苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

万城目学

六月のぶりぶりぎっちょう 万城目学5

六月のぶりぶりぎっちょう
万城目 学
文藝春秋
2024-06-24


その死体は信長――密室殺人事件に巻き込まれた私は、うっかり本能寺の変の謎に挑んでしまう……。
洛中女子寮ライフ――14回生以上との噂のある、女子寮の“お局様”の正体は!?
京都の摩訶不思議を詰め込んだ「静」と「動」の2篇

先週の木曜日に「あの本、読みました?」でマキメさんが登場し、こちらの作品について少しお話をされていました。「八月の御所グラウンド」がA面ならこっちはB面とおっしゃっていて、なるほどと思いました。2作品とも通ずるものがあるように感じます。
「三月の局騒ぎ」主人公が大学生になり、寮で暮らすことになった2001年に思いを馳せるところから物語が始まります。その寮は少し変わっていて、住んでいる学生のことを女御と呼びます。主人公の若菜はそこで14回生以上だという噂のキヨという女性のことが気にかかります。坊ちゃんに登場する清という女性のことが好きな若菜は名前が好きでその名前の付く人に悪い人はいないと思っている可愛らしい人です。そしてまさかの同部屋になり、一緒に生活していくようになります。
キヨという名前と日記で気づくべきでしたね^^;そうか、清少納言か…。かつて見知らぬ人に暴言を吐かれて文章を書くのをやめてしまっていた若菜が清に「私は悪くないと思った」と言われて再び文章をしたため、人生が変わっていくところが好きでした。そして最後に娘が都大路に出ると書かれていてガン見しましたよね←名前!と前作の感想を見返すと、娘さんはライバルとして登場していました。こういう繫がり嬉しい!
「六月のぶりぶりぎっちょう」番組で鈴木保奈美さんもおっしゃっていましたが、よくこういう言葉を探していいように用いられますよね(笑)初めて聞いた時はてっきりマキメさんの造語だと思いました(笑)すみません。あらすじから主人公が本能寺の変の現場にタイムスリップするのかと思ったら違いましたねー最初よく分からなくて主人公と一緒に戸惑いながら読んでいましたよ。まさにマキメワールドでした。登場する人みんなが織田信長関係者の名前なのに三木さんだけ関係ない名前だなーと思っていたら後に判明する名前に納得でした。なるほど。正直私はあんまり三英傑は好きじゃないんですけど(笑)500年以上経っても名前が残っているんですから、織田信長のことをみんなが好きなんだと思います。だから、自分はみんなに嫌われていたと思っているのなら、そんなことないよ!と言ってあげたいなぁと思いました。マキメワールドを堪能しました。面白かったです。

<文藝春秋 2024.6>2024.7.20読了

八月の御所グラウンド 万城目学5

八月の御所グラウンド (文春e-book)
万城目 学
文藝春秋
2023-08-03


京都が生んだ、やさしい奇跡。
ホルモー・シリーズ以来16年ぶり
京都×青春感動作
女子全国高校駅伝――都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。
謎の草野球大会――借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する羽目になった大学生。
京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとは――。
今度のマキメは、じんわり優しく、少し切ない人生の、愛しく、ほろ苦い味わいを綴る傑作2篇。

マキメさんは京都の学生の青春ものを結構書いているイメージだったんですけど、16年ぶりだったんですね。申し訳ないですけどモリミーと被っちゃっているのかもしれません(笑)ごめんなさい。
今回あらすじも読まずに読み始めたんですけど、始めが都大路のお話だったのでテンションが上がりましたよね!年末の風物詩!ということでそれぞれ感想を。
「十二月の都大路を上下ル」坂東は全国高校駅伝のため、京都に来ている。学校としては27年ぶりの出場で20番台で入ることを目標としているが、緊張はしていない。なぜなら自分は1年生で補欠だから。しかし、先輩の一人が欠場となり、出場することになる上にアンカーを任される。
全国高校駅伝の話だ!とまずテンションが上がりましたが(笑)本編については半分くらいですかね。でもランナーたちの息遣いが聞こえてくるようで読んでいて楽しかったです。坂東と、そして並走して走っていた荒垣さんのレース後の会話がとても良かった。きっと2人が見た人たちはその人達だったんじゃないかな。そう思った方がロマンがあるもの(笑)また翌年、2人が競う姿がみられますように。
「八月の御所グラウンド」マキメさんと京都の学生だからダラダラと学生生活を過ごす古風な男性が主人公なのかと思いましたけど(言い方)まあ若干は当たってましたけど違いましたね(笑)友人に唆されて、巻き込まれて参加することになった野球の試合。京都御所にグラウンドがあることも気軽に利用できることも知らなくて驚きました。へーと思いながら読んでいたらまさかの展開で驚きました。
八月にそんな意味があったとは。お盆の時期ならきっとそういうこともあるのかもしれないですね。そう思えた方が素敵です。野球でもなんでも、好きなことを目一杯やりたくてもやれない時代があって、そして命を落とした若者がたくさんいたことを、私たちは決して忘れてはいけないんですよね。ギリギリだったけど、8月中に読むことが出来て良かったです。

<文藝春秋 2023.8>2023.8.31読了

あの子とQ 万城目学5

あの子とQ
万城目学
新潮社
2022-08-18


吸血鬼の一族である嵐野家。でも、現代の吸血鬼は人間社会に溶け込んでいて、人の血を吸うなんてもってのほか! 嵐野家の一人娘・弓子は親友のヨッちゃんと楽しい高校生活を送っていたが、ある朝突然「Q」というトゲトゲのばけものが出現。弓子が17歳の誕生日を迎えるまでの10日間、人の血を吸わないか監視に来たと言うのだが……。
「Q」にまつわる秘密、親友の恋の行方、そして巻き起こる大騒動の結末は……!? 
ミラクル吸血鬼ストーリー!

あらすじを読まずに読み始めたのですが、吸血鬼ファミリーのお話だったんですね←今更
吸血鬼と言ったら「ときめきトゥナイト」を思い出すなーと思ったら影響を受けたかもしれないとインタビューを受けているのを見て「何!?」となりました。確かに蘭世みがあるような…ないような…←
弓子が一生懸命に人の為、Qの為に動いているのがかっこよかったです。
吸血鬼のお話だけど、青春小説でしたねー!甘酸っぱさもありつつちょっとドキドキもありつつ、そしてヨッちゃんのキャラクターも最高すぎましたね…大仏かぶって自転車乗るって何(笑)
マキメ君の作品の中では底抜けに明るい作品だったのでは…。あのバスの事故のくだりはどうなることかと思ったけど…。
最後がちょっと悔しいけど仕方がなかったのかな…。でもきっとこれから出会って始まっていく…かも知れないですよね。それに期待します^^

<新潮社 2022.8>2022.9.28読了

万感のおもい 万城目学5

万感のおもい
夏葉社
2022-05-10


ますます快調、『ザ・万歩計』『ザ・万遊記』『ザ・万字固め』に続く、「万」シリーズの最新作。 創作のこと、京都のこと、大阪のこと、父のこと、上原浩治のこと。 笑いあり、涙あり。縦横無尽の42編。

マキメさんのエッセイって「万」シリーズって言われているんですね。そしてこの作品がそのシリーズの最新刊だって気づきませんでしたよ…すみません。
そして本の形が変わっていて…若干持ちづらかったです^^;置いて読んだ方が読みやすいかな。
面白かったですねーマキメワールドはエッセイでも健在でした。
1年間、月ごとに色で表現しているのが面白かったな。その季節らしくない色の表現が面白かった。
お父様のことも色々書かれていましたけど1番衝撃だったのが戒名って自分で決められるの?!っていうことでした^^;自分の家の宗派のお寺さんが決めるもんだと思っていた…
あとは2020年3月に大阪ではまだマスクをしている人が少なめだったけど、志村けんさんが亡くなったというニュースがあった次の日に明らかにマスクをしている人が増えていたというエピソードがなんだか切なかったな…
そしてマキメさんは、ご友人もコロナで亡くされているんですね…読んでいて辛かった…。
マキメさんはあとがきが苦手だそうですが予想通り←面白かったです。
エッセイのマキメワールドを堪能しました。

<夏葉社 2022.5>2022.8.16読了

ヒトコブラクダ層ぜっと 下 万城目学5



梵天、梵地、梵人(三つ子)。
砂漠に埋もれた古代文明のど真ん中で、生きるか死ぬかの奇跡の大作戦開始!!
自衛隊PKO活動の一員としてイラクに派遣された三つ子。彼らを待ち構えていたのは砂漠の底に潜む巨大な秘密、そして絶体絶命の大ピンチだった! 展開予測は不可能。唯一無二の物語の紡ぎ手・万城目学、とどまるところを知らず。ページをめくるたびに新たな驚きが待ち受ける超ド級スペクタクル巨編、ここに完結!

下巻です。三つ子と銀亀三尉が砂漠の底に閉じ込められて(で合ってるのか?)無事に帰るために4人は動き出す。二転三転する展開に小説を読んでいるのに映画を見ているような感覚。これ、映画化するのお金かかるだろうな(笑)壮大すぎて。
メソポタミアについて勉強していたらもっと楽しめたのかな。でも梵地の解説分かりやすくて面白かったけども。3人が三つ子だということも、隕石が落ちて両親が死んでしまったこともすべてが繋がっていって最後はもう夢中で読みましたよね。
メソポタミアの話から宇宙の話にもなるしホント壮大!
この奇想天外さがマキメワールドですよね。好き。
なんだかんだで三つ子と銀亀三尉が仲良しになっているのが嬉しい。梵人といい感じになっているように見えるのは気のせいかな?^^
最後の4人が嬉しさを体全体で表している感じが好き。ハッピーエンドっていう感じがにじみ出ていて好きでした。

<幻冬舎 2021.6>2021.7.17読了

ヒトコブラクダ層ぜっと 上 万城目学4



万城目ワールド、ついに海を越えて世界へ!
梵天、梵地、梵人(三つ子)。その特技は泥棒、恐竜化石発掘、メソポタミア、未来予知。
彼らが向かった先(イラク)に待つものは!?
貴金属泥棒で大金を手にした三つ子の前に、ライオンを連れた謎の女が現れたとき、彼らの運命は急転する。わけもわからず向かわされた砂漠の地で、三つ子が目撃する驚愕の超展開とは!? 稀代のストーリーテラー・万城目学が挑む、面白さ全部載せの物語。アクションあり神話ありでどのページからも目が離せないジェットコースターエンターテインメント!

いやーマキメワールドがついに世界へ進出しましたよ。もうどこから何を言っていいのか分かりません(笑)それぞれ能力を持つ3人が謎の女と出会い、翻弄されてあれよあれよという間にイラクの地へ。
このあれよあれよの間も奇想天外でどうしてそうなった???ということばかり。
三つ子の長男梵天は中学を卒業後2人の弟の学費を稼ぐため働き続けていて、次男の梵地は大学院へ、三男の梵人は身体能力が高くオリンピックを目指していた。
冒頭に東京オリンピックのことが出てきて、あぁ…という気持ちになりましたね。年号がはっきりと明記されていなかったと思いますが、何となく切なくなります。
でもまあ本編と関係あるようなないような感じなんですけども。
恐竜も化石もメソポタミアも興味を持ったことがないので^^;なかなか文明や神話についての知識が入ってこなくて読むのが大変でしたが、マキメワールドが詰め込まれていて面白いです。
今下巻を読んでいる途中なのでどういう展開になるのかまだまだ楽しみです。

<幻冬舎 2021.6>2021.7.15読了

べらぼうくん 万城目学5

べらぼうくん
万城目 学
文藝春秋
2019-10-11


「水たまりをのぞいたら、そこに映っていたのは青い空だった」
べらぼうとは漢字で「篦棒」と書く。「あまりにひどい」「馬鹿げている」「筋が通らない」といった意味の他に、端的に「阿呆だ」という意味がこめられているところが気に入った。
どうにもうまくいかぬ男の、十歩進んで九歩下がる日々をまるっと包みこんでくれるようで、あの頃の蒼白い顔をした自分に「よう」と呼びかける気持ちで、『べらぼうくん』とタイトルを決めた。(あとがきより)
未来なんて誰にもわからないのだ。川べりを俯き歩く万城目青年は、いかにして作家としての芽を育てたか。万城目ワールドの誕生前夜を描く極上の青春記であり、静かに深く届けたい人生論ノート。

万城目さんの高校生から小説家に至るまでの諸々を書いたエッセイ?です。
鯨統一郎さんの小説家になるまでの私小説も結構崖っぷちな感じでしたが、万城目さんも結構ギリギリな感じでしたね…。でも、確かに私は万城目さんと直接お会いしたことはもちろんありませんが、小説家になるために安定した仕事を退職して無職の状態で小説を書くという行為はするとは思えないような気がします。そういう行動を取ったのは意外でした。
それで真面目に一身に小説に向き合ったのかと思いきやそうでもなかったようで^m^無職時代はビルの管理人で結構引きこもっているような印象を受けましたけどだからこそ奥様との馴れ初めなども知りたいもんですね←
3で割り切れる数字は縁起が良いというのは初めて聞きました。私が今まで受けてきた受験番号が3で割り切れたのかは覚えていないですけど、多分関係ないですよ。気の持ちようですよ←
でも、私も法学部に入学する人は弁護士や外交官などを目指して勉強しているものだと思ったのですが、万城目さんは違ったんですね。周りとの違和感にちょっとイラッとして、自分と同じように違和感を感じているような人を見かけて、それが宇治原君だったというのは何だか運命を感じます^m^宇治原君だって弁護士とかエリートを目指しているんじゃなくて、芸人で京大出身だったらウケそうみたいな理由でしたもんね。
浪人時代に学生生活に留年、社会人時代と人の人生に対して言い方が合っているかわかりませんが面白く読みました。色んな人生があって、どれも決して間違いじゃないんですよね。

<文藝春秋 2019.10>2019.11.4読了

パーマネント神喜劇 万城目学4

パーマネント神喜劇パーマネント神喜劇
著者:万城目 学
新潮社(2017-06-22)
販売元:Amazon.co.jp

「あんたの願い、叶えてあげる」
こんな神様、信じていいの――!?
デートの途中、突然時が止まった。動かない街に現れたのは、「神」と名乗る見慣れない二人の男。ペラペラまくしたてる二人に肩を叩かれ戻った世界は、あれ、何かが違う……?
面白さ、神話級! ! アヤしげな「神様」に願いを託し、叶えたり振り回されたりする人たちの、わちゃわちゃ神頼みエンターテインメント。

久しぶりの万城目さんの新刊。楽しみにしていました。
前回の「バベル九朔」が正直よく分からなかったので^^;今回はどうかなと思ったのですが、まず装丁がね、インパクトがありますよね。
表紙のおじさんが神様だったらと思ったら面白いですね。
最初の「はじめの一歩」は7年前の世にも奇妙な物語の書き下ろし作品だったそうで。
そういえば以前人気作家が書き下ろした!って謳い文句で放送していた時があったような。私は観ていないので分からないのですが^^;
それにしても7年前って、待ちに待ったですね。
「トシ&シュン」は何だか読んだことがあるなぁと思ったら「時の罠」に収録されていたんですね。納得です。当時も面白いと思った記憶が^^
何だか適当そうに見える神様ですが、4編すべてちゃんと人の事を考えて人の事を想って動いているのが良かったです。流石神様ですね。
でも、神様でも昇進試験や抜き打ち審査のようなものがあってそれも面白かったですね。
万城目さんの奇想天外な作品をまた読むことが出来て良かったです。

<新潮社 2017.6>H29.7.23読了

バベル九朔 万城目学3

バベル九朔バベル九朔
著者:万城目 学
KADOKAWA/角川書店(2016-03-19)
販売元:Amazon.co.jp

作家志望の「夢」を抱き、雑居ビル「バベル九朔」の管理人を務めている俺の前に、ある日、全身黒ずくめの「カラス女」が現れ問うてきた…「扉は、どこ?バベルは壊れかけている」。巨大ネズミの徘徊、空き巣事件発生、店子の家賃滞納、小説新人賞への挑戦―心が安まる暇もない俺がうっかり触れた一枚の絵。その瞬間、俺はなぜか湖にいた。そこで出会った少女から、「鍵」を受け取った俺の前に―雲をも貫く、巨大な塔が現れた。著者初の自伝的?青春エンタメ!

万城目さん10周年記念作品だそうですね。まだ10年かという感じです。
それくらい万城目さんの作品はどれも強烈で残っているんですよね。
今回はあまり内容を知らないで読んだのでどんな展開になるのか分からず読むのに時間がかかりました。
主人公は会社を辞め、祖父が残したビルの管理人をしながら小説家を目指している九朔満大。万城目さんも管理人をしながら小説を書いていたらしいですね。知らなかったです。
そんな生活を続けて2年が経ち少しずつ歪んでくる現実世界。
主人公がいったい何に巻き込まれているのか、ホントよく分からなかったです←
越えても越えても現実世界に帰ってこない。帰って来てるのか夢の中なのか。それを理解するのが大変でした。
でも、このビルの歴史をたどりながら階段を上がっていくところは切なかったですね。
そして結局最後はどうなって終わったんだろうか?←
読み終えた後に旧約聖書に出てくるというバベルの塔という存在を知りました。
それを知っていればまた解釈は違ったかもしれないです。

<角川書店 2016.3>H28.4.25読了

悟浄出立 万城目学4

悟浄出立悟浄出立
著者:万城目 学
新潮社(2014-07-22)
販売元:Amazon.co.jp

俺はもう、誰かの脇役ではない。深化したマキメワールド、開幕! 砂漠の中、悟浄は隊列の一番後ろを歩いていた。どうして俺はいつも、他の奴らの活躍を横目で見ているだけなんだ? でもある出来事をきっかけに、彼の心がほんの少し動き始める――。西遊記の沙悟浄、三国志の趙雲、司馬遷に見向きもされないその娘。中国の古典に現れる脇役たちに焦点を当て、人生の見方まで変えてしまう連作集。

内容を全く知らないで手に取ったのですが、中国文学を基にしたお話だったんですね。
そういえば私、孫悟空ですらちゃんと話の内容を分かっていないかもしれないです^^;
っていうか沙悟浄よりも猪八戒のことの方が気になったんですけど。え、そんなすごい人だったの?←
三国志も全然知らないからなぁ…ちょっと前にプロファイラーで諸葛孔明のことを特集していて少しだけ知っていたから諸葛亮は諸葛孔明のことかなぁとわかったくらいで^^;
本当に情けないくらい元ネタが分かりませんでした。
分からない中でも良かったと思ったのは「虞姫寂静」ですね。虞美人草の由来って本当にここからきているのでしょうか。凄く情熱的で切なく悲しいお話でした。でも良かった。
最後の「父司馬遷」も娘の榮がかっこよかったです。
万城目さんの作品だ!嬉しい!と思って嬉々として読んだ結果としては満足とはいかなかったけど(失礼ですみません)こういう世界もあるんだと勉強になりました。元ネタを読むとは思えませんが^^;
今度は元ネタなしのマキメワールドを期待します。

〈新潮社 2014.7〉H26.8.18読了

とっぴんぱらりの風太郎 万城目学4

とっぴんぱらりの風太郎とっぴんぱらりの風太郎
著者:万城目 学
文藝春秋(2013-09-28)
販売元:Amazon.co.jp

天下は豊臣から徳川へ―。重なりあった不運の末に、あえなく伊賀を追い出され、京(みやこ)でぼんくらな日々を送る“ニート忍者”風太郎。その人生は、1個のひょうたんとの出会いを経て、奇妙な方向へ転がっていく。やがて迫る、ふたたびの戦乱の気配。だましだまされ、斬っては斬られ、燃えさかる天守閣を目指す風太郎の前に現れたものとは?

読みました。長かった…。
以前「王様のブランチ」で紹介されていた時にユイカちゃんが「長くてありがとう」って言っていたのですがそれが分かりました。読んだ人たちの表情が凄く良くって、この本を手に取るのがすごく楽しみでした。
忍びとしては劣等生の風太郎。伊賀を追い出され、ふらふらと日々を過ごす風太郎。しかし、何やかやで面倒事に巻き込まれて行きます。簡単に言うと風太郎の成長物語なんですよね。
始めはダラダラしていた風太郎ですが、仕事もこなしていき、人ともかかわるようになり、少しずつ人間として成長していきます。
特に私は芥下との会話が好きでした。最初はいがみ合っていたのだけど、お互いの境遇が似ていることから徐々に距離が縮まっていったような気がしました。
忍びである蝉も常世も百市もあまり好きではなかったのだけど(黒弓は憎めない感じで好き)忍びにならざるを得ない境遇が読み進めていくうちに切なくて悲しくなりました。
結局采女様ってなんだったんだろう。昔はこういう人が多かったのかな。
蝉がひさご様に感じた想い。それが蝉も風太郎も、人と係わる不器用さを表している気がしました。
それで人としての感情が芽生え、みんな最後には忍びという任務から抜け出してそれぞれ幸せになれると思っていたのに…。
最後が、最後が。読んでいてドキドキして読む手が止まらなかったです。
たくさんの人と出会い、かかわっていきました。そしてたくさん人が死んでいきました。人が死んでいく情景は惨たらしくて読んでいてつらかったです。でも、これは史実なんですよね。
「ならば、風太郎もいつか誰かを救えばよい」という言葉。この言葉がすべてでした。
切なくて辛い。辛すぎます。
大長編なのに感想が短くてすみません。
万城目さんの作品は愉快痛快なイメージだったのですが、ちょっと違うラストで驚きました。
もうこれ以上は言えません。色々ダメージが大きかったです。
それでも素晴らしい作品だったと思います。何だか矛盾してるけど。そう思える作品でした。

〈文芸春秋 2013.9〉H26.1.22読了

ザ・万字固め 万城目学4

ザ・万字固めザ・万字固め
著者:万城目学
ミシマ社(2013-02-09)
販売元:Amazon.co.jp

この面白さ、何者? エッセイをこえた超エッセイ本!
『鴨川ホルモー』、『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』の万城目学が綴る、「作家の日常」&「奇想天外な世界」。
「やけどのあと ~2011 東京電力株主総会リポート~」収録! !
ひょうたんを愛する「全日本愛瓢会」に入会したり、2011年の東京電力株主総会に潜入したり、深夜にPSPのカードと格闘したり…。大人気作家、万城目学氏の、めくるめく日常。
地元大阪の話、少年時代の話から、無限・四次元・宇宙にまで想いを馳せ、そしてラストは…!?
ウルトラ級のエッセイ集、誕生! !

マキメさんのエッセイ。小説も面白いですがエッセイも面白くて好きです。
印象的なのはやはり愛瓢会に入って瓢箪を愛でる生活ですね。面白かったです。いろんな愛好会があるんですね。そしてそこまで愛でることになると家族をも犠牲にしなければならないんですね(違う)マキメさんの瓢箪付きのサインほしいなー。
台湾のサイン会も面白かったです。私はサイン会に行ったことはないですが、確かに日本ってずっと待ってもサインして握手して終わりなんですよね?台湾のようなトークショーみたいなのがあるのも良いなと思いました。
マキメさんが単独で行かれたイタリア旅行は大変な事でしたけど、その時に食べたパスタは本当に美味しかったんだろうなと思います。私も食べに行ってみたいと思いました。イタリアに行くことがあるか分かりませんが^^;
そして予想外だった東京電力株主総会リポート。何だ?と思ったらマキメさん、株買ってたんですか。私はよく分からないけど…株って怖いなということを再認識。
でも株主総会なんて私は絶対に行かないので興味深かったです。まあ、読んでいて気持ちのいいものではありませんでしたけど…
マキメワールドを堪能しました。
私も何か面白い事を始めてみたくなりました。何かないかな^^

〈ミシマ社 2013.2〉H25.4.22読了

ぼくらの近代建築デラックス! 門井慶喜 万城目学5

ぼくらの近代建築デラックス!ぼくらの近代建築デラックス!
著者:万城目 学
文藝春秋(2012-11-29)
販売元:Amazon.co.jp

マキメのトボケvsカドイの薀蓄。仕事場にしたい名建築、“長すぎる”あの話題の新名所とは?人気作家二人が5大都市(大阪・京都・神戸・横浜・東京)の名建築を巡り、その魅力を語りつくした傑作ルポ対談集。

門井さんと万城目さんの近代建築巡りをしながらの対談集。
近代建築はお二人ほど好き度は劣るかもしれませんが見るのは好きです。
お二人が行かれた場所で行ったことがあるのは大阪の大阪城、神戸のうろこの家、東京の東京駅と講談社本館ですね。
うろこの家は入場料が1000円かかるので当時貧乏学生だったマキメさんは入らずに帰ったと行っていましたが、私も行ったときはお金がかかると思わず驚きました。でも、真夏の30度越えの中一生懸命歩いてきたからと思って払いましたけどね。
写真もあって「行ったよ〜」って思いました。
講談社本館は去年の10月に前を通ったんです。柱が太くて時代を感じる建物で驚きました。まさかここにも載るとは。
マキメさんの建築好きは他の作品を読んで知っていましたが、門井さんもとは思いませんでした。門井さんの作品は3冊くらいしか読んだことがなくて…すみません。
同業者でこうやって同じものが好きで一緒に巡る事が出来るなんて素敵ですよね。
マキメさんって勝手に孤独なイメージを持っていたので^^;お友達が出来て良かったですねと思いました。(余計なお世話)
マキメさんは京都大学出身で門井さんは同志社大学出身だからか京都のお話が特に面白かったです。マキメさんが京都の人にやたらと厳しかったのが面白かったです。
同志社大が出たからか今話題の新島八重さんのお話がチラっと出てきたのも面白かったです。
それよりなによりお二人がちょいちょい写真に登場するのですが、本当に楽しそうで、年上の男性に失礼ですが、二人とも可愛いっ!って思っちゃいました^^

〈文藝春秋 2012.11〉H25.2.2読了

偉大なる、しゅららぼん 万城目学5

偉大なる、しゅららぼん偉大なる、しゅららぼん
著者:万城目 学
集英社(2011-04-26)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
万城目学の最新作にして、大傑作!!!
琵琶湖畔の街・石走に住み続ける日出家と棗家には、代々受け継がれてきた「力」があった。高校に入学した日出涼介、日出淡十郎、棗広海が偶然同じクラスになった時、力で力を洗う戦いの幕が上がった!

ネタバレあります

また帯とかあらすじで結構持ち上げてるけど・・・と思いましたが面白かったです!
私も今までの作品の中で1番好きかも。帯の言う事もたまにはあっていることもあります。
今回の舞台は滋賀県。また琵琶湖が大きな要素を含んでいるのですが、何だか何かが潜んでいそうな場所ですよね。大きな湖ですし。
今回も前半は長い感じがしたのですが、まあ前置きがもの凄く必要な作品が多いですから仕方ないんですよね^^;
今回は派閥?問題。てっきり日出家と棗家の闘いが繰り広げられるのかと思いきや話は全く想像していない思わぬ展開へと発展していったので驚きました。
万城目さんの作品は本当に湖の民とかいるような気がするから不思議ですよね。
キャラクターが今回も強烈でした。
涼介はまあ普通でしたけど(おい)広海もカッコ良さそうだし、パタ子さんも面白いし、清子は本当にグレートだし、速瀬も面白いし、何より淡十郎が強烈過ぎるでしょ。
それではじめは何気なくというか何も準備もなくのほほんと読んでいたのに、いきなりの展開に驚きました。何だかゲームをやっていて1面から大ボスが出てくるような^^;しかも3日って早すぎやしませんか?
いろいろ突っ込みどころが満載な校長でしたが、なるほどそういう事でしたかと納得。校長と日出家と棗家の戦いがドキドキして面白かったです。
どうなってしまうのかとヒヤヒヤしました。
そして、最後のまさかの展開。あいつめ、顔もいいがかっこいい事をしやがりますね。
最後、何も変わっていないわけではなくてよかったです。涼介と淡十郎と清子の記憶は残っていて、源爺の八郎潟の記憶はちゃんと思い出されて幸せそうで。
そして最後の最後のあの展開。
思わずニヤリとしてしまいましたよ。すんでのところでストーリーが終っていて、そこが憎いですよね。でも、それでいいと思います。
救いのあるラスト、読者がそれぞれ想像して思い描くのが、このストーリーのラストにふさわしいと思いました。
やっぱりマキメさん好き〜。待たせるだけありますね^m^
にしても、しゅららぼんという言葉があんな意味だとは・・・。そのくだらない感じがいいんですよね〜。ストーリーと言い、不思議な言葉と言い、マキメさんの想像力は素晴らしいです。

〈集英社 2011.4〉h23.6.8読了

ザ・万遊記 万城目学4

ザ・万遊記
ザ・万遊記
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万城目学が、世界を日本を駆けめぐる。北京で五輪を堪能し、ロンドンでサッカーの醍醐味を味わい、バルセロナで不遜にもピカソに共感!?
全国の湯治場でアキレス腱のリハビリに励み、国会議事堂で大物代議士をちらり見する…。世界のあちらこちらでの驚きや感動を綴ったエッセイ集。

万城目さんのエッセイ、第2弾です。
前作も面白かったですが、今回も味があるというか何というか^^
ツボが満載でした。私のツボポイントを交えつつの感想です。
アキレス腱を切ってしまうところから始まり、海外へ行ったり国内を旅行したり。
万城目さん、北海道にも来られていたんですね。
しかもジャンプ競技を観に行ったのに、見れないで終わるとか切なすぎる^m^
私、多分テレビでその大会テレビで見ていたなぁ。
「すみれ」にも行かれたんですね。私も行ったことがありますよー。結構前ですけど。あそこはいつまで経っても人気で美味しいお店ですよね。
そして万城目さんは「水曜どうでしょう」もお好きみたいで。私はリアルタイムでは全く見たことはありませんが(今、12年前のものが再放送していて時たま見ている)北海道のものを好きでいてくれて嬉しい限りです。冒頭で登場する公園に行ったとかマニアックですねぇ。
旅も面白かったけど、授賞式等の実況中継も面白かったです。
桜庭さんと初対面をし、イスの話で盛り上がる。2人ともかわいすぎます。
そしてツボは桜庭さんが伊坂さんをみて「かわいい〜」と言ってシャッターを切っていたらしいこと^^;
万城目さんが36歳の男性にそれはないだろうとやんわりと言ったら「あ、マキメさんもかわいいよ」というフォローをしてるのがツボ。桜庭さんがとっても可愛い^^
同じ作家でも、モリミーとはあんまり仲が良くなさそうな感じがまたツボ。
真実は分かりませんが・・・。
そしてずっと読んでいて謎だった「今月の渡辺篤志」。・・・誰?「渡辺篤志の建もの探訪」と言う番組が大好きな万城目さんが、1年このテーマで書いていたらしい。・・・ふうーん。最後には本物に自宅に来てもらって本望だね。
というか、万城目さんは結婚されていたんですねぇ。
そして、万城目さんは「バルセロナ」と聞くと、光GENJIの「リラの咲く頃バルセロナへ」がいつも頭の中で流れていたらしい。私はリアルタイムでは聞いていなかったけど、きっとオリンピックのテーマ曲だろうなとは思ってた。今はついに頭の中で流れなくなり、万城目さんの中でようやく光GENJIは解散したらしい。
解散したの、15年前ですけどね^^;日付まで言えるよ。
・・・ツボを書いてたら長くなってしまった。
万城目さんのエッセイは是非ともまた出してほしいです。

〈集英社 2010.4〉H22.6.11読了

かのこちゃんとマドレーヌ夫人 万城目学5

かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)
かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)
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オススメ!
かのこちゃんは小学一年生の元気な女の子。マドレーヌ夫人は外国語を話す優雅な猫。その毎日は、思いがけない出来事の連続で、不思議や驚きに充ち満ちている。

この本好き!です。
万城目さんのちょっと角度の違う作品をとても楽しみにしていたのですが、かのこちゃんもマドレーヌ夫人もとっても素敵で、大満足の作品になりました。
かのこちゃんがとても可愛いです。お父さんとお母さんにたくさんの愛情をもらって育てられたんだろうなぁと思います。
そして、刎頚の友となった、すずちゃんとの毎日。
初対面から仲良くなるまでの経緯も、ござるござるのお茶会も、思い出をたくさんつくったお祭りも。どれもこれも本当に可愛い。
二人の会話は小学生らしくてとっても可愛いのに、会話以外の文章がたまに難しい言葉が出てくるのがまた面白かったりします。万城目さんらしいとも思いました。
マドレーヌ夫人も気品があって素敵です。外国語を話すというか、好きになった人の言葉が分かると言う事なんですね。
玄三郎(犬)との雰囲気や空気がとても素敵です。本当に、夫婦なんだなと言う事が分かります。玄三郎も本当に素敵でした。紳士でした。
マドレーヌ夫人の「猫股」話も良かったです。
猫の恩返しは、内容を知った時になるほどと思いました。疑問に思ったこともあったから。
かのこちゃんとマドレーヌ夫人の章が順番にくるのですが、微妙に時系列がずれているのがまた上手いと思いました。
そして!かのこちゃんの名前の由来。小学生の時って授業で必ず名前の由来を聞かれるんですよねぇ。
そのときに驚愕(^^;)の事実が判明します。旦那さんがあの人なら奥さんはもしや!?など。たくさん想像してしまいます。
本当に素敵なお話でした。

〈ちくまプリマー新書 2010.1〉H22.5.13読了

プリンセス・トヨトミ 万城目学5

プリンセス・トヨトミ
プリンセス・トヨトミ
このことは誰も知らない。五月末日の木曜日、午後四時のことである。
大阪が全停止した。
長く閉ざされた扉を開ける“鍵”となったのは、東京から来た会計検査院の三人の調査官と、大阪の商店街に生まれ育った二人の少年少女だった—。
前代未聞、驚天動地のエンターテインメント、始動。

ようやく読みました。
京都、奈良と読んでようやく大阪を読みました。
「大阪が全停止した」っていうフレーズしかこの作品については知らなかったので、どういう話の展開になるのか全く分からなかったんです。
最後まで読んで、なるほど~と思いました。面白かった!
そもそも会計検査院という職業を初めて知りました。マルサとは違うのか・・・
松平と旭が有能なのは分かるのですが、鳥居、よく公務員になれたなぁ…
紅一点で若くて美人な旭の存在は気になりましたね。きっとすらっとしてて美しいんだろうなぁ。
松平も本当に有能なんだと言う事は分かりました。
そして両親は大阪出身で、彼は父親と仲違いしていた為に本当に大切な事、親から息子へ伝えなければならないことが伝わらなかった事が本当に切なかったです。
きっとお父さんは伝えたかったんだろうなぁ。
「大阪国」について知っている人の条件というのがあまりにも責任が重いし、大切に守られている理由が分かりました。
大阪の商店街の中学生2人もなかなか素敵です。
大輔の決意と信念はかっこよかったです。辛い思いもたくさんしたと思うけど、このまま意思を貫いていってほしいなぁと思います。
茶子もかっこいい!女として尊敬します。幼馴染のためにあそこまでできる人はそうはいないですよ。
相手を思う気持ちはお互いに、恋愛というものではなくて、それを超越したものなんだろうな。これからは茶子に守られるんじゃなくて、大輔が守っていかないとね。あ、島もかっこよかったよ。(とってつけ)
父から息子へ伝える事も良かったですが、最後に分かった母から娘への伝統も素敵でした。
やっぱり全て女性は見抜いているんですよね。
やっぱり男性は女性の掌で踊らされているんですよね。なんて。すみません。
読んだ後に知ったのですが、登場人物の名字が豊臣に関わる名前ばかりだったみたいですね。
知っていればもっと楽しめただろうに。残念です。
大阪も面白かった!3部作は終わっちゃったけど、次はマキメさんはどんな作品を書かれるんだろう。楽しみです。

〈文芸春秋 2009.3〉H21.6.22読了

ザ・万歩計 万城目学4

ザ・万歩計

オススメ!
オニを遊ばせ鹿に喋らせるマキメ・マナブのマーベラスな日々。初エッセイ集。
1章 ニュー・ソング・パラダイス(壊れかけのRadio局 愛しのビリー ほか)
2章 吐息でホルモー(夜明け前 吐息でホルモー ほか)
3章 木曜五限地理公民(「技術」の時間 赤い疑惑 ほか)
4章 御器齧り戦記(篤史 My Love 御器齧り戦記 ほか)
5章 マジカル・ミステリー・ツアー(大阪経由松山行 「暑い」と言わない ほか)

またまた万城目さんです。今度はエッセイ。
何だか想像していた通りの方でしたね。面白かったです。
万城目さんが小説家を目指すきっかけの根底にあった部分。それは小学校の先生の行為だったんですね。
やっぱり自分の良さをどんな形であれ、気付いてくれる先生はすばらしいですよね。
それが、もしかしたら人生が変わるきっかけになるかもしれないんですから。万城目さんのように。
他にも「ぷっ」と笑える部分あり、ちょっと「おお」と思える部分もあり、楽しんで読みました。
特に好きな文章がありました。
P116「俺たち、もう終わっちゃったのかな」
  「馬鹿野郎!まだ始まっちゃいねえよ」
P228「どんなことも積み重ねが大事であり、無駄に終わる経験など何一つ無いのだ」
いくら歳を重ねても、終わるなんて事はない。
どんなことでも、必ず自分にとって意味があること。
何だか重たくて、素敵な言葉です。
私が今している事は、無駄じゃないのかな?
今のまま生活していて、自分のためになるのかな?
何度も前向きに考えて自分を奮い立たせてきて、頑張ってきて。
それでも、もうだめかな〜と思ったときに、この作品を読んで。
やっぱり頑張らなきゃいけないのかなと、思った作品です。
万城目さん、文章の雰囲気はタッチが軽めですが、中身は濃くて重たいです。

〈産業編集センター 2008.3〉H20.7.16読了

ホルモー六景 万城目学4

ホルモー六景

このごろ都にはやるもの、恋文、凡ちゃん、二人静。
四神見える学舎の、威信を賭けます若人ら、負けて雄叫びなるものかと、今日も京にて狂になり、励むは御存知、是れ「ホルモー」。
負けたら御存知、其れ「ホルモー」。このごろ都にはやるもの。元カレ、合コン、古長持。
祗園祭の宵山に、浴衣で駆けます若人ら、オニと戯れ空騒ぎ、友と戯れ阿呆踊り。
四神見える王城の地に、今宵も干戈の響きあり。
挑むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。
古今東西入り乱れ、神出鬼没の法螺試合、若者たちは恋謳い、魑魅魍魎は天翔る。
京都の街に咲き誇る、百花繚乱恋模様。
都大路に鳴り渡る、伝説復古の大号令。変幻自在の第二幕、その名も堂々「ホルモー六景」、ここに推参。

「鴨川ホルモー」の続編です。
てっきり安倍と凡ちゃんの恋物語が描かれているのかと思いきや。
ホルモーに関わる人たちの恋物語だったんですね。
好きだったのは、凡ちゃんと同じバイト先の少年の話かな。きっとこれからも良い恋ができるよ。
にしても、芦屋は本当に最低だな。
自分勝手だし、責任転嫁するし。自業自得だよ。あんな奴がどうしてもてるんだ。私は絶対に騙されないぞ。
最後の話も良かったです。高村のチョンマゲは、彼女と出会うためにそうさせたのかもしれないですね。

〈角川書店 2007.11〉H20.7.14読了

鴨川ホルモー 万城目学4

鴨川ホルモー

このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ。
葵祭の帰り道、ふと渡されたビラ一枚。
腹を空かせた新入生、文句に誘われノコノコと、出向いた先で見たものは、世にも華麗な女(鼻)でした。
このごろ都にはやるもの、協定、合戦、片思い。祇園祭の宵山に、待ち構えるは、いざ「ホルモー」
「ホルモン」ではない、是れ「ホルモー」
戦いのときは訪れて、大路小路にときの声。
恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。京都の街に巻き起こる、疾風怒濤の狂乱絵巻。
都大路に鳴り響く、伝説誕生のファンファーレ。
前代未聞の娯楽大作、碁盤の目をした夢芝居。「鴨川ホルモー」ここにあり!!

はい〜やっと読めました。
と言いますか、1度挫折したんです。どうも文章がなじめなくって。
ですが、「鹿男あをによし」を読んですっかり万城目ワールドにはまりまして、再挑戦を決意しました。
始めは読みにくさも感じて、読むのに時間がかかったのですが、やはりはまりましたね。
読めてよかったです。
いろんな恋愛模様も垣間見え、やっぱり恋愛小説に行き着くのね。と嬉しくなったり。
芦屋の人間性は最低でしたね〜。私もこんな奴を追っかけまわすほど好きな早良さんがわかりません。
だからといって安倍にしなよ!と、最初の段階では言えない感じでしたが。
私はわかるけど、いきなりさだまさしさんのことを延々と語られたら、女性はどう思うのでしょう。
高村と語り合って泣いたという「オヤジの1番長い日」って曲知っている大学生はいるのか?
私も全部聞いた事はないぞ。10分以上あるから。もちろん知ってるけど。
ま、それはおいといて。
凡ちゃんは絶対彼の事が好きなんだろうなって、すぐ分かったよ。
助けてくれるのも、協力してくれるのも、凡ちゃんなんだろうなって^^
「鹿男あをによし」もそうですが、最後がとっても可愛いです。好きだなぁ。
あ〜やっと続編が読めます。早速予約しました。
…ただ、「ホルモー」についてはイマイチよくわからなかったのだが…^^;
そして、ドラマ化されるんでしょ?どうやるんでしょう・・・。

※訂正とお詫び
すみません、先ほど調べた結果ドラマ化ではなく「映画化」でした^^;
今度からはちゃんと調べてから書き込みします。失礼致しました。


〈産業編集センター 2006.4〉H20.5.10読了

鹿男あをによし 万城目学4

鹿男あをによし

オススメ!
「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」
神経衰弱と断じられ、大学の研究室を追われた28歳の「おれ」。
失意の彼は、教授の勧めに従って2学期限定で奈良の女子高に赴任する。
ほんの気休め、のはずだった。
英気を養って研究室に戻る、はずだった。
あいつが、渋みをきかせた中年男の声で話しかけてくるまでは……。
慣れない土地柄、生意気な女子高生、得体の知れない同僚、さらに鹿…そう、鹿がとんでもないことをしてくれたおかげで、「おれ」の奈良ライフは気も狂わんばかりに波瀾に満ちた日々になってしまった!
「壮大な構想、緻密な構成、躍動するディテール、ちりばめられたユーモア…。これが二作目なんて信じられない。この作家は、いずれ直木賞を獲るだろう」
と”本読みの達人”金原瑞人氏が絶賛した、渾身の書き下ろし長編。

今更お勧めにしても・・・って感じですが^^;
面白かった!
万城目さんは初読でした。
「鴨川ホルモー」で挫折してしまったので、読むのは最初抵抗があったのですが、この作品はすんなり入り込むことが出来ましたね。
鹿と狐と鼠。
本当にこういう関わりがあるんでしょうか・・・。
なんだか歴史に詳しくなったような気が勝手にしているのですが^^;
勉強になりました。
神社めぐりとか、したくなりましたね。
最初、堀田は不思議な子だなぁと思ったのですが、なるほどですね。納得です。
最後が可愛らしいじゃないですか^^
こういうラスト、好きです。
"目"の正体や、どこに存在しているのか、ドキドキしながら読みましたし、絶賛も分かります。
ドラマは見ていないのですが、予告を見ていると大体忠実みたいですね。
綾瀬はるかの役だけが謎ですが。
「鴨川ホルモー」・・・再挑戦しようかな〜・・・。

〈幻冬舎 2007.4〉H20.2.26読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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