南天の木の植わった坪庭がある、京都の小さなゲストハウス「風待荘」。家族を失い東京からやってきた眞夏は、ここでしばらくオーナーの仕事を手伝うことになった。泣きたい毎日を変えるきっかけをくれたのは、料理。古い台所で作る九条葱と厚揚げの衣笠丼や、すぐきの焼きめし、近所で出会ったふわふわのだし巻き卵のサンド、レトロな喫茶店のゼリーポンチフロート。同居する四人の女性やお客さんと食卓を囲む時間に心を癒されていくなか、まさかの人物が眞夏を訪ねてやってくる……。
急に夫に離婚を言い渡され、誘いを受けて京都のゲストハウスで働くことになった眞夏。夫の転勤によって仕事を辞めて専業主婦として家族のために働いてきて、急に離婚して欲しいと言われて。そして娘も夫の方を選んで急に一人ぼっちになって。眞夏目線で物語は進んでいくから夫にも言い分はあるだろうけど夫はひどいと思うくらいは許してほしい。眞夏も夫に対して言いたかったことを最後にぶちまければよかったのに。…って言うのは簡単だけどそういう言いたかったことってあとからたくさん浮かんでくるよね…。
娘さんもお母さんに会いたいという気持ちはあるだろうけど、高校生なら別に毎日会わなくても良いしって思うだろうなぁとも思ってなんだか難しい^^;
シェアハウスで生活するようになって、家族を優先して生きてきた眞夏が最初戸惑っているのがなんだかとてもリアルさを感じました。久しぶりに夫と再会した時、きっと相手は思っていた印象と変わっていただろうから驚いていましたよね。いい気味←
眞夏の心情の変化が良い感じに変わっていって良かったです。
芹澤さんの家族の方も、両親とは和解しなくても良いから、妹とは少しは話せるようになってほしいなと思いました。
<KADOKAWA 2025.1>2025.2.19読了