かつて「超高校級」ともてはやされたピッチャーだった大瀧鉄舟は野球の道をあきらめ、人生そのものが停滞したまま20代半ばを迎えてしまった。そのまま生きていくのはツラすぎるけど、現実と向き合って人生をやり直す勇気もなかなか出ない。そんな鉄舟が、ひょんなことから草野球チームを創設することに。だが、彼の元に集まったのは結構クセ強な男女八人。すったもんだの果てに迎えた初の対外試合。全員挫折経験ありのへっぽこナインが、河川敷のグラウンドで奇跡を起こす! (……かも)
母親から強引に進められ、始めは仕方なく始めた草野球のコーチ。
そこから過去の自分を見つめなおし、自分と、周りの人と向き合っていく姿がとても良かったです。
実力があったから、みんなで甘やかして育てたんだろうなぁ…^^;練習はもちろん厳しかったと思うけど。まあ基本的に人見知りみたいだから虚勢を張っていたのかもしれないけど。
だから、高校の時の事の諸々は鉄舟だけが悪いわけではないとは思います。だからと言ってその名声から何年も経っていてそこから進みだすのは自分。だから、お母さんはとてもいいきっかけをくれたんですよね。それにしても航太朗は良い奴だったなぁ…。五郎も最初は何だこいつはと思っていたけど、良い奴で、鉄舟の勤め先の上司も良い人で、鉄舟は良い人たちに囲まれていたんですよね。それに気づけて良かった。
越谷さんらしい爽やかで素敵な物語でした。
<幻冬舎 2022.6>2022.8.14読了