苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

図書館関係

図書館のゆるゆる人生質問箱 北海道 斜里町立図書館4



クスッと笑える! 心があったかくなると反響!
北海道の東部、小さな町の図書館にある匿名掲示板で行われた、中高生と図書館職員のやり取り。
友達のこと、学校のこと、恋のこと、将来のこと。
子どもたちの悩みや質問に、図書館職員が真剣に、ゆるっとお応えします。

本が絡む答えなのかと思ったら、そうではなくて驚きました(笑)
斜里町の場所は知っていますが、行ったことはありません…。ほっかいどうはでっかいどう…。
質問内容と回答を読んでいたら、生協の白石さんを思い出しました。
真面目に答えているのに、違うそうじゃない感が良いですね(笑)
でも中には本当に真面目に返している(笑)回答もあって読んでいるこちらもためになりました^m^
面白かったです。

<ワニブックス 2025.3>2025.5.12読了

図書館員が知りたい著作権80問 日本図書館協会著作権委員会5

図書館員が知りたい著作権80問 (JLA Booklet no. 18)
日本図書館協会著作権委員会
日本図書館協会
2024-11-06


『図書館活動と著作権Q&A』(2000年刊)を現状の制度に即して見直しを行ない,アップデートした新版です。
前回同様,Q&A形式で平易に解説しています。「Q」は,図書館の現場から実際に寄せられた質問を基に設定し,旧版を活かした項目と新たに入れ替えた項目により「80問」を構成しました。
図書館員が著作権と図書館サービスのせめぎ合いに直面したとき,著作者,出版者,利用者,図書館,設置母体など,さまざまな関係者にとってよい「落としどころ」を求めて悩みます。そんなときに役立つ一冊です。

SNSが生活の中に浸透している昨今、著作権については色々と問題が起きていますが、図書館でも切手は切れない問題で、気になって読んでみました。質問内容が仕事に直結していて分かりやすくて実用的でした。どこまで印刷できるか、この資料は印刷できるのか、色々ありましたが、利用者がこれを印刷したいと言い、それが著作権上できないと言っても理解してもらうのが難しかったりするので、こちらもちゃんと理解するように努めなければと思いました。

<日本図書館協会 2024.11>2025.3.23読了

Live!図書館員のおすすめ本 人はなぜ本を紹介するのか4



2023年12月に行われた「Live!図書館員のおすすめ本」イベントを文字化した記録(いわばマスター版)と,それに参加者と仕掛け人による「アフタートーク」を加えて中身を磨いた「リマスター版」が,遂に完成しました。
プロローグとして「図書紹介事業委員会のご紹介」,委員2人によるクロストーク「君はなぜその本を推すのか」,書評家,出版プロモーター,図書館員によるパネルトーク「われわれはなぜ本を紹介するのか」,参加者との質疑,アフタートーク「時は来た!」を収録しています。
図書館員が本を紹介することの意味,その仕事が図書館を越えて出版の世界,広く読者へ届くためにできることなど,これからの図書館と出版を考える必読書です。

図書館雑誌に毎回掲載されている図書館員のおすすめ本のページはいつも楽しみにしています。小説を選んではダメらしく、だからこそ紹介する図書館員さんの個性が出ていてなおのこと面白いと思っています。自分が興味のある分野だったりすると参考にさせていただいたりしています。といいつつも、知人にいきなりおすすめの本を教えてと言われるのは苦手です。その人の読書歴が分からないと薦められないですよね。難しいです。
実は最近、私もこちらのコーナーに投稿をさせていただきました。親くらいしか知らないけど。一人くらいは参考にしてくれていたら嬉しいなぁ。

<日本図書館協会 2024.11>2025.3.15読了

図書館を学問する なぜ図書館の本棚はいっぱいにならないのか 佐藤翔5



「図書館の本棚はいっぱいにならないのか」「雨が降ると図書館に来る人は増えるのか、減るのか」「人はどのタイミングで図書館を使うようになるのか」――。素朴で身近な疑問から現場での実践を考えて、図書館の意義や役割を学び、魅力を発見しよう!
図書館情報学を専門にする著者が、図書館で働く人、日々利用している人が普段は気にしない、でも聞かれると「どうして?」と思う疑問をピックアップ。その疑問をデータ/事実/エビデンスに基づいて考える視点や思考する道筋を、柔らかな筆致でレクチャーする。
図書館を学問することの楽しさを伝え、学問することが図書館をより豊かな場にしていくことを指し示す入門書。
図書館専門誌「ライブラリー・リソース・ガイド」の人気連載に加筆・修正して、書き下ろしを加えた充実の一冊。

タイトルが気になって手に取ったのですが、雑誌の連載をまとめたものだったんですね。
図書館の棚はなぜいっぱいにならないのか、なぜ月曜日休館の図書館が多いのか。当たり前だと思っていたことに対してアンケートを取り、統計を取って表してる内容がとても新鮮で面白かったです。
「ライブラリー・リソース・ガイド」という雑誌も知らなかったので、こちらも読んでみたいと思いました。大きな書店に行ったら売ってるかな?

<青弓社 2024.12>2025.3.11読了

齊藤先生。ネット時代のレファレンスって何が大事なの?〜ストーリーでわかる本とネットのレファレンスサービスの考え方〜 齊藤誠一5

齊藤先生







利用者に寄り沿ったレファレンスサービスを目指す司書・遠藤翔子が齊藤先生と出会い、本とネットを活用したハイブリッドなレファレンスサービスや、「調べる楽しさ」を実感してもらうためのコミュニケーションやその考え方の基礎を学んでいく。※ この作品はフィクションです。齊藤さんと千葉経済大学短期大学部、立川市立中央図書館、および新海紀代美氏、馬場啓氏、馬場吉蔵氏以外の登場人物、団体、出来事などはすべて架空の名称です。

こちらのシリーズは第6弾になるんですね。私が読むのは2冊目だったような…。前回は修理本についてで今回はレファレンスです。以前勤めていた図書館にはレファレンスカウンターがあり、調べたいことがある利用者はこちらに来て話を聞くことがありました。現在勤めている図書館は小さな図書館なこともあり、レファレンスカウンターはなく、利用者がカウンター越しに聞くしかありません。本書の中でも書かれていましたが、利用者がカウンターを挟んで職員に尋ねるって結構ハードルが高いと思うんですよね。日頃利用しない人だと尚更。だから、配架や書架整理でカウンターの外に出るというのはなるほどなと思いました。その方が気軽に聴けますもんね。私もなるべく棚を見ようとは思っているのですがなかなかできず…。話しかけやすい環境を心がけようと思いました。前回同様、ストーリーはあれでしたけど←内容はとても勉強になりました。

<DBジャパン 2024.10>2025.1.26読了

戦争と図書館 戦時下検閲と図書館の対応 JLA Booklet no.17 新屋朝貴4



2022年2月に始まった「ロシア・ウクライナ戦争」では、図書館の閉鎖、特定の書籍を撤去する取り組みなどが行われていると報じられています。日本においても、太平洋戦争で多くの図書館が被災し、蔵書の焼失、散逸などの被害に見舞われました。一方で、戦時下の統制において図書館が「思想善導」の機関としての役割を果たしたことも忘れてはなりません。
本書は、第109回全国図書館大会分科会「戦争と図書館」の講演録です。太平洋戦争中の思想統制、図書館への弾圧、図書館人の抵抗などをテーマとする3つの講演を収録しています。2024年は「図書館の自由に関する宣言」採択70周年、資料提供の自由を使命とする図書館のあり方を考えるとき、ぜひ手にしたい一冊です。

全国図書館大会の講演録。古くからある図書館は戦争も潜り抜けてきたわけで、それぞれの図書館の歴史に触れることが出来て良かったです。行ったことのない私設の図書館の方もいらっしゃり、その図書館に行ってみたいと思いました。三康図書館が気になる…。

<日本図書館協会 2024.9>2024.12.6読了

読書が苦手だった司書が教える 世界一かんたんな図書館の使い方 つのだ由美こ5



☆☆☆じつは「読書が苦手だった」著者が教える☆☆☆
☆☆☆苦手な方も読める「図書館検索」の極意☆☆☆
著者は大学図書館の司書として、あらゆる専門分野の情報を集める方法や、引き出す方法を心得ています。
大学教員の論文執筆を手伝った数は1000に迫りますが、さぞ高等な検索術かと思いきや、意外にも、「今まで本を読んだことがない方でも使える」と言います。
司書と言えば、本が好きな人が多いというイメージがあると思いますが、じつは、著者は読者が苦手…。そんな彼女が教えてくれる検索術は、難しい本で紹介されている方法とは違う、非常にかんたんな方法です。
☆☆☆借りるだけじゃない!☆☆☆
☆☆☆図書館を使いこなせる神・活用法☆☆☆
また、せっかく図書館に来て頂けたのに、自分が探している本を見つけることができず、お困りだった学生さんを何人も助けてきました。
もちろん検索も大事ですが、その前に活用、いかに図書館を自分の思い通りに使えるか、そのほうが先なのです。
「読みたかった本に秒で出合える」
「知りたい情報が確実に引き出せる」
「自由研究やレポート提出が楽になる」
「読書や調べものが得意になる」……
ぜひこの機会に、”世界一かんたんな図書館の使い方”をマスターしましょう!

図書館を利用したことがない、本当に初心者の人でも読みやすいと思います。
日頃本を読まない人はどんな本を読んでいいのか分からないことも多いと思いますが、司書の方に気になっていることを細かく伝えると自分の希望に近い本を手に取ることが出来るよと言うことを伝えてくれている気がします。
私はレファレンスが苦手なのでそこまでできていませんが^^;
有名人が図書館をよく利用していた話は面白かったです。有名なところで言うとカーネギーさんがあげられると思いますが、こちらではイーロン・マスク、ビル・ゲイツ、ラリー・ペイジなどの名前が挙がっていました。そうなんですねー。知らなかったです。
図書館に勤めている身としてはたくさんの人が図書館を利用してくれたら嬉しいなと思います。

<秀和システム 2024.1>2024.11.19読了

図書館は生きている パク・キスク5

図書館は生きている
パク・キスク
原書房
2023-11-21


赤ちゃんからお年寄りまで集う公共図書館は、たくさんの人生が交錯する場所。
いまや本を貸し出すだけでなく、楽器を貸し出し、お葬式をあげる図書館も。
長年、アメリカで司書を務めた著者が見てきた図書館の愛しい日常と、世界の図書館をめぐる25のエピソード。

公共図書館で勤務経験がある、図書館旅行者である著者さんの作品。
世界中の図書館のことが分かり、面白く読みました。
私も映画「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」を見ました。205分あったけど(笑)
図書館という枠組みを超えた様々なことを行っていて驚いた思い出があります。
北欧の図書館についての本も読んだことがあったので、何となく覚えているところもありました。
著者さんは韓国の方ですが、日本の作品もいくつか登場したので興味深かったです。「火山のふもとで」は以前から気になっていた作品でした。読んでみなければ。
タイトルから「図書館は成長する有機体である」というランガナタンの言葉を思い出しました。
著者さんが請求記号ではなく、テーマごとに棚が分かれていればいいのに!とおっしゃっていたくだりがあったのですが、それはうちの図書館を見たら少しは反応してくれるんじゃないかなーと思ったりしました。余談ですが。

<原書房 2023.11>2024.9.16読了

図書館にまいこんだ超こどもの大質問 司書さんは名探偵!5



町の図書館や、放課後の図書室……。その静かな空間には日々、子どもたちから、じつに多種多様な質問が寄せられています。ピュアな気持ちや新鮮な疑問でいっぱいの「こどもの大質問」からはじまった、さまざまな図書館のみなさんの奮闘記を一冊にまとめました。
「さっき見た鳥の名前を知りたい」「サンタのトナカイ、オス・メスどっち?」「野球の完全試合とノーヒットノーランの違いを知りたい」「ほこりって、何でできているのでしょうか?」「カメが元気がないのでどうすればいいのか知りたい」など、ユニークなレファレンス事例を50件掲載します。

まさか第2弾が出るとは思いませんでした。
子どもたちのピュアな質問に真摯に答えている司書さんたちが素敵です。
子どもたちの質問だからそんなことを考えるんだ!というところにも驚きます。
図書館の入り口でポーンと音が鳴ったがどういう意味があるのか。とか。突然言われたら私はどう調べていいか分からない…途方に暮れてしまいます。
知らないことがたくさんあって、私ももしもレファレンスが来たら頑張ろうと思います。
子どもの質問はなかなか来ないんですけど^^;

<青春出版社 2024.4>2024.9.8読了

図書館ウォーカー2 旅のついでに図書館へ オラシオ4



図書館・旅行の新しい楽しみ方を提案し、好評を得たシリーズ第2弾。青森県の地方紙「陸奥新報」に連載中の人気エッセイ「図書館ウォーカー」から前版未掲載分61編をセレクト、書き下ろし1編、カラー写真、交通・近くのおすすめスポットなどのデータ、コラムを新たに加え単行本化。

シリーズ第2弾です。
前作は行ったことがある図書館がいくつかあったのですが今回は1つもありませんでした。分室になっちゃうと難しい(笑)泊村には小学生の時に毎年行っていたので、1度くらい行ってみればよかったなぁと思ったりしました。
著者さんのエッセイは図書館めぐりについてですが、そこまで細かく図書館のことは書かれておらず、道程であったり、その地のグルメの写真が載っていたり(笑)しているので、実際図書館の中は行って確かめてみて、という感じで、行きたい欲に駆られます。実際ちょこちょこ行っているんですよ。休憩するのにちょうどいい場所にあったりとか(笑)するので^^私も著者さんには及びませんが、旅のついでに図書館を続けていきたいと思います。

<日外アソシエーツ 2024.5>2024.7.21読了

70歳のウィキペディアン 図書館の魅力を語る 門倉百合子5

70歳のウィキペディアン
門倉 百合子
郵研社
2023-11-01


知識と経験が豊富で時間のある高齢者こそウィキペディアンに相応しい。司書にして70歳のウィキペディアンが、ウィキペディアとの出会いと渋沢栄一記念財団での仕事を振り返り、執筆したウィキペディアの記事を紹介する。

ウィキペディアは一般の方が作っているものだということは認識していますが、いろんな人が携わって出来ているんですね。文章を丁寧に確認する人が何人もいるとは知りませんでした。
著者さんは博識で語学も堪能ですがウィキペディアに残すということでその言葉に対しての調べ方は図書館司書だなとおもいました。タイトルに書いてありますが^^;裏付けがちゃんとないとダメなんですね。そして外国語でしか掲載されていないものを日本語に訳して更新するとか凄く難しそう…。
ウィキペディアの世界の深さを知りました。面白かったです。

<郵研社 2023.11>2024.7.15読了

図書館等公衆送信サービスを始めるために 新著作権制度と実務 日本図書館協会著作権委員会4



令和3年改正著作権法の「特定図書館等による図書館資料の公衆送信」等の改正事項が,2023年6月1日に施行されました。本サービスを行う「特定図書館」は,法令により研修を行うことが要件とされ,その内容は関係者間において研修項目として合意されています。
本書はその研修の便宜を図るため,研修項目として挙げられている,(1)著作権法に関すること,(2)図書館等公衆送信補償金制度に関すること,(3)ガイドライン等に関すること,(4)各特定図書館等における実務に関すること,についてまとめました。
著作権法に関することについては文化庁著作権課の協力を得て,他の章は「図書館等公衆送信サービスに関する関係者協議会」の共同座長を務める2氏がそれぞれ執筆しています。
より多くの図書館等が「特定図書館」となり,時間的・地理的制約を超えた「国民の知のアクセス」の向上への期待に応えることが求められています。

2023年6月1日より著作権法が改正され送信サービスが研究目的で可能になりました。著作権について改めて考えさせられる作品となりました。最近の原作ありきの映像化についてで出版社、テレビ局、編集者、プロデューサー、脚本家、そして原作者、いろんな人が関わることを知り、考える機会が出来たと思います。
作品の中でも特定の図書館でという話が書かれていて、これを普通の公共図書館でやるのはなかなか難しいかなとも思いました。

<日本図書館協会 2023.10>2024.2.9読了

図書館ウォーカー 旅のついでに図書館へ オラシオ3

図書館ウォーカー: 旅のついでに図書館へ
オラシオ
日外アソシエーツ
2023-01-20


全国66の図書館をめぐる旅エッセイ集。元・図書館員の著者が「図書館をもっと身近なものに」をコンセプトに綴る、新たな図書館の楽しみ方。「陸奥新報」連載中の人気エッセイ「図書館ウォーカー」を元に、新たにカラー写真、交通・近くのおすすめスポットなどのデータ、コラムを加え単行本化。

私はコンサートや舞台観劇に行くとき、その地の美術館や神社や図書館へ行くことが多いです。
図書館はもう数えきれないくらい行っています。なので著者さんの気持ちはよく分かります。そして、行ったことのない図書館の特色などを知りたいと思って読み始めたのですが、外観とその街の特色が主な内容という感じでしたね。
掲載されている中で行ったことがある図書館は鳥取県立図書館と福岡市総合図書館でした。やっぱり日本は広いですね(笑)この間読んだ指宿市の図書館も書かれていて、2019年に指宿に行った時図書館に行けばよかったなぁとまたちょっと後悔しました(笑)私もこれからも図書館巡りを続けようと思います。

<日外アソシエーツ 2023.1>2023.8.23読了

小さなまちの奇跡の図書館 猪谷千香5



鹿児島県指宿市のさびれつつあった図書館を日本で最も注目を集める施設にしたのはいちユーザーに過ぎなかった地元女性たちだった。人々をつなぐ奇跡の図書館ができるまでの物語。

「そらまめの会」って聞いたことがあるな…と思ったら以前そらまめの会について書かれた著作を読んでいました。「私たち図書館やってます! 指定管理者制度の波を越えて」という本でした。こちらを読んだのは2011年だったので12年も経っているんですね。その間にライブラリー・オブ・ザー・イヤーを受賞されているし、移動図書館をクラウドファンディングで用意しているし、凄い…
地域に根差した図書館作りが素晴らしいなと思いました。
2019年に指宿に行ったのですが、本を読んだことをすっかり忘れていて図書館には行かなかったんですよね…もったいない。行けばよかったです…^^;月並みな言い方ですけど、私も頑張ります。

<筑摩書房 2023.1>2023.8.20読了

地域資料サービスの実践 補訂版 蛭田廣一5

地域資料サービスの実践 (JLA図書館実践シリーズ)
蛭田 廣一
日本図書館協会
2023-02-07


1999年に刊行された『地域資料入門』(図書館員選書)をベースに、図書館に求められる新たな機能を踏まえ、2019年に地域資料をめぐる概説書として出版された『地域資料サービスの実践』を、このたび補訂しました。本書は、地域の情報拠点である公立図書館が地域資料を収集・提供することの大切さを強調し、そのための準備とサービスの具体的方法を、豊富な実践経験に基づき記述しています。補訂にあたっては、一部記述の改訂、URLや統計情報の更新等を行いました。地域資料への熱い思いをいだく著者がおくる渾身の一冊です。

2019年に出た本も読んでいると思うんですけど、内容をすっかり忘れていたので再読^^;
地域資料って地元じゃないと手に入らなかったり、書店で売っていなかったり、貴重な資料が多いですよね。でも、市史以外はそれほど重要視されないで残りづらいものでもあるような気がします。
それでもレファレンスで自分が生まれた場所の歴史を知りたいというものも多いから大事だったりするんですよね。だから収集することも提供することも大事だなと思っています。
それでも熱い想いは私はまだ持っていない気がするので(笑)そうなれるように自分が暮らす場所の歴史をもっと知っていきたいと思います。その想いが資料保存にもつながっていったら良いなと思います。

<日本図書館協会 2023.2>2023.4.27読了

図書館にまいこんだ こどもの大質問5



「胸がキュンとするようなお話をおしえてください」「おひめさまになりたい!」「飼っているカマキリを戦いに強くしたいです。どうやったらできますか?」「サンタクロースはいないって、本当?」「さいしょのにんげんはこどもなの? おとななの?」「神さまって、なに?」「くまの本はどこにありますか?」「ねぇ、赤ちゃんの出てくる本ない?」……などなど、かわいい質問・疑問・難問からはじまった、図書館司書さんたちのていねいでマジメな奮闘記59話。 全国各地の図書館のユニークなレファレンス事例を、描き下ろしイラストともに楽しく紹介します。

子どもが感じる素朴な疑問に対して、一緒に考えていく感じがとても素敵だなと思いながら読んでいました。本当に、いろんな質問がありますね…。
それでも、どんな疑問に対してもちゃんと応えを導く図書館司書は凄いなぁと思います。
私は目の前の仕事のことでいっぱいいっぱいで、自分が勤めている図書館の棚の把握ですらまだ出来ていないというダメ具合…トオイメ。頑張る…頑張るから…と、改めて気を引き締めて頑張らなければと思わせてもらえた作品でした(笑)頑張ろう。そしてどんな質問にも答えられるよう、資料を知る努力をしなければ。

<青春出版社 2023.1>2023.4.24読了

書籍修繕という仕事 刻まれた記憶、思い出、物語の守り手として生きる ジェヨン5



アメリカの大学院で書籍修繕の魅力に目覚めた女性は、ソウルに帰って書籍修繕店を開いた。お客さんはごく普通の人たち。職人として数多くの依頼に向き合ってきた思いを綴ったノンフィクション。
壊れかけた本をそこに込められた思い出をそのままに修繕する「書籍修繕」。らくがきでいっぱいの絵本、何度もめくってバラバラになった辞書、祖母が何十年もつけてきた日記帳。今までもこれからも、大切にされてきた本が蘇る。

書籍修繕で生計が成り立つんですね…というのが最初の感想でした^^;
著者さんが今まで修繕してきた作品の数々がカラー写真で載っていますが見事ですね。絶望的な荒れ具合の本もたくさんある中、長い時間をかけて修繕していく。ただ、綺麗にするのではなく、依頼人の想いに沿った修繕をするというのも凄いです。
「修繕」と「復元」とは違うという言葉が印象的で。「復元」は完全に同じものを指すけど「修繕」は、原本とは一部変わることもあるが、その分開かれた可能性を自由に活かすことのできる技術なんですよね。無限の可能性を秘めている大変な仕事です。
この本を読んでいたら、本に限らずモノを大切に使おう、丁寧に扱おうと感じました。
自分の仕事に誇りを持って邁進する著者さんの姿が素晴らしかったです。私もそうありたい。

図書館人への言葉のとびら 内野安彦4

図書館人への言葉のとびら
内野安彦
郵研社
2022-09-21


◎図書館人として道標となる言葉をひたすら探すことで、迷い道から抜け出せたり、鼓舞されたり、ときには「これでいいのだ」と自信を深めることができました。(「はじめに」より) ◎図書館界の泰斗のほか、出版界、書店員、作家などから、69の珠玉の言葉を収録した待望の新刊。 ◎「図書館は臍帯だ さまざまなひとびとの智とつながって ひとはあたらしいいのちを得る」(「未知の若い友へ」より一部抜粋)など69の道標となることばを贈る。何かが「見えた」としたら幸甚です。

図書館に関わる様々な職種、業種の方々が残した言葉を通して著者さんが解説されています。
図書館というハコがあって、図書館司書がいて、資料を用意して、利用者が来るのを待つ。それだけではいけないということをいろんな視点から考えられています。
図書館は行政サービスの一つであるから他の部署との連携も必要であることや、地域に根付く施設だから地域の企業や団体や人ともかかわっていく必要があることなどを熱く語られています。
本の貸出冊数で一喜一憂するのだけではなく、どういったサービスが必要なのか、図書館や図書館員はどう行動をしていくべきなのか、考えるのにアドバイスを頂けたような1冊でした。

<郵研社 2022.9>2023.4.1読了

調べる技術 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス 小林昌樹4



「私が私淑する「探しものの魔法使い」が書いた司書の奥義(暗黙知)を公開した本です」(読書猿 『独学大全』著者) 原稿のチェックや論文執筆など、仕事でも趣味でもちょっとした「調べもの」をする際に、キチンと答えを出すにはどうすればよいのか? 国会図書館で15年にわたり、総記・人文科学・「その他」分野でレファレンスサービス(利用者の調べ物相談)に従事した著者が、その実践的な技術を大公開! これまでほとんど「見える化」されてこなかった考え方や予備知識、さまざまなコツをわかりやすく解説する。

図書館司書として調べるために必要なインターネットの情報が主でしょうか。
レファレンスサービスでは本当に多種多様な問い合わせがあると思うので、それぞれに適した検索方法等が書かれています。
完全にプロ仕様の内容だったと思います。難しかった…
この作品を使ってうまく調べる技術が身に着けられたらいいなと思います。

<‎皓星社 2022.12>2023.3.30読了

司書名鑑 図書館をアップデートする人々 岡本真5



知のアーカイブである図書館は、司書を中心に多様な人々に支えられて、地域と図書館をつなげる実践や情報発信をおこなっている。司書、学芸員、研究者、行政担当者が連携して、それぞれの役割を拡張させながら図書館をアップデートし続けている。
図書館を支える人々は、どのような思いで業界に足を踏み入れ、日々の仕事に向き合っているのだろうか。また、図書館ではどのような人が、何を目指して活躍しているのだろうか。
本書は、若手・中堅として活躍するライブラリアン31人にインタビューをした雑誌「ライブラリー・リソース・ガイド」(LRG)の人気連載をまとめ、現在の思いをつづる書き下ろしのエッセーや論考も所収する。ライブラリアンがもつ情報や知識への考え方、彼/彼女たちの生き生きとした表情を描き出す一冊。

タイトルが気になって手に取りました。LRGという雑誌を始めて知りました。
当たり前ですけど、いろんな形で図書館や本に関わっている司書の方がいらっしゃるんですね。
公共図書館、学校図書館、大学図書館、そして規模が違えば仕事内容も変わってきますよね。
ずっと司書として働いてきた人、いろんな仕事をしてきて現在は司書として仕事をしている人、仕事内容も人生も色々ですよね…
当時のインタビューも興味深かったですが、現在のことも書かれていたのが良かったです。

<青弓社 2022.11>2023.3.13読了

眞野先生。本が傷んだら修理するだけじゃダメってホント? ストーリーでわかる図書館の資料保全の考え方 眞野節雄4



本を“治す”状態になる前に予防する方法とは? 書籍が水で濡れてしまった場合の対応方法は? 修理のデメリットを最小限にするには? 図書館の資料保全の基本的な考え方をストーリー形式でわかりやすく解説する。

この作品の中に登場した「水濡れから図書館資料を救おう!」を以前読みました。
書籍が水濡れしてしまった際に図書館員はどう対処すべきか。制限時間も決まっていていかにして資料を助けるか、とても興味深かったのを覚えています。
こちらの作品でも書かれていますが、全ての書籍を平等に同じように助けるのが正しいというわけではないんですよね。修理の方法も、その書籍がどのくらいの間図書館に所蔵されるものかによって変わるというのもなるほどと思いました。1年くらいで廃棄になる本はテープをベタ貼りでもいいけど、何十年も残る本はそれではいけないというのも勉強になりました。和紙を使った修理の方法、私も学びたい…。
ストーリー自体はちょっとあれでしたけど←面白く読みました。

<DBジャパン 2022.9>2023.2.20読了

非正規雇用職員セミナー「図書館で働く女性非正規雇用職員」講演録 日本図書館協会非正規雇用職員に関する委員会5



わが国の公共図書館で働く職員のほぼ4分の3が非正規雇用職員です。大学・学校・専門図書館でも過半数が非正規雇用職員という現状にあります。非正規雇用職員の大半が女性で,非正規労働を考える際,女性の視点は欠かせません。
本書は3月に行われたセミナーの記録です。講演「図書館で働く女性非正規雇用職員」,報告「はむねっと(公務非正規女性全国ネットワーク)アンケート調査からみえてきたこと」と報告「会計年度任用職員に関する提言」を収録し,参加者による活発な意見交換も収められています。
図書館活動を支えている非正規雇用職員の問題は,女性の労働問題でもあります。これからの図書館サービスと職員のあり方を考える大きな一歩になる書です。

私も10年ほど前、図書館司書として働いていました。雇用形態は非常勤職員です。
仕事は大変なところもあるけどやりがいがあって、楽しくて、できればずっとここに勤めたいと思っていました。でも、給与面から実家を出ることはできないと思い(一人暮らしをしているひともいましたが)安定した収入を得たいと思い、退職しました。
女性と専門職に対してこのままでいいのかと講演で熱く語られていました。夫の扶養に入っているため、収入が決まっている人もいると思いますが、そうではない人はなかなか続けられないです。
時が経てば経つほど状況は悪くなって言っているような気もしますが、それでも何とかしたいという情熱は持っていたいですし、できれば自分も動いていきたいと感じました。

<日本図書館協会 2022.11>2023.2.15読了

レファレンスと図書館 ある図書館司書の日記 大串夏身5



「与謝蕪村全集はありますか」「ワニの捕まえ方を書いた本はありますか」「昭和が終わったらどうしたらいいでしょう」……
レファレンスカウンターには、毎日いろんな人がやってくる。
昭和最晩年、レファレンス現場の「ジグザグ」な実態を描いた名著、『ある図書館相談係の日記』を大幅に増補復刊。
当時レファレンスは、貸し出しの付属サービスだと思われていた。そうではなく、レファレンスは、 サービスを通して社会全体の情報資源を有効に活用するためのもの。もっと言えば、ひとびとの生活や仕事、地域社会をよりよいものにしていくと同時に、「知る権利」をはじめとする憲法的な価値を実現するサービスだという、今のぼくの考え方に近い考えを、当時持ちはじめていた。これは今の社会の中で非常に重要な考え方だと思う。(解説対談より)

レファレンス日記が30年以上前のものだったのでおや?と思ったのですが、1994年に発刊されたものの改訂版だったんですね。当時はパソコンが導入されたばかりのようで、レファレンスは目録を見て調べるみたいな感じだったのかな。
日記が昭和天皇の容態が思わしくない時期のものもあり、レファレンスで昭和天皇に何かあったら私はどうすればいいのかという内容の電話が来たというものがあって驚きました。そういう時代だったんですね…。そしてこのころ同じ理由で大正の終わりころの新聞の縮刷版が所蔵されているかどうか確認の電話が多かったというのも興味深かったです。
電話を置いたらまたすぐに電話がかかってくるというのは大変ですね。私は電話が苦手なので怖い…^^;それでもレファレンスの内容や司書としてどう動くべきかということは基本的には変わらないと思うので勉強になりました。
大串先生と国立国会図書館職員の小林氏との対談もとても興味深かったです。

<皓星社 2019.11>2023.1.26読了

調べ物に役立つ図書館のデータベース  小曽川真貴4



図書館には調べ物に役立つ便利なデータベースが揃っています。
でも、「使い方が分からない」「そもそもどういうデータベースがあるの?」といった人も多いのではないでしょうか。
本書では図書館で使える便利なツールと、その使用方法を紹介。
OPACや、キーワードを使った検索方法についても、やさしく解説。Webで使える無料のデータベースも紹介。
これまでになかったデータベースの使い方の入門的ガイドブック!
図書館ユーザー、図書館員…、図書館にかかわるすべての方々必読の一冊!

本当に初級編でしたね。今まで調べ物にデータベースを使ったことがない人には分かりやすくて活用しやすい本だったと思います。
知っているものもあったけど、活用したことがないものもたくさんあって勉強になりました。
データベースのホームページやQRコードも載っていて実用的です。

<勉誠出版 2022.8>2022.12.15読了

図書館魔女の蔵書票 大島真理4

図書館魔女の蔵書票
大島真 理
郵研社
2022-07-29


◎図書館魔女があぶりだす 「本」や「映画」に潜む “差別"と“不寛容"
◎「フェミニズム」「戦争」「民族」「貧困」「受容と未来」、「人種」「障害者」「女性差別から自立へ」などのテーマから考察する60話。
◎移動図書館の本がコロナ禍の逼迫した日々から救ってくれた。

大島さんの魔女シリーズ。今回は本や映画に特化していましたね。
内容はあらすじで上げたような重めのテーマの作品が多いです。日本のも海外のもあります。
様々な問題があることは分かっているのですが、本も映画も私は幸せになったり笑顔になったりしたいときに読んだり見たりしたいものなので、感想だけで満足してしまってます^^;弱くてすみません。
でも、決して忘れてはいけないこと。それは胸に刻みたいと思います。

<郵研社 2022.7>2022.11.4読了

本の世界をめぐる冒険 ナカムラクニオ5

本の世界をめぐる冒険 NHK出版 学びのきほん
ナカムラ クニオ
NHK出版
2020-06-25


誰も教えてくれなかった、教養としての「本の世界史」
「本が読まれなくなった」と言われる現代。でも、本当にそうなのか。本がたどってきた道のりを振り返ると、本と私たちとの新しいつながりが見えてくる。本はどのように誕生し、どう発展してきたのか。過去を学ぶことで見えてくる、本の現在、未来、そして本好でも知らない知識の数々--。本のこれまでの「きほん」とこれからの「きほん」が分かれば、読書がいっそう面白くなる。世界の事情に最も詳しい著者による、今すぐ誰かに話したくなる、学校では教えてくれない「本にまつわる教養講座」。

現代は活字離れと言われることが多いですが、こちらの本を読んで「本」という考え方が変わっただけだと書かれていてなるほどと思いました。形が本からスマホになっただけでみんな活字は追っているな、と思ったので。「インターネットが巨大な『本』」は目から鱗でした。
本にまつわる歴史が細かく丁寧に書かれています。そして分かりやすい。
紙の歴史や本が出来た経緯や図書館の在り方なども書かれていて本に関することが多岐にわたって書かれています。
本を読むのが苦手な人も、この作品は行間が広いし難しいことは書かれていないので入り込みやすいと思います。面白かったです。

<NHK出版 2020.6>2022.10.28読了

新編図書館員への招待 補訂版 塩見昇 木下みゆき5

新編図書館員への招待補訂版 [ 塩見昇 ]
新編図書館員への招待補訂版 [ 塩見昇 ]

図書館と図書館員への期待、司書をめぐる状況と仕事内容、資格の取得と必要な科目、採用試験の仕組みと現状、図書館学を学べる大学の募集要項など、司書になるための基本知識と最新情報を紹介。司書採用試験問題例も収録する。

初版も改訂版も読みました。今回補訂版が出ていたので今回も読みました。
内容はあまり変わっていないとは思うのですが、いつも新鮮な気持ちで読んでいる気がします。
読んでいる時の自分の精神状態によっても感想が変わっているような気が^^;
改めて厳しい現実を感じつつも、まだまだ諦めたくないなと思えました。
今回も読んでよかったです。

<教育史料出版会 2022.7>2022.10.20読了

13歳からの著作権  久保田裕5



作品を作った人の権利を守るための法律、著作権法。インターネットやSNSで手軽に作品を閲覧したり発信したりが可能ななかで、どのように作品を楽しみ、作り、発信すればよいのか。「著作権って何?」から、著作権を侵害されたらどうするか、著作権に関連する制度や法律まで、わかりやすく解説する。

中学生向けの著作権についての本ですが、だからこそとても分かりやすく書かれています。
漫画も交えて日頃自分たちが生活している中でどのように著作権が反映されているのか、またどのような点を注意していけばいいのか解説しています。
中学生でも今は多分ほとんどの人がスマホを持っていますよね。
インターネットやSNSが誰でも簡単に利用できるからこそ、著作権の大切さを学生の時から知っていってほしいと読んでいて思いました。
私も勉強になりました。

<メイツユニバーサルコンテンツ 2022.5>2022.6.26読了

やってみよう資料保存4



本書は,2020年の第106回全国図書館大会で実施された資料保存分科会の内容をベースに加筆修正し,資料保存の入門書としてまとめたものです。
「図書館における資料保存とは」,「資料の取扱い」,「カビ対策」,「災害対策・水損資料への対処」,「保存容器」,「資料修理」,「資料保存をすすめるために」(資料紹介)の7章からなり,資料保存に取り組む際の基本的な考え方とポイントを簡潔に提示しています。
図書館の資料は「利用」されるためにあります。利用を保障する資料保存は,図書館にとって基本的な責務でもあります。みなさんの図書館でも,できるところから資料保存対策に取り組んでみませんか? 本書はそれを手助けできます。

この本の最初の方に「中小都市における公共図書館の運営」が出たことにより、図書館の資料は保存よりも閲覧、貸出重視になったことで資料保存については重要視されなくなっていったというようなことが描かれていて。確かに大学の授業でも保存についてをしっかり学ぶことはなかったような気がするな…と思い出しました。
資料は手に取り目にしてもらうもの、だからこそ人の目に触れることが増え、資料保存も重要になってきますよね。
こちらの作品で本に限らずAV資料などについても保存のポイントが描かれています。
特に紙だとカビは最大の敵ですよね。カビくさくなった本を手にしたことが何度もあります。職業病か分かりませんがそれでぜんそくが悪化したりもしました^^;
勉強になりました。

<日本図書館協会 2021.11>2022.2.13読了

図書館文化論 加藤好郎5

図書館文化論
加藤 好郎
丸善出版
2021-07-30


読書離れが取りざたされ、図書館の経営も厳しい昨今。だが、図書館はアーカイブやコミュニティセンターとしてなど、重要な社会インフラ・公共の場としてその機能が改めて注目されてきた。本書では図書館をめぐる環境が激変した30年の中、図書館をそのような場とすべく奮闘し、また図書館情報学を学生に教えてきた筆者の講義録をベースとした一冊である。様々な興味深いテーマ・こぼれ話・課題を切り口に、図書館学、そして文化の礎たる図書館の運営やあり方を8つの章で平易に解説・議論する。

図書館についてや図書館の歴史、図書館が行っている課題解決支援など順序だてて分かりやすく解説されています。図書館が行っているサービスについて日本と世界の図書館も取り上げています。国によって違うのは面白いですね。ニューヨーク公共図書館の映画を見たことがありますがそれ、図書館でやってるの?と思うことも多いです。日本も少しでも出来たらいいのになと思います。でもだからと言って単純に民営化にするのは反対です。私は旅行先でとある指定管理制度を利用した図書館に行ったことがありますが私はこの図書館に通いたくないし働きたくもないと思ってしまいました(意見には個人差があります)
そのために読書離れが取りざたされている今、図書館はどうしたらいいのか、考えていかなければならないなと思いました。私は利用者側のみの意見ですけど^^;

<丸善出版 2020.7>2022.2.11読了

司書になった本の虫 早坂信子4

司書になった本の虫
早坂 信子
郵研社
2021-11-09


コンピュータ導入による図書館業務の大変化を目の当たりにしてきた著者。近世文化史研究に取り組む中で出会った江戸時代の図書館。時代を突き抜ける著作はその存在なくしては生まれなかった。司書ひとすじの「本の虫」が語りかける全五章。

図書館司書として長年働かれていた著者さんが図書館の資料を通して昔語りをされている本作。
著者さんが宮城県の図書館で働かれていたので宮城にゆかりのある方についての資料のお話が多かったですね。知らない方も多かったです…^^;
そして、東日本大震災の時のことも話されています。
東日本大震災が起きたときのことを、私も覚えています。当時私も図書館に勤めていました。
北海道でも割と揺れたので、利用者さんが不安そうにカウンターに集まっていた記憶があります。
北海道ですらそうだったのですから、宮城だとなおのことですよね。利用者の方々にお怪我がなくて良かったです。記録として読めて良かった思います。決して忘れてはいけない。
司書さんが本を出されるなんて、魔女シリーズの方みたいだなぁと思ったらご本人から打診があったみたいで笑ってしまいました^^図書館司書のネットワークは凄いな…その中に入りたい…

<郵研社 2021.11>2022.2.8読了

高校図書館デイズ 生徒と司書の本をめぐる語らい 成田康子5



北海道・札幌南高校の図書館。ここを訪れる生徒たちは、本を介して司書の先生に自分のことを語り出す。生徒たちの数だけある、彼らの青春と本にまつわるかけがえのない話を綴る。

札幌南高校と言えば北海道で最も偏差値の高い高校というイメージです。
でもスポーツも強くて、私が高校生の時は甲子園にも出場したんですよねー…。
偏差値が高い高校なもんでOB・OGも凄い人(語彙力)が多くて寄贈の品の数々の量と質が凄かったという噂を聞きました。懐かしいですね。
南高校の図書館、どんな感じなのでしょうか。相関図はあったけど実際に中に入ってみたいなーと思いました。この本の中には13人の高校生(卒業生)が登場しますが、皆さん個性的でしたねー。興味を持っているものもそこに興味を持つか!というものも多いし、読まれている本の数々が本当に高校生ですか…?と思うものも多いし、やはり非凡な何かを感じました。
未来ある高校生の無限の可能性を秘めた本だったなぁと思いました。司書さんがその可能性を引き延ばしているような感じもして、素敵なお仕事だなと思いました。
生徒さんたちの積極性も素晴らしくて、こうしていろんなことに探求していきたいなと私も思いました。

<筑摩書房 2017.6>2022.1.28読了

100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集 福井県立図書館4

100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集
福井県立図書館
講談社
2021-10-20


本の正確なタイトルは、なかなか覚えづらいもの。そしてうっかり間違って覚えたタイトルを文字通りに想像してみたら、とんでもなくシュールでおもしろすぎる事態になっていることもしばしば。
そんな図書館利用者さんの「覚え違いタイトル」の実例を集め、HPで公開しているのが、福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」。
本書は、そのなかから秀逸な「覚え違いタイトル」を厳選し、「覚え違い」を文字通りに表したイラストを添付。そしてページをめくれば「正しい書誌情報」と「司書さんによるレファレンス」が現れて……という仕掛けになっています。
読者のみなさんはきっと、利用者さんの覚え違いに爆笑し、司書さんの検索能力に驚嘆することになるでしょう。
クイズ感覚でも楽しめる、公共図書館が贈る空前絶後のエンターテイメント、ぜひご堪能ください!

HPは拝見したことがなかったのですが、テレビで紹介されて本書を知りました。
いやー…面白いですね。本当に?と思うレファレンスもありました^^;
それで答えを導く図書館司書は本当に凄いなと思います。私の憧れの職業でもあります。
そして福井県立図書館は昨年の9月に行ったんですよねー!感動しました^^あの図書館で働く司書さんが描かれたものなんだなーと思ったらなんだか感慨深いというか思いは9月に飛びます←
面白く読んだのですが、このレファレンスの最後に健君のイラストが出てきてびっくりしましたよね!「V6」って書かれたTシャツ着てるし^^;読んでもらうために内容は言いませんけど、まさか健ちゃんが出てくると思わなくて不意打ちすぎました。しかもトリ…
間違ってくださった人ありがとう…!と思いました^m^

<講談社 2021.10>2022.1.25読了

図書館を語る 未来につなぐメッセージ 山崎博樹5



公立図書館の現職/元館長や図書館学の研究者、図書館の新設プランナー、什器メーカー社長、学校図書館関係者たちが、社会のインフラとしての図書館のあり方を対談・鼎談・座談で縦横に語り合う。
「図書館内部でのコミュニケーションの工夫」「図書館員の研修」、あるいは「図書館は生き残れるだろうか」というシビアな課題、「地域活性化サービスはどうすればいいのか」「IT時代の図書館のあり方」、さらには「公共図書館とボランティア」や「小・中学校との連携」などテーマは次々とあふれ出てくる。
話題はさらに、「図書館のビジネス支援サービスの課題」や「今後の図書館の展望」「図書館員に望むこと」など尽きることがない。
もちろん、利用者にとって「使いやすい図書館」のためにはレファレンス・サービスの充実は不可欠で、サービスの位置づけや課題を現場の図書館員がしっかり学ぶことができる事例も提示する。
未来をつくる子どもたちが使う学校図書館に求められる機能とは何か、あるいは各地で図書館をどうやって始めるか、館内を使い勝手よくするために什器・設備のメーカーはどういうプランを考えているのか、など、図書館界だけではなく、利用者にとっても未来が明るくなる発言集である。

様々な講演や対談をまとめたものです。
図書館で働く方、図書館に関わる仕事をしている方など図書館にまつわるテーマに沿ってお話をされています。
皆さんとても熱く議論されていて、読んでいてとても面白かったです。私も図書館業界に入って同じように熱く議論を交わしたいな…と思いました。おこがましいですけど…。
図書館の大切さを改めて感じました。

<青弓社 2021.8>2021.11.12読了

司書が書く 図書館員のおすすめ本5



司書が書評の書き手としてまだ認知されていないのは,その発表の場が少ないことに一因があります。図書紹介事業委員会は,公立図書館等における選書の参考となる図書の紹介を任務としながら,同時に司書の書評発表の場を広げてきました。
その発表の場の一つである『図書館雑誌』にて2016年10月号から2019年2月号までに掲載された「図書館員のおすすめ本」101点を1冊に収録し,あわせて書き手・読み手等からの書き下ろしも掲載しました。これから「書評を書いてみたい」と思う司書の皆さまへ,本書を贈ります。

「図書館雑誌」で連載されている図書館員さんがおすすめしている本をまとめたものです。
毎月楽しみに読んでいるのですが、それがまとめて読めるなんてなんて豪華なんでしょう^^
図書館員さんがおすすめするだけあってマニアックで面白そうな本ばかりでした。
既読は2冊でした。「あやつられ文楽鑑賞」と「思うは招く」
読もうとして読んでいない本も3冊くらいありました。改めて読まなければと思いました。

<日本図書館協会 2021.4>2021.8.19読了

プロ司書の検索術「本当に欲しかった情報」の見つけ方 入矢玲子5



たとえば「表層ウェブ」よりも「深層ウェブ」を探す。キーワード発想法から情報リテラシーまで、「探し当てる力」こそ情報洪水時代の武器!

大学図書館で司書をされていた方の著作です。
今はインターネットを使うのが当たり前になっていて、ネットで検索をしたら簡単な答えならすぐに出てきます。それで満足してしまう場合が多いと思うのですが論文を書くレベルまで行くとなるとそうもいきません。検索がとても大事になってきます。
私たちが日頃何気なく検索しているのは「表層ウェブ」で有料だったりして簡単には引き出せない情報の事を「深層ウェブ」と言います。なんてことを分かりやすく説明されています。
検索のときに活用しやすいデータベースや資料もたくさん書かれていて、学ぶ人には必要な資料であると思います。
検索について勉強するのも奥深いんですよね…。

<日外アソシエーツ 2020.10>2021.3.18読了

たまたま、図書館長。それはドイツからはじまった 鳥越美奈4

たまたま、図書館長。
鳥越 美奈
郵研社
2020-12-16


図書館は人生を豊かにしてくれる場所です。私はそう信じています。そんな私が一生懸命取り組んできた図書館のことについて書きました。そして大好きなドイツへも図書館が導いてくれました。そんな喜びもこの本の中で表現しました。

著者さんが経験された半年間のドイツでの生活、図書館での勤務について。帰国してからの図書館長に任命されてからの仕事について。
言い方が失礼ですが、いわゆる箱入り娘として育って、将来お嫁に行くから働かなくて良いんだと言われている環境で育ったのに、図書館に勤め出してからの著者さんのバイタリティ溢れる働き方に読んでいるこちらも驚きました。フットワーク軽いどころじゃないでしょ。凄すぎます。
右も左も分からない状態でのドイツは凄いですよ。もう凄いしか言えません^^;
一つ一つのお話が短めで読みやすい分もっと深く読みたかったなとも思いました。もっとドイツの図書館について知りたかった気もします。でも、色んな図書館があって色んな働き方があるのだと勉強になりました。帰国してからの働き方もかっこいいです。私の住んでいるところからはなかなか生きにくいところですがいつか著者さんが働かれる図書館に行ってみたいと思います。

<郵研社 2020.12>2021.3.5読了

図書館の新型コロナ対策ガイド 吉井潤4

図書館の新型コロナ対策ガイド
吉井 潤
青弓社
2020-10-26


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者は減少するどころか、「第2波」とまで指摘されて、連日、テレビでは感染者数やクラスター発生場所を報じている。しかし、ウイルスについて基本的なことを取り上げている機会は少ない。
多くの利用者が集まる公共施設、そのなかでも子どもから高齢者までが利用する図書館は、感染予防のためにどのような対策をとればいいのか。
まず、前提になるウイルスについて把握したあと、新型コロナウイルス感染症とは現在の時点ではどのようなものかを整理する。そのうえで、図書館の具体的な対策を提案する。
さらに、誰もが使用するトイレ環境について、現状分析を踏まえて対応策を示す。最後に、最近は新聞でも報じられるようになった電子図書館(電子書籍貸出サービス)の可能性についても論じる。

図書館長の経験がある著者さんが、図書館がどうこの未曽有の感染症と向き合っていくべきかを論じている本です。
1章と2章がウイルスや感染症とは?新型コロナウィルスとは?という根本的なことが書かれているので改めて知ることが出来て良かったです。ネットやテレビの情報で知識を得ることは出来るけど、今はどれが正しいのか分からなくなってきているのも事実で。本に書かれているとちゃんと調査して書いたものなんだなというのが分かってちょっとほっとします。
3章からは図書館の状況や対策について具体的に書かれています。
トイレ環境についてで1つの章を書かれていることに驚きましたが1番感染で気を付けなければならないのがトイレなんですね。確かに不特定多数が使うからなー。
勉強になりました。とても分かりやすかったです。

<青弓社 2020.10>2021.2.4読了

司書のお仕事2 本との出会いを届けます 大橋崇行5



公務員試験を突破して味岡市の職員に採用された稲嶺双葉(いなみね・ふたば)は、味岡市立図書館で司書として勤務していた。
図書館には様々な雇用形態が有り、専従職員として働けることが如何に幸運なことなのかを知る。
「狭き門」をくぐり抜け図書館員になれる人数は年々少なくなっている。
図書館での多岐に亘る仕事から、実際に働く司書の姿が見えてくる……。

シリーズ第2弾です。司書という仕事がとても分かりやすく、身近に感じられる気がします。
始めのテーマは雇用形態について。今は圧倒的に非正規職員が多いんですよね…。本当に狭き門。もんですらなく針の穴くらいっていう人もいます。図書館によってはカウンターだけ委託しているというところもあって、幅広く司書の仕事が出来ないという場合もあるようです。
あとは地域と行政の関わりでしょうか。議員さんとかホントいろんな考えの方がいるから対応も大変ですよね…。
「本当に専従の司書になりたいなら、司書としてのスキルを身につけて、全国どこでも行くくらいの覚悟が必要だ」と書かれた箇所がありました。その覚悟は前から持っているのだけど、この本を読んで俄然やらなければという想いが沸いてきました。頑張ります。

<勉誠出版 2020.11>2020.1.6読了

ROCK司書の図書館ライブ 大林正智4

ROCK司書の図書館ライブ
大林 正智
郵研社
2020-09-13


舞台はT市図書館という、小さなまちのフツーの図書館。図書館の毎日はライブそのもの。

T市って豊橋市ですかね?←
司書と利用者と双方に向けたどちらも楽しめる作品だと思います。
ちいさなまちのフツーの図書館かもしれないけど、そこで働く司書たちが奮闘している姿が伺えます。
どこも同じ施設ではなく、司書によって個性も変わってくる。それが面白いなと思います。
こういう施設をもっと大事にしてほしいなと思います。

<郵研社 2020.9>2020.12.13読了

スキルアップ!情報検索 基本と実践 中島玲子 阿形輝 宮田洋輔4

スキルアップ! 情報検索―基本と実践
宮田洋輔
日外アソシエーツ
2018-09-07


的確な情報を、最適な情報源で、素早く見つけられるスキルが身につく!豊富な例題を通じて、検索方法の考え方を易しく解説。裏ワザまでマスターできる!情報検索を初めて学ぶ学生、スキルアップしたい現場の図書館員、体系的に学ぶ機会がなかった社会人におすすめ!

検索検定という試験がありまして。その検定を受けるために今勉強中です。
そこで検索についての本も読んでみようと思い手に取りました。
私は検定のために読んだのですが、インターネットはもう無くてはならないものになっているので、日頃よくネットで検索するという人は読んでみたら面白いかもしれません。
時間短縮になるかもしれないし、より精度の高い結果が得られるかもしれません。
引き続き勉強頑張ります。

<日外アソシエーツ 2017.9>2020.12.4読了

れふぁれんす百題噺 樋渡えみ子 槇盛可那子5

れふぁれんす百題噺 (JLA図書館実践シリーズ 42)
樋渡 えみ子
日本図書館協会
2020-07-04


レファレンスサービスには,知識とスキルの両方が必要です。これは経験を通じて身につけることはできますが,学習で補完するには実際のレファレンス事例に学ぶ方法もあります。本書は,中堅司書とベテラン司書のコンビが,『図書館雑誌』に連載中の「れふぁれんす三題噺」(2006年から10年間)に掲載されたものから100題を取り上げて,コメントを付しました。初めてレファレンスサービスの担当者になった方,一人職場で周囲からノウハウを得にくい方の学習の支援に,さらには図書館利用者の方々にもレファレンスの楽しさを実感していただける一冊です。

図書館雑誌に連載している「れふぁれんす三題噺」を編集して書籍化されたものです。
本当に、色んなレファレンスがあるんだなぁと思いました。いろんな質問があって、その調べ方も多種多様で、司書の方の経験がものを言うのだなと読んでいて感じました。
忍者の本を探していた男の子に忍者とは全く関係のない本を渡した司書の方の思惑に感動しました。昔から知っているからこその信頼関係が司書と利用者の間に生まれていて、羨ましさも感じました。
ググれば何でも答えが出てくると思っている人こそ図書館に行ってほしいなと思いました。

<日本図書館協会 2020.7>2020.11.6読了

魔女っ子司書の自由研究 八巻千穂5

魔女っ子司書の自由研究
八巻 千穂
郵研社
2020-07-03


・「司書として、ロックでポジティブな人生を送る」がモットーの現役大学司書の最新刊!
・魔女っ子司書のふたこと日記〜図書館ジャーナル編〜、魔女っ子司書の読書感想文〜ブックレビュー編〜、魔女っ子司書のフィールドノート〜インタビュー編〜の3つの「自由研究」を収録
・インタビュー編では、図書館界で活躍中の、新 出さんには「図書館、そして司書の使命とは ?」を、小陳 左和子さんには「大学図書館の歩き方」を、早坂 信子さんには「図書館、司書の存在意義とは ?」を、川端 英子さんには「図書館運動の真髄」を、聞く。

魔女シリーズですが著者さんは継承されたのでしょうか。
何だか性格も継承されているくらい^m^パワフルな素敵な方です。
様々な図書館で働く方のお話も読むことが出来て勉強になりました。
そして印象的だったのがあとがきに書かれていた「四十にして惑わず」は「惑ず(くぎらず)」ではないかという説が出てきていて「四十歳で迷うことがない」ではなくて「四十歳で今までの或を超えてみろ!」じゃないかと。それめちゃくちゃかっこいいなと思いました。
私は多分40歳を過ぎても戸惑ってばかりだと思うので。そうありたいなー。
このシリーズを読んだ後にいつも、私も早く魔女になりたいと思います。魔女の仲間入りをしたいです。頑張らなければ。

<郵研社 2020.7>2020.9.23読了

新編 図書館員への招待 塩見昇 木下みゆき5

新編図書館員への招待 [ 塩見昇 ]
新編図書館員への招待 [ 塩見昇 ]
司書をめざす若い人たちへのメッセージ!図書館と図書館員への期待、司書をめぐる状況と仕事内容、資格の取得と必要な科目、採用試験の仕組みと現状、先輩司書からの励ましと助言、学習・研鑽を深めるための基本文献ガイドや研究団体の紹介、図書館学を学べる大学の募集要項など、司書になるための基本知識と最新情報。司書採用試験問題例も収録!

前回の本も読んでいたのですが、新編と書かれているだけあって大分変っている気がしました。
新たな気持ちで読めました。読んだのが5年前なので忘れているだけかもしれませんが^m^
ずっと頑張ってきたけどずっとだめでくじけそうになっている今、実際に図書館で働かれている若い方の体験談を読むのは辛いななんて最初は思っていました(心が狭くてすみません)でも、読んで良かったです。やっぱりもっと頑張ろうと思えました。

<教育史料出版会 2020.3>2020.6.10読了

前川恒雄著作集4 人間の図書館へ 前川恒雄5

人間の図書館へ (前川恒雄著作集)
日本出版学会
出版ニュース社
1999-05-31


1960年代に大きな変化を遂げた日本の公共図書館。その時期に図書館員として働き、改革に関わった著者の「図書館事業基本法要綱(案)」批判のほか、現場で働く図書館員の願いを綴った主要な論文、講演録を収める。

ついに最後まで読んでしまいました。
最後までずっと前川さんの図書館に懸ける情熱は変わらないです。
自身も図書館で働き、また現場で働く図書館員の事もちゃんと見ている。こんな上司が傍にいてくれたら安心して働けるな…と思いました。
1の時から言っていますが、本作が出版された頃以上に現場の職員たちは過酷な状況の中働いていると思います。それでも希望は捨てたくないし、持ち続けたい。
図書館で働くことを夢見ている一人としては前川さんの遺志を継いで熱い気持ちを持っていつか図書館で働きたいと思いました。…なんて、まだスタートラインにも立っていないのに^^;偉そうですね。

<出版ニュース社 1999.5>2020.5.23読了

前川恒雄著作集3 図書館の変革 前川恒雄5

図書館の変革 (前川恒雄著作集)
恒雄, 前川
出版ニュース社
1999-04-30


1960年代にはじまった日本の公共図書館の改革と発展は、そのスケールの大きさと内容の深さにおいて、歴史的な時代を刻んでいる。本書はこの時期に図書館員として働き、この改革に深くかかわった著者が、学び、実行し、考え理論化し、一段高い地点で再び実行する過程をくりかえしたものである。それは常に実践から生まれ、ときに論争であり、たびたび説得であったという。

著作集3冊目です。
1960年代は図書館を地域の一般市民に利用してもらうため敷居を低く、利用者ファーストにすることを大事にし始めた頃なのかなと思います。以前の著作集の感想で書きましたが、ずっと昔は図書館側が上から目線だったみたいですし、年齢制限などもあったみたいですし。
前川さんは一貫して図書館には様々なサービスがあるが1番大事なのは貸出だとおっしゃっています。
私はずっとレファレンスだと思っていました。それも大事だとは思いますが、利用者が気軽に入れて、読みたい本を気軽に借りられる、そんな場所にすることが第一なのだと読んでいて感じました。
特に問題視されていたのは図書費の予算の問題、そして司書職制度についてでした。
この2つの問題は40年以上経った今も変わっていない、むしろ悪化しているのではないかと思います。時代は変わりましたが、それでも図書館として最も大切なのは利用者であることは変わらないです。
この本に書かれていたことで1番驚いたのは、イギリスの図書館の考え方です。日本では利用者が求める内容の本が図書館に所蔵しているかどうか調べます。自館にあるのか、なければ他館に相互貸借を依頼する。その流れですがイギリスはそもそも利用者が求めるような書籍が存在するのかどうかから調べ始めるのだと言います。そして図書館にあるかどうかを調べるのだそうです。なるほど!と思いました。
著作集は残り1冊です。前川さんの熱い想いをじっくりと読んでいきたいと思います。

<出版ニュース社 1999.4>2020.5.19読了

前川恒雄著作集2 図書館の世界 前川恒雄5

図書館の世界 (前川恒雄著作集)
前川 恒雄
出版ニュース社
1999-04-30


1960年代に大きな変化を遂げた日本の公共図書館。その時期に図書館員として働き、改革に関わった著者が、経験に基づき、図書館のサービス、図書館のこれから、社会と図書館、図書館の発展などについて考察する。

前川先生が講演された3つの公演をまとめたものだそうです。著作集としては2冊目です。
図書館員の現状をズバズバと切り込まれてます。現状と言っても30年くらい前なのですが今とあまり変わっていない気がします。むしろ指定管理者制度が出来てからは悪化していますよね。
30年前にも委託の問題があったようで前川先生が強く批判されていました。でも、今の方が図書館司書として働きにくい現状になっている。それが悲しいなぁと思います。
図書館は利用者目線に立たなければならない。肩書きなどは関係なく誰もがカウンターに立って利用者と関わるべき。利用者からリクエストされた本は極力購入するようにする。
小さな町に図書館が出来たことで書店が出来たというお話が素敵でした。本を読む人が増えて図書館利用者が増えて本の購入額も増えるなんて本当に理想です。
前川先生がよくお話される、日野市で図書館を利用していた家族が引っ越し、久しぶりに日野に来たときに図書館に立ち寄ったら職員さんがお子さんの名前を憶えていたという話がとても好きです。職員と利用者の身近な関係が魅力的です。
こちらの本を読んでいて、前川先生の熱い想いを間近で聴いているような気持ちになり、身が引き締まる思いでした。私も頑張らなくては。

<出版ニュース社 1999.4>2020.5.16読了

前川恒雄著作集1 図書館について 前川恒雄5

図書館について (前川恒雄著作集)
恒雄, 前川
出版ニュース社
1999-02-28


司書のもつべき質は二つある。一つは、正しい図書館運営に生かすべき理論と技能であるが、それ以上に今求められるのは、利よりも義に向かう、ゆるがぬ志であろう。司書は誰でもできるとか、役に立たないとか言うのは、誰にでもできる仕事と、あるいは図書館の職員が本来する必要がない仕事、そういうものを図書館の仕事だと考えていて、役に立たないとか、誰でもできるという人がいます。そういう人に対しては、はっきり言ってやるべきだと思うのです。「あなたが考えているのは図書館ではない」と。

1990年代に前川さんが講演されたものをまとめた書籍だそうです。全部で4冊あり、こちらが1冊目。
前川さんの熱いメッセージが込められています。もう凄いです。日野市図書館での活動のお話は本当に凄いです。新しいことを始める人は矢面に立たされるものだけど、それを覚悟して公共図書館の発展のために尽力していた姿は熱い想いが無ければできなかったと思います。
前川さんがおっしゃっていた言葉で「とにかくたくさん本を読んでほしい。特に小説を読んでほしい」という言葉がありました。もちろん出版されている本全てを読むことは出来ない。それでも1冊でも多くの本を読み、知ろうとすることが何よりも大事という言葉がシンプルだけどなるほどなと思いました。特に良書を読んでほしいと。たくさん読んでいたら良書が何なのかもきっとわかってくるとも。
そしてもう一つとても印象深くて私の心に刺さった言葉がありました。
「できたら図書館に勤めてほしい。そして私が今までみなさんに言ったような仕事をして、図書館で一生過ごしてやってほしい。」少し略していますが。
この言葉は20年以上前にある大学で大学生に向けて言った言葉ですが、私に言ってくれているような気がして。つい最近も図書館職員の試験に書類で落ちてお祈りメールがきて凹んでいたんですけど…。めげないで頑張ろうと思えました。凄く落ち込む前にこの本を読めて良かったです。これからもたくさん本を読んで精進していきます。
こちらの著作集はあと3冊あります。ゆっくり噛みしめて読んでいきたいです。

<出版ニュース社 1999.2>2020.5.7読了

図書館制度・経営論 二村健 手島孝典/編5



本書は、図書館法を初めとする図書館関連領域の法規、図書館の制度・政策・経営などについて学ぶための教科書である。
公立図書館の図書館政策・経営・運営に関する部分については、どのような図書館をめざすべきか、図書館像の具体的なイメージを提起。
法制度の変更を中心に内容の修正を行った第2版。

図書館とかかわりのある法を取り上げて図書館とどう結びついているのか学んでいくようなテキストになっています。日本国憲法、教育基本法、社会教育法、などなど。
今回のテキストで問題になっていたのは、法改正が行われたことで、所管が教育委員会から首長部局に変更することも認められたため、変更する自治体が出てきたっていうことですかね…。図書館は教育に関する施設だから教育委員会管轄の方が良いと思うんですけど…
そしてやっぱり課題となるのは指定管理者制度について。これはずっと出てきますね。委託になった図書館もたくさんあるもんなぁ…。委託された図書館に旅行先で行ったことがあるのですが、私はそこを見てちょっと絶望しました。図書館員じゃないのに^^;
少しずつ勉強して色々図書館の事を学んでいきたいです。

<学文社 2017.4>2020.5.3読了

新版 図書館の発見 前川恒雄 石井敦5

新版 図書館の発見 (NHKブックス)
敦, 石井
NHK出版
2006-01-26


今、図書館の前にはかつてない大きな壁が立ち塞がり、その基本をも揺るがせようとしている。それはいったい何であろうか。一貫して日本の図書館の理論と実践を先導してきた著者たちが、まず、何のために図書館はあるのかを説き、豊富な実例を歴史的に、また現代の動向として提示しながら問題点を探り、これからの進むべき道筋を示した問題提起の書。旧版『図書館の発見』を全面改稿。

今日この本を読み終えたのですが、著者である前川さんが4月10日に亡くなられたことを知りました。
ご高齢なのは存じていましたが、まさかのタイミングで驚きました。
以前勤めていた図書館の面接で、当時の館長に「前川恒雄さんの功績をどう思うか」と質問され、当時は名前すら知らなくて恥ずかしい想いをしました。その後、調べて著作を読みました。
この方を知らないでよく面接を受けたな!っていうくらい、偉大な方でした。
1960年代、日本の図書館は利用者優先ではなく、どちらかと言うと上から目線でのサービスを行っていたそうです。サービスという言い方も語弊があるかもしれません。
現状を打破したいとイギリスへ留学し、日本の図書館とあまりにも違うことに衝撃を受け、日本に取り入れようと決意して帰国します。
日野市長となった有山菘さんと共に市民のための図書館を作ろうと奮闘し、最終的に建設が認めらず、最初に始めたのが移動図書館ひまわり号。様々な声がありながらも市民に受け入れられ、話題を呼び、日野市図書館が建設されるまでに至ったんですから本当に凄い功績を残された方ですよね。
本はとても読みやすくて分かりやすかったです。
図書館はあくまで利用者優先。利用者サービスについてが丁寧に書かれていました。
前川さんの著書は何冊か読んでおり、たくさん学びました。でも、私はそれを生かせる仕事に就いていません。いつか、生かせる仕事に就きたいです。就けるようにこれからも努力していこうと思います。
ご冥福をお祈り申し上げます。

<NHK出版 2006.1>2020.4.30読了
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苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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