苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

越谷オサム

たんぽぽ球場の決戦 越谷オサム5

たんぽぽ球場の決戦
越谷 オサム
幻冬舎
2022-06-22


かつて「超高校級」ともてはやされたピッチャーだった大瀧鉄舟は野球の道をあきらめ、人生そのものが停滞したまま20代半ばを迎えてしまった。そのまま生きていくのはツラすぎるけど、現実と向き合って人生をやり直す勇気もなかなか出ない。そんな鉄舟が、ひょんなことから草野球チームを創設することに。だが、彼の元に集まったのは結構クセ強な男女八人。すったもんだの果てに迎えた初の対外試合。全員挫折経験ありのへっぽこナインが、河川敷のグラウンドで奇跡を起こす! (……かも)

母親から強引に進められ、始めは仕方なく始めた草野球のコーチ。
そこから過去の自分を見つめなおし、自分と、周りの人と向き合っていく姿がとても良かったです。
実力があったから、みんなで甘やかして育てたんだろうなぁ…^^;練習はもちろん厳しかったと思うけど。まあ基本的に人見知りみたいだから虚勢を張っていたのかもしれないけど。
だから、高校の時の事の諸々は鉄舟だけが悪いわけではないとは思います。だからと言ってその名声から何年も経っていてそこから進みだすのは自分。だから、お母さんはとてもいいきっかけをくれたんですよね。それにしても航太朗は良い奴だったなぁ…。五郎も最初は何だこいつはと思っていたけど、良い奴で、鉄舟の勤め先の上司も良い人で、鉄舟は良い人たちに囲まれていたんですよね。それに気づけて良かった。
越谷さんらしい爽やかで素敵な物語でした。

<幻冬舎 2022.6>2022.8.14読了

四角い光の連なりが 越谷オサム5



同じ車両の誰かの、今日はかけがえのない一日。きっと毎日、そうなんだ――。恋と作文に悩む小学生も、夫を亡くしたおばあちゃんも。日本を訪れたポーランド人夫妻も、人気急上昇中の落語家も。故郷に帰る激務のサラリーマンも、熱狂的な阪神ファンも。人生の大切な瞬間、笑うときも泣くときも、気づけばいつも列車があった。忘れられない出会いや別れ、あなたの大切な記憶が溢れ出す五つの物語。

越谷さんの新刊です。
5つの短編集なのですが、内容はバラエティに富んでいるのですがどれも温かくて優しい物語でした。
越谷さんらしさが満載でしたね〜。
「やまびこ」故郷へ向かうサラリーマンが新幹線の中で家族と過ごした時間やブラック企業に勤めていた時の事などを回想していきます。そして故郷へ帰り、父に言われた言葉。凄く心に残りました。
「タイガースはとっても強いんだ」可愛いタイトルですが主人公の風貌も想像すると可愛いです。ポーランド語を話せる青年がたまたまポーランド人の夫婦と出会い交流していく話です。彼女になりそうな女性も含め、みんな素敵でした。
「二十歳のおばあちゃん」自分がかつて乗っていた電車が愛知県にあると知り、祖母と孫の2人旅が始まります。幻想的な素敵な物語でした。お孫ちゃんはとてもいい子でした。
「名島橋貨物列車クラブ」小学生時代の甘酸っぱい思い出なんですかね。もう一人の男の子は何かしらの障害のある子だったのかな。3人の会話が可愛かったです。
「海を渡れば」落語家のお話。何だか切なくなりましたけど、真面目に一生懸命生きてきたからこその今なんですよね。良いお話でした。

<新潮社 2019.11>2020.1.21読了

まれびとパレード 越谷オサム

まれびとパレード
越谷 オサム
KADOKAWA
2018-10-31


人生を変えてくれたのは、人間ではない何かでした――。
ゾンビ、座敷わらし、泥田坊、邪鬼――。彼らに出会ったら、何だか少し、変わるかも!?
元恋人に再会した私。でも、彼はゾンビになっていて――。(「Surfin’ Of The Dead(邦題:サーフィン・ゾンビ)」
引きこもりの弟が恋したのは、座敷わらしだった!?(「弟のデート」)
怪しい男の声がする。通報を受けて倉庫跡地に行った市職員が出会ったのは――。(「泥侍」)
興福寺東金堂の四隅を護る四天王立像。彼らに踏まれ続けている邪鬼たちの冒険譚。(「ジャッキーズの夜ふかし」)

越谷さんの新刊。4編の短編?中編?が書かれていますがどれも人間ではない何かが登場します。
それでも怖いものではなくて何だか可愛らしくて憎めない。どの人(?)も可愛らしい印象でした。
「Surfin’ Of The Dead(邦題:サーフィン・ゾンビ)」結婚を機に東京から地元に帰ってきた私。地元の収入源だったサバが獲れなくなってから深刻な貧困と化していた街。実家の食堂も閑古鳥が鳴いている。そんなある日、私は元恋人と再会する。彼は1年前の台風の日から行方不明になっていた。
このゾンビがなかなかグロテスクなのですが^^;それでも中身は彼のままで。そして彼との別れの後、思わぬ展開が待っています。彼はそのことに気づいていたのかな。
「弟のデート」ある事情からひきこもりとなってしまった弟が座敷童のために奔走し、変わろうとしている姿が健気でした。それを陰ながら応援しているお姉さんにも。
「泥侍」私、この作品が1番好きでした。地縛霊の様にたたずむ青空の祖先。江戸時代の人なのに割と臨機応変に対応していて話も分かる人。この作品も最後がかなり意外なのですが良いラストでした。
「ジャッキーズの夜ふかし」日頃見ている仏像が夜にこんなことをしていたら。想像したらおかしくて可愛いです。興福寺はずっと行ってみたいと思っている場所なんです。行きたいなぁ。

<角川書店 2018.10>H30.12.9読了

房総グランオテル 越谷オサム4

房総グランオテル房総グランオテル
著者:越谷オサム
祥伝社(2018-03-13)
販売元:Amazon.co.jp

東京から特急列車でわずか一時間二十分、青い海と月色の砂浜が美しい南房総・月ヶ浦。この町で生まれ育った私、藤平夏海は十七歳の高校二年生、民宿「房総グランオテル」の看板娘だ。相棒は、すさまじい美少女なのに中身がアホすぎる従姉妹のハルカ。私たちの楽しみは、オフシーズンにしかできない客室でのお泊まり会だった。明日は休校、空室ありの絶好のチャンス!のはずだったのに、今日のお客さんたちはどこか様子がおかしくて…。海辺の民宿を舞台にとびっきりの奇跡が起きる最高にキュートな物語。

越谷さんの最新作!
今回の舞台はホテル…というか旅館?ですね。
平日のお客様は3人。陽気な長髪の中年男と疲れた顔をしている30代OLと自称カメラマンの20代の男。それぞれが怪しげな雰囲気を持っていて夏海たち家族は少し困惑します。特にOLはもしかして…と疑い、家族はあの手この手で女性を明るい気持ちにさせようと奮闘します。
この家族の明るさが良いですね。客商売だから当たり前なのだけど、でもこの3人の人当たりの良さが読んでいて伝わってきました。
物語は高校生の夏海と3人の宿泊客目線で順番に物語が展開していきます。
OLの落ち込み具合、分かる部分がありすぎて胸が締め付けられるようだったのですが、このOLが実はとても強かった。段々強気になって逞しくなっていったのがかっこよかったです。
ラストも越谷作品らしい爽やかな感じで好きでした。

<祥伝社 2018.3>H30.4.20読了

魔法使いと副店長 越谷オサム4

魔法使いと副店長 (文芸書)魔法使いと副店長 (文芸書)
著者:越谷 オサム
徳間書店(2016-11-22)
販売元:Amazon.co.jp

藤沢太郎(41歳)。憧れのマイホームを買ったばかりなのに、いきなりの転勤命令!妻と幼い息子を残し、湘南にあるスーパーで、本社復帰を目指し、副店長としての業務に勤しむ日々。ある日、自宅アパートの窓から、箒に乗った女の子が突入!アリスと名乗る見習い魔法少女と彼女を見守る役目だという小動物“まるるん”に居候を決めこまれてしまった。慣れない女の子との非日常な暮らしの中で、少しずつ見えてくるもの、変化していくものとは?いかにもライトノベルのような設定から始まる、ハートウォーミングな家族小説!

久しぶりの越谷さん。最近新刊出してないなー元気かなーと思ってました^^;
最初から窓ガラスを突き破ってやってきた不思議な女の子の登場…っていうのに完全なるファンタジー感がぬぐえませんでしたが。でも、アリスの境遇や魔法使いが生まれる理由が徐々に明らかになっていくと、これはファンタジーという言葉だけで片づけてはいけないなと思いました。
最初はアリスのあまりの子供っぽさに14歳でこれはないだろうと思っていたんですけど、読んでいくうちに私も可愛い女の子だなぁと思うようになっていきました。確かに味方を増やす人柄なのかもしれないですね。
藤沢と奥さんの関係も素敵でしたねー。ちゃんと会話をしててお互いを思いやっている感じが良かったです。4月に自分の家に戻れると良いなぁ。

<徳間書店 2016.11>H28.12.27読了

いとみち 三の糸 越谷オサム5

いとみち 三の糸いとみち 三の糸
著者:越谷 オサム
新潮社(2014-04-22)
販売元:Amazon.co.jp

アルバイト先の「津軽メイド珈琲店」で、後輩ができました。でも―ひとつ屋根の下であの人と過ごした夜。淡いながらも、熱烈な恋!?自分が本当にやりたいこと。叶えるために進むべき道。それが、少しずつ見えてきました。ちっこくて泣き虫で、祖母譲りの濃厚な津軽弁。口下手だけど、三味線を構えれば饒舌な「相馬いと」も高校三年生。純度100%の青春サーガ、「いとみち」三部作、完結編!

甘酸っぱいなー。可愛いっ!清いよ!←
いとちゃんと会えるのをずっと待っていました。そしていよいよ完結編。いとちゃんも高校3年生。大学受験を控える受験生となりました。
メイド珈琲店も人が変わりいろいろある模様で。
チハルは最初ホント大っ嫌いでしたわ^^;でもこういう人っていつの時代もいるよね。その場をノリで乗り切ろうとして大した知識もないもんだから自分が知っているネタを面白おかしく言う人。人のことを傷つけてるという意識もなく平気で言う人。いるいるいる。
それでもいとちゃんのお陰で良い方向へ向かって言ってよかった。いとちゃんは本当に萌えもあるし怖さも持ってるし^^最強ですな。
鯉太郎との恋愛模様もどうなることやらともどかしくてドキドキしていたのだけど、なんすかあの急展開は!?そして急展開がありつつもうが〜〜〜!!となる感じ^^;
予想はしていましたけど。
今回は東日本大震災のことが絡んでいましたね。この作品が始まったのは4年半前だからはじめは発生前だったのだけど、いとたちが中学生の時に経験したという形になっていましたね。やはり津軽が舞台なので切り離せないと思ったのでしょうね…。
いとの選んだ道が凄くかっこよかったです。人は見かけによらないとはこのことですね。
最後のシーンはとても感動的で、うるっとしちゃいました。
そしてまた新しい物語が始まりそうなそんな終わり方もまた好きです。
いとちゃんのおばあちゃんも大活躍だった今回^^
満足でした。
またどこかでいとちゃんたちと逢えると良いな。

〈新潮社 2014.4〉H26.6.11読了

いとみち 二の糸 越谷オサム5

いとみち 二の糸いとみち 二の糸
著者:越谷 オサム
新潮社(2012-09-21)
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濃厚な津軽弁と三味線の使い手、相馬いとが高校二年生になりました。でも、相変わらずちっこくて泣き虫で、人見知りです。アルバイト先の本州最北端にあるメイドカフェでは、先輩たちから避けられて、三味線コンサートもマンネリ気味。写真同好会に入ったものの親友と大げんかし、学校も居心地が悪くて――。どうするの、いとっち!?

続編が出るとは思いませんでした。いとみち第2弾です。
前回最後にちょっと成長したかなとおもったいとですが、あいかわらずの泣き虫で極度の人見知りは変わっていない模様。でも、バイトは続けて頑張っていました。
そんないとも進級して高校2年生に。
見た目は小学6年生でもバイトに勤しみ、バイト先は地元新聞社が取材に来るほど評判が良く、順風満帆かに見えましたが。
バイト先の同僚である智美には避けられているような気がして、常連客で話しやすいと思っていた山本からはよそよそしい態度をとられるようになります。
それは自分が悪いのではないかといとは思い悩みます。
その理由は後々明らかになるのですが、いとは本当に心配性ですね。自分に非があると考えるなんて。そこまで凄い事言える性格じゃないだろうに←
学校でも進級して友達と写真同好会を作り、初めて後輩が出来ることに。後輩の鯉太郎がめちゃくちゃいい!川でおぼれている所を助けてくれたり、悪い奴を巨漢を生かして追っ払ってくれたり、でも口調はちゃんとしていて偏見も持っていなくって。
見た目がタイプじゃなくたってそりゃ意識しますよー。
2人の雰囲気もぎこちなくてなかなか可愛かったです。
今回いとのおばあちゃんの出番が少なくて残念でしたが、智美さんや幸子さんについて丁寧に描かれていて、環境に変化が訪れて。
展開がいちいち良くて癒されて…参りました。
色々最初は問題があるなあと思ったけど、いとっちの力ではないけど諸々解決して良かったよかった。
今回は幸子さんが私は印象深かったです。28歳って同じ年なもので。
なのに10歳の子どもがいるからですかね。見た目は若くても物凄く母性の強い人で。いとが悩んでいることをちゃんと気づいて行きすぎない慰めをしていたり、いとがさびしそうにしていたらちゃんと気が付いて抱きしめてあげたり。凄いなーと思いました。
幸子さんには幸せになってほしいなと思いました。
まだまだ続いてほしい作品です。
諸々いとちゃんの今後が気になります。進路とか、恋の行方とか。

〈新潮社 2012.9〉H24.9.30読了

くるくるコンパス 越谷オサム4

くるくるコンパス (一般書)くるくるコンパス (一般書)
著者:越谷オサム
ポプラ社(2012-04-10)
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さえない中学将棋部の男子三人カズト、シンヤ、ユーイチは、転校してしまった部活仲間の佳織に会うために、京都行きの修学旅行を飛び出して大阪へ。恐ろしい体育教師や、非協力的な班の女子、不慣れな大阪の街…数々の困難を乗り越えて、たどりついた先には―?苦くて痛いような、甘酸っぱくてくすぐったいような、熱くて特別な、長い旅が始まる。

バカだなぁというのが最初の感想でした^^;
中学生が行った事もない場所をそんな短時間で行けるわけがないだろうと。しかも結構な無計画具合だったし。
先生のハナを明かしてやろうとか、転校した女の子に会っていい顔して見せたいとか、最初のきっかけも安易だなぁと思いながら読んでいたのだけど。
中学生の頃ってこういうバカで、でもそういうのに一生懸命な時期なのかなぁとも思ったりしました。
私は中学も高校も、修学旅行にいい思い出はなかったし。団体で行動していると、絶対に合わない人って出てくるんですよね。私は計画通りカッチリ行きたかったのだけど、時間が間に合わなければいけなくてもしょうがないじゃんって思っている人もいて、まあ思い通りにはいかないですよね。窮屈だし。
そういうのもまとめて楽しむっていう事が私は出来なかった人だから、3人の行動はほんの、ほーんの少しだけど羨ましい気もします。
特に中学時代の先生って結構面倒くさい存在なんですよね。反抗期の時期ですし。
でも今は本当にいろいろ大変なんだろうなとは思うけど。
いろんなところからのプレッシャーがあるとはいえ、田沼という先生は私は嫌いです。生徒に厳しいからその厳しさの中にちゃんと愛があるのかなと思ったらそうではなかったし。自分の失敗も生徒のせい。生徒の失敗をいつまでもひけらかす。それは先生がしてはいけないことだと思う。
ゴリ先生は生徒に目線が近い先生なのかなと思いました。
出発前から生徒の気持ちを見抜いているなんて凄い!ああいう先生は近くにいてほしかったなと思う。
もちろん、好きな先生はいたけど。
言い方は悪いかもしれないけど、全体的にベタな物語です。それでもハラハラしたり、呆れたり、ちょっと感動したり、読んでいていろんな感情を持てる本でした。

〈ポプラ社 2012.4〉H24.5.1読了

いとみち 越谷オサム5

いとみちいとみち
著者:越谷 オサム
新潮社(2011-08)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
「お、おがえりなさいませ、ごスずん様」本州最北端のメイドカフェで、だべ。ちっこくて泣き虫で濃厚すぎる津軽弁。日本代表クラスの「ドジッ娘」相馬いとの進化が、全速力で始まる。津軽の奇跡、グルーヴィンな青春小説。

越谷さんの作品、やっぱり好きだ。可愛い・・・可愛すぎる!
主人公の相馬いとは、とても恥ずかしがりやで内気な女の子。そんな自分を打破したいというのと、メイド服が着てみたかったと言う理由で、メイド喫茶でバイトをすることに。
そこにいる従業員は三十路ちょっと手前の店長にちょっと怖い幸子さん。お客受けがいいグラマーな智美さん。
始めはいとがあまりにもドジっ娘だし物凄く訛っているし、どうなることかと思いましたけど、いとは本当に一生懸命で素直でいい子で。きっと同じ職場にいたら、初めはドンくささにいらっとするかもしれないけど、熱心さがちゃんと伝わって来て、その一生懸命さが可愛くて可愛くて抱きしめたくなっちゃうかもしれない。
いとは良いバイト先を見つけたね。
一緒に働く人達が本当に個性的で、でもみんな何かしらの想いを持って働いていて、このお店の人達もひとつの家族だなと思った。
常連のお客さんたちもいとを優しく見守っている気がして愛着がもてました^^
そして、どんな仕事してるか分からないもんですね、意外と^m^
バイトをしたことがきっかけでいとは高校で友達も出来て。その友達もみんな本当にとってもいい子。始め、いとはメイド喫茶で働いていると言って引かれたら、嫌われたらどうしようと思って言わなかったけど、そんなことをいちいち気にする友達じゃないだろうなって最初から読んでいる側は思いました^^
みんな良い子だけど、早苗ちゃんが本当にカッコいい。こんな子が傍にいたら可愛くて可愛くて抱きしめちゃうと思う(またか)
オーナーさんも、根は良い人なんですよね。それが伝わってきました。だっていとちゃんの魅力を見出した人ですもん^^
いとちゃんが必死に泣きながら訴えるシーンは、電車の中で読みながらうるっとしてました。本当にいい子だー!
そして見所(読みどころ?)は最後のシーン。
メイド服に津軽三味線なんて、新しくてかっこいいですよね^^
いとちゃんが奏でる津軽三味線を聴いてみたくなりました。

〈新潮社 2011.8〉H23.9.23読了

せきれい荘のタマル 越谷オサム4

せきれい荘のタマルせきれい荘のタマル
著者:越谷 オサム
小学館(2011-01-18)
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静岡から東京の大学に進学した石黒寿史は、同郷である法村珠美(のりたま)への恋心から、同じ映画研究部に入部する。しかし寿史は、やたら面倒見のいい、同サークルの先輩・田丸大介(タマル)につきまとわれ、早朝マラソンに付き合わされそうになったり、あきらかに怪しいサークルのBBQに参加させられたりと、振り回されっぱなしの日々。あげく、タマルまでがのりたまに恋心を抱き、猛攻撃を始めて―。

久しぶりの越谷さん。越谷さんの描く学生ってとても好きです。何だか、学生と言う限られた時間を大事にしようと前向きな人がたくさん出てくるような気がするので。
やっぱりスカッとする小説って大事ですよね!越谷作品はまさにそんな感じで。
タマル先輩と言う存在が、読み始めはうざくて^^;
始めは何だかだれながら読んでいたのですが。(ごめんなさい)
タマル先輩がただの迷惑な先輩じゃないと分かってからは、引き込まれて読んでいました。
特に、あのバーベキューパーティ?以降は面白かったです。
私も始めはタマル先輩が嫌いだったのですが、最後は大好きになりました。
タマルめいちゃってます^m^
タマル先輩は迷惑な人なんじゃなくて、だれよりも真面目で、一生懸命で、人のために何かを仕様とする意志が本当に強い人なんだと思いました。
だから騙されやすくて、危なっかしいのだけど。それでもフォローしてくれる人がいるのは人望なんですかね。人望?何か違うか・・・。
寿史もいい子でした。タマル先輩の言うとおり、優しい子なんだと思う。
寿史の場合は優しさが自覚がなくてさりげないのが憎いですよね。それが良かった。
タマル先輩を知った最初の方は、猫丸先輩を彷彿とさせる雰囲気だったのだけど、最後は印象はガラリと変わりました。
面白かったです。学生時代に読みたかったな。

〈小学館 2011.1〉H23.3.17読了

金曜のバカ 越谷オサム4

金曜のバカ
金曜のバカ
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「金曜のバカ」
カナはいつも金曜日が憂鬱だった。いつものように周りに何もない道を通って岐路についていると、変な男がいきなり前に立ちはだかった。思わずカナは身構える。それ以降、2人の金曜の不思議なバトルが始まった。
「星とミルクティー」
妻の入院している病院へ向かう途中、僕は高校生の頃の事を思い出していた。彼女を誘って観に行こうとした獅子座流星群。彼女が見に来れなくなったため、1人で決めていた場所へ向かうと、先客がいた。ひかりという名の少女だった。彼女も獅子座流星群を見に来たらしい。周りが真っ暗で、声しか分からなかった。
「この町」
僕は彼女と松山から夜行バスに乗って東京へ行く。泊りがけで彼女と出かけるなんて初めてで、準備は万端でテンションはずっと上がりっぱなし。彼女を待つ間、18切符を使って旅行をしようとしている同級生や、高校時代の友人と会うと言う担任の先生と出くわす。
「僕の愉しみ 彼女のたしなみ」
片岡はいつも電車で見かける同級生の黛を映画に誘った。そのときに、恐竜展にも行かないかと次の約束を取り付ける。片岡はかつて恐竜オタクであることをバカにされたことがあり、黛にはそれを知られまいと黙っていた。
「ゴンとナナ」
七海は吹奏楽部を辞め、それからは飼い犬のゴンを散歩に連れ出すことが日課になっていた。その散歩道に吹奏楽部の荻野が七海を再び吹奏楽部に戻そうと3日に1度はやってくる。

ネタバレあります

越谷さんの作品は久しぶりです。「陽だまりの彼女」が私の中ではよくなくて^^;それ以来どうしようかなぁ〜と思っていました。
この作品は好きです。始めに好きだと思った頃のような作品だったと思います。
読んでいて思ったのは、青春だなぁ〜って言う事^^私はこんな時はなかった。
「金曜のバカ」
カナとストーカー男のバトル話。設定的にはあんまりなさそうだけど、2人の関係は面白くて好きでした。ストーカー男の思い込みは激しすぎて、これからまともな恋愛が出来るのかとても不安だけど、とりあえず外に出て、働きに出始めているから少し前には進んだのかな。
「星とミルクティー」
私の中で星に関わる恋愛ものといったら「星の瞳のシルエット」なのだけど^^
高校時代のほんの1日の出来事はとても可愛らしくて素敵な話でした。
でも、生まれた子にその子の名前をつけるのはどうだろう。最後の発言も、勘の良い女性なら、過去に関わった女の子の名前かしらって疑う気がするんだけど。って、考えすぎ?^^;
「この町」
主人公の男の子が先走っちゃってバカだけど、可愛いなと思いました。何だか最初から結末が分かったような気がして読んでましたけど、やっぱり^^;
でも、まだまだ若いし。これからですよ。いろいろ経験して大人になっていくんだから。って、えらそうですけど。
「僕の愉しみ 彼女のたしなみ」
片岡君と黛さんの可愛らしいデート、読んでいて微笑ましく感じました。
片岡君はかつて好きな子に好きなことをバカにされて、言うまいって誓っていたけど、そんなのはバカにする子が間違っているんだから、好きなことは堂々としていていいんだよ。分かってくれる子は分かってくれるから。
オタクで勿論いいけど、それを押し付けないで、今回のデートのように相手に分かりやすく説明をしようと努力をし続けていれば、絶対に大丈夫だと思う。黛さんの秘密?はびっくりしたけど。でも、だれしもがオタクな部分は持っているんだから、2人の関係はとてもいいと思いました。
私ももうV6は隠さない^^;箱根駅伝とか実業団駅伝は・・・隠さないけど話すきっかけがなさそうだな・・・。本(小説)も隠さない。
「ゴンとナナ」
この作品が1番苦手かも^^;ゴンの語りの部分は好きだったんだけど、七海の部分っていうか男女のかかわりが嫌というか。荻野君はなんなんでしょう。ただ単に女なら誰でもいいのか?最後に七海が受けた仕打ち・・・って言うわけでもないけど、可哀相だったよ。七海に言いたい。学生の時に思う「一生こうなのかな・・・」は短いもの。ちょっと経てばもっと世界が広がるし、一生仲良くしたいって言う友達だって絶対にできるから、焦っちゃダメだよって^^あぁ・・・生意気ですけど。

〈角川書店 2010.1〉H22.5.5読了

陽だまりの彼女 越谷オサム3

陽だまりの彼女

恋の始まりに、理由なんてない。でも、恋の終わりには、必ず理由がある—。
運命の人を、そんなに簡単にあきらめちゃって、いいんですか?
中学時代の幼馴染と10年ぶりに再会した俺。冴えないイジメられっ子だった彼女は、驚異の大変身を遂げていた。
モテ服にさらさら大人ヘア、しかも、デキる女系。
でも彼女、俺には計り知れないとんでもない過去を抱えていて…
哀しくて可笑しくてふわふわ心温まる、恋する切なさのすべてがつまった恋愛小説。

う〜ん…う〜ん…。すみません、私は馴染めませんでした。
全体的に気になる展開で、可愛らしかったんだけども。
まず気になったのは美緒の中学生時代ね。
いくらなんでも真緒の行動と言い言動と言い、小学校低学年並みではないかと。中学生の設定は無理があるだろと、思うわけです。
まあ、その理由は最後に分かるんだけどね。
それから潮田さん。登場したけど、10年ぶりに再会していくらいじめていたとはいえあんな言い方する人って、いるかなぁ…。
どうもちょこちょこ違和感を感じてしまったんです…。
2人が結ばれて、ラブラブなのはいいんですけども…
くさっ!くさっ!
あんまり甘い言葉は使っちゃいけません!あんまり言わないから嬉しいんです。
言い過ぎたらありがたみがなくなります。こうも何度も言われたら…かないません。
「図書館戦争」も甘いけど、こちらは男が素直すぎるから尚更凄いっす。
私は「図書館戦争」のような甘さが良いです。
う〜ん…やっぱり越谷さんは青春!って言う小説の方が良いです。
すみません…。

〈新潮社 2008.4〉H20.9.17読了

階段途中のビッグ・ノイズ 越谷オサム5

階段途中のビッグ・ノイズ

オススメ!
同じ軽音部に所属していた先輩2人が麻薬所持で逮捕された。
廃部が決まり、唯一の部員だった神山啓人は片づけをしていた。
そこへ、部に2週間だけいた九十九伸太郎が校長室へ怒鳴り込みに行き、部は何とか残った。
しかし、2人だけ。マイナスからのスタートだった。
まず顧問を決め、他にもメンバーも集めなければならない。
毎年の行事である「田高マニア」に出演するため、軽音部の存続をかけての挑戦が始まった。

凄い面白かったよ〜。
この人の作品は本当に好きだ。爽快感がたまらない。
どん底にいた軽音部だったけど、頑張ってよかったね。
啓人だけではなくって、他の人の心のうちも語られたいたのが尚更良かったです。
何だかとっても青春って言う感じでしたね〜。
羨ましい・・・。
私は個人的にマラソンしてるけど、個人競技だからな〜
部活でやってたわけでもないし・・・。

〈幻冬舎 2006.10〉H19.1.21読了

ボーナス・トラック 越谷オサム5

ボーナス・トラック

オススメ!
草野哲也はいつものように、ファーストフードで長時間労働を終え、帰路についていた。
後ろから抜かしてきた車が、前方で停車しており、再び急発進するのを目撃する。
車のあった場所へ行くと、人が倒れていた。轢き逃げだった。
被害者は既に亡くなっており、手の施しようがなかった。
横山亮太は生まれた時から運のない男だった。
そして今日、轢き逃げされ死んでしまった。
しかし、自分はこの場に留まっている。
何故か自分の姿が見える草野にまとわり付き、犯人を探す事にした。
第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

最近、日本ファンタジーノベル大賞受賞作にはまっております^^
「しゃばけ」も「六番目の小夜子」も好きだし。
ウィキペディアで調べて、受賞作をちょこちょこ読んでいこうかな〜と目論んでおります。
そしてこの作品!
面白かったですね〜。新年から素敵な作品に出会えました^^
「死」が絡んでいますが、暗さは全く感じません。
死んでしまった亮太の明るさからかも知れませんね。
まあ、辛いのの裏返しで明るくしていたのかもしれませんが・・・。
草野も優しくて良い奴ですよね〜
何だかんだ言って、同居を許しているし。
亮太が食べたけど現実世界では食べた事になっていなくて、残っている食べ物(ややこしい・・・)を普通に食べるのって凄いことだって思ったんだけど、私だけかな・・・。
南も結局良いやつだったし、しょうちゃんも首ポキポキちゃん(失礼)も可愛かったですね。
接客の心得が、バイトやってた頃を思い出しました・・・。ファーストフードじゃなかったのですが。
草野のお店のスタッフの雰囲気が似てたから。
あんまり思い出したくないんだけど^^;

〈新潮社 2004.12〉H19.1.1読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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