、詳細は分からなかったので最後まで読んでそう言うことかと分かった次第です。そこだけは少しファンタジーですが、登場人物たちの心情や行動は現代の問題そのままですよね。読んでいて嫌になってきました←
智也と雄介を取り巻く人たち側の視点で描かれた物語。
1番始めの看護師の時の雄介は友だち想いのいい人なんだと思ってました。
それが巨大な勘違いで、段々雄介という人物が不気味な存在だと分かってくると始めに登場した雄介の印象がガラリと変わりました。友だち想いという姿を演じている事にひたすら嫌悪感を抱きました。
私は智也や雄介、そして朝井さんよりも少し上の世代なので環境は少し異なると思いますが、こういう人って実際にたくさんいるんだろうなと思いました。SNSが蔓延っているのが当たり前の時代に生きている若者は自分は他の人とは違う、どこか特別だと感じている。そういう想いを発信できる場が多い気がします。ツイッターやインスタで自己主張をすることが出来ますし。大学時代に登場した人たちは最たるもので読んでいて何だか気持ち悪かったですね。
私だって生きがいを見つけたいし、生きがいを持って生きている人は羨ましいとも思う。それでも、別にそれを人にひけらかしたいとは思わない。
今の時代を表している気がして、朝井さん流石だなと思いました。またそういう世相を書かれるのを半ば使命と感じられているような気もします。朝井さんの世界を堪能しました。
この企画に参加されている作家さん全てを読むのは難しいと思いますが他の作品も読んでみたいです。

<中央公論新社 2019.3>2019.3.31読了

風と共にゆとりぬ 朝井リョウ5

風と共にゆとりぬ風と共にゆとりぬ
著者:朝井 リョウ
文藝春秋(2017-06-30)
販売元:Amazon.co.jp

ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR 2015 1位!(エッセイノンフィクション部門)
『時をかけるゆとり』に続く、待望の第二弾。
「別冊文藝春秋」「日本経済新聞 プロムナード」掲載分に大量の書き下ろしを加え、計500枚の大ボリュームでおくる傑作エッセイ集!
・レンタル彼氏との騙し合い対決
・担当税理士の結婚式にて炸裂させた渾身の余興
・初めてのホームステイにてマル秘パンデミック勃発
・ファッションセンス完全外注の経緯
・特別収録!痔瘻の発症、手術、入院――著者の肛門にまつわるすべてをしたためた100枚超の手記「肛門記」……
読んで得るもの特にナシ!! 立派な感想文なんて書けっこない、ひたすら楽しいだけの読書体験をあなたに。

朝井さんのエッセイ第2弾。
以前出した時に比べて専業作家になったからかテレビの露出も増えて面白おかしい人だということはもう分かってはいますが←本当に面白くて面白くて、失礼ながらバカじゃなかろうかこの人…とまでたまに思いました(多分褒めている)
しをんさんのエッセイを思い出しました。しをんさんの男性版エッセイみたいな。これも褒めているのですが何だかうまく伝わらない^^;
エッセイで声を出して笑ったのはそれこそしをんさん以来かも。
いやーホント朝井さん面白いですね。ネガティブなのかポジティブなのか全然わからない。謎!謎過ぎて友達になりたい。
まず税理士さんとの結婚式の余興の意味が分からない。柚木さんまでどうした。
バレーボールのくだりもなぜそこまで群がろうとする…一人でもいいじゃん…とまで思った…。そして「私本をめっちゃ読む!」と言った人は本当にめっちゃ読むのだろうかという疑問…本を読む人って自分で本を読むって言わないと思う(私の知ってる人限定だが)伊坂幸太郎さんと有川浩さんしか読まないならめっちゃじゃないよね。とツッコミ。でも私も趣味は読書と言ってどんな作家さん読んでるのとか好きなの?と聞かれるとみんな知ってそうなラインナップを言うけど。気を遣って。だってあまり聞いたことない作家さんのこと言ったら聞いといて興味なさそうになるでしょ、知ってる←
そして朝井さんの「肛門記」いやー笑っちゃいけないけど笑いました。痔だというのは風邪の噂で聞いたことはありましたがまたずいぶん重症化していたのですね…。
ページめくった途端の文字に一人部屋で笑ってしまいました。いや、笑い事ではないんですけど。無事で何よりです。

<文芸春秋 2017.6>H29.10.26読了

何様 朝井リョウ4

何様何様
著者:朝井 リョウ
新潮社(2016-08-31)
販売元:Amazon.co.jp

光太郎が出版社に入りたかったのはなぜなのか。
理香と隆良はどんなふうに出会って暮らし始めたのか。
瑞月の両親には何があったのか。拓人を落とした面接官の今は。
立場の違うそれぞれの人物が織り成す、`就活'の枠を超えた人生の現実。
直木賞受賞作『何者』から3年。いま、朝井リョウのまなざしの先に見えているものは――。

読んだことがある作品もあったのですが全て「何者」に関わる人が出てたなんて気づきませんでした。「何者」自体読んだのが4年前なので結構忘れちゃってたんですよね^^;普通に短編集として読みました。もったいなかったかな。
『水曜日の南階段はきれい』(光太郎)
こちらは既読でした。気づいたときに読むのを止めようかと思ったんですけど、良い話だったので最後まで読みました。夕子という人物のキャラクターが大好きです。見た目は地味そうだけど、胸に秘める想いが最後に分かって凄いなぁと感動するくらいでした^^
『それでは二人組を作ってください』(理香、隆良)
こちらも既読。こっちは嫌な印象だけ残ってるので読むの止めました←
『逆算』(サワ先輩)
いやーいやだわーそんな逆算したことないよー。でも、散々迷惑かけた人に対して「気持ち悪い」は失礼すぎないか?
『きみだけの絶対』(ギンジ)
高校生のときにちゃんとした恋愛なんてしたことなかったから、へーっていう感じだったけど^^;ギンジさんって「何者」で登場したっけ?全然覚えていない…
『むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった』(瑞月の父)
正美の気持ちが分かりすぎて辛かったです。私もそう。正美と同じ。妹の方が親に散々迷惑をかけてきているけど、結婚をしている妹は実家に帰ると両親に喜ばれるし、私が知らない両親の顔をたくさん知っていると思う。散々迷惑かけているくせにどうして今両親と妹はニコニコ楽しそうに会話しているんだろうって、実家にいたときは本当にイライラして辛かったなぁ〜。以前父親に「結婚や出産、何かある子供の方を気にかけるのは当たり前だろう」って言われたことがあって。ニュアンスはちょっと違うかもしれないけど。あぁ、じゃあ私はきっとこれから一生子どもとしての順位は格下なんだなって、諦めちゃったんですよね。もう好きなように生きるからいいよって開き直りました^^;
このお話の中でも出てきたけど優等生じゃダメなのかな。昔遊んでいた人の方が人生分かってるような気になっているのが不思議っていうくだりが私も胸が痛くなりました。
『何様』
ここで出てきた人も「何者」に出ていた人なんですかね(完全に忘れてる人)
前の年まで学生だった自分が面接官になるって不思議ですよね。
社会人になったら分かる就活の時の自分の無知さ加減。読んでいて面接のくだりは恥ずかしかった。
最後の君島さんの言葉が良かったなぁ。「本気の一秒」良い言葉だ。

<新潮社 2016.8>H28.9.29読了

ままならないから私とあなた 朝井リョウ4

ままならないから私とあなたままならないから私とあなた
著者:朝井 リョウ
文藝春秋(2016-04-11)
販売元:Amazon.co.jp

「レンタル世界」先輩の結婚式で見かけた新婦友人の女性のことが気になっていた雄太。
しかしその後、偶然再会した彼女は、まったく別のプロフィールを名乗っていた。
不可解に思い、問い詰める雄太に彼女は、結婚式には「レンタル友達」として出席していたことを明かす。
「ままならないから私とあなた」成長するに従って、無駄なことを次々と切り捨てていく薫。無駄なものにこそ、人のあたたかみが宿ると考える雪子。
幼いときから仲良しだった二人の価値観は、徐々に離れていき、そして決定的に対立する瞬間が訪れる。

「レンタル家族」レンタル家族、レンタル恋人、それが良いとは思わないけど、でも私の気持ちとしては高松さんの意見寄りかな。それは私が友人が少なかったりするからなのかなー。いくら家族になる人でも多少見栄を張りたかったりしますよね。うん、分かる分かる。私は実行には移さないと思いますけど。なにより主人公が最初から最後まで嫌いだったんですよね。本当に自意識過剰で傲慢。こんな男の人とは絶対に付き合いたくない。それでいいという確固たる自信を持っていて読んでいてホント気持ち悪かったです。何もかもさらけ出せば信頼関係が生まれるとか虫唾が走る。時と場合によりますよホント。高松さんの言葉にスカッとしました。先輩も可哀相に。
「ままならないから私とあなた」薫の言う無駄なことは私も雪子の言うように無駄なことだとは思いません。雪子が薫に言って言い返したことは究極すぎると思う…。薫の言うことも分かるけど、雪子の夢を叶えると言って研究していることは、雪子と一緒にいてどうして迷惑なんだって気づかなかったんだろう。まあ、2人の関係は小学生の時から良いような悪いようなっていう感じでしたけど…。
渡邊君と雪子の関係、凄く好きだったんだけど、どうして最後ああなった?唐突過ぎるし色々気になるし!
ただ、考えさせられる部分はたくさんありました。無駄なことって大事と私は思えました。
それにしても朝井さんはどうしてここまで女の人を上手く描くことが出来るんだろうなぁ。高松さんがあることを確認するためにした行為、よく男性が思い浮かんだなと思いましたよ…。ご本人もおっしゃっていましたけど、ホントに頭の中におばさんがいるんでしょうね^m^

<文芸春秋 2016.4>H28.5.9読了

世にも奇妙な君物語 朝井リョウ5

世にも奇妙な君物語世にも奇妙な君物語
著者:朝井 リョウ
講談社(2015-11-19)
販売元:Amazon.co.jp

いくら流行っているからといって、経済的にも精神的にも自立した大人が、なぜ一緒に住むのか(第1話「シェアハウさない」)。その人がどれだけ「リア充」であるかを評価する、「コミュニケーション能力促進法」が施行された世界。知子のもとに、一枚の葉書が届く(第2話「リア充裁判」)。親のクレームにより、幼稚園内で、立っている金次郎像が座っているものに変えられた!(第3話「立て!金次郎」)。…そしてすべての謎は、第5話「脇役バトルロワイアル」に集約される。

著者の朝井さんが世にも奇妙な物語が大好きで、自分が作品を作ったらどうなるかと妄想してできた作品らしいですが…。
この後味が悪い感じ!私あの番組はちょっと怖くて苦手で見る時と見ない時とあるんですけど、でもこの短編の数々のラストの感じはあの番組だ!と思いました。
最初の「シェアハウさない」はホラーですよ^^;こわいこわい。
「リア充裁判」は私は絶対に不合格だろうなと思ったし、「立て!金次郎」はもうラストが怖すぎました…。ホラーって意味ではなくて。
そして最後の「脇役バトルロワイアル」…なるほど、こうやってつながってるのかと思いましたけど…これ、許可…得てないですよね^^;何人かの俳優さんが登場しますけど、多少名前を変えてますけどほとんどそのままなので全員の顔と名前が頭の中に浮かびます。また雰囲気が文章を読んでいてもピッタリ。こんなことしそうだなー言いそうだなーみたいな。でも面白かったです。
ここまで書かれているんですから、これは映像化されるんですよね?
第5話はもう完全に出てきた人たちをキャスティングしていただきたい。

<講談社 2015.11>H28.1.7読了

18きっぷ 朝井リョウ 5

18 きっぷ18 きっぷ
著者:朝井リョウ
朝日新聞出版(2015-10-07)
販売元:Amazon.co.jp

人生の岐路を迎える18歳を撮影したモノクロのポートレート写真と、彼らの声を書き留めた。盲目の女子大生、バンドのボーカル、非行防止ボランティア、鳶職人、僧侶見習い、ダンサーなど、46人を紹介していく。
壁や悩みに直面しながらも、新しい世界に向け、それぞれの一歩を踏み出す等身大の若者の姿を追った。
書籍化にあたり、直木賞作家の朝井リョウによる書き下ろしロングエッセイ「18歳の選択」を掲載。

朝井リョウさんの名前があったので借りたのですが、こういう本だったんですね。
18歳の46人がいろんな思いを語っていました。
自分が18歳の時は何を考えていたかなぁなんて思い出したりして。
私はどうしても行きたい高校があって、ギリギリだったんですけどその高校に入学できて、それでしばらく満足しちゃっていたんですよね。だから次を考えるのに時間がかかった記憶があります。進学校だったので周りはみんな将来を見据えていて凄いなぁと思っていました。
ここに出てくる皆さんも18歳とは思えないほど、いや、18歳という年齢だからこそ将来を考えキラキラした目を未来に向けていました。
私もこの年齢の時にいろんな覚悟が出来ていたら、未来は変わっていたのかななんて思いますけど、でもそんなことを今更考えたってしょうがないですからね。今できることをちゃんとやっていこうと、この本から改めて教わった気がしました。

<朝日新聞出版 2015.10>H27.12.6読了

武道館 朝井リョウ5

武道館武道館
著者:朝井 リョウ
文藝春秋(2015-04-24)
販売元:Amazon.co.jp

【正しい選択】なんて、この世にない。
結成当時から、「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、一曲につき二つのパターンがある振付など、さまざまな手段で人気と知名度をあげ、一歩ずつ目標に近づいていく。しかし、注目が集まるにしたがって、望まない種類の視線も彼女たちに向けられる。
「人って、人の幸せな姿を見たいのか、不幸を見たいのか、どっちなんだろう」
「アイドルを応援してくれてる人って、多分、どっちもあるんだろうね」
恋愛禁止、スルースキル、炎上、特典商法、握手会、卒業……
発生し、あっという間に市民権を得たアイドルを取り巻く言葉たち。それらを突き詰めるうちに見えてくるものとは――。
「現代のアイドル」を見つめつづけてきた著者が、満を持して放つ傑作長編!

読みました。もう一気読みでした。面白かった。
アイドルがテーマということで、どんな作品なのか楽しみにしていたんです。
この物語の主人公は歌って踊ることが大好きな愛子という女の子。
その夢をかなえるためにオーディションに合格してアイドルになった。売れるためにダンスや歌のレッスンをこなして、お腹が空いても太らないために努力して、リリースイベントに出て握手会をして…凄く大変で努力をしていると思いました。きっと今芸能界にいるアイドルと呼ばれる人たちも同じように努力しているんですよね。
そうやって様々な努力を積み重ねている人たちに対して、ファンもファン以外の人も色々求めすぎているんですかねぇ。小説の中に書かれていた、たくさんCDが売れてほしいけどブランド物は身に付けてほしくないとか、忙しくなってほしいけどブログは毎日更新してほしい。とか。アイドルを受け入れる側は色々求めちゃいますよね。大好きなその人に自分の理想とするアイドルになってほしくて。
なのに今の時代は何か一つボタンが掛け違っただけでその様々な努力が一気に報われなくなるというか、一気に崩れてしまう、その風習が怖いなと私も思っていて。好きな人も嫌いな人もあることないこと自分の言いたいことを勝手にネット上に挙げたりしていて、小説で文字として出ていると改めてネットって怖いなと読んでいて感じました。今の時代怖いし、大変だろうなと思います。SNSが普及してアイドルじゃない時も一般人に監視させられているようですもんね。
朝井さんがどうしても書きたかったというアイドルの恋愛部分に対しては、上手く言えないですけど、そうだよね、そうしたいよね。と思いながら読んでいました。
愛子が恋愛という部分を認識し始めて、今までアイドルとして頑張ってきていたけどそれに対して感情の齟齬が生じたとき、愛子が選んだ選択は私は正しかったのだと思います。碧が選んだ選択も。合っている間違っている、じゃなくて、正しかったのだと。
愛子が仕事に悩んでいる時、その言葉に対してちゃんと受け止めて返してくれた大地の言葉が何だか私の心にも染み入ってきて、この二人はずっと一緒にいてほしいなぁ。と思いました。
この小説を読み終えて初めに感じた感想は、私は好きなアイドルを人間としてちゃんと好きでいるのだろうか。と思った事でした。
ブログを読んでくださっている方ならお判りでしょうが、私はカナリのアイドルオタクです。性別は違いますけど、アイドルヲタです。
女性アイドルと男性アイドルはもちろん違うと思うので、何見当違いの事言ってんだと言われればそれまでなんですけども…。
読み終えたときに「悲しいほどにア・イ・ド・ル〜ガラスの靴〜」の歌が何度も頭の中を駆け巡りました。
「恋の一つや二つオフィシャルな関係それさえも許されないの?」という部分が特に。
だから最後のシーンは何だかじーんとしてしまって。なぜだか涙が出そうになりました。
先週「ぼくらの時代」にモモクロの百田さんが出ていて10年後どうなっていたいかという話になった時「SMAPさんや嵐さんの女性版になりたい。10年後もアイドルとしてやっていたい。」と言っていたんですよね。男性よりも女性の方がなおさらアイドルでいることって凄く大変だと思うんですけど、10年後そうあってほしいななんて読み終えてなおさらそう思いました。
それにしても…朝井さんの文章力はすさまじいですね。引き込まれます。私、朝井さんの書く物語も勿論好きですが、文章が好きなんです。若者なのに良い意味で若さを感じない文章。SNSの良さや闇を書かれていて若者ならではだなと思いつつもちゃんと客観視しているところ。素晴らしいです。
今回も主人公が10代の女性なのにどうしてこんなに気持ちが分かるんだろうって思うくらい凄かったです。書いている人が男性だと忘れてしまうほどです。
面白かったです。
・・・ということで、今度はアラフォー男性アイドルの苦悩とか、そういうの書いてくれませんかね←
愛子にとって武道館が特別って言っていたけど、私にとっての特別な場所は代々木第一体育館かな…なんて、元も子もないことを^^;

〈文芸春秋 2015.4〉H27.5.9読了

スペードの3 朝井リョウ5

スペードの3スペードの3
著者:朝井 リョウ
講談社(2014-03-14)
販売元:Amazon.co.jp

ミュージカル女優、つかさのファンクラブ「ファミリア」を束ねている美知代。大手化粧品会社で働いていると周りには言っているものの、実際は関連会社の事務に過ぎない彼女が優越感を覚えられるのは、ファンクラブの仕事でだけ。ある日、美知代の小学校時代のクラスメイトが「ファミリア」に加盟する。あっという間に注目を集めた彼女の登場によって、美知代の立場は危うくなっていく。美知代を脅かす彼女には、ある目的があった。
華やかなつかさに憧れを抱く、地味で冴えないむつ美。かつて夢組のスターとして人気を誇っていたが、最近は仕事のオファーが減る一方のつかさ。それぞれに不満を抱えた三人の人生が交差し、動き出す。
待っているだけではなにも変わらない。私の人生は私だけのもの。直木賞作家朝井リョウが、初めて社会人を主人公に描く野心作!

う〜怖い怖い怖い。怖いよー。
特に美知代の章が怖かった〜。小学校時代の心理は読んでいて辻村作品のような心をえぐられるような感じを味わいました。(辻村さんも帯書かれていたんですね)
カラクリは多少気づきましたけれども、どちらの気持ちもものすごくリアルで読んでいて本当に怖かったです。朝井さん若いし男性なのにどうしてこんなにわかるの…
分かっているのに何度か女性作家さんが書かれている錯覚に陥りました。
美知代に共感は出来なかったな。こういう同級生は私の近くにはいなかったけど近くにいたとしても多分好きにはならなかったと思う。
むつ美は卑屈にはなっているけどそれでも自分を変えようと足掻いてもがいている女の子。本当に努力したんだろうなということが分かる。むつ美には素直にエールを送りたいと思いました。
つかさの心境は全く経験したことがないことだから共感は得られなかったけど、でもこういう理由で芸能界にいる人ってきっといると思う。別に大きな物語がなくったって良いと思う。またもがいて這い上がってほしいなと思いました。
「革命なんて起きない」という言葉がずっと胸に突き刺さっています。
あ〜…怖い。怖い。それでもこんな私でも変われるかな。なんて思わせてくれる作品でした。

〈講談社 2014.3〉H26.5.27読了

世界地図の下書き 朝井リョウ5

世界地図の下書き世界地図の下書き
著者:朝井 リョウ
集英社(2013-07-05)
販売元:Amazon.co.jp

「青葉おひさまの家」で暮らす子どもたち。
夏祭り、運動会、クリスマス。そして迎える、大切な人との別れ。
さよならの日に向けて、4人の小学生が計画した「作戦」とは……?
著者渾身の最新長編小説。
直木賞受賞後第一作!

先日「情熱大陸」で朝井さんが特集されていました。直木賞受賞後の作品ということでこの作品の打ち合わせが何度も放送されていました。
絵も著者の念願が叶ってスタジオジブリの担当の方が書いたということで実際のジブリ作品のような表紙です。
舞台は児童養護施設。何らかの事情から親と一緒に住めなくなった子供たちが暮らす施設です。私は大学生の時に2週間ほど泊まり込みで実習をしていたことがあります。
身近に小学生がいなかったから慣れなくて大変でした^^;子供たちは1日中元気。ずーっとしゃべってずーっと動いていて。働く職員の方々は本当に大変だなと思いました。
主人公は事故で両親を失った太輔。母親との約束を破ったせいで両親は死んでしまったとずっと気にしていた男の子。そんな不安定な太輔を気遣う6つ上の佐緒里。
淳也と麻利の兄妹に、ちょっと生意気な美保子。
同じ班で同じ部屋で生活している5人。
それぞれがそれぞれの事情を抱えていて、それでも頑張って必死に毎日を生きてる。
皆、強い子だと思いました。特に印象深かったのは麻利かな。みんなと一緒でいるときは甘えん坊なのに、泉に対して放った言葉。めちゃくちゃかっこよかったです。
それでも約束してもいじめている人は約束を破る人もいる。
だから、淳也や麻利の選択は一つの選択肢として正しかったのだと思います。
辛かったら逃げたって良い。笑われたら笑わない人のところへ行けばいい。
何だか思い当たる節があって泣きそうになりました…
太輔も大きくなったね。
佐緒里のことを佐緒里って言える日が来るといいね^^
温かい気持ちになって読み終えました。
あとは個人的に「BELIEVE」の歌詞が出てきたのが嬉しかった。本当に個人的理由だけど。
「情熱大陸」のなかでラストシーンについてで結構打ち合わせをされていたような気がするのですが、ラストシーンも良かったです。
出勤前2時間、退社後2時間執筆活動をされているのが本当に凄いなと思います。

〈集英社 2013.7〉H25.8.7読了

何者 朝井リョウ5

何者何者
著者:朝井 リョウ
新潮社(2012-11-30)
販売元:Amazon.co.jp

就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。

ちょうど先週の土曜の「王様のブランチ」で紹介されていた時に手元にあったのでタイミングが良かったです。スーツを着てて、でもまだ着させられてる感じがかわいかったです^m^←失礼な。
内容は就活について。って書けば簡単なんですけども。
何だかリアルに自分の就活を思い出してしまいました…。学生たちのリアルな悩みが物凄くぐさっと来て痛々しかったなぁ。私もそうだったんだろうなと思いつつ。
まあ、私の就活時はツイッターもFacebookもLINEもなかったですけど。
読んでいて最初は隆良の自分は就活しないからとなぜか就活している人に対しての上から目線がイラっとしました。
就活していようがしていまいが、それぞれが選んだ道なんだから偉いも何もないのにね。そして理香も違うタイプでイラッとしましたけども。留学経験があって就活のイベントにもたくさん参加していて自信を持ってて、でも内定が決まらない。物凄くプライドが高いんだろうなというのが瑞月や光太郎に対しての言い方で分かる。言葉の節々に嫌味が入っていて。
でも、そういう探り合いが就活なんだろうなーとも思う。元からの友達が内定を取ったというなら心から喜べるけど、就活を機に仲良くなった人が内定を取ったとしたら私は絶対に心から喜べないもの。
私も就活中にいろんな人を見てきた。そして自分自身も就活をして知ったことがたくさんあった気がする。まあ、結局就活して内定をもらった会社は3年で辞めちゃったんだけど^^;
だからやっぱり就活は全てじゃないってことですよね。瑞月が言っていたもう誰も助けてくれない。自分が選んで進まなきゃいけないっていう言葉に重みを感じました。
で、終わりに近づいていると思ってから残り30ページのまさかの展開。
「王様のブランチ」でも言っていましたが、本当にまさかの怒涛の展開でした。
目を背けたくなりましたけど、そむけなかったです。理香も拓人も醜かったけど理香の方が自己分析で来ていた分、上手だったかな。でも、拓人も最後の最後に少しだけ希望が見えて良かったです。
それでも気持ちは分かるんですよね、私も醜い部分たくさんあったもん…。
それにしても朝井さんは凄いですね。コメント一つ一つがしっかりしてていちいち納得。凄い人だなーって尊敬します。あのエッセイを書いた人と同一人物とは思えない^m^

〈新潮社 2012.11〉H24.12.17読了

カドカワキャラクターズ ノベルアクト2

カドカワキャラクターズ  ノベルアクト2カドカワキャラクターズ ノベルアクト2
著者:有川 浩
角川書店(角川グループパブリッシング)(2012-06-23)
販売元:Amazon.co.jp

「透き間シーズン 有川浩」いずみは大学進学のため上京し、一人暮らし。オートロックだから安心と思っていると新聞の勧誘が自宅にやってきた。困っていたところを助けてくれたのが、隣に住む男性だった。
「マドンナゆかりの断髪 朝井リョウ」高校のマドンナ的存在の三ヶ崎さんが髪をバッサリ切って現れた。バカなキンタローと槌田はどうしていきなりマドンナが髪を切ったのか気になり、調査に乗り出す。

同期が買ってないんですか!?有川ファンなのに勿体ない!貸しますよ!と言って貸してくれた本です。
雑誌なのですが、今回の特集が有川さんだったので気にはなっていたんです。でも、買わないでいたのでラッキーでした←
そして貸してくれたにも関わらず積読本が多すぎてなかなか読めず数ヶ月が経過してました。申し訳ない・・・
そして読みました〜。読んでよかった〜。インタビューの有川さんが素敵すぎます。流石私の心の師匠←
ちょうど「図書館戦争 革命のつばさ」の公開に合わせての特集だったので、図書館戦争についての解説がたくさん書かれていました。
私にとっても王子様←堂上教官の事ももちろん書かれていてニマニマしちゃいました。郁と堂上との出会いが懐かしくてニヤニヤ。郁が王子様の正体を知ったのって「図書館危機」の時だっけ?そうだったかーホント鈍い奴ですねー。←
最初のページに堂上夫妻の微笑ましい絵が描かれていてそれにもにまーっとしちゃいました^^
アニメについても書かれていました。そういえば私DVD全部買ったのに全部見てなかった!わー。そうか、アニメは図書館危機までだったんですね。ということは郁が王子様の正体を知ったところで終わったのか。で、映画に繋がるんですね。気づくの遅すぎると思いますけど^^;
アニメも小説も連載が終了して4年後の映画化に感慨深いものがあったそうです。そうですよね、それだけ経過していても人気が衰えず愛され続けたシリーズだってことですもんね。映画観に行けばよかったなぁ。観に行きたいとは思ってたんですけどね、もちろん。
この本を読んでまだ見ていないアニメを見たくなりました。映画も。こっちはDVDが出たら買おうかな。来年の1月に出るらしいし。
特典見たら声優さんたちのインタビューがあるんだ!わ〜!!それはほしい!それにWebラジオも入ってるんだ!それもほしい〜!!一時期聞いてたよ!これは買いだな。
久しぶりに堂上教官の声が聴きたいよ〜!!前野さーん!!
と、収録されていた小説について。
ちゃんと読んだのは有川さんのと朝井さんのだけだったのですが(ほかの作家さんごめんなさい)順に感想をば。
「透き間シーズン」甘酸っぱいなー。こんなに巧い事行かないだろうなって思ってても、有川さんの物語を読んでいたら恋をしたくなる。いずみが恋する乙女じゃなくてちゃんと現実的な部分も持ってるのがなおよかったな。隣の人とのコンビニスイーツの感想の言い合いが凄くかわいい。きゅんきゅんしちゃうなー。友達の知花ちゃんの恋愛も気になるところ。男子って馬鹿だからねー。素直に好きって言えなかったんだろうな。いずみの予想は正しいと思います。でも、知花ちゃんのトラウマになっちゃってるんだから笑っちゃいけないですね。今井君とでも違う子でも良いから、美人な知花ちゃんには無事に彼氏が出来てほしいなと思う。
「マドンナゆかりの断髪」朝井君が社会人になるギリギリ前に書かれた作品なのかな?こちらも可愛らしい作品でした。種明かしの部分は笑えないものもあったけど。このバカな男子と抑える女子っていう書き方が上手いなと思う。朝井君の新刊が今月末に出るので楽しみ。社会人1年目なのに凄いですね。無理せず書き続けてほしいなと思います。

学生時代にやらなくてもいい20のこと 朝井リョウ5

学生時代にやらなくてもいい20のこと学生時代にやらなくてもいい20のこと
著者:朝井 リョウ
文藝春秋(2012-06-22)
販売元:Amazon.co.jp
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話題の現役大学生作家の、まったくイケてない日々
『桐島、部活やめるってよ』の著者の初エッセイ集。華々しい「大学生作家」の看板の陰で繰り広げられる、無為で阿呆な爆笑の日々!

アホだ…本当にアホだ…
テレビや雑誌のインタビューでは朝井君はとてもまじめでしっかりした子だと思っていたのに。。。騙されたのか?私は騙されたのか!?←
凄いな、あのゆとり世代な感じの文章と行動^^;多少脚色してるんだよね。ねぇ?そうだと言って!(切実)
エッセイを読んでいて声を出して笑ったのはしをんさん以来2人目ですよ。
凄いな、朝井君。脱帽です。
大学時代のお話は本当にアホだった^^;いい学生時代を作り上げたんですねぇ。
羨ましく感じます。だからと言ってあんな無謀な旅諸々はしたくないですけどね。
北海道旅行に行くって決めてるのに船も電車も飛行機のチケットも取らないなんて信じられない^^;どうして誰も気づかなかったんだろう・・・不思議だ。北海道なんて簡単に行けるんですよ・・・チケットを獲れば。
眼科医との攻防とか・・・なに?^^;下半身が黒タイツのオジさんとか・・・不思議すぎる〜!
そして就活ですよ。もうアホすぎる〜!!就活のゆる〜い感じがしをんさんの「格闘する者に○」を思い出しました。こんなにゆるい就活で乗り切れるか〜!!ってキレたものだけど、実際にもいた^^;こんな感じだからゆとり世代だって言われるんだよ。
でも、最後に「どうして就職したんですか?」と当たり前のことを毎回聞かれる意味が分からないと言っていて、ただ単に夢だった作家デビューと就職の順番が変わっただけだと言っていたところがやっぱりちゃんとしてるところは^^;してるんだなと思いました。
社会人1年生で大変なことも多いと思いますが、小説は時間がかかっても書いてほしいなと思います。

〈文藝春秋 2012.6〉H24.7.12読了

少女は卒業しない 朝井リョウ5

少女は卒業しない少女は卒業しない
著者:朝井 リョウ
集英社(2012-03-05)
販売元:Amazon.co.jp
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今日、わたしはさよならする。図書室の先生と。退学してしまった幼馴染と。生徒会の先輩と。部内公認で付き合ってるアイツと。放課後の音楽室と。ただひとり心許せる友達と。そして、ずっと抱えてきたこの想いと―。廃校が決まった地方の高校、最後の卒業式。少女たちが迎える、7つの別れと旅立ちの物語。恋愛、友情、将来の夢、後悔、成長、希望―。青春のすべてを詰め込んだ、珠玉の連作短編集。


朝井さん、精力的に活動されていますね。
結構朝井さんの本は読んでいる気がする…
今回のテーマは「卒業」今時期にピッタリですね。
そして時系列が面白い。同じ高校の生徒だから微妙に絡んでいるのだけどつながりはそんなに強くなくて。そして卒業式の日の時間が少しずつ経過しながら7つの物語が進行している感じですかね。
7つの話どれも良かったなぁ。最初の図書室で出会った先生への恋も可愛らしくてちょっと切なかったし、ダンスに励んで上を目指す幼馴染との屋上での会話とか、卒業式でのまさかの告白とか、知的障害を持つクラスで過ごした日々の話とか。
最後の話はカナリ重たかったなぁ。2人が別々に深夜の学校へ忍び込んでいて、もう次の日には取り壊されちゃうからって最後に彼に会いに行くっていう・・・。切なすぎる。読み進めていくうちに2人の想う彼はもういないんだろうなとは思ったけど、そのいなくなった状況が切なかったな。でも深夜に2人が偶然出会ったことで2人とも前を向いて進むことが少しでもできたんじゃないかなと思う。
高校生の心理を書くのが本当に上手いなぁと思った。優等生が優等生から外れることに対して怖いと思っている姿とか、自分よりもデキる人への嫉妬や恨みの書き方とか。
私が言うのもおこがましいですけど、書く度にうまさがどんどん増していっているような気がします。
朝井さんは無事に就職先は決まったのでしょうか…ってまた余計なことを。
社会人をしつつも、小説は書き続けてほしいなぁと思います。

<集英社 2012.3>H24.3.20読了

もういちど生まれる 朝井リョウ4

もういちど生まれるもういちど生まれる
著者:朝井 リョウ
幻冬舎(2011-12-09)
販売元:Amazon.co.jp
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自分の力だけで生きていると胸を張って言えるわけではない。じゃあ、子どもかというと無知に振舞える年齢はとうに過ぎている。いちばん自由で、いちばん窮屈。恋や、将来の不安や、もてあまし気味の孤独の中で揺れ動く大学生5人とその仲間たち。彼らが踏み出す“最初の一歩”とは?日常にひそむ一瞬のきらめきが詰まった青春小説の決定版。
彼氏がいるのに、親友に想いを寄せられている。汐梨、平凡な日常と、特徴のない自分に飽き飽きしている。翔多、絵を通して、壊れた家族に向き合おうとする美大生。新、美人で器用な双子の姉にコンプレックスを抱く浪人生。梢、才能の限界を感じつつも、バイトをしながらダンス専門学校に通う。遙。あせりと不安を力に変えた5人が踏み出す“最初の一歩”。

つい最近朝井さんの新刊を読んだ気がするのですがまた新刊が出ましたね。活動的だなぁ…。
今回はもうすぐ20歳を迎える5人の男女が主人公。
それぞれの悩みは分かるんだけど、何だか気持ちとか雰囲気が若くてついていけないところもちょいちょい^^;もうしょうがないかぁ。
それぞれの主人公に対して共感できる部分があったかなと思う。
自分が小さい頃に思い描いていた20歳と実際に20歳になってみたときの印象が違いする。いつ大人になれるのか、20歳になったらどうふるまうのが正しいのか。
それは凄く分かる。私は今でもわからない。27歳にもなって何を言ってると思うのだけど。
それでも、それぞれ何かを見つけられた気がしてそれが救いでした。
5つの物語が同じ世界なのも面白かったです。
学生が作った映画とか、それにかかわる人たちとか。
あの事件の犯人にはびっくりしました。
でも、そうしてしまう気持ちも少し分かった。

〈幻冬舎 2011.12〉H23.12.26読了

星やどりの声 朝井リョウ5

星やどりの声星やどりの声
著者:朝井 リョウ
角川書店(角川グループパブリッシング)(2011-10-29)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
亡くなった父が残したもの……喫茶店、星型の天窓、絆、そして、奇跡。三男三女母ひとり。ささやかな一家が出会う、ひと夏の奇跡の物語。家族が"家族を卒業する"とき、父の残した奇跡が降り注ぐ……。

凄いです。一気読みでした。読む手が止まらなくて、読み終えるまで眠れませんでした。
凄いですね、朝井さん。どうして22歳でこんなに素敵な作品が書けるんでしょう。
学生最後の年に刊行って書いてあるからまだ大学生か!って驚きましたよ。
帯に有川さんと中村さんの言葉が書かれていますが本当にその通りだと思いました。
読み始めは6人の兄弟に順番と名前が覚えられなかったのだけど、読み進めて行くうちに個性と性格が全然違うからすぐに気にしなくてもわかるようになりました。
大好きで尊敬できるお父さんを病気で失ってから、兄弟6人と母親と支えあってきた家族。
物語は兄弟一人ひとりの章で形成されています。
それぞれの今の想いとか、お父さんへの想いとか、やっぱり6人それぞれの想いがあって、切なくなりました。
光彦は何となく頼りなくてスーツが似合わないけど、お父さんの事も家族の事もちゃんと考えていて気持ちはちゃんと思ったり。末っ子の真歩が笑わない理由がかわいらしくてでもとても悲しくて切なくて、笑っていいんだよ!って思ったり。小春とるりが双子でそっくりなのにわざとそっくりなところを隠しているところも切なくて。
凌馬のふざけてばかりだけど真面目であおいちゃんのことちゃんと考えてあげてて。
みんなとてもいい子だった。
特に、琴美。琴美は凄いです。お店が大変な母親に代わって、結婚しても休みの日は朝早く起きてみんなの朝ごはんを作って気を配って。本当に大変だったと思います。
琴美も頑張ったし、旦那さんの孝史も素敵な方でした。
そして、6人の名前。分かった途端にぶわ〜っと何だかこみ上げてくるものがありました。お父さん、本当に素敵な方だったんでしょうね。
有川さんも帯でかかれていましたが、この家族が、これからも幸せに過ごして行くことを願わずにはいられません。

〈角川書店 2011.10〉H23.11.6読了

チア男子!! 朝井リョウ5

チア男子!!チア男子!!
著者:朝井 リョウ
集英社(2010-10-05)
販売元:Amazon.co.jp
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柔道の道場主の長男・晴希は大学一年生。姉や幼馴染の一馬と共に、幼い頃から柔道に打ち込んできた。
しかし、負けなしの姉と較べて自分の限界を察していた晴希は、怪我をきっかけに柔道部退部を決意する。
同じころ、一馬もまた柔道部を辞めていた。幼くして両親と死別した一馬は、あるきっかけから、大学チアリーディング界初の男子チーム結成を決意したのだ。
晴希と一馬は、宣伝やスカウトなど紆余曲折を経て、理屈屋の溝口、内気で巨漢のトン、関西出身スポーツバカのイチローと弦という超個性的なメンバーを集める。なぜか参加を拒む体操界のプリンスをなんとか参加させ、目指すは秋の学園祭の初ステージ。男子チアへの冷たい視線や各メンバーの葛藤を乗り越え、7人は初ステージで大喝采を受ける。
コーチや新たなメンバーを迎え、チームは全国大会出場へ向けて本格始動するが…。
チアリーディングとは、こんなに激しく美しいスポーツだったのか!
何かに一生懸命な人間の姿とは、なんて格好良いのだろう!
著者の通う早稲田大学に実在する男子チアリーディング・チーム「SHOCKERS」に取材した、みずみずしい若さ溢れる、感動必至の長編スポーツ小説。

朝井さんの第2作目です。
前作が好きでしたし、「あさイチ」でこの本が特集されていたので、とても気になっていました。実際に早大の男子チアの現場もやっていましたし。もの凄い迫力で、かっこよかったんです。
この本も面白かったです!
自分自身を振り返るきっかけになった男子チア。挑戦しようと入部?する人たちは何かしら心の中に葛藤を抱えていて、メンバーとぶつかりながらも成長していくのが良く見えました。
みんなの悩みが、学生らしい感じがして良かったです。就職して社会人になったら振り返られない悩みというか。学生だから向き合えるような気がしました。
何もないところからメンバーを増やして全国選手権を目指すって言うのは、何となく「風が強く吹いている」に似ているなと思いました。何となく。そう思ったのは、朝井さんの書かれた男の子達が、女性作家さんが書くような男の子達みたいだなぁと思ったことなんですよね。
上手く言えないのだけど・・・。女性がこうだったらいいなという男性像が書かれているような気がしたんですよね。って言ったら失礼ですけども。
最後の大会は圧巻でした。
細かく取材されたんだなぁと言う事が伝わってきました。表現は上手いし、その間間に入る彼らの日記と悩みと葛藤。その描き方が上手かったです。順番も良かった。
カズとハルの友情がまたいいんですよね~
10年来の信頼関係が伝わってきます。
お姉ちゃんとも和解?して良かったなと思ったし。
こういう仲間っていいですよね!素敵ですよね!
青春だ!!と思いっきり感じた作品でした。面白かった!

〈集英社 2010.10〉H22.11.21読了

桐島、部活やめるってよ 朝井リョウ3

桐島、部活やめるってよ桐島、部活やめるってよ
著者:朝井 リョウ
集英社(2010-02-05)
販売元:Amazon.co.jp
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バレー部の「頼れるキャプテン」桐島が、突然部活をやめた。それがきっかけで、田舎の県立高校に通う5人の生活に、小さな波紋が広がっていく…。野球部、バレー部、ブラスバンド部、女子ソフトボール部、映画部。部活をキーワードに、至るところでリンクする5人の物語。第22回小説すばる新人賞受賞作。

朝井リョウさんのデビュー小説。読もう読もうと思いつつ、こんなに時間が経ってしまいました。
上手いですよね。文章の運びとか、人とのリンクとか時系列の微妙な動きとか。
ついに平成生まれの話題の小説家が出てきたか・・・と思いました。
高校生達の話なので、喋り方があまり好きじゃなくてついていけなかったんですけど^^;それは私が歳をとったからで、年齢の近い著者がうまくそういう高校生を書いているんだろうなと思いました。
小説の中では「桐島」と関わっている人やクラスメートは登場しますが、「桐島」自身は登場しません。
でも、みんな桐島が部活をやめたらしいという事は知っています。
それは本当に心配しているのか、それとも興味本位なのか。出てくる人たちは若干心配しているようでしたけど、その友達は本当に興味がなさそうな感じで。
単なる話題づくりのようにも感じました。
タイトルにするには、薄く書かれている章もあって、何を伝えたいんだろう・・・と思うところはありましたけど、そこから、同級生達が自分の学生生活を見直すっていう部分では良かったのかなと思います。
私が特に印象的だったのは、映画部の2人。好きな事を一生懸命するって、素敵な事だと思います。人にどう思われていようと、そして周りの声を気にしつつも、その好きな事を貫いている2人はカッコイイと思います。
だから、そんなに自分と素敵だと思う人たちに、そんな境界線なんて作らなくていいのにと、私は思うのだけど。
でも、分かります。輝いていてかっこいい人たちって絶対にいるんですよね。近づけないオーラというか、話しかけたくないオーラというか^^;
だからといって、自分を卑下する必要はないと思う。
それよりも、そういう一生懸命な人たちを、自分は何もしていないくせに勝手にいいようにバカにする人たちの方が、よっぽど自分を見つめなおした方がいいと思う。
見た目だけ着飾って、中身がカラッポだったら、将来生きていけないですよ。
そういう人たちの言動が、私は凄く腹が立った。
でも、悪いと思っていても、周りの友達って悪いって言えないんですよね。それも分かる。学生の時代って難しいんですよね~
何だか微妙に思い出してしまいました。
出てくる高校生達の会話、映画とか音楽とかタレントとかあったけど、微妙についていけなかったなぁ・・・^^;特に音楽は、若くて。まあ、私は音楽はほとんど新規開拓をしないのが原因だと思いますけど。
映画や本の話は割とわかりましたけど。
「となりのトトロ」の話は聞いたことがありました。
でも、ジブリ側は違うって言ってますし、私はその話を聞きたくなかったと思いました。とっても幸せそうな家族なんだから、それでいいじゃないかと思うんですけど。まあ、裏づけがやたらリアルでしたけど。
この著者さんは、以前「あさイチ」で取材を受けているのを見ました。
何だか凄く好青年。受け答えもしっかりしていて、若いのにしっかりしているなという印象でした。
「大学を卒業したら、小説1本でいくんですか?」という質問に対し、
「ちゃんと会社に就職して、社会人として自立した上で小説も書きたい」と答えているのが印象的で。本当に、しっかりしてるなと思ったんです^^
新刊も、予約の順番が来てもう手元にあるんです。
2作目も楽しみです。

〈集英社 2009.2〉H22.11.6読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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