死にたいキャバ嬢×推したい腐女子
焼肉擬人化漫画をこよなく愛する腐女子の由嘉里。
人生二度目の合コン帰り、酔い潰れていた夜の新宿歌舞伎町で、美しいキャバ嬢・ライと出会う。
「私はこの世界から消えなきゃいけない」と語るライ。彼女と一緒に暮らすことになり、由嘉里の世界の新たな扉が開く――。
「どうして婚活なんてするの?」
「だって! 孤独だし、このまま一人で仕事と趣味だけで生きていくなんて憂鬱です。最近母親の結婚しろアピールがウザいし、それに、笑わないで欲しいんですけど、子供だっていつかは欲しいって思ってます」
「仕事と趣味があるのに憂鬱なの? ていうか男で孤独が解消されると思ってんの? なんかあんた恋愛に過度な幻想抱いてない?」
「私は男の人と付き合ったことがないんです」
推しへの愛と三次元の恋。世間の常識を軽やかに飛び越え、幸せを求める気持ちが向かう先は……。
金原ひとみが描く恋愛の新境地。
金原さんの作品は2作目です。私はほぼ同世代なのですが芥川賞を受賞されたときに作品を読もうとして内容が凄すぎて読めなくて(笑)時が流れて今更ながら金原作品をちゃんと読めるようになり、自分も大人になったな…と実感しています^^;
主人公は腐女子である27歳の由嘉里。周りが恋愛や結婚をするようになって、焦って合コンに行って玉砕するところから物語は始まります(笑)
私は腐女子ではないですが(多分片足くらいは突っ込んでいるが)中学生の時から27年某アイドルを推しているオタクなので(笑)由嘉里の気持ちは痛いほど分かりました。
合コンで玉砕した時に手を差し伸べてくれたライは、由嘉里にとっては女神のように感じただろうな…と思いました。でも、その女神のように美しいライは死にたいと思っている。容姿端麗で生活にも困っておらず、いわば勝ち組のように見えるのになぜ?と私も思う。
でも、綺麗だから幸福で不細工だから不幸というわけではもちろんないし、人が存在するだけ考え方がある。由嘉里が今まで出会うことのなかった歌舞伎町に住まう人達、ホストのアサヒ、小説家のユキ、バーのマスターのオシン、それぞれ強烈なキャラクターで、初めは読みつつもついて行けなかったけど、次第にみんなが愛おしく感じるようになりました。それぞれ干渉しないのかと思ったらそれぞれに傍にいて寄り添ってくれる。こんなに愛情を注いでくれるのかと何だかこちらも胸が熱くなりました。
由嘉里が言った「私には、逢えない人を愛すことができる才能があるんです」という言葉が好きです。ライが死なずにどこかでほんの少しだけでも由嘉里を思い出して生きていてくれたらと願ってやみません。良い小説に出逢えてよかったです。
<集英社 2022.1>2025.10.16読了



















































