苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

女性作家(ま・や・ら・わ行)

東京ネバーランド 吉川トリコ4

東京ネバーランド東京ネバーランド
著者:吉川 トリコ
実業之日本社(2012-07-19)
販売元:Amazon.co.jp
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波多野一人、通称ヒトリ。ふしぎな男。どうしようもなく恋しい男。五人の女性たちが出会ったひとときの夢物語。
「デリバリーサンタクロース」東大に合格した。フジロックのルーキー・ア・ゴー・ゴーで歌っていた。NYで個展を開いた。バンコクでトゥクトゥクの運転手をしていた。女をたぶらかして風俗に売り飛ばす、たちの悪い女衒をやっている――
そんな眉唾のような噂を中学生の時から纏っていたヒトリ。長いあいだ忘れられずにいた彼が、二十年近くのときを経て再び目の前に現れた。サンタクロースの姿をして……
「漂白シャネル」学生時代ずっと一緒にいて結婚すると思っていた本木と別れて以来買い物症候群に陥ってしまった奈緒。質屋にブランド物を売り食べ物にありつこうと思ったところに靴を見つけキャッシングしてしまった。また自己嫌悪に陥り帰宅するところで男性を拾った。ヒトリはいつのまにか居候するようになった。
「東京タイガーリリー」ナミは友人理亜無から何でも屋の存在を聞かされる。ナミはその何でも屋、ヒトリに誘拐してと頼む。占い師として有名になり娘そっちのけで働く母親に脅迫状を送るよう頼む。
「ウェンディ、ウエンズデイ」真知子は夫と2人の息子と暮らしている。夫を丸め込んで週に1度、脚本のカルチャーセンターに行くことにした。その時であったのがヒトリ。それ以来週に1度、真知子はヒトリと会うようになる。
「ティンカーベルは100万回死ぬ」母親が再婚した相手に連れ子としてやってきたヒトリ。タカコはヒトリと共に「ネバーランド」で働いている。ヒトリとかつてバンドをしていた今井が店にやってきて現実を突きつけられると、タカコは動揺してしまう。
「屋根裏のピーターパン」部屋の外に置かれていたものに、ヒトリは驚愕する。それを見てヒトリは途方に暮れた。でもヒトリはずっと途方に暮れていた。

以前「少女病」という本を読んでから気になっている作家さんです。
帯に女性書店員さんが読めばヒトリに惚れると書いていたけど、私はきっとこういう人は好きにはならないなぁなんて、元も子もないことを思ってしまった。
でも、どの女性にも言えることだけど、自分のこころの中に隙間があったら、そこに付け込んでスルリと入ってきたりするのかなぁなんて、ちょっと怖いことを思った。
10代にも30代にも見えるヒトリ。端正な顔立ちで歩いてるだけで周りの女性が見るんでしょうね〜。
好きだったのは最初の「デリバリーサンタクロース」かな。かつての中学生の同級生だったヒトリと鏡子。ヒトリがいた期間はとても短かったからきっと覚えていないんだろうなと思いつつ過ごす2人のクリスマス。何だか可愛かった。男性をデリバリーっていうのがなんですけど。
最後のヒトリの言葉にやられた。あれは確信犯ですよね。ずるいったら。
5人の女性たちがヒトリの事を物凄くよく言っていたけど、確かに傷を埋めてくれたのかもしれないけど、最後の「屋根裏のピーターパン」を読んでいたら何だかフツーの男の子だなと思いました。
ヒトリの役、あの人にやってほしいなぁっていうのがあるのだけど、批判があったら困るからやめておこう。映像化嫌いだって豪語してるし。でもまずふわっとした髪型にしないとね。

〈実業之日本社 2012.7〉H24.8.19読了

ご近所美術館 森福都5

ご近所美術館 (創元クライム・クラブ)ご近所美術館 (創元クライム・クラブ)
著者:森福 都
東京創元社(2012-07-27)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
平凡なサラリーマンの「ぼく」こと海老野が勤める会社の近所に、突如できた小さな美術館。居心地のよさと旨いコーヒー目当てに常連となった海老野は、引退した館長に代わってやって来た川原姉妹の姉・董子に一目惚れする。来館者から持ち込まれる不可思議な謎を解いて董子を振り向かせようと、生意気でオタクなその妹・あかねの力を借りつつ奮闘を重ねるが……。恋する一青年が、美術館専属の探偵となって活躍するほんわかミステリ連作集。
「ペンシル」小さな美術館の常連となり館長の西園寺と仲良くなったのだが体調を崩して辞めることに。代わりに雇われたのが西園寺の親戚の若い姉妹。海老野は姉董子に一目ぼれする。董子は前の職場の男性と付き合っていたがアルバイトの女の子と彼が一晩を過ごしたことで心を病み退職し、引きこもった生活をしていた。久しぶりに出かけた董子は財布を落としてしまう。数日後財布を拾った男性が届けに来たのだが、海老野の恋敵になることは間違っていなかった。
「ホワイトボード」常連客の一人に池谷妙子という女性がおり、杏奈という子供もいる。もう一人の常連客今野と一緒にいるときに池谷は女性っぽさが出てくる。しかし今は杏奈が気がかりだ。杏奈は数か月前、ある殺人事件の目撃者となっていた。
「ペイパー」美術館の向かいに建つカフェのギャルソン、伊福部が美術館にやってきた。いつも見かけていた老人を見なくなったため病気にでもなったのではないかと心配しているという。その老人に助けられたことのある伊福部はお礼を言いたいと思っていた。海老野たちがチロリさんと呼んでいたその男性は数日前にお礼を言って以来来なくなっていた。
「マーカー」船瀬という常連客には楓子という娘がいた。娘はおとなしいいい子だがよく謎を船瀬に吹っかけてくるのだという。今回も謎の文字が。船瀬は美術館で事件を解決した探偵と噂されている海老野にこの問題を持ちかける。
「ブックエンド」海老野の大学時代の後輩である実穂に久しぶりに再会した。その際に双子の片割れがいることを知り、海老野が関わったことで片割れ、詩帆と出会うことが出来た。すると2人とも別々にだが頻繁に美術館に訪れるようになった。ある日、テレビで観覧車が止まったニュースが流れ、実穂が巻き込まれていたのを知る。ニュースは詩帆も一緒に見ていた。それをきっかけに2人はパタリと美術館に来なくなってしまった。
「パレット」美術館開館1周年記念パーティをすることになった。常連客で楽しんでいる所へ董子とあかねが昔住んでいたところの近所のおばさん、寺西がずかずかと上り込んできた。パーティが盛り上がってきたところで、一つゲームをすることになった。
「スケール」あかねに彼氏ができたらしい。その男性となぜか海老野と川原姉妹が食事をした帰り、美術館前で2人の男性が倒れているのが見つかる。一人はかつての董子の婚約者の尾形。もう一人はすでにこと切れていた。男性はピッキングをして室内に侵入しようとしていたらしい。

森福都さん、初読です。お名前は拝見していましたが読むのは初めてでした。森絵都さんと名前が似てるなぁと思って・・・っていう覚え方は失礼ですよね^^;
今回タイトルに惹かれて読んでみました。
いやー面白かった。好きです私!
内容は日常ミステリ…なんでしょうか。で、ラブコメっぽい恋愛要素もあります^^;
主人公の海老野が館長である董子に惚れたことで美術館にさらに通うようになり、事件に巻き込まれていきます。
それにしてもこの海老野は真面目で一生懸命なんだろうけど若さゆえか報われない^^;
最大のライバルである南田に負けじと奮闘するもいつも玉砕している可哀相な人です。
でも、ミステリの解決は見事。なるほどな〜と思うものばかりでした。
若干無理やりというか出来すぎ…と思う作品もありましたけど、それでも幸せな気持ちになれるなら良いかなという気もします。
また似ていない姉妹がそれぞれ個性的で良いんですよね。姉、董子はとても美人ですが前の職場の恋愛によりひきこもりになり、今もやや臆病。一方の妹あかねははっきり言って太っていて同人漫画家。それなりの接客は心得ているしっかり者。
海老のんとあかねぶーの言葉の掛け合いがとても面白くてほほえましいです。
結末が何となく予想がついたけど、それでも何だか心がほっこりとして温かい気持ちで本を読み終えることが出来ました。
やっぱり東京創元社の本は面白いです。

〈東京創元社 2012.7〉H24.8.17読了

マリア 女性秘匿捜査官・原麻希 吉川英梨5

マリア 女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫 『日本ラブストーリー』大賞シリーズ)マリア 女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫 『日本ラブストーリー』大賞シリーズ)
著者:吉川 英梨
宝島社(2012-07-05)
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警視庁鑑識課に勤める原麻希は、奈良での失態を受けての謹慎中に、友人の離婚式で原田という刑事から相談を持ちかけられる。とあるアパートの一室で見つかった女性の自殺体が、他殺ではないかと言うのだ。現場に残っていたゲソ痕から、麻希は恵比寿の女子高へとたどり着く。そしてそこで、第二の事件と遭遇するが―。ついに宿敵リクルーターの素性が明らかになる!?映像化もされた人気シリーズ第3弾。

第三弾です。前作から話が続いてます。
麻希の娘菜月は反抗期?により麻希とは冷戦中。でもまあ、常に公安の目にさらされてると思ったらストレスも溜まりますよね。
宿題等に関しても勉強が出来ないわけじゃなくて母親に対する反発なんですよね。
麻希も言ってましたよね。「あなたのためを思って」正直それは子どもには負担ですよ。母親の常套句だとしか子供は思わないです。
一つの舞台となった高校の学長さん凄いですね。すべてを悟っているかのような…
いくつもの仮面をかぶっている学生の事もちゃんと分かっていて。
でも分かっていても本人が変わらなきゃ変わらないですよね。
犯人がしたことは許されることではないけど、本人だけのせいでは決してないと思う。
麻希もこの事件を通して菜月の見方も変わったようで良かったです。
少しずつ進展しているけど、次でクライマックスかな?
それにしても伊達は何者なんでしょう…。謎です。それも次回明らかになるのでしょうか。

〈宝島社 2012.7〉H24.8.11読了

スワン 女性秘匿捜査官・原麻希 吉川 英梨5

スワン〜女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫)スワン〜女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫)
著者:吉川 英梨
宝島社(2011-09-06)
販売元:Amazon.co.jp
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背望会テロ事件から一年。警視庁鑑識課・原麻希のもとに、公安部の広田達也から「背望会リクルーターの指紋が見つかった」という連絡が入る。捜査のため奈良県に向かったふたりのもとに、新たな事件の一報が。奈良県知事選候補者が誘拐され、身代金の運び屋には麻希が指名されたというのだ。またもや背望会の仕業なのか、それとも――!? 大阪府警vs.警視庁の熾烈な捜査バトルが繰り広げられる、人気長編警察小説シリーズ第2弾。

アゲハの続編です。アゲハであの事件は終わりで新しい事件の事かと思ったら繋がっていましたね。怖い怖い。
麻希と達也は奈良に向かい、そのまま事件に巻き込まれます。奈良県知事候補者の誘拐事件なのになぜか運び屋に麻希が選ばれる。
大きな事件になったために大阪府警が登場したのだけど、その女刑事がまーーーイケ好かない!オバちゃん情報を駆使してたくさんの警察官の弱みを握って大した階級でもないのに偉そうにして。自分に不利な状況になると相手の弱みをぶちまける。それがどんなことでも。その卑劣さが本当に嫌でした。
吾川さんの方がよっぽど刑事らしくて熱い男の人でした。この人の情報屋のほうが健全でしたよ。麻希といいコンビでした。吾川さんが言う「ハラマキちゃん」っていう言い方が好きでした。言っているのを聞いたわけじゃないのだけど。
それにしてもラストが怖い〜。怖いよ〜。
どうなっちゃうんだろう。菜月ちゃんは大丈夫かなぁ?大丈夫かなぁ!?
リクルーター怖いよ。ある意味マインドコントロールですよね。
自分の手は汚さずに計画だけを提案するなんて、まるで金田一少年の事件簿の高遠遙一のようだ…。
先月新刊が出て、手元にあるので近々読みます。気になる…。

〈宝島社 2011.9〉H24.8.2読了

アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希 吉川英梨5

アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫)アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫)
著者:吉川 英梨
宝島社(2011-01-12)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
警視庁鑑識課に勤める原麻希は、ある日、子供を預かったという誘拐犯からの電話を受ける。犯人の指示のもと、箱根の芦ノ湖畔へと向かった麻希だが、そこには同じく息子を誘拐されたかつての上司、戸倉加奈子の姿があった。殺人現場に届く「アゲハ」からのメッセージの意味は? 誘拐は、麻希と加奈子の運命を変えた八年前の事件が関係しているのか?
女性秘匿捜査官・原麻希が社会の闇に挑む、長編警察ミステリー。

6月15日に放送予定だった2時間ドラマの原作です。オウム真理教の特番のせいで7月13日に伸びちゃいましたけど。
この作品は以前読んだ「しあわせなミステリー」の中でスピンオフとして登場し、その話が面白かったので興味を持ってました。ドラマ化されるのを知ったのはその後でした。
警視庁鑑識課に勤めているにも関わらず、捜査に必要なものをあれこれ発見するので捜査一課に重宝されている原麻希は何者かに娘と息子を誘拐されます。同じように子供を誘拐された戸倉加奈子と一緒に子供の行方を追います。
二転三転する犯人像に、怒涛の展開。もう読む手が止まりませんでした。面白かった!
今回起きた誘拐事件と殺人事件は8年前に2人がかかわった事件が絡んできます。
その絡み具合も見事です。でも、犯人は全然気づきませんでした。
確かにちょっと気になる部分はあったんです。こんなエリートの人が選ぶのにふさわしい相手じゃなさそうだなとか^^;
物語の展開としては現代と8年前の事件の絡みの過去と交互に進んで行きます。その中に伏線がいくつも敷かれています。もうそれが面白くて面白くて。
警察内部での出世のための争いが醜くかったり、だから道を踏み外してしまう気持ちも全く分からなくはないけど、それでも変わらず信念を持って事件の真相を暴こうとしたハラマキさんは凄いと思いました。彼氏が警察官になるからって警察官になった人とは思えない^m^きっと天職だったんですよね。寿退社はもったいないです。
始めに上がってきた犯人に関しては、アンソロジーを先に読んでいるために絶対に犯人じゃないだろうなと分かっていたのでそれがもったいなかったかなと思いました^^;
でもアンソロジーを読まなければこの作品とは出会えなかったので、結果良かったんですよね。
続編「スワン」も読みますよー。

〈宝島 2011.1〉H24.6.30読了

ダンス・ウィズ・ドラゴン 村山由佳4

ダンス・ウィズ・ドラゴンダンス・ウィズ・ドラゴン
著者:村山 由佳
幻冬舎(2012-05-25)
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「地獄だっていい。ふたりでいられるなら、地獄でいいの」
愛する人の顔を見るたびに甦る、濃密な哀しみ。でも、離れてはいられなかった――。
井の頭公園の奥深くにある、夜にしか開かない図書館。<龍>を祀る旧家に育った血のつながらない兄妹が、吹き抜けの読書室で時を経て再会した。互いの親に連れられ、初めて目と目が合ったとき、幼い妹はほろほろと泣いた。記憶と今を結ぶため、ふたりは哀しい秘密をのこした故郷を訪れる。
心は、とっくに一線を越えていた。
ファンタジーよりロマンティックで現実より生々しい、ひたすらな愛の物語。

村山さんの作品は久しぶりでした。どうも書かれる傾向が変わってから読もうという気が起きなくて…すみません。何だか…濃厚すぎて^^;別にカマトトぶっているわけではありません。
夜にしか空かない図書館に滝田オリエは求人広告を見て面接に来ます。でも、応募したのは一人だけの即日採用。オリエは選ばれるべくして選ばれたらしい。
いいな…この図書館、私も勤めたいんですけど。どっかに求人広告ないですか?私にも龍のお告げありませんか?←ヤメロ
この物語は4章に分かれていて、1章はオリエの話、2章は巽スグルの話、3章はスグルの妹、巽マナミの話、4章はキリコ+αという感じでしょうか。
それぞれ抱える問題が重すぎです…。オリエの問題は現実の問題なのだけど、それ以外の話は龍が絡んでいるのでどこか幻想的のようなファンタジーのような、御伽話のようでした。
マナミの大学の先生の宮前先生もなかなかいい味出してました。私もああいう先生が近くにいたら、悩んでいることを何もかもしゃべってしまうかも。
スグルは何だかうじうじしてましたねぇ・・・。何だかイラっとしましたけども。どうして全部知った後にああいう態度になるの。マナミの「地獄じゃ、いけないの?」という言葉がとても深く心に入っていきました。マナミの方がよっぽど現実を受け入れているなと思いました。
最後はいろんな捉え方がありますよね。私は正直もっとはっきりした結末がほしかったのだけど、これでいいのかなという気もします。

〈幻冬舎 2012.5〉H24.6.26読了

少女病 吉川トリコ4

少女病少女病
著者:吉川 トリコ
光文社(2011-08-17)
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この家には男はいない。ぶっ飛んでいる少女小説家の母・織子と、父親の違う三人の娘たち。「このまま一生処女で終えるのだろうか」と長女・都。「結婚を逃げ道にしている」「と次女・司。「欲しいばかりで、与えるより与えられたい」と三女・紫。四人の女たちが、自分の中の「少女」と大人になることへの折り合いをつけたりつけられなかったりする、吉川トリコの現代版「若草物語」。

そうか、若草物語がモチーフだったのか(遅)
大きな屋敷に母親と三人の娘が住んでおり、三人の娘は全員父親が違います。
家事の全般を長女の都がこなしています。都は32歳で1度も男性に振れたことがない。もう一生男性に触れることはないのではないかと思いつつも、王子様が現れてくれるんじゃないかという希望も捨てられない。
都のその夢見る夢子ちゃんの気持ちは物凄く分かって。あぁ、自分もやばいなと若干危機感を覚えました。心の中で思うくらいは良いかなぁ^^;
ただどこか現実離れしている姉妹だけどそれでもちゃんと現実的に考えている部分もあって。その現実部分を織子が乱してる感じでしょうか。
三姉妹はどこか現実離れしているけど共感できるところがあって、愛おしさも感じるのだけど、織子に関しては何一つ共感できなかった。香苗の言うとおり、妹のことも三姉妹のことも小説の一部くらいにしか思っていないんじゃないかなと思いました。妊娠に関しても復讐にしか感じなかったし。
でも、三姉妹に関してはそれぞれ幸せになってほしいと思いました。
私も都のように素敵な人に出会いたい。都が分かりやすく変わっていったところがまたかわいかったです。
でも、きっと男の人は何一つ共感できない内容なんだろうな…とも少し思う。

<光文社 2011.8>H24.1.22読了

しあわせのパン 三島有紀子5

しあわせのパン (ポプラ文庫)しあわせのパン (ポプラ文庫)
著者:三島有紀子
ポプラ社(2011-12-06)
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北海道洞爺湖畔の静かな町・月浦に、りえさんと水縞くんの営むパンカフェ「マーニ」があった。実らぬ恋に未練する女性・香織、出ていった母への思慕から父親を避けるようになった少女・未久、生きる希望を失った老夫婦・史生とアヤ……さまざまな悩みを抱えた人たちが、「マーニ」を訪れる。彼らを優しく迎えるのは、りえさんと水縞くんが心を込めて作る温かなパンと手料理、そして一杯の珈琲だった。映画界の俊英・三島有紀子による初の小説執筆作品。映画「しあわせのパン」から生まれた、とびっきり香ばしくて温かい物語。特別付録として絵本「月とマーニ」を巻末に収録。
「さよならのクグロフ」
香織にはとてもイケメンの彼氏、岡田がいた。二人で沖縄旅行へ行く予定だったのに空港に彼は現れない。香織は真逆の北海道へ行くことにした。
「ふたりぼっちのポタージュ」
未久のお母さんは出て行った。それ以来未久は父親を避けるようになる。母親が作ってくれた「かぼちゃのポタージュ」が大好きだったのに、もう食べられない。
「壊れた番台とカンパニオ」
史生は年上の妻が病気となり死に場所を求め、月浦の地へやってきた。
「カラマツのように君を愛す」
水縞はたった2度しか会っていないりえに「月浦で暮らそう」と言った。
東京で出会った二人が月浦へ移り住み、カフェマーニを開店させそして今。
今までのこと、そしてこれからのことが水縞の日記で綴られる。

映画の予告を頻繁に目にするようになり、この作品のことがとても気になっていました。
洋ちゃんが出ているっていうだけで興味を引かれるのだけど。といいつつ以前ずっと気になっていた「探偵はバーにいる」も結局見ていないのだけど^^;
監督さんが小説版も書かれているという事だったので読んでみました。
何となく想像していたけど、その想像以上にとても素敵で温かい作品でした。
やはりりえと水縞の雰囲気が良いです。とても暖かくて包んでくれるような雰囲気。
さりげない気配りも、人を落ち着かせているような気がする。
それぞれ人の悩みはあるのだけど、みんなマーニへ行くと次第に心を取り戻していくような。そんな感じがしました。
監督さんの書かれている作品だからかわかりませんが、もうりえさんと水縞くんがまんまあのお二人にしか感じませんでした。
そうか、水縞くんはかっこいい顔ではないんだ、でも親しみのもてる青年っていうのが洋ちゃんぽいなって思ったり。りえさんの微笑みは原田さんがにこって笑っているような感じがしたし。
にしても水縞くんとりえさんは夫婦のようだけどどこか距離が離れているような。でも、絆は深そうなような。何だか不思議な関係だなと思ったら最後の章の水縞君の日記を読んで驚きました。
そんな感じの2人の出会いでそんな感じで月浦に来たのかと結構驚く展開だった。
でも、それが良かったのかもしれないですね。
月浦で2人の関係を築いていけたのかなと思います。
2人のお互いへの言葉がとても好きでした。
2人の未来はきっと明るいと思います。
何だか読んでいる私まで癒された作品でした。
やっぱり映画観たいなぁ。

〈ポプラ社 2011.12〉H24.1.17読了

勝手にふるえてろ 綿矢りさ2

勝手にふるえてろ勝手にふるえてろ
著者:綿矢 りさ
販売元:文藝春秋
発売日:2010-08-27
おすすめ度:3.5
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賞味期限切れの片思いと好きでもない現実の彼氏。どっちも欲しい、どっちも欲しくない。恋愛、しないとだめですか。
片思い以外経験ナシの26歳女子が、時に悩み時に暴走しつつ「現実の扉を開けてゆくキュートで奇妙な恋愛小説。3年ぶりの注目作!

綿矢さんの3年ぶりの新刊。私は読むのはカナリ久しぶり。
主人公が同い年で、何となく共感できるかなと思ったのだけど、やっぱり綿矢さんの作品は合わないなということを再認識しました。
何となく読みにくくて、主人公には全く共感は得られなかった。
オタクなことはかまわないけど、12年片思いをしていた子に対してだったり、告白されている男性に対してだったり、いちいち納得できない。
だいたい、同窓会を開く事も、東京組で会う事も、中学生の時に目立たなかった子がいきなりやろうとするかな・・・。
それに、処女とか、結婚願望が強いとか、簡単に言わないほうがいいよ。
信頼している人でも、そういうことは言わないほうがいい。
そして段々暴走してくる主人公だけど、最後に結局一緒になりそうなニの意思も分からない。
すみません、辛口で。

〈文芸春秋 2010.8〉H22.9.23読了

吉野北高校図書委員会3 山本渚4

吉野北高校図書委員会3 トモダチと恋ゴコロ(MF文庫 ダヴィンチ) (MF文庫ダ・ヴィンチ)吉野北高校図書委員会3 トモダチと恋ゴコロ(MF文庫 ダヴィンチ) (MF文庫ダ・ヴィンチ)
著者:山本 渚
販売元:メディアファクトリー
発売日:2009-12-23
おすすめ度:5.0
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好きと友達の境界線は、どこ?
友達でいたいと言ったのは、自分なのに。それがいまさら、こんなにさみしいなんて……。
男友達の大地に彼女ができて動揺していたかずらに、藤枝はまっすぐ想いをぶつけてきた。あれから約1年。高校3年生になり、かずらは進路に悩んでいた。そして変化しつつある自分の想い。友達でいたいと、そう言ったのは自分なのに、いまさらそれをさみしいとおもうなんてと戸惑うかずらを、大地は、「女の子」として意識しはじめて……。好きと友達の境界線は、どこ? もどかしい想いの交錯する、人気シリーズ第3弾!

うぅ・・・甘酸っぱい・・・甘酸っぱいぜ・・・。
何だかいろいろ鈍いしもどかしいしで叫びたくなりました・・・
かずらも藤枝も大地も、いろいろいいたいことが満載でしたよ。
今回は大地も割りと登場。そして意外と鈍くて空気の読めないことが判明^m^
誰も教えてくれなくても、空気で察するべきでしょ。紳士?としては。
かずらの想いも鈍すぎやっちゅーねん。私は前作から気付いていましたよ。
でも、私もかずらと大地がくっつくものだと思ったら、違うんですね。
恋愛を超越した友情ってあるんだなと、2人を見ていたら思いました。
いいな、本の趣味が合う友達って。
本が好きでも、合わない場合が多いんですよね。
私もあまりいないです。すっごく合う人は僅かですね。
この話は、もう最終章なのでしょうか。
でも、まだ続きそうなあらすじですね・・・
展開がとても気になるので、卒業らへんのことを書いてほしいな。
にしても今回のツボは壬生っちの「走れメロスや娼年をブックカバーなしで読む男性は腐女子には萌える」っていう台詞かな。
わりと同感です^m^
ま、容姿にもよるけどねぇ(ひどい)

〈メディアファクトリー 2009.12〉H22.8.31読了

告白 湊かなえ5

告白
告白
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我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。
ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。
選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。

予約者が多すぎて、予約していたのすら忘れていたのですが、映画の公開日が明日というタイムリーな時に読めてよかったと思います。
でも、感想は上手くかけません。
これ程、命の重さや尊さを感じた作品はないと思います。
この作品がデビュー作とは思えないです。構造も文章も素晴らしかった。引き込まれてあっという間に読んでしまいました。
一つの事件によって起きた様々な出来事。
でも、それはきっかけに過ぎなかったのかなとも思う。
出てくる人みんな、どこかゆがんでる。どこかおかしい。
2人に課した制裁も、2人が反省するためには正しかったのか。
何が正しいのか、何も分からない。
読み終えても、心の中では納得できないまま、ずしんと何かが残っている気がします。
でも、それが嫌なわけではないのです。
この作家さんは素晴らしいです。他の作品も、読んでみたいと思います。

〈双葉社 2008.8〉H22.6.3読了

遥かなる水の音 村山由佳5

遥かなる水の音
遥かなる水の音
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「僕が死んだら、遺灰をサハラに撒いてほしい」
パリの旅行代理店に勤める緋沙子は、若くして逝った弟の遺言を叶えるため、モロッコを旅することになる。
同行者は、弟の友人だった浩介・結衣という若いカップルと、中年のフランス人男性。資産家の彼はゲイであり、晩年の弟と同居していた。
互いを理解できないままに、さまざまな事情を抱えながら、4人は異国を旅する。
ムスリムのガイド・サイードも加わり、異文化に触れていくなかで4人は徐々に、互いの抱える問題や思いに気がついていく。
そんな折、仕事のトラブルから浩介がパリに戻ることになり・・・。
魂の拠りどころを求めて彷徨う男女の姿を通じて、同性愛、姉弟の愛など多様な愛のかたちを描いた意欲作。

ネタバレあります

村山さんの作品はほんっとうに久しぶり。読むのは4年ぶりでした。
別に避けていたわけではないんですけども。気付いたらそんなに経っていたって言う感じ。
この作品は、とても綺麗な作品でした。
言葉も、この旅自体も、周という青年も、サハラまでの道のりの出来事も、みんな。
でも、始めはジャン=クロードの事が嫌いだった。緋沙子に対する憎まれ口がイライラして。浩介も嫌いだった。結衣の想いを踏みにじっているような気がして。
読み終えた後は、そんな事は全く思わなくなってました。
自分の身も財産も何もかも全て捧げようと思っていた人に先立たれるのは、どんな気持ちなのか。私には想像できない。
ジャン=クロードの、最大の強がりだったんですよね。
本当に、ほんっとうに周の事を愛していたんだという事が伝わってきました。読み終えた後は、彼のその憎まれ口が、痛々しくて切なく感じました。
浩介が登場した段階で、周にとってどんな人か、想像がついたけど、こやつは絶対に気付かなそうだなと思いました^^;
結衣は気付いているだろうなと思ったら、やっぱり気付いていた。
周は、死んでからも後悔していたけど、浩介はともかく、結衣には伝えても良かったんじゃないかなと思いました。
そんな事を言っても、何もかもが遅いのだけど。
ハールーンという男性が、ほんの少ししか出てこないけど、印象的でした。
この人も素敵だけど、周が、死んでしまった弟に対する言葉がとても印象的。事実を言ったまでなのかもしれないけど、ハールーンはかなり、救われたんじゃないかな。
周の病気は、性病だったのかな。
病気については明らかにされていないけど、そんな気がする。
周は素晴らしい人。若くして亡くなってしまった事が悔やまれてならない。
そしてもう手遅れだけど、想いを愛する人に告げて欲しかったと思わずにはいられない。

〈集英社 2009.11〉H22.5.19読了

吉野北高校図書委員会2 山本渚3

吉野北高校図書委員会2 委員長の初恋 (MF文庫 ダ・ヴィンチ や 1-2)
吉野北高校図書委員会2 委員長の初恋 (MF文庫 ダ・ヴィンチ や 1-2)
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「委員長の初恋」
図書委員長・ワンちゃんの憧れは、いつものほほんと穏やかにみんなを見守ってくれる司書の牧田先生。ある日、進路の事で家族と揉めたワンちゃんは、安らぎを求めて図書室へ。だけど、そこで出会った牧田先生の意外な素顔に動揺して・・・。
「希望の星」
提出しなければいけない進路調査票、かずらへの想いと微妙な関係に悩む藤枝は・・・。

前作に続いてあまずっぺーですね。
こんな純情な感情はどこへ行ってしまったのでしょう。
委員長の想いは好きだって気付いていないのとか鈍すぎ!
なんて可愛らしいのでしょう。
でも、人は見た目で判断しちゃいけないよ。
綺麗で穏やかな人がパンクを好きだっていいじゃないか。
25歳の女性がV6を好きだっていいじゃないか(あれ?)
にしても。
図書委員の幹部達は本当にみんな良い人ですね。
相手を思いやるし、アドバイスもするし、怒りもするし。
藤枝が将来について悩んでいたけど、それが普通ですよ。
高2で将来を決められるわけがない。
いや、いる人はいるけど。私も相当悩んだもんな。進学校だったから。
そういう悩む時期も、必要だったとは思うけど。
みんな、それぞれの道へ進みつつありますね。
藤枝も一念発起したけど、ぜんっぜん進展してねぇ^^;
甘酸っぱいなぁ。ピュアだなぁ。
またまた続編があるらしいですね。
みんなそれぞれどうなっていくのか、とっても気になります。

〈メディアファクトリー 2009.2〉H21.12.17読了

母 三浦綾子5

母 (角川文庫)
母 (角川文庫)
「わだしは小説を書くことが、あんなにおっかないことだとは思ってもみなかった。あの多喜二が小説書いて殺されるなんて…」明治初頭、十七歳で結婚。
小樽湾の岸壁に立つ小さなパン屋を営み、病弱の夫を支え、六人の子を育てた母セキ。
貧しくとも明るかった小林家に暗い影がさしたのは、次男多喜二の反戦小説『蟹工船』が大きな評判になってからだ。
大らかな心で、多喜二の「理想」を見守り、人を信じ、愛し、懸命に生き抜いたセキの、波乱に富んだ一生を描き切った、感動の長編小説。三浦文学の集大成。

会社の方が、貸してくださった作品。今まで三浦綾子さんの作品は読んだ事がありませんでした。
何となく、怖いとか、可哀相とか、先入観を持ってしまっていたんですよね。
この作品は拷問死した小林多喜二の母、セキが人生を語る作品。
私、小樽で小林多喜二の資料館に行った事があります。作品は読んだ事がないですが、プロレタリア文学の作家で、特高警察によって虐殺されたと言う事は知ってました。
でも、多喜二の人物像は、この作品を読んで始めて知りました。
貧しい人を生んではいけないと、今の世を変えるために小説を書く事で国と闘った多喜二。
実際にも貧しい人を助け、家族を心配し、自分の事よりも他人に気にかける、素晴らしい人だったんですね。
今まで知らなかった事が申し訳なく思います。
三浦さんの旦那さんは、どうして奥さんにセキさんの心を書かせようと思ったのでしょうか。
読んでいて引き込まれましたし、本当にセキさんが話しているように感じました。
素晴らしかったです。
でも、ここまで警察や国と闘った多喜二は、今の日本を見てどう思うのでしょう。
「蟹工船」が今注目を集めていますが、売れている理由を知ったら、多喜二は嘆き悲しむのではないでしょうか。
多喜二の信念は、日本の至る所に残っていると思います。
ですが、やはり国家が変わらないと、根底のものは変わらないですよね。
多喜二のように人が動かなければ、ダメなんですよね…。
セキさんは、素敵な方だったんでしょうね。何だか大変だけど明るく生活している家族の姿が目に浮かぶようでした。

〈角川書店 1992.3〉H21.5.27読了

吉野北高校図書委員会 山本渚4

吉野北高校図書委員会 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
吉野北高校図書委員会 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
男友達の大地と大好きな後輩あゆみがつきあいだした。
彼女なんてつくらないって言ってたのに—。
二人に接するうち、大地への微妙な想いに気づいてしまったかずら。
一方藤枝は、気持ちにふたをするかずらへの、一途な想いともどかしさを抑えきれず…。
悩み、揺れ動く図書委員たちを描いた第3回ダ・ヴィンチ文学賞編集長受賞作が文庫書き下ろしで登場。

甘酸っぱいですねぇ。青春恋愛小説ですね。
私が高校生のときは私が人見知りで全然クラスの男の子とも話せなくて。寂しい高校生活でしたよ。恋もしなかったなぁ。
なんと切ない!
かずらの思いも藤枝の思いもじれったい!
藤枝の気持ちはよくわかる。大地とかずらの関係、ちょっといらいらする。雰囲気とか、性格とか。人のことばっかり気にかけて自分の思いに気付いていないというか。
藤枝の恋愛を、応援したくなったな。この2人はどういう展開になっていくのでしょう。
こう考えるとワンちゃんがとても大人に感じました。この作品、第2弾も出ているそうですね。そしてそれはワンちゃんの物語だとか。
気になります。

〈メディアファクトリー 2008.8〉H21.4.20読了

かもめ食堂 群ようこ4

かもめ食堂

ヘルシンキの街角にある「かもめ食堂」
日本人女性のサチエが店主をつとめるその食堂の看板メニューは、彼女が心をこめて握る「おにぎり」
けれども、お客といえば、日本おたくの青年トンミただひとり。
そんな「かもめ食堂」に、ミドリとマサコという訳あり気な日本人女性がやってきて…。

映画がとっても良かったので、原作も読んでみました。
映画で出てきたお三方の細かい人物像が加えられたって感じかな。
もう内容は全部分かったっていたからね。
でも、違う部分もあったから、楽しめました。
トンミくんが、サチエ目当てで最初食堂に通っていたしね。
でも、東洋人ってそんなに若く見えるのかな。
私も21歳の時、老人ホームで実習中に、中学生かと思った〜って言われたことがあるけど。
・・・ってそれは違うか^^;

〈幻冬舎 2006.1〉H18.12.26読了

ヘヴンリー・ブルー 村山由佳4

ヘヴンリー・ブルー

斉藤夏姫、29歳。大好きだった姉、春妃が死んで10年になる。
姉の死は、自分の醜い心が引き起こしたものだと、今でも後悔の念に駆られている。
自分を赦せず、ずっと攻め続けていた。
しかし、夏姫はかつての教え子である慎一とであった事で、自分の中の何かが変わっていくような気がした。
慎一は21歳。偶然にも、歩太と春妃の年齢差と同じだった。
夏姫の視線から描かれた10年が遂に明らかに。

150ページくらいの作品で、あっという間に読めました。
「天使の卵」「天使の梯子」に次ぐ、第3弾ってことでしょうか。
私、卵を読んだ時は夏姫が嫌いだったんです。
何だか自分勝手で子どもでワガママだって思ったから。
まぁ、私も子どもだったって事だと思いますけど^^;
でも、この作品を読んで改めて、夏姫もとても苦しんでいたんだなって思いました。
後悔とか、辛さが痛いほど伝わってくる作品でした。
読めてよかったと思います。

〈集英社 2006.8〉H18.11.1読了

きみのためにできること 村山由佳4

きみのためにできること

俊太郎と日向子は高校生の時から付き合って5年になる。
日向子の家は酒屋を営んでおり、俊太郎はADとして音声の仕事をしている。2人は今、遠距離恋愛だ。
2人の会話はパソコンのメール。電話は、日向子の父が、2人の交際を快く思っていないため、あまりしていなかった。
俊太郎は、ディレクター2人とタレントと4人でロケへ行くことになった。
タレントの名は鏡響子。密かに俊太郎がファンである女性だった。

村山さんの、初読作品です。
俊太郎と日向子のカップルがほのぼのしていてかわいいです。
家が、代々伝わる家業だったりしたら、子どももプレッシャーを感じちゃうよね。
付き合っている相手も。
だから、俊太郎はちょっと寄り道しちゃったのかなぁ・・・。
まあ最後には、自分にとって何が大切で、誰と一緒にいたいのか、分かったからいいんだけどね^^
結構好きです。
これを読んでから、村山さんの作品を読むようになったしね^^

〈集英社 1996.11〉

約束 村山由佳4

約束

昭和61年の夏。
ワタル、ノリオ、ハム太、ヤンチャの4人はいつも一緒に遊んでいる小学4年生。
夏休み明けから、ヤンチャが原因不明の病気にかかり、入院する事になる。
身体中に発疹ができ、咳をしていた。
日に日にやつれ、ヤンチャの姿は変わっていった。
3人は、ヤンチャを救うため、未来から医者を連れてこようとタイムマシンを作り始める。

何だか村山作品であんまり有名でない作品を多く読んでいる気がする・・・。
って言ったら失礼だね。
かわいい作品だけど、重みがあるなぁって思った。
病気の原因が人間のせいだってことはわかったけど、それがどうしてヤンチャにくるのか。
何にも悪くないのに。
そう考えるけど、何も出来ない悔しさが伝わってきた。
タイムマシンは、完成しないって事は分かっているけど、それを作っているだけでヤンチャの支えになっているし、もしかしたら奇跡が起きるかもしれない。
そう考えて作っている3人は逞しくもあり、悲しくもあったね。
「約束」って、必ず守らなければならないけど、時間がたつとその気持ちが薄れていってしまうっていうのが、何だか伝わってきた。
何だかせつなかったねぇ。

〈集英社 2001.7〉H18.4.30読了

夜明けまで1マイル 村山由佳4

夜明けまで1マイル―somebody loves you

涯はバンドを組んでいる大学生。
大学の先生と付き合っている。先生には夫がいた。
「フリンじゃない、恋なんだ」
と、別れる気は全くない。
同じバンドの浅葱も悩みを抱えていた。

簡単に言うと不倫してる話なのです。主人公が。
ドロドロした雰囲気ではないけど、不倫はイヤだし、絶対に実らない恋だから私は好きではありません。
ただ、若いときの葛藤は何となく分かりましたけど。
浅葱の悩みは何となく、気持ちが分かりました。
この作品、高校生のときに読んだんだよね。今になって記事を載せていますが。
あの時は、きっと涯の気持ちなんて、分からなかっただろうな。

〈集英社 1998.9〉H14.2.15読了

春のオルガン 湯本香樹実3

春のオルガン

隣の家の主のせいで、家族がこわれてしまったというテツ。
昨日、小学校を卒業し、ずっと自分が怪物になる夢と頭痛に悩まされているトモミ。
そんな2人がであったのは、おじさんのようなおばさんと、捨てられたたくさんの猫達だった。
そんな人たちに少し癒されながら、
2人はバスの中で暮らしていくことを決めた。

家庭が崩れていっていて、それに戸惑っている子どもの心情が良く書かれているなぁって思った。
葛藤とか、どうしたらいいのかわからない子ども達。
信頼できるのが姉弟2人だけで、寄り添って生きていこうっていうのが伝わってきた。
ちょっと切ないけど、良かったよ。

〈徳間書店 1995.2〉H15.2.23読了

約束の庭 ゆうきえみ4

咲は数ヶ月前に引っ越してきた。
咲は母子家庭で母親は働いており、遅くまで帰ってこないため、いつも一人だった。
一人だと落ち着く図書館へ、いつも咲は行っていた。
そこで、一人の男の子が話しかけてくる。
何処かで見たことのある顔・・・。
クラスメートの丈君だった。
彼は咲にアンモナイトの化石を見せてくれたり、秘密基地を教えてくれたりした。
しかし、彼はクラスでいる時は話しかけないように咲に告げる。
咲はその約束を守っていた。
クラスでの丈君は、図書館で2人で過ごしている時とは別人のようだった。
咲を見ても、話しかけてもくれない。
本当に、彼は丈君なのだろうか・・・

が、画像がない・・・。
これは、児童書です。
小中学生向き^^;
でも、結構奥が深くって印象に残っている本です。
丈君の秘密。そして、咲と丈君の関係。
読んでいくうちにいろんな事が見えてくる本。
絵も多いんだけど、普通に読んでいて引き込まれました。

〈ポプラ社 1995.8〉H15.2.24読了

ポプラの秋 湯本香樹実3

ポプラの秋

千秋の元にかかってきた1本の電話。
母からで、大家のおばあさんが亡くなったと言う知らせだった。
6歳の時に父を失い、千秋は母と2人でポプラ荘に引っ越してくる。
そこには、不気味で不思議な大家のおばあさんがいた。
おばあさんは、私によく、天国の話を持ちかけるのだ。
自分は死者に手紙を届ける役目なのだと千秋に語った。
それから千秋は、父宛の手紙を書き始める。

湯本さんの作品は、いつも「死」が関わっているような気がする。
全部じゃないけど。
これも、そう。
おばあさんの死もそうだし、父親の死もそう。
母親が、父親のいない分、働いている間に、千秋は迷惑を掛けまいと頑張っていて。
それを分かってくれて何かと尽くしてくれたのがそのおばあさん。
2人の会話は微笑ましくて、何だか素敵。
おばあさんは、素直に優しいという感じではないけれど、おばあさんなりの愛情は、伝わってきた。
大人になった千秋は、18年という歳月の間に多くの事があって、葬式に向かう途中で昔を思い返している姿は、何だか少し切ない気がした。

〈新潮文庫 1997.7〉H14.7.27読了

青のフェルマータ 村山由佳3

青のフェルマータ

両親の不和、離婚が原因で心に傷を負い、声を失ってしまった里緒は、治療のためにオーストラリアの島に来ている。
自然や現地の人々、そして海に癒され、少しずつ心の傷を癒していく。
JBという初老の男性に、里緒は惹かれていた。
JBの鳴らすチェロは、何よりも里緒の心に響く音色だった。
そして、いつも里緒を傷つけているゲイリー。
傷つきながらも、里緒は彼の事が気になっていた。

舞台の背景はステキだって思った。
青くて綺麗な海。自然。
その地に住む人々、その人の良さ。
それが、逆に里緒を甘やかしてるような感じがしたのは、私だけかな。
JBもゲイリーもそれぞれの愛し方で里緒に接しているんだけど、それに対して里緒の彼らへの対応?接し方かな、があんまり良くないんじゃないかなぁって思ったの。
わがままなんじゃないかなって。
甘えすぎてるって。
だから、里緒に共感できなかったの。
ラストもちょっと納得がいかなくて。
辛いかな?^^;

〈集英社 1995.11〉H14.7.24読了

TUGUMI 吉本ばなな4

TUGUMI(つぐみ)

身体が弱いため、超わがままで意地悪く育ってしまったつぐみ。
そんなつぐみに翻弄されながらも、つぐみの本当の気持ちを理解しようとするまりあ。
2人の育った旅館での最後のひとときを過ごしたひと夏を描く。

面白かったね〜。
ばななさん初読でしたが、良かったです^^
文章が綺麗でした^^
いいよ〜。
つぐみは腹の立つやつだけど、悪気はないんだよね。うん。
何となく、怒れない感じだった。
やっぱり病弱で、自分の思うようにできない事が、辛いのかなぁとも思ったり。
キレイな作品でした。

〈中央公論社 1989.3〉H16.5.20読了

蹴りたい背中 綿矢りさ2

蹴りたい背中

ハツは中学の時に仲の良かった絹代が、今では1つのグループの一員となり、高校では孤独だった。
同じようにクラスで疎ましい存在とされている、にな川に気が付いた。
彼は、オリチャンというモデルのファンだった。
むしろ、追っかけといってもいいかもしれない。
ハツは、かつてその女性に会ったことがあり、その発言からにな川と行動を共にするようになる。

芥川賞受賞作品。
でも、何で賞を取ったのかわからないくらい、私はどこがいいのかわからない。
酷評?でもそうなの。
ハツが何でここまで孤独を選ぶのか分からない。
仲がいいなら、別に一緒になっても良いと思うんだけどなぁ。
にな川も好きになれない。
普通に好きならいいけど、やっぱり追っかけっぽさがある。
2人とも好きになれないんだから、良い作品とは思えないよね^^;
この作品が好きな人、ごめんなさいm(_ _)m

〈河出書房新社 2003.8〉H15.12.6読了

永遠。 村山由佳4

永遠。

短大を卒業し、地元へ帰ってくる弥生を迎えにきた幼馴染の徹也。
2人は共に片親で、寄り添うようにして育った。
弥生が上京したのは、自分の父に会うためだった。
父親は、弥生の通っていた短大の教授だったのだ。

本が分かりずらい・・・
ひたすら永遠。って書いてあるの。
「。」はミスじゃないよ。ホントにこうなの^^;
堤真一、内山理名が出演の映画「卒業」のサイドストーリーらしい。
知らなかったんだよ。
ラストのページを見るまで。
映画は見ていないんだけど、映画はどうなんだろう・・・
2人がほのぼのしててかわいいです。
ちょっとせつない話。

〈講談社 2003.2〉H15.6.20読了

ずっと、ずっと、あなたのそばに 若月かおり4



ずっと、ずっと、あなたのそばに―映画「いま、会いにゆきます」−澪の物語

最初は夢だと思った。
いつも隣りにいた大好きなあなたと結婚し、私達の間には佑司というかわいい男の子が生まれている。
29歳のわたしは、あなたと佑司とともに幸せな時を過ごしていた。
穏やかで、優しい日々を送っていた澪が、やがて知ってしまう哀しい真実。
それでも、絶対に変わらない家族への思いがあり、絶対に失いたくない人がいる。
自らの運命を分かっていながらも、大切な人と共に生きる事を決意する。
市川拓司のベストセラー『いま、会いにゆきます』の映画化脚本をもとに書き下ろした、もう一つの愛の物語。

面白かったよ。
澪目線って言うのがいいよね。
純愛さはおんなじだった。この著者は新人さんなんだね。
確かに聞いた事がないかも〜
映画の脚本を本にしてるみたいだけど、私は映画を見ていないのでドラマを想像して読みました。
成宮く〜ん。って思いながら見てました。
ドラマの2人も良かったって思うんだよね、私は。
私は好きな小説です^^

〈小学館文庫 2004.11〉H17.11.16読了 

いのちのうた 村山由佳3

いのちのうた

大きなお母さんくじらとその子どもは仲間達とはぐれ、2人で生活していました。
このまま2人で暮らしていてはダメだと思い、母親は南の島へ向かいます。
そこへ行くために、汚れた海を渡ってしまい、お母さんは日に日に弱っていってしまいます。
でも、いつも子どもが1人で生きていけるように、子どもにいのちのうたを教え続けます。

村山由佳は絵本も出してるんだね。
絵もかわいくて、思わず手にとって読んでしまった。
ホント、お母さんの子どもへの愛情を感じたよ。
子どもを守るために、自分を犠牲にする姿。
子どもを1人で生き抜けるようにするために、時には厳しくしつける姿。
お母さんって、こういうものなのよね。うん。
でも、汚れた海とか、あ〜人間のせいだよなぁ。
とか、ちょこっと思いながら読んでたよ。

〈集英社 2000.10〉 H16.12.1読了

天使の卵 村山由佳4

天使の卵―エンジェルス・エッグ

オススメ!
美大を目指している歩太は合格できず、予備校生となった。
その手続きをするため、電車に乗ったとき、一人の女性が乗り込んでくる。
ラッシュだったため、歩太はその女性をかばった。
その女性は美しく、歩太は一目惚れをした。
歩太は母と2人で暮らしている。
父は精神科の病院で10年間入院しており、母が生計を立てていた。
父の見舞いへ行った時、歩太は電車の中であった女性、五堂春妃と再会する。
春妃は、かつて歩太と付き合っていた斎藤夏姫の姉だった。
それから歩太は病院へ通うようになった。
どんどん春妃に惹かれていったが、春妃には忘れられない人がいた。

村山由佳のデビュー作(だよねぇ?)
ストーリーはごく普通に進んでいく感じ。
でも、その当たり前が心地よくって、どんどん読み進む。
歩太と春妃の相手への想いがとても素敵だと思うよ。
ラストが予想もしないものだったけれど。
とても純粋で、キレイな小説だなって感じたよ。

〈集英社文庫 1996.6〉 H14.4.25読了

天使の梯子 村山由佳5



天使の梯子

オススメ!
春妃の死から10年。歩太と夏姫は29歳になった。
お互いが10年前の傷を抱えたまま。
夏姫は8歳年下の慎一と付き合っている。
夏姫は、慎一と付き合ってみて、やっと、春妃の想いを理解できるようになった。
歩太と夏姫と慎一。3人の深い傷を、共に想い、見つめることで、縛られていたものから解放される。

「天使の卵」の続編。
賛否両論だけど、私は好き。凄い好き。
「天使の卵」では、夏姫って、あまり出てこなかったけど、
今回はかなり出てきた。
ずっと歩太と春妃の関係を認められなかった夏姫だけど、自分が慎一と付き合ってみて、ようやく分かってきたんだね。
2人の関係が何だかかわいらしかった^^
でも、夏姫はずっと悩んできたんだね。
恋人を絶対に家に泊まらせない理由とか、切なかったよ。

〈集英社 2004・10〉 H17.1.15読了

キッチン 吉本ばなな5

キッチン

オススメ!
「キッチン」
桜井みかげは最後の身寄りだった祖母を亡くし、とうとう一人となった。
一人で、違う環境で暮らしていくことの決心がつかないままでいると、祖母の知り合いで、同じ大学の田辺雄一から電話が来た。
彼は、花屋でバイトをしており、祖母はそこでよく花を買っていた。彼は祖母のお気に入りだった。
雄一は家に来ないかという。
彼の母親も賛成しているという。
そこで、不思議な同居生活が送られる。
彼氏ではない雄一と、雄一の母親(実は父親)と3人での生活。
2人に温かく迎えてくれたため、居心地はとてもよかった。
しかし、まだこれからの答えは見つかっていない。
「満月」
みかげが一人で暮らすようになって数ヶ月。
大学をやめ、今は料理研究家のアシスタントとして働いている。
秋の終わりごろ、久しぶりに雄一から連絡が入る。
それは、いい知らせではなかった。
「ムーンライト・シャドウ」
さつきは大切な人、等を失った。その傷はずっと癒えない。
朝早く起き、ジョギングをして、毎日常に人と会い、なるべく一人にならないようにしていた。
少しでも一人になると、等を思い出してしまうから。
ある日、ジョギングをして休憩をしていると、一人の女性に話しかけられる。
うららという名のキレイな女性。
彼女と会ってから、すこしずつさつきの心に変化が現われる。

これも、今更な感じですが^^;
ベストセラーだもんね。
17年前の作品だから、時代がちょっと違うなって思うところももちろんあったんだけど、でも、凄く感動した。
3編の短編集なんだけど、どれも愛する人の死からの克服がテーマ。
結構内容は重たい。
でも重さは感じなかった。読みやすかった。
愛する人や、大切な人を失って必要なのは、何も言わずに近くで見守っていてくれる人なんだね〜。
よかったよ^^

〈角川書店 1998.6〉 H17.10.15読了

巨食症の明けない夜明け 松本侑子2

巨食症の明けない夜明け

恋人と上手くいかず、自暴自棄となり過食に溺れる女子大生、時子。
友人の紀子が助けてくれているが、彼とも上手くいかず、過食をとめることができない。
過食症にも似た響きを持つ「巨食症」という単語を、自ら創りだした。
次第に1歳のときに捨てた母親を求めるようになる。
再び胎内戻り、人生をやり直したい。
都会で一人暮らしをする若い女性の不安と孤独を描く。

いつのまにやら、主人公と同い年になってるわ・・・
これを読んだのが高校のときだったから、よく分からなかったことでも、今読み返したらまた違う感想がでてくるかもしれないな。
だって、共感できなかったんだもん。
暗い!もうちょっと前向きになってもいいんじゃないの?って思った記憶がある。
それは私が子どもだったっていうのもあるのかな^^;
彼氏もそのときいなかったし。
機会があれば、再読してみようかな。
あと凄かったのは、食べ物の描写。
凄くリアルでびっくりだよ。
〈集英社文庫 1991.1〉 H14.9.7読了

雨と夢のあとに 柳美里4

雨と夢のあとに

桜井雨は小学6年生。母は2歳のときに失踪しており、父親、朝晴と2人暮らし。
父親は写真家で、海外へ出ることが多く、不在がち。
雨は一人でいることも多かった。
今回は2週間も音信不通で、父親と連絡がとれなかった。
父はずぶぬれの状態で帰ってきた。
しかし、何故だか違和感を感じる。
前と様子が違っていた。
それから、雨の周りには不思議なことが起こり始める。

柳さん初読。
初の怪談だったらしい。
全然怖さは感じなかったけどな。
これは、今年ドラマ化されてましたね。それで、タイトルを知っていたので手にとって読んでみました。
感動だね〜。
父親の娘への愛情を感じる。
ラストは哀しくて切ない。
とてもよかった。
ただ、雨の一人称で語られることが多かったんだけど、ちょっと読みにくいところも多かったんだ^^;
文章があまり区切られてなくって。
それが、ちょっと残念。

〈角川書店 2005.4〉 H17.10.10読了

インストール 綿矢りさ3

インストール

高3の朝子は今の生活が嫌だった。
そこで、全てを捨てて逃げ出し、登校拒否となる。
自分の部屋にあるものを捨てているとき、同じマンションに住む、かずよしという小学生に出会う。
それから2人は風俗チャットを始めるが・・・

すらすら読めて、すぐ読み終わった感じ。
でも、主人公と共感できることはなかった。何を伝えたいのかもよく分からなかったし・・・。
ラストはよかったかなって思うけど。
こんな小学生いたら、怖いよなぁ。
とか、思ったりした^^;

〈河出書房新社 2001.11〉H14.5.31読了

夏の庭 湯本香樹実4



夏の庭―The friends

人の死ぬ瞬間を見るために、少年3人はもうすぐ死ぬといわれている老人を観察することに。
しかし、その老人が死ぬ気配はなく、3人は老人に見つかってしまった。
3人は、老人の行うことを手伝う羽目に。
段々付き合っていくうちに、少年達と、老人には深い交流が生まれていく。

始めの死ぬ人間を観察するっていう少年達の考えにはついていけなかったんだよね〜。
イタズラがすぎるんじゃないの〜。っていう・・・^^;
でも、老人と少年達とのかかわりがすごくいいものだなぁって感じた。
老人はいつも一人で暮らしていたから、少年達と触れ合うことが嬉しかったんだろうなぁとか、
少年達もこんなに老人と関わったことがないだろうなぁとか、
いろいろ考えながら読んだような記憶が・・・
最後が凄く感動したよ。切なかった。

〈新潮文庫 1994.2〉 H14.7.31読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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