とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。
体組成計を買うため――ではなく、寿命を効率よく消費するために。
この本は、そんなヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、おそらく誰も読んだことのない文字列の集積です。
未だかつてない目線だと聞き、タイトルからきっとその目線だろうなと思ったらやっぱりそうで(笑)
一体どんな風に書かれているんだろうと思ったら意外とぽわぽわしたというか緩い感じでこちらも緩く読めました^^淡々と尚成のことを第三者のような形で語っていましたけど、同性愛者である尚成に関して語られる場面は何だか哲学的で引き込まれました。同性愛者だから何もかもを諦めていった尚成と、同性愛者だからと闘うことを決めた颯は正反対で、だから尚成が影響を受けるかと思いきやそうでもないのが良かったです(笑)そして後半、尚成が「次」を見つけて変わっていくのが面白かったです。夢中になってやってることが両極端!おもしろ!でも、やりたいことを見つけて最後は幸せそうで良かったと思いました。
私の「しっくり」いく生き方てどんな形なんだろうなぁと、読み終えた後に考えています。
<小学館 2024.10>2024.11.20読了