苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

女性作家(あ・か行)

わたしの幸せな結婚 八 顎木あくみ5



清霞の過去と、美世と清霞の新たな生活の物語。珠玉の短編集
五道佳斗の父に対異特務小隊に誘われていた学生時代の清霞。夢と任務の狭間で起きた事件とは……軍人として生きる清霞の原点と「土蜘蛛」との因縁が明らかに。さらに美世と清霞の新婚生活をえがいた短編を収録。

幸せな結婚式を終えてもまだ新刊が出るのか!?と思ったら短編集だったんですね。それにしても最初の話以外は一の頃の原形をとどめていないくらいの甘々な2人に叫びそうになりながら読みましたよね←
「霖雨がやむとき」は清霞が軍人になる決意をしたときのお話。佳斗との関係も分かりましたけど、殺したいほど憎んでいた清霞に今はべったりでまとわりついているから途中何があった…?って驚きましたよね(笑)最後のお話で当時が若気の至りだと思っていることが分かりましたけども。
そしてそれ以外はほぼ清霞と美世の日常のお話で甘すぎてこんなに甘くて良いのか!?と何だか違うドキドキも入り混じりながら読みました←
まあ、色々ありましたけど、幸せになって良かったです。もうこれで見納めかな。

<KADOKAWA 2024.3>2024.5.27読了

大人のための残酷童話 倉橋由美子4

大人のための残酷童話 (新潮文庫)
由美子, 倉橋
新潮社
1998-07-29


嵐の夜の海で遭難した王子を助けた人魚姫(倉橋童話の人魚姫は上半身が魚、下半身が人間)。魔女に頼んで上半身も美しい女に変えて貰い、王子と再会。けれども王子が別な女との結婚を決めた時、人魚姫が再び魔女に願った無邪気で残酷な望みとは。
世界中の名作童話を縦横無尽にアレンジ、物語の背後に潜む人間の邪悪な意思や淫猥な欲望を露骨に焙り出す。著者一流の毒に満ちた作品集。

桜庭一樹さんが倉橋由美子さんについて書かれた本を出されたということで、その本を読むには倉橋さんの作品を読んでいないとだめだろうと思い読んでみました←初読み作家さんです。
世界中の名作がアレンジされていますが、なかなかなものが多かったですね^^;物語の最後に書かれている教訓がなおのことブラックです。
最後の方にあった「魔法の豆の木」はジャックと豆の木が基になっていますが子供の末路があまりにも不憫でこれは完全に大人向けだなと思いました^^;元ネタを知らない作品もいくつかあったので、読んでみたいと思いました。倉橋作品を他にも読んでみたいです。

<新潮社 1984.4、1998.7>2024.4.30読了

猫弁と狼少女 大山淳子5

猫弁と狼少女
大山 淳子
講談社
2023-09-22


冴えない容貌、天才的な頭脳……自分のことは後回しで人の幸せを第一に考える稀代のお人好し弁護士、百瀬太郎。
婚約者である大福亜子と同居中で、幸せをかみしめている。
猫がらみの脅迫事件の依頼を受けて調査中、未成年者略取の疑いをかけられて留置場に!
当番弁護士の、「透明人間」こと沢村透明以外との面会を断り、事件については黙秘を貫く百瀬。
警察から連絡ももらえず蚊帳の外に置かれた亜子は、百瀬を信じ切れるのか。
振り切った亜子がとった行動とは。
沢村透明のもとに武者修行に出ていた縁から一緒に百瀬のために奔走する直は、そのなかで自らの進む道を見つける。
七重と野呂は相変わらずの賑やかさで百瀬を信じ、支え、事務所を守っている。

猫弁シリーズです。一体何冊目になったんでしょうか。長いシリーズになりましたね。
百瀬と亜子は婚約者のままだけど一緒に住むようになりました。2人ともとても幸せそうで、読んでいるこちらも優しい気持ちになります。それにしても今回は百瀬が未成年者略取の疑いで逮捕されて一筋縄ではいかない展開になりました。どうなるんだろうと読んでいる方がドキドキしましたが、百瀬は相変わらずで。どこまで優しいまっすぐな人なんだろうと思いました。
そして1か月間実家に帰っていると思っていた亜子は2人の住む家にずっと独りで待っていて。婚約は解消しましょうと言われると思っていたところの亜子の言葉にこちらも泣きそうになりました。そして亜子のお父さんの言葉もとても素敵。百瀬は周りに恵まれましたね。本人の人徳だと思いますが。本当に2人には幸せになってほしいと心から思います。

<講談社 2023.9>2024.1.22読了

わたしの幸せな結婚 七 顎木あくみ5

わたしの幸せな結婚 七 (富士見L文庫)
顎木 あくみ
KADOKAWA
2023-07-14


美世と清霞、ついに祝言――
様々な困難を乗り越えて、ついに迎えた祝言の日。
美世は朝から気が気ではなかった。
前日に緊急の呼び出しがあり仕事に向かった清霞が、婚礼のはじまる時刻が近づいても帰ってこないのだ。
花嫁衣装に身を包み、「誰よりも私が、明日を心待ちにしている」という清霞の言葉を信じて待つ美世。
けれどその裏では、五道と深い因縁のある強力な異形の影が動いていた。
少女があいされて幸せになるまでの物語は、婚礼を迎え、幸せな「家族」の物語へ――。

清霞が無事に婚礼に間に合うのかと、2人の展開が歯痒すぎて叫びそうになったわ!!!←
色々と問題はありましたけど、前作までの敵が強敵だあったからきっと大丈夫だろうなと思っていました←まあ、間に合うかどうかはハラハラしましたけど…
自分だけが可哀想って思っている人は自分がやっていたことがすべて正当化されるから怖いですね。
とにかく美世と清霞のもどかしい恋模様にドキドキして仕方がなかったです。
ようやく夫婦になってこれで大団円なのかと思ったら続くんですね!夫婦となった二人がどんなやりとりをしていくのか楽しみです。

<KADOKAWA 2023.7>2023.10.27読了

よろず占い処 陰陽屋きつね夜話 天野頌子5



母の悪行に耐えかね、国立の実家を出た若き日の祥明。生活に困窮していた彼に手を差し伸べたのは、クラブドルチェのNo.1ホスト・雅人だった。祥明は試行錯誤を重ね、やがて占い師ホストとして大人気に。その最中、悲劇は起こった――。「ピンドン事件」の真相が、ついに明かされる!
柊一郎と篠田の友情に、三井の初恋。そして恒晴が瞬太に向ける知られざる想い…。陰陽屋の愉快な仲間たちが勢揃いで贈る、とっておきのスピンオフ!

本編が終わっているので新刊?と思ったらスピンオフだったんですね。
瞬太と祥明、そしてその周りの人たちのことが書かれています。そんなことあったなぁ…とか、そんなひどい目に遭っていたのか…とか思い出したりびっくりしたり(笑)
「ピンドン事件」なんて名前が付いていたんですね。祥明本当にお疲れ様です…あんな母親なら逃げちゃいますよね…逃げ切れたわけではないけど一緒に暮らしたくはないな…^^;
みんなのあれこれが分かって懐かしかったです。
まだ気になる人達が何人かいるのでまたスピンオフが出てくれるのを待っています^^

<ポプラ社 2023.4>2023.7.6読了

あやかし図書館で待ってます 新入り司書と不思議な仲間たち 安東あや4



司書の仕事を探す結衣は、豪邸の書庫の求人を見つける。だがその仕事は、あやかしのための図書館の仕事だった。適性があったため採用されるが、結衣は躊躇う。しかし昔出会ったあやかしの少年ナギのことを思い出し、結衣は思い切って働くことを決意する。
さまざまな理由で本を探しに来るあやかしたちのために、オーナーの宗司や番犬の風花とともに、新入り司書として奮闘する結衣。いつかナギと再会することを夢見ながら。
本を通じて繋がるあやかしと人との優しく切ない物語。

転職をした上に引っ越しをして通勤時間がほぼ無くなったため、読む時間をどこに取ったら良いのだろう…と、思っていたら全然本を読めなくて若干禁断症状に落ちかけていました(笑)
久しぶりに1冊読み終えて満足です。これからはちょっとでも時間を見つけて本を読んでいきたいです。
余談はさておいて、こちらの作品は図書館が舞台の本なので気になっていました。
図書館と言っても個人所蔵の私設図書館でしかも利用者はあやかしたち。ファンタジー要素はありましたが面白かったです。
あとがきに書かれていますが著者さんは元司書の方だそうで。
図書館に関する諸々が散りばめられていてそこも楽しめました。
様々な想いをもってやってくるあやかしたち。そのあやかしたちと真摯に向き合って司書業務を行う結衣。ここの司書係に向いていたんでしょうね。
面白かったのですが念願だったシーン手前で終わってしまったような感じだったのがもどかしかったです^^;そして前任の司書さんのことも分からずじまいだったのでそれも気になりました。
続編は出ていないようですね。想像にお任せしますという感じなのでしょうか。

<KADOKAWA 2018.4>2023.4.12読了

鎌倉駅徒歩8分、空室あり 越智月子5



男手一つで育ててくれた父が死んで、鎌倉のカフェを引き継いだ香良。ある日離婚した親友が押しかけてきて、いつの間にかシェアハウスをはじめることに! 次々やって来る入居者たちは、みんなちょっとワケあり。慣れない他人との共同生活に、イラっとしたり文句を言ったりもするけれど……。家族だから言えない、家族だから甘えられない。そんなひとりぼっちになった住人たちが見つけた新しい形のきずなに、あたたかい気持ちになる1冊。

読んでいる間もコーヒーのいい香りが漂ってくるような作品でした。カレーもどれも美味しそう。
一人でひっそりカフェを営みながら暮らしていた香良。突然離婚した親友三樹子がやってきてシェアハウスにしようと言い出す。押し負けてシェアハウスをすることに決めたとたんに入居希望の人がやってくる。50代の里子、30代のあゆみ、70代の千恵子と年齢はバラバラ。多少ぶつかり合いながらも楽しそうに暮らしているこのシェアハウスで私も暮らしたいなーと思いながら読んでいました。
誰もがちょっと訳ありで、でも他人だからこそ話せることもあるし、慰めあうこともできる。でもベタベタしているわけでもなくてちょうどいい距離感が素敵だなと思いました。
そして出てくる料理が本当に美味しそう。日々の暮らしを丁寧に生きたいと思いました。
香良が小さい頃からずっと気になっていた母のこともちゃんと最後に理解出来て良かったです。
余談ですが、最近鎌倉へ行き、鏑木清方美術館に行ったのでその場所がお話の中に出てきてとても嬉しかったです。その場所を思い浮かべながら読みました。

<幻冬舎 2022.12>2023.3.16読了

犬小屋アットホーム! 大山淳子5

犬小屋アットホーム!
大山 淳子
U-NEXT
2022-11-04


「必ずパートナーをつくること」唯一それだけが入居の条件である、一風変わった老人ホーム・ニーシャシャン。
マダムと呼ばれる女性と横須賀という名の支配人が運営するそこには、元ヤクザや余命わずかの男、詐欺を働いてきた女など曲者ばかりが集まり、それぞれとペアになる犬たちも保健所から救われた犬や盲導犬になれなかった子など経緯は様々。
居場所を求める犬と人が支え合い暮らす様に、読んで幸せな気持ちになるストーリー。

迷える人や犬たちが穏やかに暮らしていける場所ニーシャシャン。変わった名前だなと思ったら、犬小屋という意味だったんですね。
最初に登場した元暴力団の男の人の境遇は、切なくてたまらなかったけど、それでも最後にこの場にいることが出来て良かったと思いました。
勤務している若い人のお話も良かった。違う世界を見て知ることってたくさんありますよね。
そして死神と呼ばれている横須賀の境遇も辛かったけど、それでもみんながここで穏やかに暮らせていて本当に良かったです。こんな住まいが近くにあればいいのにな。私も老後に犬と一緒に暮らしたいです(笑)

<U-NEXT 2022.11>2023.3.8読了

烏の緑羽 阿部智里5

烏の緑羽 八咫烏シリーズ (文春e-book)
阿部 智里
文藝春秋
2022-10-07


「なぜ、私の配下になった?」 生まれながらに山内を守ることを宿命づけられた皇子。葛藤と成長、彼らのその先には−。奈月彦の兄・長束と、長束の近衛・路近の物語。

衝撃的だった前作「追憶の烏」から山内は一体どうなってしまうのかと気になっていました。読むのが怖かったですが…今回はスピンオフのような感じでしょうか…前作から少しだけ進んだような感じでしたね。でもきっとここで登場した人たちがキーマンになっていくような気もします。
今回は大体が路近と翠の話だったので驚きました。翠寛…雪哉と争った…?覚えておらぬ…。そして清賢が素晴らしい人でしたね…仙人のよう。こちらのシリーズはサブキャラという人はいないんですよね…。一人一人の物語を丁寧に描いている気がします。翠寛の境遇が可哀想すぎて読んでいて辛かったです。それでもしがみついてもがいて闘って生き延びていく姿は素晴らしかった。軽い言葉になってしまうけどかっこよかったです。そして路近…あれ、こんなサイコパスな人でしたっけ…。路近がサイコパスなのは認めるけど多分家族みんなトチ狂ってると思うな…←
今回も大体辛かったですけど^^;長束の教育は可愛らしかったですね(笑)なんだあれは。完全にはじめてのおつかいじゃないか(笑)拍子抜けしちゃいましたよ。
でもその後に唐突にやってくる悲劇。そうだ…奈月彦は妹によって殺められたんだった…ということは長束にとっても妹なわけで…辛いな…
そしてわずか8歳ですべてを背負おうとした少女紫苑の宮。紫苑の宮は唯一の光。みんなが命を懸けてこの光を守ろうと決意したことが伝わってきて涙が出そうでした。
物語の最後は6年後。これから山内はどうなっていくのか、怖いけどしっかりと見届けようと思います。
…それにしても。「烏に単は似合わない」の装丁が綺麗だなぁと思って読み始めてから物語と世界がこんなに壮大になるとは思いもしていなかったな…

<文藝春秋 2022.10>2023.1.5読了

ライオンのおやつ 小川糸5

ライオンのおやつ
糸, 小川
ポプラ社
2019-10-09


人生の最後に食べたいおやつは何ですか――
若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。
ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。
――食べて、生きて、この世から旅立つ。
すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。

以前「グレーテルのかまど」で「ライオンのおやつのミルクレープ」が取り上げられていて、原作がとても気になっていました。ようやく読めました。
雫がこのホスピスで過ごした時間は約1ヶ月。でもその間雫はとても幸せそうでした。
病と闘って抗って頑張って、そして闘うことを止めてたどり着いた終の棲家。
マドンナがとても素敵な方です。自分が考えていることをちゃんと理解して包み込んでくれているよう。
雫がちゃんと家族に会えてよかった。お父さんと妹に逢えてよかったです。
そして、雫がいなくなった後の物語もとても好き。お父さんも早苗さんも雫を大事に大事に想っていることが分かって切なくなりました。梢もいい子でした。2人の子供なんだから、そうですよね。そして雫の妹なのだから。
タヒチ君もまっすぐで素敵な人でした。雫が病気じゃなかったら…とも思うけど、病気にならなかったら逢えなかった人。だから、逢えてよかったのだと私は思いたいです。
人生の最後に食べたいおやつ…私だったら何だろう。
おばあちゃんが作ってくれたおはぎかおやきかな。

<ポプラ社 2019.10>2022.12.27読了

金環日蝕 阿部暁子5

金環日蝕
阿部 暁子
東京創元社
2022-10-31


知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風は、その場に居合わせた高校生の錬とともに咄嗟に犯人を追ったが、間一髪で取り逃がす。犯人の落とし物に心当たりがあった春風は、ひとりで犯人捜しをしようとするが、錬に押し切られて二日間だけの探偵コンビを組むことに。かくして大学で犯人の正体を突き止め、ここですべては終わるはずだったが――。

ツイッターをフォローさせていただいている出版社の方や作家さんがオススメしていた作品。初読み作家さんです。いやー面白かった!
あらすじを読んで読み始めましたがまさかこんな展開になるとは思わなかった…。
大学生と高校生がやることじゃないでしょ…どんだけ頭が良いのこの人たちは。
舞台が札幌なので出てくるところが頭に浮かぶのも嬉しかったです。
春風は北大生だし、母親が勤めているのは北洋銀行だしひったくりに遭遇したのは札幌ドームの近くの清田区だし(笑)
テーマは詐欺で、割と不自由なく育ったのかと思っていた春風と錬はそれぞれに抱えているものがあって、それが紐解かれながら一連の騒動に繋がっていく。いやー見事でした。人の繋がり、全然気づかなかったなー。
錬の家族もとても素敵。お母さんも、陽と翠もお兄ちゃんが大好きで純粋で、そして賢い。
皆が心安らかに、幸せに暮らしていくことを願い、読み終えました。

<東京創元社 2022.10>2022.12.12読了

深夜0時の司書見習い 近江泉美5



不思議な図書館で綴られる、本と人の絆を繋ぐビブリオファンタジー。
高校生の美原アンが夏休みにホームステイすることになったのは、札幌の郊外に佇む私設図書館、通称「図書屋敷」。不愛想な館主・セージに告げられたルールを破り、アンは真夜中の図書館に迷い込んでしまう。そこは荒廃した裏の世界――“物語の幻影”が彷徨する「図書迷宮」だった!
迷宮の司書を務めることになったアンは「図書館の本を多くの人間に読ませ、迷宮を復興する」よう命じられて……!?
美しい自然に囲まれた古屋敷で、自信のない少女の“物語”が色づき始める――。

タイトルに惹かれて手に取りました。
でも、何となく考えていた物語とはちょっと違いましたね。それが悪いというわけではなくて想像以上にSFで、スペクタクル!って言葉が正しいような物語でした。
主人公のアンは父親のマイペースに巻き込まれ、逢ったこともない人の家に2週間ホームステイをすることに。いやーヒドイ父親だわーありえないわーと思ったけど後々まあわかることもあるわけなのですが。
アンが巻き込まれた諸々は根底は父親の若気の至りから来たものだったのかもしれないけど、ワガハイはそれを理由にしてセージを助けてほしかったんだよね。アンが真剣に図書迷宮と向き合って闘ってくれる人で良かった。
もみじ君がどうしてアンにこんなに優しくしてくれるんだろうと思っていたのだけど、なるほどそういうことだったのですね。
セージももみじ君も強い人。優しくて強い人。
この2人のこともあったけど、アンの物語もあったのですね。本がメインだと思っていたけどこんなにSNSにまみれる展開になるとは思わなかったよ。怖かった…。情報って怖い。
アンはこれからどうするのかな…。セージも…と気になるところで終わって余韻がひどいです(笑)

<KADOKAWA 2022.4>2022.12.6読了

掌に眠る舞台 小川洋子5

掌に眠る舞台
小川 洋子
集英社
2022-09-05


「だって人は誰でも、失敗をする生きものですものね。だから役者さんには身代わりが必要なの。私みたいな」
交通事故の保険金で帝国劇場の『レ・ミゼラブル』全公演に通い始めた私が出会った、劇場に暮らす「失敗係」の彼女。
金属加工工場の片隅、工具箱の上でペンチやスパナたちが演じるバレエ『ラ・シルフィード』。
お金持ちの老人が自分のためだけに屋敷の奥に建てた小さな劇場で、装飾用の役者として生活することになった私。
演じること、観ること、観られること。ステージの此方と彼方で生まれる特別な関係性を描き出す、極上の短編集。

舞台がテーマの短編集。小川さんの独特の世界観が舞台の儚さと合っていてたまりませんでした。
どのお話も夢か現か読み進めていけばいくほどわからなくなります。
でもそれが心地よくて、余韻に浸れます。
本当に舞台を観た後のような余韻。
「ラ・シルフィールド」も「ガラスの動物園」も物語を知らなかったのでまずは読んでみたいです。
そして印象的だったのは花柄さん。花柄さんは、幸せだったのかな…幸せだったならいいな。

<集英社 2022.9>2022.12.5読了

わたしの幸せな結婚 六 顎木あくみ5

わたしの幸せな結婚 六 (富士見L文庫)
顎木 あくみ
KADOKAWA
2022-07-15


身に覚えのない罪で投獄された清霞。
彼と離ればなれになった美世は、清霞を助けるために一人で軍本部へと向かう。
しかし目的地に着いたその時、彼女の袖を引く者がいた。
振り返った美世が見たのは、清霞そっくりの美少年。彼は清霞の式だという。
式に強引に連れ帰られた美世は、薄刃の家で態勢を調えて出直すことを決める。
すべては清霞と再会するため、美世は自力で道を切り開いていく。
そして迎えた甘水との決戦は――。
これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。

甘水との最終決戦でしたね。清霞は捕らえられるし、新は甘水側についてしまったし、勝ち目はないかと思っていたけど、結果からみると大きな壁の張りぼてみたいな感じだったのかなと思いました。憎悪だけでは何も生まれないし生み出すことも出来ないんだなと思いました。最初の時からは嘘のように美世は強くなりましたね。素敵でした。
式に対しては私もそうだろうな…と思っていたので、おいおい…とツッコミどころが満載でしたが(笑)みんな美世が分かってないってわかっているからか微笑ましく見守っている気がして、それもまた信頼の証なのかな…と思いました^m^
2人が求めていた平穏な暮らしが戻ってきて本当に良かった。
闘いが終わったから勝手に今回が最終巻かと思ってたんですけど(笑)あとがきを読んで続くの!?って思いましたよね。確かにタイトル回収していない。
次巻は幸せに満ち足りているようなので楽しみにしています。
映画はどこまでやるんだろうな…

<KADOKAWA 2022.7>2022.10.10読了

たとえば、葡萄 大島真寿美

たとえば、葡萄
大島 真寿美
小学館
2022-09-16


まったく先の見えない状態で会社を辞めてしまった美月(28歳)。転がり込んだのは母の昔からの友人・市子(56歳)の家。昔なじみの個性の強い大人達に囲まれ、一緒に過ごすうち、真っ暗闇の絶望の中にいた美月は徐々に上を向く。
誰の心にも存在する将来への恐れや不安、葛藤……。自分と格闘する美月を周囲の大人達は優しく見守る。さりげなく、自然に、寄り添うように。
何度も心が折れそうになりながらも、やがて美月はひょんな出会いから、自分自身の夢と希望を見つけていく……。

辞めてから何をするか決めていないのに仕事を辞めた美月。ハローワークに通う日々を過ごすも新型コロナの猛威に外出自体がままならぬ状態に。美月が仕事を辞めてしまった理由。分かるなー…。いい会社に勤めていたのに…と言われても、ままならないことってありますよね。良い会社だからこそ自分が浮いてるなってわかったりとか。だから、美月の選択は間違ってなかったと思います。ゆるゆると過ごす時間も、きっと必要だったんですよね。
それにしても山梨での暮らしは素敵だったな…。本当に美味しいブドウジュースはりんごの味がするって気になる。飲んでみたいな…。
こちらの作品は続編でもあったんですね…。作品の最後に姉妹作があると知りちょっとショックを受けました^^;ただ、完全に続きというわけではなく市子たちがもう少し若い頃の物語のようでそれはそれで読みたくなりました。今度読もう。

<小学館 2022.9>2022.10.6読了

よろず占い処 陰陽屋桜舞う 天野頌子5



沢崎瞬太、高校3年の冬、補習を受けに学校に向かう途中に眠り込んでしまい、とうとう卒業が絶望的に。高坂が先生に全力でかけあうが……。
また、祥明や春記たちは、恒晴をおびき出して、瞬太の実の父親である燐太郎の死の真相を聞きだす作戦を立て、実行。はたしてうまくいくか。
ずっとあたためていた三井の恋は実るのか。
瞬太や陰陽屋の今後、みんなの進路は?
読みどころ満載すぎる、人気シリーズ感動の完結巻!

終わっちゃいましたねー。読み始めたときはまさか14巻も出るとは思いませんでしたよね!最初は瞬太は中学生でしたが最終巻は高校卒業ですよ…3年しか経ってない!(そこ?)実際は15〜6年ですかね。
最終巻まで瞬太は皆と一緒に高校を卒業できるのかハラハラしっぱなしでしたねー。キツネだから寝ちゃうのはしょうがないって言ってもそれは通用しないわけですし^m^中退ならそれで仕方がないって諦めモードになってるのはちょっとイラっとしましたけども←まあみんな何とかなって良かったです。瞬太の父親の真相も明らかになりましたね。ちょっと切ない。
終盤は完全に完結モードで登場人物が勢ぞろいみたいな感じになって、14巻でこんなに登場人物が増えたんだなーってしみじみしちゃいましたよね。
瞬太も未来のことをちゃんと考えるようになってなにより。
読んでいるこちらも楽しかったです。お疲れさまでした。

<ポプラ社 2022.4>2022.9.25読了

猫弁と幽霊屋敷 大山淳子5

猫弁と幽霊屋敷
大山 淳子
講談社
2022-05-25


累計40万部突破、大人気「猫弁」シリーズ!
冴えない容貌、天才的な頭脳……自分のことは後回しで人の幸せを第一に考える稀代のお人好し弁護士、百瀬太郎。婚約者である大福亜子ととうとう同居を開始したものの、忙しさからすれ違いに拍車がかかって……。
相続した家を持て余す男性恐怖症の千住澄世、その代理人として奔走する百瀬は毎日目の回るような忙しさ。そんな中、亜子がホテルのラウンジで別の男性とお見合い……!?
そして世にも珍しい「ペットホテル立てこもり事件」まで勃発!
悲しい過去がある人も、今までうまくいかなかった人も、新しいことにチャレンジしている人も……登場人物それぞれが幸せの扉を開けて未来への一歩を踏み出す物語。

このシリーズを読むと、人に優しくしよう…って思うんですよね…。人と自分を大切にしようと思うんです。その割に出来ていないんですけど^^;
今回もいろんな出来事やわんさかやってきますけど、一つに繋がっていくし猫弁先生や亜子の人の良さからいい方向へ向かうんですよね。
澄世さんも面倒くさい人なのかなと思ったのだけど(すみません)勇気のある素敵な女性でした。まさかあの男性と関わりがあるとは!すべてを悪気があったわけではないで片付けるのはいけないことだと思うけど、でも、この2人はこれからいい思い出を作っていってほしいな…と思いました。
あぁ…いいお話を読めた…といつも読んだ後に心が温かくなります。

<講談社 2022.5>2022.8.23読了

求めよ、さらば 奥田亜希子5

求めよ、さらば (角川書店単行本)
奥田 亜希子
KADOKAWA
2021-12-24


翻訳家として働く辻原志織は、三十四歳。五年の交際を経て、結婚をした夫の誠太は、友人から「理想の旦那」と言われ、夫婦生活は安定した温かさに満ちていた。ただひとつ、二人の間に子どもがいないことをのぞいては。あるとき、志織は誠太のSNSに送られた衝撃的な投稿を見つける。
自分の人生に奥さんを利用しているんですね。こんなのは本当の愛じゃないです。
二週間後、夫は失踪した。残された手紙には「自分は志織にひどいことをした、裏切り者だ」と書かれていて――。

図書館で借りたので帯を見ていなかったのですが「私を、愛してはいなかった」なんて書かれていたんですか?え?なんで?読んでいて誠太が志織を愛していないと思ったこと1度もなかったですけど…
始めが志織の視点、次が誠太、お互いに相手をどう思っているのか読み進めるうちにどんどん分かって行って読んでいて切なくなりました。1度離れたことで自分を見つめなおすことと、相手を考える時間が出来て、2人の絆がさらに深まった気がしました。自分のことをこんなにも好きになってくれる人がいるなんて、凄く凄く幸せなことです。羨ましいです^^良い物語でした。

<KADOKAWA 2021.12>2022.7.13読了

ミュゲ書房 伊藤調5

ミュゲ書房
伊藤 調
KADOKAWA
2021-03-17


小説編集の仕事をビジネスと割り切れない、若手編集者の宮本章は、新人作家・広川蒼汰の作品を書籍化できず、責任を感じ退職する。ちょうどその頃、北海道で書店を経営していた祖父が亡くなり、章はその大正時代の洋館を改装した書店・ミュゲ書房をなりゆきで継ぐことに……。
失意の章は、本に関する膨大な知識を持つ高校生・永瀬桃ら、ミュゲ書房に集まる人々との出会いの中で、さらに彼のもとに持ち込まれた二つの書籍編集の仕事の中で、次第に本づくりの情熱を取り戻していく。そして彼が潰してしまった作家・広川蒼汰は――。

タイトルが気になって読んでみました。
章は大手に勤めるには心が優しすぎたのかもしれませんね。
ミュゲ書房のように自分で自由に動ける方が向いているのかもしれません。おじいちゃんから素敵なものを託されて良かったなぁと思いました。
章が大手出版社を辞めるきっかけとなった広川蒼汰に関してはすぐに予想が付いてしまったのですが、そんなことは関係なく面白くて引き込まれていきました。
章たちが大事に大事に作り上げた1冊の本を、かつての上司が大手の都合をフルに使ってゆすって←来るところとか読んでいて本当にイライラしたんですけど。
ミュゲ書房に関わる全ての人が優しくて温かくて、章自身がまっすぐだったから皆なんとかしなければと思ったんだろうなと読んでいて感じました。
本を好きな人皆さんに読んでほしいです。

<KADOKAWA 2021.3>2022.4.26読了

余命10年 小坂流加5

余命10年 (文芸社文庫NEO)
小坂 流加
文芸社
2019-03-22


死ぬ前って、もっとワガママできると思ってた。
二十歳の茉莉は、数万人に一人という不治の病にかかり、余命が10年であることを知る。
笑顔でいなければ周りが追いつめられる。
何かをはじめても志半ばで諦めなくてはならない。
未来に対する諦めから死への恐怖は薄れ、淡々とした日々を過ごしていく。
そして、何となくはじめた趣味に情熱を注ぎ、恋はしないと心に決める茉莉だったが……。
衝撃の結末、涙よりせつないラブストーリー。

以前から気になっていたのですが、映画化されるとのことでこれを機会に読んでみました。
主人公は20歳の時に余命10年だと告げられます。
余命を知りながら生きていくのは、一体どんな気持ちなのでしょうか。私には想像もつきません。
でも主人公は必死に一生懸命、楽しんで生きていたと思います。
自分が余命を知った後に同じ病気で亡くなった女性と関わり、配偶者が嘆き悲しんでいる姿を見て、恋はしないと決めていた。それでも恋をした。お互いが相手を必要とする、素敵な恋だったと思います。ドラマや映画は最後まで一緒に添い遂げるものが多いですが、こちらは少し違いましたね。どちらが正しいとは言えないけど…。
終盤うるうるしながら読んでいました。
映画も気になります。

<文芸社 2017.5>2022.2.18読了

わたしの幸せな結婚 五 顎木あくみ4



旦那さまを想う、この気持ちは――。
清霞への想いに気がついた美世。帝都では異能心教の侵出が進み、美世たちは皇太子、堯人の提案で宮城に身を寄せる。過去の記憶から変化を怖れ、想いが告げられない美世は、ある夜、清霞から思わぬ本心を告げられる。

最後が衝撃的な終わり方で驚きました。えぇ!?そんな展開?!ここで引っ張るの?!っていう^^;
もどかしい想いは最初はきゅんとしましたけど、5までくるとじれったくなってくるから人間とは我が儘な生き物ですね(笑)
終わりが近づいてきているのでしょうか…。ちゃんと2人が幸せになれることを祈って次巻を待ちます。

<KADOKAWA 2021.7>2021.12.24読了

わたしの幸せな結婚 四 顎木あくみ4



清霞の両親の暮らす別邸に赴いた帰り、待ち伏せていた敵方の首魁、甘水に“我が娘”と呼ばれ、迎えにいくと告げられた美世。甘水から身を守るため、美世は清霞の職場である屯所内で日中を過ごすことになる。そこで護衛として紹介された女性軍人、薫子は清霞の元婚約者候補だった。清霞と薫子の仲の良い様子に少しモヤモヤする美世だけれど、次第に薫子と友人同士の関係になっていく。だが、その裏では美世を狙う影が確実に彼女へと迫っていた―。これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。

せっかく帰ってきたと思ったらまた新たな問題が浮上してきましたね。
甘水の狙いが美世であるため一人ではいさせられないと美世は清霞の仕事場で過ごすことに。異能の力を持つ上に甘水の娘かも知れないという疑惑のために清霞の同僚からは白い目で見られます。
美世の護衛に着いたのは薫子という女性軍人。清霞の元婚約者候補であったためにもやもやした気持ちもありつつ友情も芽生えていきます。そして薫子が女性であるがゆえに差別を受けていることも知りやるせない気持ちにもなります。美世は1度薫子を庇うような言葉を言い放ちます。今までの美世なら考えられないことですよね。成長したなぁ…なんて読んでいて思いました^m^
今回も面白く読みましたけど、冒頭で物語の展開が少し読めちゃいましたよね…あれは必要だったのだろうか…ない方がよくないかなぁ?なんて思ってしまいましたけども。
次巻も楽しみです。

<KADOKAWA 2020.9>2021.12.7読了

わたしの幸せな結婚 三 顎木あくみ4



婚約者の清霞と向き合うと決め、前を向いて歩きだした美世。そんな折、清霞の父から義両親の住む屋敷に招待される。そこではじめて顔を合わせた清霞の母は、美世を絶対に認めないという構えだった。義母に認められたくて、罵声を浴びせられても美世は自分から歩みよっていく。そんな美世を清霞は見守り、日常から離れた場所で二人の仲も深まっていく。同時に村では鬼が出るという噂が立ち、清霞は調査に赴く。それは新たな事件の幕開けだった―。これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。

3巻目にしてようやく婚約者のご両親とご挨拶。何で登場しないんだろうと思っていましたけど、そういえば隠居していたんですもんね。義母は最初から最後まで私はダメだったんですけど^^;厳しいとは違うよなー…人格否定する人はダメです…。でも、人格否定されまくって生きてきた美世だから頑張れたんでしょうか。いや、頑張んなくていいよって思いながら読んでいましたけども←
そんなことよりも初めてにおわせというか続く感じで終わりましたね。何だこれは!気になるじゃないか!
続きも気になりますが、ほんの少しだけ距離の近づいた美世と清霞の展開も気になるところです。

<KADOKAWA 2020.2>2021.11.9読了

わたしの幸せな結婚 二 顎木あくみ5



継母に虐げられて育った美世は、冷酷な軍人と噂の清霞と婚約をした。誰もが不幸な結末を予測したが、いつしか清霞と美世はお互いの優しさに惹かれ合う。美しく強い清霞に少しでも追いつきたくて、勉強を始めた美世。二か月後のパーティでの社交デビューを目標に頑張るのは楽しいことだった。そんな中、なぜか夜ごと悪夢に苛まれ、誰も頼れず美世は体調を崩してしまう。さらに美世を狙う者が現れ、美世と清霞の気持ちはすれ違い―。これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。

前作で謎だったことが少し解明された回でしたね。
齊森家のゴタゴタが一応解決して、美世は清霞にふさわしい妻となれるよう勉強をし始める。
その先生が清霞の姉葉月なのですが、素敵なお姉さんですねー…
読んでいてこんなお姉さんがいたらいいなぁと思ってしまいましたよ。
美世の頑張りたいという想いとは裏腹に毎日悪夢を見て衰弱していく美世。
根源は美世の母親の家系である薄刃家にありました。
展開が乱暴な感じもしましたけど、最後はニヤニヤする展開で上手いこと言って良かったです←
今回は登場人物が一気に増えましたね。これからの展開も楽しみです。

<KADOKAWA 2019.7>2021.10.15読了

わたしの幸せな結婚 顎木あくみ4

わたしの幸せな結婚 (富士見L文庫)
顎木 あくみ
KADOKAWA
2019-01-15


名家に生まれた美世は、実母が早くに儚くなり、継母と義母妹に虐げられて育った。嫁入りを命じられたと思えば、相手は冷酷無慈悲と噂の若き軍人、清霞。大勢の婚約者候補たちが三日と持たずに逃げ出したという悪評の主だった。斬り捨てられることを覚悟して久堂家の門を叩いた美世の前に現れたのは、色素の薄い美貌の男。初対面で辛く当たられた美世だけれど、実家に帰ることもできず日々料理を作るうちに、少しずつ清霞と心を通わせていく―。これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。

試し読みで漫画を読んで続きが気になったので小説版を読みました。
美世の父親は恋人がいたにもかかわらず親が決めた婚約者と結婚し美世が生まれて、美世の母親は早くに亡くなったため父親はかつての恋人と結婚し子供も生まれる。そのため幼いころから使用人のように育てられた美世。漫画の方もなかなかひどかったですが文章でもひどいですね。
そして婚約者が決まったからと家を追いだされた美世。ほかに帰る場所がないと冷酷無慈悲と言われている婚約者のもとへ向かいます。
清霞は清霞で自分の容姿のせいで女性に対して嫌悪感を抱いており、美世もその女性たちと同じだろうと初めは冷たくあしらいます。
そんな愛情に飢えて生きてきた2人だからかお互いに相手を大事に想うようになります。
美世の扱いは最後までひどかったけど、この作品で美世の家族の問題は丸く収まりましたよね。良かった良かった。
でも美世はまだちょっと自信なさげですし、美世の能力も分からないままだし、清霞の家のこともよくわからないですよね。5巻まで出ているようですしそれが明かされていくのでしょうか。2も楽しみです。

<KADOKAWA 2019.1>2021.9.26読了

武士とジェントルマン 榎田ユウリ5

武士とジェントルマン
榎田 ユウリ
KADOKAWA
2021-04-14


日本の大学で講師として教えるため来日した英国人・アンソニー。
居候先をイギリスの恩師が手配してくれたが、空港に迎えに来た青年に出会ってびっくり。彼はキモノにカタナ、チョンマゲの武士だった!
現代日本に武士がいたのか……!?
その彼・隼人が言うには、「伝統文化の保持ならびに地域防犯への奉仕を目的とする新しい武士制度」として現代の武士は存在するらしい。
英国紳士と青年武士の不思議な同居生活が始まった!
地域で愛され活躍している彼だが、実は悲しい過去も抱えていて……。
著者デビュー20周年記念作品!
肩書や属性と「個」、「自分らしい生き方」を考える普遍的かつ現代的なテーマは、今の時代だからこそ届けたい作品です。
装画は、漫画家・萩尾望都による描き下ろし!

著者さん、デビュー20周年なんですね。まだ長編は2冊目なのでこれからどんどん読んでいきたいです。
今回は武士と英国紳士のお話。この作品の世界では武士がまだ存在しています。と言っても思いっきり武士なわけではなくて武士の精神が残っているというか…なんか表現が難しいですけど。
物語は武士の家に英国紳士が居候して異文化交流をして友情が深まっていく…みたいな感じかな。なんか私が表現すると薄っぺらいですね^^;
物語はとても面白かったです。大きく3つくらいお話のテーマがあるけど区切らずに続いていっている感じ。隼人が教える剣道教室で生徒が大きな痣を付けていることに気づいたお話と、隼人の叔父との話と、北海道からやってきた小さな武士とのお話。
どのお話も良かったけど根底には隼人とアンソニーの境遇というか生き様もあって、読んでいて切なくなるところもたくさんありましたけど、読んで良かった…
特に最後のルリちゃんとのお話が良かったなー…まさかの展開に驚きましたけど…
そして隼人とアンソニーの関係もとてもいいです。2人の暮らしをもっと読んでいたいくらいでした。

<KADOKAWA 2021.4>2021.9.22読了

猫弁と鉄の女 大山淳子5

猫弁と鉄の女
大山 淳子
講談社
2021-07-28


累計40万部突破、大人気「猫弁」シリーズ!
冴えない容貌、天才的な頭脳……自分のことは後回しで人の幸せを第一に考える稀代のお人好し弁護士、百瀬太郎。
婚約者である大福亜子との間にとうとう進展が……!?
今日も変わらず奇妙な事件を引き寄せる百瀬。
迷子のサモエドを追いかけて依頼人からの預かりもの(カメレオン)を喫茶店に忘れ(出入り禁止となる)、サモエドを一時的に預かることになった老婦人の庭からは埋蔵金が……!
今回の物語で、もうひとりの主人公とも言えるのが、二世議員の宇野勝子――通称「鉄の女」。
東京の花粉一掃を公約に、もえぎ村の杉林伐採を掲げるが、その行方は……。
宇野勝子、その対抗馬の桃川いずみ、サモエドを預かることになった小高トモエ、そしていよいよ出産する春美、百瀬顔負けの真っすぐさで仕事に取り組む亜子……彼女たちからは「人生いろいろ」という当たり前のことを教えられ、ぽかぽかとした勇気をもらえます。
今まで「猫弁」を読んだことがない人でも大丈夫!
今作からでもお楽しみいただける、そんな優しくあたたかい作品です。

こちらのシリーズを読むと、人にやさしくなろうって思うんですよね…今回もそうでした。
人にやさしくなろう。仕事を一生懸命やろう。百瀬や亜子のまじめさ、まっすぐさを目の当たりにするといつもそう思います。人間が出来てるんですよねー…
今回は議員さんの話と百瀬がかかわるトモエさんの話と最初は2つが順番に進んでいっていつつながるんだろうと思っていたのですが、繋がり方が面白かったですね^^まさかそう繋がるとは。
そして展開が面白すぎて読む手が止まりませんでした。そうきたかー!
本当に、心から百瀬と亜子には幸せになってもらいたいです。
そして宇野カツさんも。まさに鉄の女でした。かっこいい女性でした。敵をも最終的には味方にしてしまうんだから凄いです。
このシリーズに出てくる人たちは皆素敵で、私もこうありたいと思わせてくれます。胸がいっぱいになります。素敵なお話をありがとうございました。

<講談社 2021.7>2021.9.9読了

死神と弟子とかなり残念な小説家。 榎田ユウリ5



名前も帰る場所もない。では、弟子入り決定です! 少年は、突然現れた黒ずくめの死神から、何故か見習いに採用された。ナナと名付けられ、「あの世」へ向かう契約書にサインをもらうため、死者(クライアント)の許へ──家族を待つ元音楽教師の老女や、バレリーナを夢見てレッスンに励む13歳の少女に胸打たれる。だが、過去の栄光に縋る中年小説家にはさすがに呆れ……。死を前にしても希望を抱く彼らに接したナナは、死神の任務を全うできるのか。

この作品、シリーズで数冊出ているんですね。読んだ後に知りました^^;
でも単体で読んでも十分楽しめました。
最初に死神見習いのナナの登場がなかなか面白かったですね。言動から80年代くらいに生きた人なのか…?とは思いましたが、適応能力が凄すぎて笑いました^^若いって素晴らしい!死んでるけど。
ナナが任されたのはおばあさんに13歳の少女に中年小説家。年齢も性別もバラバラだけど、みんなわりかし死を受け入れるのが早かったですね。女の子は特に結末も含めて切なかったな…
そして小説家のくだりでまさかの展開に驚きました…そう来たか。そして小説家の機転が素晴らしすぎましたね。ラストがまさかの大団円でびっくり!私はこういうラストが好きなので本当に良かったです。

<新潮社 2021.4>2021.9.5読了

片をつける 越智月子5

片をつける
越智 月子
ポプラ社
2021-03-17


独身の阿紗は、ひょんなことから、隣に住む謎の老婆・八重の部屋の片づけを手伝うことになる。
過去の経験から得た掃除テクニックを八重に教えながら片づけを進める中で、明らかになる八重の過去。そして阿紗も、母子家庭で荒れ果てた部屋に閉じ込められていた幼少期の記憶が蘇ってきてーー。

あらすじが少し気になって手に取った作品。オススメです。とても素敵な作品でした。
第一印象が最悪だった八重。それでも八重の部屋を片付けて関わっていくうちに阿紗にとって八重は特別な存在になっていきます。
阿紗は愛情に飢えていたんだろうなと思います。そして愛に怯えてもいて信用もしていなくて。
変に気を遣うわけでもなく、いても不快を感じなくなっていた2人は相性が良かったのかもしれないですね。八重は八重でなんだかんだ言いながら部屋を片付けてくれる阿紗のことをだんだん気に掛けるようになっていって。最後のあれはずるいですよ。ずるいずるい←泣かされました。
この作品に出会えてよかったです。なんだか無性に部屋の片づけをしたくなりました(笑)

<ポプラ社 2021.3>2021.8.31読了

黒鳥の湖 宇佐美まこと5

黒鳥の湖
宇佐美まこと
祥伝社
2019-12-11


拉致した女性の体の一部を家族に送り付け楽しむ、醜悪な殺人者。突然、様子のおかしくなった高校生のひとり娘。全ては自らが過去に犯した罪の報いなのか―!?推理作家協会賞受賞作家が、人間の悪を描き切った驚愕のミステリー!

初読み作家さんです。一気読みでした。続きが気になって気になって、読む手が止まらなかったです。
いやー…何から話せばいいんだろう^^;いろんなことがありすぎて、どこから話していいのかわからない。
主人公である財前彰太の過去。18年前に施したある”細工”。財前は現在世間を騒がせている事件をテレビで見て、自分が過去に犯した罪に対して罪悪感を抱え、最愛の一人娘がその被害に遭ってしまうのではないかと恐怖にさらされます。そこで18年前に起きた事件について調べ始めます。
この作品の中で登場する「自因自果」という言葉。まさにそれがこの作品のすべてだったと思います。
彰太、由布子、大黒様、若院、そして彰太の周りの人たちみんなが。
彰太が専務を信用しまくっていて、娘の美華のことが気がかりで仕事が手につかなくなった時、頼りすぎてて大丈夫かなぁと思っていたんですよねー。やはりそうでしたか。
そこは予想がついたんですけど、それ以外の怒涛の展開はなんかこちらも色々思考が追いついていきませんでしたよ。目まぐるしすぎる…!
娘の美華に関してはもうよく生きることを投げ出さないでくれた。としか言えない。純粋だからこそ悩んで悩んで反抗することしかできなかった。純粋で頭がいいからこそ色々考えてしまったのかな。いい友達に巡り合えてよかったです。
そして若院と大黒様ですよ。新興宗教なのかと思ったけどそういうわけではなかったんですね。割と早めにもしかしたら…と思っていたんですよ…いやーマジですか。いやそんな気はしてたんですよ。いやーそうですか←
大黒様の正義、若院が求めた愛情。本当に「正しいものと邪悪なものは背中合わせで存在する」のだなと思いました。2人は歪みすぎてこじらせてる感じでしたけど^^;
彰太は社長には向いていなかったのかもしれないですね。由布子と美華と家族で良いことも悪いことも分かち合いながら仲睦まじく生きていってほしいなと思いました。もう一つの家族とも。
にしても健君は若院を演じるんですね。確かにこれまでになかった姿を見ることが出来るのかなと思います。とてもとても楽しみです。

<祥伝社 2019.12>2021.5.7読了

そこに工場があるかぎり 小川洋子5

そこに工場があるかぎり
小川 洋子
集英社
2021-01-26


作家小川洋子氏による、おとなの工場見学エッセイ。
あのベストセラー『科学の扉をノックする』の工場版ともいえる本です。
幼いころから変わらぬ小川さんの好奇心と工場愛がじわじわ心にしみて、今、日本のものづくりに携わる人々と、繊細で正確な数々の製品のこと、あなたもきっと、とても愛おしく思うようになるでしょう!
<目次>
細穴の奥は深い (エストロラボ<細穴屋>)
お菓子と秘密。その魅惑的な世界 (グリコピア神戸)
丘の上でボートを作る (桑野造船)
手の体温を伝える (五十畑工業)
瞬間の想像力 (山口硝子製作所)
身を削り奉仕する (北星鉛筆)

小川さんが見学された工場はどれも興味深いものばかりでした。
特に1番最初が簡単に言うと穴をあける仕事!穴を開けるとは?と興味をそそられました。
一言で穴を開けると言っても大きさも形も深さも色んなパターンがあって色んな技法があるんですよね。特にこちらの会社は女性の社長さんで、女性が働きやすい環境を作ることが目的だったそうです。素晴らしいです。
保育園の子供たちが大きな籠のようなものに何人も乗ってお散歩している光景は私も何度か見たことがあります。あれはサンポカーって言うんですね。知りませんでした。
鉛筆の作り方も知らなかったからビックリしました。
この作品を読んで、工場見学に行ってみたくなりました。でも、このご時世難しそうですね…。取材されたのはコロナ禍の前。現在はどうされているのか読みながら気になっていましたが、あとがきで書かれていました。やはり皆さん大きく売り上げが落ち込んだようですが、だからと言って気落ちせずに今の時代に合った商品を考えたり、売り方を考えたり、とても前向きでそれもとても素敵だと思いました。
何気なく使っているものが一人一人の考えによって、手によって生まれている。そう考えると何もかもが愛おしく感じます。物を大事にしようと思いますよね。読んで良かったです。
そして現状の諸々が収束したら、外に出て色んな世界を知りたいと思いました。

<集英社 2021.1>2020.3.1読了

猫弁と星の王子 大山淳子5

猫弁と星の王子
大山 淳子
講談社
2020-09-16


婚約したものの、事情により、まだ結婚には至っていない百瀬と亜子。二人が喫茶店にいるとき、「ちょっと見ててもらえますか」と、百瀬の腕に渡されたのは、赤ん坊だった…!一方、上京してきた正水直は、入学金詐欺に遭い、途方に暮れていた。しかし人を助けたことがきっかけで春美と出会い、百瀬のもとへたどり着く。さらに、「死なない猫」の相談まで舞い込み、百瀬は今日も奔走中、事務所は一層賑やかに!果たして、百瀬と亜子の関係はどうなる―!?

前回で終わりだと思っていたので、また逢えて嬉しかったです。
6年振りなんですね。でもこの作品の中では多分時間は進んでいない?
今回は赤ん坊を手渡されたり、入学金詐欺に遭った女の子を引き取ったり、死なない猫の真相を請け負うことになったり何だかいろんなことがありましたね。赤ん坊の事はさておき、色んな出来事が繋がっていくのが面白くて、読む手が止まらなかったです。
百瀬は本当にどんなことがあっても怒らないですね。誰にでも手を差し伸べる。それで今回もたくさんの人が救われたと思います。
2人で甘い雰囲気にはなかなかなれないけど、百瀬と亜子の関係がとても素敵で理想的でした。
また2人に会えたら良いなと思います。

<講談社 2020.9>2020.10.20読了

推し、燃ゆ 宇佐美りん5

推し、燃ゆ
宇佐見りん
河出書房新社
2020-09-10


推しが炎上した。ままならない人生を引きずり、祈るように推しを推す。そんなある日、推しがファンを殴った。

巷で噂になっていた^m^本作を読みました。
あー…痛い痛い。胸が痛いよー。心が抉られました。
主人公のあかりはアイドル上野真幸を”解釈”することに心血を注いでいる。アルバイト代を全て推しにつぎ込み、生活の全てを捧げている。でもだからと言ってお近づきになりたいとか恋人になりたいとかとは違う。推しはあくまで推し。あーわかるー。
帯に書かれていた「病める時も健やかなる時も推しを推す」って言葉が名言過ぎるなと思いました。
私も超絶具合が悪かったけどオーラス行ったことがあるわ…10年以上前なので許して←マスクしてたから。もうしないから…。
推しの一挙手一投足を見逃さず、トークを一字一句聞き逃さず、メモを取り、ブログに起こす。
分かる。分かるよ…。推しは私の背骨…分かる。分かるよ…。
人生の全てを捧げているわけではないけど(いや、捧げてるか?)、でも推しがいるから頑張れるって言うのは凄くあります。自分が辛い時、苦しい時、何よりも救われたのは推しの存在だったから。推しのいない生活なんて考えられない。生きる糧がなくなっちゃう。
長くオタクをしていると「推しは健康で幸せなら良い」と思うようになっていました。でも、この主人公のような状況に陥ったらどこかで幸せであればいいと素直に思えるだろうか…と考えてしまいました。
推しがいなくなった後は余生とあかりは言っていました。私もそう思うけど、でもたぶんあかりとは重みが違うと思います。はっきりとは書いていないけど、あかりは発達障害があって両親はそれに向き合っていません。あかりなりに一生懸命生きているのだと思うけど、周りが当たり前にできることが出来ないもどかしさ、悔しさ、それを分かってくれる人が身近にいないから、少し遠くにいる推しにすべてを捧げてしまう心情も分かる気がします。
最後はあかりの今後が気になって終わってしまったけど、推しを心に抱きながら、自分の人生を生きていってほしいなと思いました。
読んで思ったのは、私の推しには25年以上アイドルを続けてくれてありがとうと言いたいです。私の余生はまだまだ先になりそうです。私は幸せです。
とりあえず私の推しのメンカラが青じゃなくて良かったです^^;青だったらもっと心をえぐられていたと思います…。

<河出書房新社 2020.9>2020.10.5読了

よろず占い処 陰陽屋百ものがたり 天野頌子4



安倍家は男子が育ちにくく、祥明の父も祖父も、その蔵書に目がくらんで婿入りした貧乏学者である。初めて叔母のいる国立の安倍家を訪れた山科春記も、妖怪学を研究する身から、書庫が羨ましくて仕方がない。そして、初めて会った叔母の息子、中学生の祥明少年が書庫で読みふけっていたのは、稀少な『諸国百物語』の原本で…。くせもの揃いの登場人物たちが次から次にあらわれる、今昔のお蔵出しエピソード満載!

今回はスピンオフでいろんな登場人物の目線で沢山の物語が書かれていました。面白かったな。
最初は祥明が中学生だし、三井と倉橋が小学生の時の話もあったし、瞬太のお母さんの姪の馴れ初めも出てくるし。懐かしさもあり、新鮮味もありました。
これからまた話は展開していくのでしょうか。瞬太たちももう高校3年生だけど…。
本編も楽しみにしています。

<ポプラ社 2019.11>2020.7.27読了

川っぺりムコリッタ 荻上直子5

川っぺりムコリッタ
荻上 直子
講談社
2019-06-27


大ヒット映画「かもめ食堂」「彼らが本気で編むときは、」の監督が贈る、書き下ろし長編小説
「なんで生まれてきちゃったんだろうって、ずっと思っていました」
高校生の時に母親に捨てられ、知り合いの家や建設現場を転々とし、詐欺で入った刑務所で30歳を迎えた山田。出所後に海の近くの塩辛工場で働き始めた彼は、川べりに住みたいと願い、ムコリッタという妙な名前のアパートを紹介される。そこには図々しい隣人の島田、墓石を売り歩く溝口親子、シングルマザーの大家の南など、訳ありな人々が暮らしていた。
そんな山田に、役所から一本の電話がかかってきた。
幼い頃に別れたきり一度も会っていない父親が孤独死したので、遺骨を引き取ってほしいという――。
ずっと一人きりだった青年は、川沿いの古いアパートで、へんてこな仲間たちに出会う。
友達でも家族でもない、でも、孤独ではない。
“ひとり”が当たり前になった時代に、静かに寄り添って生き抜く人々の物語。

荻上さんの作品が大好きです。温かくて優しくてこちらも優しい気持ちになれます。
今回はとあるアパートが舞台。母親に捨てられ、いつの間にか詐欺に手を染め刑務所に入り、出所した山田。
川べりに住みたいと願い入居したのは「ムコリッタ」という不思議な名前のアパート。そこに暮らす人たちはどこか不思議でワケありな人たち。
山田も家庭環境が可哀想で、詐欺に手を染めてしまったけどどうか頑張ってほしいと思いながら読んでいました。根は真面目ないい子なんですよね。
アパートの住民のそれぞれの想いが分かってきて温かい気持ちになりました。
温かいご飯を食べられること、仕事が出来る事、生きていること。そのすべてを大事に丁寧に生きていきたいと思える作品でした。

<講談社 2019.6>2019.10.13読了

よろず占い処 陰陽屋秋の狐まつり 天野頌子4



王子の町に怪しいキツネ、あらわる!?
長い家出から戻った瞬太は、夏休みに受けるはずだった補習をほぼ欠席したために、いよいよ卒業の危機に陥る。追加補習を受けながら頑張ろうとするが、家に新生児がいて寝不足になり、居眠りが止まらない。一方、またも連絡がつかなくなった葛城をさがすために、祥明は月村颯子を陰陽屋へよぶが、化けギツネは化けギツネをよび、事態は思わぬ方向に──。
文化祭、年末の狐の行列など、いよいよ冬に向かって季節はめぐる、人気シリーズ第11弾!

11冊目…読み始めた頃はまさかこんなに長く続くシリーズになるとは思っていませんでした^^;
瞬太達ももう高校3年生なんですね。瞬太だけを考えたら小学生みたいですけど…。
高校3年生の年末、学生生活もあと3か月。瞬太はどうなるんですかね。成長がほぼ止まった瞬太と人間は一緒には暮らせない。どういう結末になるのか楽しみです。
というか、本筋がなかなか進まないから早く進んでほしいです(本音)

<ポプラ社 2018.11>2019.4.4読了

土曜はカフェ・チボリで 内山純5

土曜はカフェ・チボリで
内山 純
東京創元社
2016-05-29


オススメ!
児童書の出版社に勤める香衣は、とあるきっかけで“カフェ・チボリ”を訪れ、常連客となる。美味しい料理とあたたかなもてなしに毎回すっかりくつろいで、常連客たちは、身の回りで起こった謎について語り始める。それらはいずれも『マッチ売りの少女』や『人魚姫』などアンデルセン童話を彷彿とさせる出来事で―。「皆さん、ヒュッゲの時間です」高校生店主のレンが優雅にマッチを擦ると、謎は瞬く間に解かれてゆく。土曜日だけ営業する不思議なカフェでの安楽椅子探偵譚。

何かの作品を読んだときに、巻末にこの作品が紹介されていたので気になって手に取りました。
デンマークにアンデルセンにヒュッゲ…北欧好きにはたまらないワードがたくさん登場して、読む前からワクワクしていました。読んで良かった。面白かったです。
「マッチ擦りの少女」「きれいなあひるの子」「アンデルセンのお姫様」「カイと雪の女王」の4編からなる連作短編集です。カフェ・チボリに集まるお客様が持ち込む謎に、常連客とオーナーが挑みます。
結末として好きだったのは「アンデルセンのお姫様」かな。私も人魚姫説に賛成したいです。
こちらのお店に登場する料理がどれも美味しそうだし、雰囲気もとっても素敵。私もカイのように人には教えたくなくて、1人で来たいと思うかも。お金持ち高校生のレン君のキャラクターも好き。完璧そうに見えるけどちょっと子供っぽいところが垣間見えるのも魅力的でした。
物語が続いていて仲間というかお友達が増えていくのも素敵です。その中で香衣が自分を見つめ直していい雰囲気に変わっていくのも良かったです。続編が出ても面白いかも。少し前の作品ですが、期待したいです。

<東京創元社 2016.5>H31.2.21読了

明日はきっと楽になる! 猪俣和沙



“お祈りメール"にうんざりしている就活女子、子宝に恵まれずに自責の念に駆られる妊活女子、家事と仕事の両立で爆発寸前の共働き女子……。
心身共に疲れ果てた女性たちが癒やしを求めてやってくるリラクゼーションサロン。
それぞれ境遇や立場も異なる彼女たちがそこで得たものは、癒やしだけではありません。
セラピストという家族でも友達でもない第三者にだからこそ話せる悩みを吐き出すことにより、自分の悩みを客観的にとらえ、その解決策を模索していきます。
ストーリーの中には、疲れを癒やすためのツボやリラックスの小技も満載。
物語を楽しみながら読み終えた後には疲労解消のポイントを知ることもできる、新感覚の小説です。

女性は男性以上に人生の岐路に立たされることが多いと思います。その様々な岐路に立たされた女性たちが主人公の連作短編集です。SNSに翻弄された女性以外は^^;分かると思う部分が少なからずありました。
私はマッサージは行くけど、リラクゼーションサロンというところには行ったことが無かったかな…。いや、同じなのかな?美容院の指名などもそうだけど、身近な人には言えないことでもちょっと近くてちょっと遠い、第三者になら話せることってありますよね。辛い時って視野が狭くなっているから、それを広げるためにも自分の心と体を癒してあげるのって本当に大事なんだなと読んでいて感じました。
最初と最後のお話が繋がっているのが良いですね。最初にセラピストの人が名乗らないからきっとそうなんだろうなと思いましたけど。「やりたいことを、やってみる」単純だけど大事なことだと思いました。
私も元気をもらいました。バスタブに使ってマッサージをして、明日が楽になるように生きていきたいです。

<幻冬舎 2018.9>H30.12.17読了

よろず占い処 陰陽屋開店休業 天野頌子4

(P[あ]4-12)よろず占い処 陰陽屋開店休業 (ポプラ文庫ピュアフル)(P[あ]4-12)よろず占い処 陰陽屋開店休業 (ポプラ文庫ピュアフル)
著者:天野 頌子
ポプラ社(2018-02-28)
販売元:Amazon.co.jp

瞬太がいなくなった!?
夏休み直前、陰陽屋でバイト中の瞬太の前にあらわれた実の母親を名乗る二人の女妖狐。育ての母みどりも含めた三人を目の前に、どうしていいかわからなくなった瞬太は、雷鳴とどろく嵐のなか店を飛び出していってしまった。それきり二日、三日、…ひと月たっても、戻ってこない長い家出に周囲の心配はつのり、陰陽屋にも埃がたまり始めるが、その頃瞬太は──。
思春期妖狐高校生と、掃除のできないイケメン陰陽師、へっぽこコンビのシリーズ第10弾!

シリーズ10冊目です。著者さん本人もおっしゃっていましたが、読み始めた頃はこんなに長いシリーズになるとは思わなかったなぁ。
前作でついに瞬太の生みの母が登場!…と思ったら事態は思わぬ方向へ向かい、瞬太は現在の両親に迷惑はかけられない、自分はどうしたらいいのかと混乱し、店を飛び出してしまいます。近所の人に「旅に出る」と言い、行く場所もないため両親や祥明が予想した通りの場所へ向かおうとしていたのですが、思わぬ人に声をかけられ思わぬ場所へ行きついてしまいます。
私は羨ましかったけどなぁ。1か月あるなら毎日観光したい…。
それにしても瞬太は高校3年生の割に本当に物事を知らなすぎですね。
留年云々以前に世間の色んなことを勉強すべきだと思いました。
まあ、私が偉そうに言えることではないんですけど^^;
それでも生みの母親が明らかになって、少し進展はしていくのかな。
瞬太の成長が止まり始め、人間と暮らしていくのが難しくなってきて、岐路に立たされつつあります。個人としては瞬太を心から愛し、18年も育て続けてくれた今の両親のもとにい続けてほしいとは思いますけど…。

<ポプラ社 2018.3>H30.11.26読了

くらげホテル 尾崎英子5

くらげホテルくらげホテル
著者:尾崎 英子
KADOKAWA(2018-05-31)
販売元:Amazon.co.jp

「本当なんですかね……ここに、異次元の世界があるって」
フィンランドの「ホテル・メデューサ」で出会った、日本から来た、年齢も性別もばらばらな4人。
人を(たぶん)殺してしまった男、何もかもうまくやれない女、妻に先立たれた男、子育てを終え第二の人生を始めた女。皆それぞれの事情でこの地にやってきていたが、共通しているのはどうやら、「異次元」や「メデューサ/くらげ」といった言葉、そして、地味にファンがいるお菓子「くらげキャラメル」に導かれて、ということのようだった。
さえざえと美しいフィンランドの森で、強い風が吹き抜ける。そして「向こうのほう」から来た、スミレという女性が案内したのは……。
異次元なんてあるわけない、けれど、あるかもしれない。この世界の、「本当の本当のこと」って、なに?
あなたは、異次元に行けるよと言われたら、行ってみますか? (フィンランド経由で)
ちりばめられたユーモアとフィンランドの空気に、心がすうっと楽になる、世界が広がるサプリ小説。

タイトルとあらすじに惹かれて手に取った作品です。初読みの作家さんでした。
それぞれ想いを抱える性別も年齢もバラバラな日本人4人が集まった場所はフィンランドのホテル・メデューサ。ここに導かれたのは偶然か必然か。
個人的にムーミンが大好きだし北欧雑貨が好きなので、まずフィンランドという国が登場したことで興味をそそられました。
フィンランドへはもちろん行ったことが無いですが、文章からこの物語で登場した場所が何だか幻想的で素敵なことが伝わってきます。
4人は素性が本当にバラバラだったけど、年配者二人の生き方が素敵だなと思いました。
典江さんが本当に素敵。旦那さんとの関係も、息子さんとの良い距離感も良いなと思いました。旦那さんと2人きりになった時、こんな会話ができるのが理想です。
多聞を若者と言って良いか分からないけど若者2人は未練があったのかな…。
考え方の違いもあると思うけど、でも、それぞれ自分の考えた意見が正解なのだと思います。心地良い気持ちになれる作品でした。

<KADOKAWA 2018.5>H30.10.5読了

愛してるなんていうわけないだろ 角田光代

愛してるなんていうわけないだろ (中公文庫)愛してるなんていうわけないだろ (中公文庫)
著者:角田 光代
中央公論新社(2000-03-01)
販売元:Amazon.co.jp

空き地で花火をして大声で笑い、終電のプラットホームに声を響かせて走り、夜の闇に声を溶かすように尽きない話をし、言えなかったことや悲しいことを手紙に書き―。時間を気にせず靴を履き、いつでも自由な夜の中に飛び出していけるよう…恋人のもとへ、タクシーをぶっ飛ばそう!初エッセイ集復刊。

妹が友人からもらった本だそうです。でも妹は本をあまり読まない人で、もらってから数年経っても読んでいないから申し訳なく感じたらしく読んで!と強制的に貸し出され^^;読みました。
角田さんが若そうだな…と思ったら、1991年に出版された作品なんですね。途中で20代半ばと書かれていて納得しました。
何だか青春しているというか、なんというか…。
今までそこまで大した恋愛をしてきていない私としてはどうも冷めた目で読んでしまって^^;ダメですね。まあ共感は出来ませんでした。
でもきっと、私がおかしいのであって20代はこういう感じなんですよね、きっと。
人を好きになったら一生懸命で真っ直ぐ。眩しいですね。
印象的だったのは角田さんの友人の話で、顔は良いけど人間的にダメな男と出会い、帰りのタクシーでの仕打ちから運転手に励まされた話。タクシーの運転手さんが素敵すぎました。
若いって武器ですよね。その武器をほとんど使わないまま今に至ってしまって、私は後悔していないけどこういうもんなんだよね普通はと俯瞰して読めて良かったのかもしれません(笑)

<大和書房 1991.12
 中央公論新社 2000.3>H30.9.25読了

川のむこうの図書館 池田ゆみる 羽尻利門5

川のむこうの図書館川のむこうの図書館
著者:池田 ゆみる
さえら書房(2018-02-04)
販売元:Amazon.co.jp

「図書館は好きじゃないんだ」竜司は図書館にいやな思い出がある。卒業前の自由研究で、美紀、悠人といっしょに班になった竜司。土器のかけらをきっかけに、三人は近所の遺跡を調べることに。“どうしたって、あそこへは行かなければならない”図書館へ通いながら、調べ学習を進めるうちに、いつしか、竜司の中で何かが変わっていく…。「坂の上の図書館」に続く、もうひとつの物語。

続けて「山の上の図書館」の続編を読みました。
前作に登場した竜司君のその後のお話です。春菜と同じあけぼの住宅に暮らし、ある日突然転校していった男の子。春菜と同じように母子家庭で母親の気まぐれにより引っ越しを繰り返し、どことなく何かを諦めているようなそんな男の子でした。前作でも出てきた出来事により図書館が苦手な竜司。それでも調べ学習のために図書館へ行かざるを得なくなります。それでもそこで、美紀や悠人と共に調べていくことでいろんな発見をし、興味を持ち始めていきます。
公園の管理人のおじいさんもいい味を出していましたね。さりげなく竜司の家庭についてを聴き、気にかけて手助けもする。元教師らしい優しさを感じました。
竜司自身も良い子なんですよね。図書館の本を破いてしまった時、どうしていいかわからなくて黙っていたけど、同じものを買って返せばいいと分かったら、自分が持っている少しずつ貯めていたお金も出し惜しみすることなく使ってすぐに図書館に謝りに行く。そして怒られることもちゃんと覚悟して。それに、破いてしまった時も責任転嫁もしなかった。その気持ちがある子だからきっと大丈夫と勝手に思ってしまっていました。
気の強い美紀と優しく後押しする悠人。この2人で調べ学習ができたことは、竜司にとって本当に良かったことだったと思いました。
矢田君に関してはある意味わかりやすすぎて微笑ましかったですよね。なんだかんだで美紀が言ったことは逆らわなかったし。嫌い嫌いも好きのうちって言いますからねー。多分実らないと思いますけど←
おじいさんの言った「図書館は宝の山」という言葉がとても好きです。その宝の山が私も大好き。いつかこのお話で竜司に優しく接した司書の人たちのように働けたら良いなと思いました。

<さえら書房 2018.2>H30.4.8読了

坂の上の図書館 池田ゆみる 羽尻利門5

坂の上の図書館坂の上の図書館
著者:池田 ゆみる
さえら書房(2016-07)
販売元:Amazon.co.jp

小学五年生の春菜が暮らすことになったのは、自立支援センター「あけぼの住宅」。ここでは、住む家のない母親と子どもが少しのあいだ暮らせる。あけぼの住宅のとなりには市民図書館があり、春菜は、生まれてはじめて図書館に入った。友人や司書、本との出会いが、春菜を少しずつ変えていく…

「あけぼの住宅」に来た当初は引っ込み思案で自信がなさそうだった春菜。ネグレクトではないようだけど母親に対して遠慮がちだし、嫌われたらどうしようって怯えているし、心配になるような女の子でしたけど、どんどん変わっていきましたね。
住まいの近くにあった図書館に行ったことで沢山の本と出会い、知識を蓄え、感性が豊かになっていくのが分かりました。
また、佐久間さんと出会えたことも大きかったですよね。彼女が前に出てくれたから頑張れたこともあって。佐久間さんは強い女の子でしたね。マイナスの事もプラスに変えるその強さ、私も見習いたいと思いました。
さりげなく図書館の仕事が書かれているのも個人的に嬉しかったです。
更に春菜が掲げた将来の夢。微笑ましかったです。
ジャンルとしては小学生向けの児童書ですが、大人も楽しめる素敵な作品でした。

<さえら書房 2016.7>H30.4.7読了

キラキラ共和国 小川糸5

キラキラ共和国キラキラ共和国
著者:小川 糸
幻冬舎(2017-10-25)
販売元:Amazon.co.jp

「ツバキ文具店」は、今日も大繁盛です。
バーバラ夫人も、QPちゃんも、守景さんも、みんな元気です。
みなさんのご来店をお待ちいたしております。――店主・鳩子
亡くなった夫からの詫び状、川端康成からの葉書き、
大切な人への最後の手紙……。
伝えたい思い、聞きたかった言葉、「ツバキ文具店」が承ります。

「ツバキ文具店」の続編です。読んでいてとても幸せになった作品だったので、続編が出てくれて本当に嬉しいです。今回は代筆屋の仕事よりも鳩子たちの家族の物語という印象が強かったです。晴れて家族となった3人。それだけでとても幸せだけど、よりよい生活を送っていくために考えていきます。
ミツローさんとポッポちゃんの関係がとても好きです。過去に何があっても、私たちは未来を生きていかなければならない。それを選択した2人の未来はきっと明るいです。でも、その過去についての意見がお互いを思うがあまりすれ違い、ケンカにまでなってしまって。でも、意見をぶつけ合えたから良かったのかな。
そしてQPちゃんが可愛い。本当に可愛い。QPちゃんのおかあさんになれて嬉しいという気持ちがひしひしと伝わってきました。
レディ・ババの存在が気になりますけど、無理に好きになる必要はない、感謝をすればいいって良い言葉だなと思いました。

<幻冬舎 2017.10>H30.3.29読了

テーラー伊三郎 川瀬七緒5

テーラー伊三郎テーラー伊三郎
著者:川瀬 七緒
KADOKAWA(2017-12-08)
販売元:Amazon.co.jp

老若男女よ、全力で着飾れ。退屈を吹き飛ばす、曲者だらけの痛快エンタメ!
「自分の人生は、自分以外のだれにもゆだねるな」
死にかけの商店街に突然飾られたコルセット“コール・バレネ”。
それは、少年の人生を変える、色鮮やかな“革命”の始まりだった。
福島の保守的な田舎町で、ポルノ漫画家の母と暮らす男子高生・海色(アクアマリン)。
17歳にして半ば人生を諦めていたが、ある日、古びた紳士服仕立て屋「テーラー伊三郎」のウィンドウに現われた美しいコルセットに心奪われる。
頑固な老店主・伊三郎がなぜ女性下着を――騒然となる町内を尻目に、伊三郎に知識を買われたアクアは、共に「テーラー伊三郎」の新装開店を目指す。
活動はやがて、スチームパンク女子高生や町に埋れていた職人らを巻き込んでいき……。
老若男女、強烈なキャラクターたちが活躍する骨太痛快エンタメ!

初読み作家さんです。この方の作品はずっと気になっていたのですが、今回ようやく手に取ることが出来ました。
タイトルが気になって内容はあまり知らずに読み始めたのですが、アクア同様寂れた商店街にいきなりコルセットが飾られたという展開にちょっと胸が熱くなりました。
自分の境遇に、自分の体躯に、自分の名前に、色んなことが積み重なって人生を諦めていたような少年アクア。身を守るようにひっそりと生きてきたアクアの前に突然登場した、コルセット、コール・バレネ。正直私は知りませんでした。それでもシャッター街と化している商店街に展示されたら目立つということは分かります。
伊三郎とアクアとスチームパンクに職人たち。それぞれ一人では決してなしえなかったことを、それぞれ出来ることで埋めて言った展開がとても好きでした。
何よりとても頑固そうで妻以外は信用していなさそうな伊三郎が、若者の考えもちゃんと尊重しているのが良かったです。中途半端に年を取っている人の方が所詮子供の言うことと受け入れていなかった気がします。80代と10代の交流、素敵でした。
そして最大の敵だった真鍋女史。彼女は自分が正しいと思っていることに自信を持っていて、自分が間違っているとはつゆほども思っていないんでしょうね。そして正しくともその正しさを証明した後、周りがどうなるかなんて考えていないんでしょうね。それはある意味正義の味方でもあり、敵にもなる。でもまあ、人は簡単に変わりませんから、アクアの母親のようにうまくかわしていくことしか解決策はないのでしょうね。いろんな考えの人間がいるわけですし。アクアの担任もいい味出していましたねー。田舎に押し込められて退屈していたという担任(笑)アクアをちゃんと一人の人として対等に話をしてくれる伊三郎と同じような人物でした。
そして職人の方々。もうかっこよすぎましたね。読んでいてこちらも胸が熱くなりました。そして読む手が止まらなくなりました。面白かった!

<角川書店 2017.12>H30.1.7読了

ミ・ト・ン 小川糸5

ミ・ト・ン (MOE BOOKS)ミ・ト・ン (MOE BOOKS)
著者:小川 糸
白泉社(2017-10-27)
販売元:Amazon.co.jp

昔ながらの暮らしを守る国ルップマイゼで波乱に満ちながらも慎ましく温かい生涯を送った女性マリカ。彼女のそばにはいつも神様の宿る美しいミトンがあった―。小説・小川糸、版画・平澤まりこのコラボレーションが紡ぎだす、愛しい物語世界。作品のモデルとなった国・ラトビアを旅するイラストエッセイも収録!

祖父母、父母、兄3人に囲まれて生まれてきたマリカ。
生まれてから成長し、大人になっていくまでを描いた作品でした。
たくさんの人に囲まれてすくすくと成長していったマリカ。そして、生涯愛する人と出会い結婚し、幸せな家庭を築いて。こちらまで心があたたかくなりました。
そんななか、戦争がはじまり、その幸せも暗雲が立ち込めていきます。
どんな時でも人の幸せを願い、ミトンを編み続けたマリカ。
最後はこちらまで元気づけられました。
「つらいときこそ、思いっきり笑う」この言葉を読んだとき、なぜだか涙が出てきました。職場でお昼休憩中に読んでいたから涙を隠すのが大変でした^^;
この作品を読めて幸せです。
ありがとうございました。
最後に書かれていたラトビアを旅するエッセイも素敵でした。

<白泉社 2017.10>H29.11.29読了

よろず占い処 陰陽屋狐の子守歌 天野頌子3

(P[あ]4-11)よろず占い処 陰陽屋狐の子守歌 (ポプラ文庫ピュアフル)(P[あ]4-11)よろず占い処 陰陽屋狐の子守歌 (ポプラ文庫ピュアフル)
著者:天野 頌子
ポプラ社(2017-01-06)
販売元:Amazon.co.jp

桜咲く四月。またも王子稲荷神社のお力か、無事高校三年生に進級できた瞬太。仲間達はそれぞれ大学受験を考えるなか、卒業もあやしい瞬太の将来の予定は真っ白。最近周囲との成長の違いも気になっていて…。また、葛城から陰陽屋に依頼されていた捜し人の月村颯子の登場により、瞬太の母親についての情報が次第に明らかに。瞬太と母との対面は近い―?悩める妖狐高校生と胡散臭いイケメン陰陽師、へっぽこコンビの人気シリーズ第9弾!

このシリーズももう9冊目ですか。早いですね。
瞬太の母親は誰なのか、何だかずーっと引っ張ってきていましたけど、最後にようやく真に迫ってきた…のか?
瞬太ももう高校3年生なんですね。見た目本当に中学生のままな気がしますけど^^;
ま、それについても後々書かれていきますが、高校3年生ということで将来のことも考えてきていましたね。瞬太が向いてる仕事なんてあるんだろうか(失礼)
次回こそは母親の事を詳しくお願いしたいです。

<ポプラ社 2017.1>H29.8.30読了

よろず占い処 陰陽屋恋のサンセットビーチ 天野頌子3

(P[あ]4-10)よろず占い処 陰陽屋恋のサンセットビーチ (ポプラ文庫ピュアフル)(P[あ]4-10)よろず占い処 陰陽屋恋のサンセットビーチ (ポプラ文庫ピュアフル)
著者:天野 頌子
ポプラ社(2016-01-04)
販売元:Amazon.co.jp

年明け、期末試験の点がクリアできていれば、いよいよハワイへの修学旅行に参加できる瞬太だが、王子稲荷のご加護ははたして海外までカバーしてくれるのか。年末にひいた「旅行(たびだち)、難有り」のおみくじの暗示と、瞬太が留守中の祥明の冬休みが気になるハワイ編のほか、嫁と姑の間にはさまれて困り果てた男性の引越し相談、気仙沼からやってきた瞬太の年頃の従姉の起こす騒動など。へっぽこコンビの陰陽屋は今日も大繁盛!なシリーズ第8弾!

前回から引っ張っていたハワイへの修学旅行。行けて良かったね!と思っていたのに瞬太はほとんど寝てるからこっちも全然楽しめなかったんですけど←
ハワイに行くのにはお金がかかるよね…。それなのに食べたものしか覚えていないなんて…!あぁ…もったいない。
それでもまさかハワイに伏線があるとは思いませんでしたねぇ。
今回は全然瞬太の母親に関して進展がなかったですが、最後の最後に「えぇ!?」という展開があって驚き。次回はようやく物語が動くのでしょうか。
ホント、ようやくという言葉が正しいくらい待ちました^^;
続編が楽しみです。

<ポプラ社 2016.1>H28.11.21読了

わたしの容れもの 角田光代5

わたしの容れものわたしの容れもの
著者:角田 光代
幻冬舎(2016-05-26)
販売元:Amazon.co.jp

老いの兆しは、悲しいはずなのに、嬉々として話してしまうのはなぜだろう?減らない体重も、ひどくなる二日酔いも、乾燥する肌も…それは、劣った自分ではなく、新しい自分。変わる、というのは、実際はちょっとおもしろいことなのだ。「変わりゆくカラダ」を好奇心たっぷりに綴る。

等身大の角田さんの身体に関するあれこれが書かれているエッセイです。
角田さんの考え方素敵ですね。年を取るということを流れに任せているような感じ。まだまだ私は若いんだ!と抗っていない感じが良いです。
といっても私はまだ30代前半なので^m^お前が言うなという感じでしょうけども。
角田さんが年を取ったら感じるだろうと思っていたあれこれは私もそうなるんだろうなぁとビクついていたところもあったのですが、この本を読んだらそれも悪くないのかなぁなんてことも思ったりしました。
老いというのは衰えというのに比例するのだろうけど、それでもその自分の変化を楽しむくらいに感じようとするのは素敵だなと思います。
私はまだ年を取ったなぁと思うことはないけど、40代の半ば過ぎくらいからは同じように感じるのかな。そう思うのが楽しみだったりします。
それにしても角田さんは30代以降随分アクティブになったんですねー。
ボクシングを始めたりフルマラソンに挑戦したり。
角田さんはマラソンは歳を取ったら走ろうと思えてくると言っていましたけど、私は小学生から28歳くらいまで走っていましたが、逆に今は全然走りたくないです^m^もう少し年を重ねたらまた走りたいと思うようになるのかなー。もういいかなーめんどくさいから←

<幻冬舎 2016.5>H28.10.21読了

夢の守り人 上橋菜穂子5

夢の守り人 (新潮文庫)夢の守り人 (新潮文庫)
著者:上橋 菜穂子
新潮社(2007-12-21)
販売元:Amazon.co.jp

人の夢を糧とする異界の“花”に囚われ、人鬼と化したタンダ。女用心棒バルサは幼な馴染を救うため、命を賭ける。心の絆は“花”の魔力に打ち克てるのか?開花の時を迎えた“花”は、その力を増していく。不可思議な歌で人の心をとろけさせる放浪の歌い手ユグノの正体は?そして、今明かされる大呪術師トロガイの秘められた過去とは?いよいよ緊迫度を増すシリーズ第3弾。

2冊目に続けて3冊目を読みました。
今回は夢の話。タンダを助けるためにバルサが再び命を懸けます。
現実が辛いと、逃げたくなりますよね。眠っている時の夢が心地よかったら、そのままいたくもなります。
でもそれでも、現実で生きていかなければならない。それに、生きていれば、良いこともあるんですよね。
チャグムとの久々の再会も読んでいてこちらまで感動しました。
チャグムは成長していたけど、でも子供の部分もあって。また少し危うい部分もあるなと思いましたけどでも、再びバルサたちと会ったことでまた変わったでしょうねー。
また逢える時を楽しみにしています。
今回はタンダが大活躍でしたね。…いや、大活躍…じゃないかなぁ^^;
バルサとタンダの絆を感じました。
2人は何だろうなぁ。もう愛情とかそういう簡単な言葉じゃ足りないですよね。
2人にどうにかなってほしいんだけど、ならないんだろうな。
次も楽しみです。今更ながらはまってます。

<新潮社 2007.12
 偕成社 2000.5>H28.8.17読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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