苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

瀬尾まいこ

そんなときは書店にどうぞ 瀬尾まいこ5

そんなときは書店にどうぞ
瀬尾まいこ
水鈴社
2024-12-20


本屋大賞受賞後、たくさんの書店まわりをして、多くの書店員さんたちに出会った瀬尾さんは気付きます。
「こんなに魅力的で楽しい場所があったのか」と。
そんな書店さんとの思わず笑ってしまうエピソードの数々と、水鈴社創立第1作である『夜明けのすべて』が映画化された際の、出演者や監督との交流などの様々な思い出を、瀬尾さんらしい軽妙なエッセイにまとめました。

瀬尾さんのエッセイ集です。
そういえば瀬尾さんはしばらくの間学校の先生と小説家と二足の草鞋を履いていましたよね。だからか編集者さんと関わることがあまりなかったそうで、編集者さんの意図が瀬尾さんに全く伝わっていなかったのが面白かったです(笑)日本人は察してって思うことが多いですけど、本当に言わないと伝わらないですから。それを強く感じました(笑)カルカン先輩とダジャレ社長がたくさん登場して面白かったですが(笑)こちらのエッセイは水鈴社のnoteに連載されていたものなんですかね。水鈴社はよく聞きますが、1番最初に出た作品が瀬尾さんの作品だったとは知りませんでした。しかも「夜明けのすべて」か!私の大好きな作品!映画化もされたからか俳優さんとのエピソードもたくさんあって面白かったです。萌音ちゃんと北斗君のファンはぜひ読んで欲しい。分かってはいると思うけど、2人の人柄の良さが伝わってきます。そして三宅監督も素敵なんですね^^瀬尾さんガチでファンになっている(笑)
最後の短篇「そんなときは書店にどうぞ」いい作品だなーと思って読んでいたらあとがきを読んで驚きました。え!!??「幸福な食卓」の6年後!!??マジか!!!大浦君の弟か!!!って弟のこと全然覚えていないけどごめん…。中原さんって書かれているから気づかなかった…6年後の佐和子ですね…。大浦君のことを忘れていないけど元気そうでよかった。また逢えてよかったです。
更にあとがきには書店の現状について書かれていました。私も読みたい本が多いからついつい図書館に頼りがちなんですけど(勤め先だし)、文芸批評家の三宅香帆さん(こっちも三宅さんだ)が言っていたお金は紙だから本に変えていくべきって言葉を思い出しました(笑)
にしても瀬尾さん、結構ベテランになってから若手芸人さんみたいなことをしてたんですね…書店行脚が面白すぎました…

<水鈴社 2024.12>2025.2.18読了

私たちの世代は 瀬尾まいこ5

私たちの世代は (文春e-book)
瀬尾 まいこ
文藝春秋
2023-07-24


「明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日からだよ」
今でもふと思う。あの数年はなんだったのだろうかと。
不自由で息苦しかった毎日。
家で過ごすことが最善だとされていたあの期間。
多くの人から当たり前にあるはずのものを奪っていったであろう時代。
それでも、あの日々が連れてきてくれたもの、与えてくれたものが確かにあった――。

コロナ禍に小学校生活を過ごしていた冴と心晴。
2人の学生時代と大人になってからが交互に展開されます。
冴は母一人子一人で生きてきて、父親を知らないけど母親から愛情しっかりもらって育って行って。いじめられはしていたけど自分を卑下することは決してなくて。蒼葉が眩しく感じてしまうのは分かる気がします。
心晴も母親から愛情を受けて育っている気がするけど、若干母親の独りよがりもあったような気がするな。父親は知らん。未曽有の感染症で、誰もがどうなるか分からない時代だったけど、それでも両親の強い言葉が、心晴を雁字搦めにしてしまったのかなと思います。
2人が自分の未来をちゃんと考えて歩き出している感じが凄く瀬尾さんらしい優しくて温かい物語で、良いなぁと思いました。
幸せな気持ちで読み終えました。

<文藝春秋 2023.7>2023.9.14読了

掬えば手には 瀬尾まいこ5

掬えば手には
瀬尾 まいこ
講談社
2022-07-06


大学生の梨木匠は平凡なことがずっと悩みだったが、中学3年のときに、エスパーのように人の心を読めるという特殊な能力に気づいた。ところが、バイト先で出会った常盤さんは、匠に心を開いてくれない。常盤さんは辛い秘密を抱えていたのだった。だれもが涙せずにはいられない、切なく暖かい物語。

瀬尾さんらしい優しい物語でした。
梨木君の特殊な能力は特殊なんじゃなくて梨木君が人の気持ちを読み取るのが上手いんじゃないかなと思いました。親も姉も非凡な人で自分は平凡だと悩んでいるみたいだけど、その繊細さは平凡ではないと思いました。だからこそ、梨木君に救われた人がいるわけで。河野さんは特にそうですよね。河野さん良い子だったな…。常盤さんもとってもいい子。過去に辛いことがあったのかもしれないけど良い子。みんないい子でした。店長も最初は何だこいつと思ったけど、根は良い奴でしたね!素直じゃないし、何だこいつの部分は最後まであったけど!←
おまけの冊子も面白かったです。梨木君が普通じゃないことをしようとしていたし、店長が丸め込まれているのとか最高でしたね(笑)

<講談社 2022.7>2022.8.3読了

夏の体温 瀬尾まいこ5

夏の体温
瀬尾 まいこ
双葉社
2022-03-17


夏休み、小学3年生の瑛介は血小板数値の経過観察で1ヶ月以上入院している。退屈な毎日に、どうしたっていらいらはつのる。そんなある日、「俺、田波壮太。3年。チビだけど、9歳」と陽気にあいさつする同学年の男子が病院にやって来た。低身長のための検査入院らしい。遊びの天才でもある壮太と一緒に過ごすのは、とても楽しい。でも2人でいられるのは、あと少しだ──。

瀬尾さんが描かれる小学生の物語、凄く良かったです。とても可愛い。
瑛介の病気も壮太の体質も知らないことばかりでした。2人がたった2泊3日で遊んだだけなのに唯一無二の親友みたいになっているのが良いなぁと思いました。本来は退屈な病院での毎日を2人が色々な遊びを思いついて実行していくことであっという間に時間は過ぎ去っていって。
楽しい時間はあっという間に過ぎていくんだということを思い出しました^^2人の遊ぶ時間はあっという間に終わってしまったけど、きっと2人の友情は繋がったまま物語は続いていくんだろうなと思う最後で良かったです。
「魅惑の極悪人ファイル」も面白かったです。極悪人と言われていても話してみないとわからないことってありますよね^^この2人は良いコンビだなと思いました。多分恋愛関係にはならないと思いますが(笑)いい友人関係にはなるんじゃないかなと思いました。

<双葉社 2022.3>2022.4.13読了

その扉をたたく音 瀬尾まいこ5

その扉をたたく音
瀬尾 まいこ
集英社
2021-02-26


29歳、無職。
ミュージシャンへの夢を捨てきれないまま、怠惰な日々を送っていた宮路は、ある日、利用者向けの余興に訪れた老人ホームで、神がかったサックスの演奏を耳にする。
音色の主は、ホームの介護士・渡部だった。「神様」に出会った興奮に突き動かされた宮路はホームに通い始め、やがて入居者とも親しくなっていく――。
人生の行き止まりで立ちすくんでいる青年と、人生の最終コーナーに差し掛かった大人たちが奏でる感動長編。

瀬尾さんらしいやさしくて温かい物語でした。
にしても。宮路は本当にお坊ちゃんで、毎月親から20万をもらって7年も特に働きもしないで生きてこられたんですからいい気なもんですよねー←
渡部の言うことが本当に正論で1ミリも狂いがなかったですよ。そして渡部が中学生の時の話をするからニヤニヤしてしまいましたよね。
「あと少し、もう少し」で登場した渡部君ですね。立派な大人になって…!って、正直鮮明に覚えているわけではないのですが。でもこういう喋り方だったよねーとうっすらと思いだしたりはしました。そしておばあちゃんと一緒に暮らしていることも。おばあちゃん、お元気そうで何より。
宮路を呼び止め「ぼんくら」と呼んであれこれ買い物を頼んだ水木のおばあちゃんは、初めに宮路のことをどこまで気づいていたんだろう。宮路が変わったきっかけは、渡部のサックスもあるけど、水木さんの存在が大きかったですよね。手紙には泣きました。宮路がみんなの目線で聞こえるように気を遣って話しかけているのは読んでいて感じていました。それをちゃんとわかってくれた水木さん。2人はお互いに数か月だけど交流できて本当に良かったなぁと思います。
そして本庄さんと練習した「心の瞳」この曲、合唱曲だと思っていたのですが坂本九さんの歌だったんですね。知りませんでした。この曲、私は学生の時歌ったことはないのですが印象的な思い出があります。1998年か1999年。「学校へ行こう」の企画で産休に入る音楽の先生のために、学生たちがサプライズで歌を披露するんです。それがこの「心の瞳」でした。先生が指揮をしてみんなが歌って。みんなが涙を流しながらでもしっかりと歌っていたのをすごく覚えています。当時、学生さんたちと同世代だったからなおさら印象的だったのかな。その時に初めて聞いて、なんていい歌なんだろうって思ったんですよねー。20年以上前の思い出を思い出させてくれてありがとうございます(笑)まあ、私はテレビで見てただけなんですけど(笑)
宮路も最後に前に踏み出せて良かったです。前途多難そうですけど。でも、宮路なら大丈夫。
良い読後感でした。読んでいるこちらも温かくて幸せな気持ちになれました。

<集英社 2021.2>2021.6.23読了

夜明けのすべて 瀬尾まいこ5

夜明けのすべて
瀬尾まいこ
水鈴社
2020-10-22


職場の人たちの理解に助けられながらも、月に一度のPMS(月経前症候群)でイライラが抑えられない美紗は、やる気がないように見える、転職してきたばかりの山添君に当たってしまう。山添君は、パニック障害になり、生きがいも気力も失っていた。互いに友情も恋も感じてないけれど、おせっかい者同士の二人は、自分の病気は治せなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる―。生きるのが少し楽になる、心に優しい物語。

いいなー。凄くいいな。2人の関係がとても良かったです。
多分お互いに良い感情を持っているのだけど、それは恋愛とは違う好きなのかなと。
お互いに長い付き合いになる病気を持っていて、お互いに病気の事は分からないけど辛いのは分かる。だからお互いに助けになることを考える。第三者の意見って大事だと思うから、2人の支え合い方はとても良いなと思いました。
美紗は日頃、人の顔色をうかがうことが多いのに、山添君に対してはかなり不躾で言いたいことをはっきり言ってしまうのが面白かったですね。山添君も言われてるから同じように言い返すし。2人の言葉の掛け合いが面白かったです。
瀬尾さんがパニック障害を患っていたなんて知りませんでした。本屋大賞を受賞されて露出や取材が増えて、お子さんもいらっしゃって大変でしたよね…。だからこそ、山添君の苦しみがとてもリアルに伝わってきました。
1人で悩んでいた時は見えないトンネルの中にいるような感じだったと思うけど、特に山添君はみるみる変わっていきましたよね。美紗が入院して退院するまでの気遣いがハンパなくて、出来る子や・・・と思いました。あのテレビのカードのくだりは唸りましたよね。
今は第三者の目で読んでいたけど、もしかしたら自分もそうなってしまうかもしれない。
この作品を読めて良かったです。

<水鈴社 2020.10>2020.11.20読了

傑作はまだ 瀬尾まいこ5

傑作はまだ
瀬尾まいこ
エムオン・エンタテインメント
2019-03-08


「実の父親に言うのはおかしいけど、やっぱりはじめましてで、いいんだよね?」そこそこ売れている引きこもりの作家・加賀野の元へ、生まれてから一度も会ったことのない25歳の息子・智が突然訪ねてきた。月十万円の養育費を振込むと、息子の写真が一枚届く。それが唯一の関わりだった二人。真意を測りかね戸惑う加賀野だが、「しばらく住ませて」と言う智に押し切られ、初対面の息子と同居生活を送ることに―。孤独に慣れ切った世間知らずな父と、近所付き合いも完璧にこなす健やかすぎる息子、血のつながりしかない二人は家族になれるのか?その「答え」を知るとき、温かく優しい涙が溢れ出す。笑って泣ける父と子の再生の物語。

瀬尾さんってこういう複雑な家庭環境をさらりと描くのが本当にお上手ですよね。
人とほとんど関わらず生きてきた小説家・加賀野の元に突然現れた一度も会ったことのない息子、智。
智の立ち振る舞いが何となく瀬尾さんが書かれている人っぽさが前面に出ているような^^
真っ直ぐで素直で傷つきやすそうで、でも本当にいい子で。
智と近所のおじいちゃんおばあちゃんとの交流が良かったなぁ。
人当たりのいい子だなぁと思いましたが、後々その理由が明らかになります。まあ、理由って言うのかな。もともとの性格もあると思うけど…。
加賀野は人と関わらないし、外にあまり出ないから社会人としては本当に非常識な人だと思った。
でも、智が来たことで本当に変わりましたね。小説の作風も少し変わりそう。
加賀野が架空の物語を語り始めたときに、やたらと死に反応していて何かあるんだろうなと思いましたが、その理由が分かって切なくなりました。辛いよね…。
それでも、一つの家族が25年以上経って動き始めるなんて素敵です。ずっとほったらかしていたっていう言い方もできるけど、それでも最後の家族の形がとても素敵でした。
美月さん、とてもとても素敵な方でした。
幸せな気持ちになって読み終えました。

<エムオン・エンタテインメント 2019.3>2019.6.18読了

そして、バトンは渡された 瀬尾まいこ5

そして、バトンは渡されたそして、バトンは渡された
著者:瀬尾まいこ
文藝春秋(2018-02-22)
販売元:Amazon.co.jp

森宮優子、十七歳。継父継母が変われば名字も変わる。だけどいつでも両親を愛し、愛されていた。この著者にしか描けない優しい物語。 「私には父親が三人、母親が二人いる。 家族の形態は、十七年間で七回も変わった。 でも、全然不幸ではないのだ。」 身近な人が愛おしくなる、著者会心の感動作。

名字が何度も変わったとか、血の繋がりとか、複雑な家庭環境とか、そういう境遇の子供の事を勝手に偏見を持って、可哀相とか貧乏とかピアノ出来ないとか思ってたりするけど、それを見事に打ち砕いてくれた作品でした。ここまであっけらかんとしている人も珍しいとは思うけど。それでも、父親が3人いて、母親が2人いても環境が何度も変わっても、みんなが同じように優子を愛しているのが分かって良かったです。何だか良かったとか素敵とか、簡単に言葉で表せるものではなかったです。
親子の絆は血だけじゃないんだなということが凄く分かりました。
私は親になったことがないから何も分からないけど、梨花さんも、泉ケ原さんも、森見屋さんも、それぞれの形でちゃんと優子を子どもとして愛しているのが良いなと思いました。優子という存在が出来て、みんなラッキーっていうんですよね。優子は子どもがいきなり現れるんだから自分の時間は無くなるしお金だって使うことになるし、面倒だと思うこともあったでしょとみんなに問いかけます。それでもみんな素直にそんなことはなかったと言います。それが凄いなと思いました。私だったら多少は思っちゃうかも…。
梨花の愛情のかけ方がぶっ飛んでいて、それでもちゃんと愛を感じましたし、森宮さんが東大に入って一流企業に勤めてその時に感じたこと、そして優子という存在が出来たことに対して思った事とか、そういう考えもあるんだなと思ったら、それなら親子にだってなれるよねって思ったりとか、何だか不思議にも思いましたけど、それでも愛情のかけ方は様々で、そして答えなんて無いんですよね。
「重力ピエロ」を少し思い出しました。お父さんが春に言った言葉。「お前は俺に似て嘘が下手だ」と言った台詞が私は忘れられなくて。決して血の繋がりだけではないんだということを教えてもらった気がして。
最後の優子と森宮さんのシーンを思い浮かべると何だか涙が浮かんできました。
本当にハッピーエンド。上手く言葉で表せないのがもどかしいけど、大好きな作品になりました。

<文芸春秋 2018.2>H30.6.1読了

ファミリーデイズ 瀬尾まいこ5

ファミリーデイズファミリーデイズ
著者:瀬尾 まいこ
集英社(2017-11-24)
販売元:Amazon.co.jp

中学校教師と作家の二足のわらじを履く多忙な生活を送る瀬尾さんに訪れた人生の転機。至ってのん気なご主人との出会い、おばちゃん占い師に背中を押されたプロポーズ、まったく想定外だった妊娠――。
40歳を目前に母となり、電気コードが大好きというやんちゃな娘さんの育児に奮闘する毎日が幕を開けます。
不安でいっぱいのまま迎えた一ヶ月健診。娘さんだけが大音量で泣き続けたお宮参り。中学の教え子たちの成人式に出席するため、初めての家族旅行に。
「乳児 太もも 太すぎ」等インターネットで悩みを検索し続けた日々。「もうおっぱいは飲めないんやな。わかったで」とばかりに、たくましい姿を見せた断乳三日目の夜。
朝の大号泣と帰宅時のご機嫌ぶりのギャップから始まったプレ幼稚園生活。教職時代に生徒たちが教えてくれた、子育てにとって一番大切なこと……。
ほのぼのとおかしく、心をあたためてくれる著者初の家族&育児エッセイ。

瀬尾さん、いつのまにか結婚され、出産されていたんですね。おめでとうございます。
瀬尾さん初のエッセイは今まで書かれた小説のように優しくて温かい、瀬尾さんの人柄が現れているような作品でした。
旦那さんとのやり取りも、娘さんとのやり取りもとても素敵です。
旦那さんののんきなところは素敵でしたけど、私は短気なのでブチ切れるときもありそうだなぁなんて失礼なことを想ったりしました^^;
娘さんはとても活発で一生懸命なお子さんなんだなと思いました。
瀬尾さんが娘さんが何かあるとネットで検索しているのが読んでいてほほえましかったです。瀬尾さんにとってはどれも大事なことなのだと思いますが。
赤ちゃんと子供の境目、確かに分からないですよね。赤ちゃんという表現は何となく歩く前というイメージがあるのですがでもそれは人によって様々ですよね。
娘さんが赤ちゃんと言われたエピソードは「君が夏を走らせる」でも出てきましたよね。
小さい子が言ったとはいえ2歳半で赤ちゃん…違和感。
私も今年甥っ子が生まれて、まさに赤ちゃんの身内が出来たわけなのですが。
生まれたばかりの人←と触れ合ったことがほとんどない私としては未知との遭遇でした^^;なのでましてや自分の子どものことなんて色々気になってしまいますよね。
それでも基本的には自由にのびのびと娘さんが成長している気がしてこちらも気持ちがほっこりとしました。

<集英社 2017.11>H29.12.26読了

君が夏を走らせる 瀬尾まいこ5

君が夏を走らせる君が夏を走らせる
著者:瀬尾 まいこ
新潮社(2017-07-31)
販売元:Amazon.co.jp

小さな手。でたらめな歌。喜ぶ顔。増えていく言葉。まっしぐらに走ってくる姿。夏はまだ残っているというのに、それらをすべて手放さないといけないのだ。寂しい、悲しい。そういう言葉はピンとこないけど、体の、生活の、心の、ど真ん中にあったものを、するっと持っていかれるような心地。金髪ピアスの俺が1歳の女の子の面倒をみるなんて!?16歳の少年の思いがけない夏。青春小説の傑作が誕生!

今、根詰めて読んだら具合が悪くなるかもしれないので気を付けていたのに夢中になって読んで気づいてたら読み終えてました^^;
あぁ…良かった…可愛かった…素敵な作品でした。
主人公の大田君、金髪で悪い奴なのか…と思いましたけど、中学生の時に駅伝をしていたで「ん?」となり、読み進めていって「あの子かー!!」と感動。「あと少し、もう少し」に登場していた子が高校生になったんですね。
見た目は怖そうだし、高校生活も諦めている子ですが根は本当にいい子なんでしょうね。
半ば強引に頼まれた子供の世話をするバイト。
最初は戸惑っていたけどだんだん慣れていった大田君。
慣れてきたらちゃんと食べさせないととか、栄養が偏ると思って自分で色々レシピを考えるとか、おもちゃは何が喜んでくれるかとかそんなことを必死で考える人、なかなかいないですよ。
上原先生のとの再会も嬉しかったです。相変わらずの先生だったけど、先生の言葉には救われたことも多かったんじゃないかな。
先輩もとてもいい人でしたね。昔ワルだったとは思えませんでした。
無理なお願いを聞いてもらってそして後輩がしたことをちゃんと受け止めていて。
大田君ならきっとどこへ行っても大丈夫。上手くやって行けると思いました。
とても良かったです!

春、戻る 瀬尾まいこ5

春、戻る春、戻る
著者:瀬尾 まいこ
集英社(2014-02-05)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
結婚を控えたある日、私の前に兄と名乗る青年が現れた。明らかに年下の「お兄さん」は、私の結婚にあれこれ口出しを始めて・・・。
人生で一番大切なことを教えてくれる、ハートフルウェディングコメディ。

久しぶりの瀬尾さん。読むのが凄く楽しみでワクワクしながら読んだのですが、もったいないもったいないと思いつつ、あっという間に読んでしまいました。
凄く、凄くよかったです。
いきなり一回りも年下の「兄」が現れ、ずかずかと自分のプライベートに踏み込んでくるおにいさん。初めはただただ怪しいと思っていたさくらですが、徐々におにいさんの正体は、自分が振り返ろうとせず、記憶を消していた過去にかかわっているのだと思い始めます。
住んでいるところも、名前も告げないおにいさん。
凄く謎めいているので、このおにいさんは実は既に亡くなっている人なんじゃないかとか変に妄想してしまったのですが。
山田さんやすみれがさくらの兄って紹介していることに何の違和感も感じていないのが不思議でしょうがなかったのだけど、それはおにいさんの雰囲気が本当にいいんだろうなと思いました。
3人での遊園地デートが凄く楽しそう。そしておにいさんが登場したことで山田さんが何を考え何を思っているのかもちゃんと分かってきて、良かったです。
おにいさんの正体が分かったとき、小説を読んで泣かない私がちょっとうるっとしました。
最後の結婚式、凄く凄くあったかかった。
さくらは過去もちゃんと乗り越えて、山田さんときっと幸せになれますね。
読んでよかった。本当に幸せな気持ちになりました。

〈集英社 2014.2〉H26.3.2読了

あと少し、もう少し 瀬尾まいこ5

あと少し、もう少しあと少し、もう少し
著者:瀬尾 まいこ
新潮社(2012-10-22)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
中学校最後の駅伝だから、絶対に負けられない。襷を繋いで、ゴールまであと少し! 走るのは好きか? そう聞かれたら答えはノーだ。でも、駅伝は好きか?そう聞かれると、答えはイエスになる──。応援の声に背中を押され、力を振りしぼった。あと少し、もう少しみんなと走りたいから。寄せ集めのメンバーと頼りない先生のもとで、駅伝にのぞむ中学生たちの最後の熱い夏を描く、心洗われる清々しい青春小説。

好きだー!この作品好きだー!それに、駅伝も好きだー!中学だろうと高校だろうと大学だろうと実業団だろうと好きなものは好きなんだー!!
・・・取り乱しました。すみません。
瀬尾さんの新刊、しかもテーマは駅伝!となったら読まない理由が見つかりません。昔からブログを見てくださっている方ならご存知かと思いますが、私はマラソン、駅伝バカなんです^^;
今回のテーマは中学駅伝。1区から6区を走る6人の男子生徒の物語。1区は陸上部で、走るのが早いけどあんまり自分に自信が持てない設楽君、2区は中学校一の問題児だけど走ることは好きな大田君。3区は頼まれたら断れないムードメーカーのジロー君。4区は近寄りがたい、吹奏楽部と兼任している渡部君。5区は部長に憧れてひたすら追いかける俊介君。6区は部長の桝井君。
それぞれ個性的な可愛い男の子たちでした^^桝井君は幼いころのハイジ(「風が強く吹いている」参照)みたいな感じかな。若い分冷静沈着部分が少し薄い。でもしっかりしてる感じ。
物語が1区から6区という章で別れていて、陸上部に入部もしくは駅伝に参加する課程から本番までという流れで進んで行きます。それぞれの男子たちが秘める想いが可愛らしくてきゅんきゅんしちゃいました。若いって素晴らしい!存分に悩め!←
言い方は悪いけど寄せ集めの6人だからチームワークというのはあんまりよくないのかもしれないです。それでも練習していくうちに何となくまとまって上手くいっていくのが分かって読んでいても嬉しくなりました。桝井君にみんながそれぞれかける言葉とか、渡部君と俊介君の会話とか。良いな〜って思ってしまった。襷は信頼関係がないとつなげないですもんね。
以前テレビで聞いた事があるんです。個人のマラソンレースだと、選手で倒れ込んでゴールする人ってあまりいないんです。でも、駅伝だと襷を繋ぐシーンでは走り終えた後に倒れ込む人がとても多いと。そういえばそうだなと思いました。もちろん個人レースだって大事です。でも、駅伝は団体競技で相手に繋がなきゃいけない。1秒でも早く渡したい。中継所に待っている人がいる。頭にそれが浮かぶから自分が思っている以上の力を出すことが出来るのかなって思うんです。それって危険ですけど凄い事だなと思います。そのことを読んでいて思い出しました。
顧問の上原先生もなかなかいい味出してました。陸上に関しては素人なんですけど、だからと言ってやる気がないわけじゃないんですよね。それに生徒を見下しているわけでもなくてちゃんと対等に話をしているような気がして好感が持てました。大田君に言った言葉や渡部君への脅し?はどこまで知って言ってるのかななんて思いました。ちゃんと全部理解して言ってるんですよね、きっと。
6人の男子たちの中では渡部君がお気に入りでした。違う子目線で読んでいる時は渡部君はなんて生意気な奴なんだろうって思ったらそれにも理由があることが分かって段々可愛らしく見えてきました。おばあちゃんが嫌いなんじゃなくておばあちゃんしかいない自分が嫌いっていう言葉が、おばあちゃんを大事に思っているんだろうなというのが伝わってきましたし。俊介との会話も良かった。お互いに素をさらけ出していて、意外と仲良くなるんじゃないかななんて思いました。
何だか凄く長くなってしまった^^;好きな事になると長くなっちゃうから困ります。大好きな作品でした^^読んでいてとても幸せでしたー。
私が中学生の駅伝を見るのは都道府県別男子駅伝(もしくは女子駅伝)くらいなので、来年はいつも以上に楽しみに見ようと思います。

〈新潮社 2012.10〉H24.11.20読了

僕らのごはんは明日で待ってる 瀬尾まいこ5

僕らのご飯は明日で待ってる僕らのご飯は明日で待ってる
著者:瀬尾まいこ
幻冬舎(2012-04-25)
販売元:Amazon.co.jp
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体育祭の競技“米袋ジャンプ”をきっかけに付き合うことになった葉山と上村。大学に行っても淡々とした関係の二人だが、一つだけ信じられることがあった。それは、互いが互いを必要としていること。でも人生は、いつも思わぬ方向に進んでいき…。読んだあと、必ず笑顔になれる、著者の魅力がぎゅっと詰まった優しい恋の物語。

瀬尾さんの書かれる人はみなさん温かいですね。読んでいて癒されました。
葉山亮太は中学生の時に兄貴を失い、高校3年間はずっと周りが引くくらい暗くなってしまった。そんな葉山に話しかけてくれたのが上村。
上村は何というかサバサバしていて言いたいことははっきり言うし、物事は何でもスパッと決める。それが良いところであり悪いところでもあるんですよね。それは読んでいくとわかりますが。
4章に分かれていて、高校生→大学生前半→大学生後半→社会人と成長していきます。
それぞれ成長があったり葛藤があったり色々あります。
最初は葉山君ですが途中からイエスになります。意味わからないですね^^;
高校生の時は本当に暗かった葉山ですが、本当に大学生以降変わっていきます。本人はそれほど意識していないのかもしれないですが変わっていきます。いい意味で無欲なのが良いのかなぁ。
高校の時には出来なかった友達も大学生になると大学にもバイト先にもできます。またその友人たちが良いキャラで良い奴なんです。人とかかわるのって良いなって思わせてくれます。
兄を失った葉山と両親のいない上村。この2人だからこそ、お互いが必要だったのかなと思います。
上村が2回目の家族を作ることに一生懸命になっていたのに、最後の章は切なかったです。結果どうなったのか、細かく書かれていはいなかったので、まだ望みはあるのだと信じたいです。
私は最近知ったのですが、瀬尾さんは教師を退職されていたんですね…
ちょっと残念ですがこれでたくさん小説が出版されるのかしら!と勝手に喜んでいたりします。

〈幻冬舎 2012.4〉H24.5.24読了

おしまいのデート 瀬尾まいこ5

おしまいのデートおしまいのデート
著者:瀬尾 まいこ
集英社(2011-01-26)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
「おしまいのデート」
彗子は月に1度祖父と会うことになっている。両親が離婚し、母に引き取られて始めは父親と会っていたのだが、父親が再婚したため、代わりに祖父が来るようになった。もうじき母も再婚をするため、今日で祖父に会うのは最後だとおもっていた。
「ランクアップ丼」
三好は高校の頃悪さばかりしていた。隣のクラスの担任上じいは、何故か悪さをすると卵丼を奢ってくれた。就職してからは、代わりに三好が上じいに奢るようになった。上じいは次で自分が奢った数と一緒になるため、次が最後だと言った。
「ファーストラブ」
広田はあまり話したことのない宝田に今度の日曜に出かけないかと誘われる。デートのような誘いだが、それは女性だったらの話だ。
「ドッグシェア」
私は結婚と離婚を経験し、強くなったと思う。会社帰りに捨てられている犬を見つける。餌をあげるようになるのだが、いつも中華料理が置かれていた。これは犬に良くないと張り紙をつけてやめるように伝える。すると翌日、学生らしき男性がその犬の前にしゃがんでいた。
「デートまでの道のり」
祥子は保育士だ。勤める保育園に毎日やってくるカンちゃんと祥子はどうも馴染めていないような気がする。それは、カンちゃんの父親と付き合っていることをカンちゃんが気付いているのではないかと不安に思う。

面白かったです!久しぶりに瀬尾さんの作品を読みました^^
すらっと読める作品でしたが、どの作品もいいです。素敵。
特に好きだったのは「ランクアップ丼」です。不良もどきの三好と上じいの食堂での関わりが本当に可愛らしかったです。こういう先生がいてくれたら、生徒ももっと素直になれるんじゃないかなと思いました。そしてラスト。久しぶりにうるっとしました。予想はしていたけど、読んでいて悲しくなりました。
「ファーストラブ」も面白かったです。また、読んだ後だとタイトルがおかしくて良いですね^^こういう形での男の友情も素敵だなと思います。
あ〜。やっぱり瀬尾さんは良いですね^^
こころがほっこりとしました。

〈集英社 2011.1〉H23.2.27読了

戸村飯店青春100連発 瀬尾まいこ

戸村飯店青春100連発
戸村飯店青春100連発
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大阪の下町にある中華料理店・戸村飯店の二人の息子は、性格も見た目もまるで正反対。
東京、大阪と離れてくらす兄弟が再会をきっかけに人生を見つめ直していく。
一番大切なことは近すぎて見えないもの。
単純でバカでかっこわるいけどかっこいい男子の姿を見事に描いた、瀬尾まいこ・渾身の一作。

いつも行っている図書館で入らなかったので、勤めている図書館で借りました。
(だから買え)
「Re-born はじまりの一歩」を読んでいたので、第1章だけは知っていました。
ようやく全貌が明らかになってよかったです。
コウスケとヘイスケ、性格は全く違いましたね。
ヘイスケが家を出る前まではお互いのことを勘違いしてたような気がする。近すぎて、相手の事が見えていなかったというか。
ヘイスケは始めはヘラヘラしていて、私も嫌いだったけど、でも段々見えてくるヘイスケの心情を思うと、切なくなりました。
みんなにうけようと思って吉本のビデオを見て研究したり、お父さんに認めてもらいたくて包丁の練習をしたり。基本的に真面目で、認められたいと思うのは1番上の性格というか、もって生まれたものなのかな〜と共感できるところがありました。私も長女なので。
ヘイスケが東京で過ごした1年は、決して無駄なものではなくて必要な時間だったのだと力いっぱい思います。
古嶋君という連れと出会えて良かったね。何でも青春ものにしたがるけど、とってもいい子で、ヘイスケには必要な人なんだなと思いました。
コウスケもまっすぐで純粋でとっても可愛いです。
冬からは怒涛の展開でしたけど。
北島君や岡野と言う存在が、とても大きかったのだと思います。
コウスケとヘイスケは、離れたからお互いの気持ちを思いやれるようになったんでしょうね。後半の関係はとても素敵だったと思います。
2人は将来どうなるんでしょうね。
2人で骨肉の争いを繰り広げるのでしょうか^m^
喧嘩しつつも2人でお店を継いで、常連の人たちに愛される店が出来ればいいなと思います。

〈理論社 2008.3〉H22.5.30読了

僕の明日を照らして 瀬尾まいこ3

僕の明日を照らして
僕の明日を照らして
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やさしいことと、やさしくすることは、違う。優ちゃんは、ときどきキレて、僕を殴る。でも僕は優ちゃんを失いたくないんだ。
中学2年の隼太に新しい父が出来る。優ちゃんと一緒の夜は恐くない、はずだったが。キレて自分を殴る父を、それでも失いたくない隼太が逞しく成長する姿を描く。

瀬尾さんの作品はとても久しぶりです。
読みたかったけど、なかなか図書館に入らなくて読めなくて。買えって話ですけど。
この作品は、瀬尾さんらしいようならしくないような・・・。
私は始め、隼太が嫌いでした。
暴力を受けて、それでも優ちゃんのことは大事だし、一人きりでいる夜に比べれば一緒のほうが良いって言うところはとても切なくて温かいと思ったけど。
上手く物事を進めようと勝手に決めて相手の事を考えないところとか、友達と本気で向き合ってない感じとか。
でも、優ちゃんとちゃんと向き合うことで成長していったのかなと思う。
最後の方の隼太はとても優しいいい子になったと思いました。
でもでも、私はやっぱり暴力は怖くて辛い。だから、どうして隼太はそんな頑なに優ちゃんと一緒にいる事を望んでいるんだろうとか、どうして暴力を受けた後に普通に喋れるんだろうとか、不思議でしょうがなかった。
正直、最後まで完全には理解していなかった。
隼太は、やっぱり側にいてくれる大人が欲しかったのかなと思ったり。
1人で夜をすごす事の辛さは私は分からない。
自分がどんな事を思って考えていても、誰かに伝えたくても、家には誰もいないっていうのは、寂しいし、恐怖なのかなとも思う。
その辛さを誰にも告げず、立ち向かっている隼太はとても立派だと思います。
それでだんだん解決に向けて進んでいったのに、最後の最後に怒涛の展開で、あれ〜と思ってしまった。ちょっとビックリ。
お母さんが泣いていたけど、ちょっと気付くのが遅すぎだと思う。
それなら思いっきりあざが見えていた段階で気付いてあげて欲しかった。
言い方が悪いけど、お母さんが関係を壊す権利はない。と隼太と同じ気持ちになりました。
あぁ・・・何だかまとまりがないですね。
どちらにしても、結果的にはいろいろ残念で哀しかったかも。

〈筑摩書房 2010.2〉H22.5.11読了

ありがとう、さようなら 瀬尾まいこ

ありがとう、さようなら (ダ・ヴィンチブックス)

「僕は先生のことを愛しています。今度のテストで100点取るので結婚してください」
辞めてやるって思うことも時々あるけれど、せんせいの毎日はそれ以上の感動がいっぱい。
小説家・瀬尾まいこがデビュー直後から3年半にわたって書き綴ったエッセイ集。

ずっと読みたかったんです。瀬尾さんのエッセイ。
「見えない誰かと」を読んで、ますます瀬尾さんのことを好きになったんです。
やっぱり素敵です、瀬尾さん。
そして、生徒達がとってもかわいいです。
私は今の学生が怖くてしょうがないんですが^^;
8人しかいない3年生の話も好きでしたが、
3年2組との話も良かったです。
何だかとても一生懸命で、私も中学生の時を思い出しました。
合唱コンクールとか、体育祭とか、学校祭とか、生徒会とか、一生懸命やっていたなぁと思って。
生徒が一生懸命な姿を、瀬尾さんはちゃんと見ているんですよね。
あったか〜くなるエッセイでした。」

〈メディアファクトリー 2007.7〉H19.10.8読了

見えない誰かと 瀬尾まいこ5

見えない誰かと

「以前の私は人見知りが激しく、他人と打ち解けるのに、とても時間がかかった。社会に出てからも、わざわざ親しくもない人と一緒に何かするくらいなら、一人でいたいというつまらない人間だった。でも、…」誰かとつながる。
それは幸せなことだ…待望の初エッセイ。

久しぶりの本の更新。今国家試験と大学の試験が重なっていて、危険な状態です^^;
2月5日までは不思議な日記が続くと思いますが、ご勘弁ください・・・。
で、瀬尾さん初エッセイです。
すごく読みやすくてあっという間に読んでしまいました。
瀬尾さん、やっぱり素敵な方だなぁ。っていうのを再確認。
予想通りの人だった。
また周りの方も素敵だね。
最初の2人の校長先生はかっこいいです。そしてやんちゃです^^
高校生に写真を撮ってあげたら、かわりにって、自作の漫画をあげたという学生もとっても気になりました^^;
今から8年前に高校生ってことは、今は私より上なんだな。
なんだか素敵な人になっている気がする。
そして「図書館の神様」には実在の人物がいたのですね。
垣内くんよりかっこいいなんて!
その方にも是非会ってみたい。
瀬尾さんはエッセイも素敵でした^^
この作品は、瀬尾さんファンの人はもちろん、教職を目指す人も読んだほうがいいんじゃないかなって思う。
現役の先生の意見だしね。

〈祥伝社 2006.12〉H19.1.27読了

温室デイズ 瀬尾まいこ4

温室デイズ

中森みちるは小学生の時に学級崩壊を経験し、中学でもその兆候を敏感に感じ取っていた。
そして、それが原因でみちるはいじめの標的となった。
かつて小学生の時にいじめに遭い、転校した優子は、みちるの友人となっていた。
みちるがいじめられるようになってから、優子は教室へ入れなくなった。
かつて学級崩壊からクラスを救ったヒーローの斉藤君は自らパシリとなっている。

読むのがとっても辛かったです。
いじめがテーマだって知っていたので、読むのをためらっていたんだけど、読みました。
現役の教師の瀬尾さんが語るから垣間見える話もたくさんあった。
みちるは本当に強い子だと思う。
人のせいにしないし、どうにかしないとって思っているし、いじめられていても逃げないし。
そんな酷い仕打ちを受けてもまだ、クラスがまとまってほしいと思っているし、自分の今いる場所を「温室」「ぬるま湯」といっている所が凄いと思った。
ちっともそんな状況じゃなかったはずなのに。
今までの瀬尾さんっぽくない作品かなぁと思ってたんだけど、出てくる人はやっぱり瀬尾さんっぽいなと思ったね。
吉川とか、そんな感じ。
駿のような子って、今はたくさんいるんだろうなぁ。
根が悪い子じゃないと思うんだよね。
ただ寂しくて、話をする相手がいなくて、ストレスがたまって爆発しちゃっているだけなんだと思うな。
ただ頷く相手がいるっていうのは、大事なんだと思った。

〈角川書店 2006.7〉H18.12.12読了

幸福な食卓 瀬尾まいこ5

幸福な食卓

オススメ!
突然、父さんが父さんを辞めると宣言をした。
ついでに仕事も辞めるという。
順応性の高い6つ上の兄、直ちゃんは、素直に受け止めているけれど、私は素直に認められない。
家族の食卓は、母さんがいなくなった今でも座る場所は変わらない。
母さんは今は一緒に暮らしてはいない。一人暮らしをしている。
それは、5年前に起きた、家族の大きな事件が原因だった。

もったいないもったいないと思いつつ止まらず、あっという間に読んでしまいました。
たくさんの人が絶賛するこの作品が、気になって仕方なかったので、ようやく読めてよかったです^^
ちょっと風変わりな家族の形。
でも、佐和子の家庭は、これでバランスが取れていて、最高の家族なんだろうなーと思う。
それぞれの心の傷が、様々な形で出ていて、それもまた考えさせられる。
特に直ちゃん。
天才児といわれ続けていたのに、大学へ行かずに農業をしている。
農業がやりたい事だからそれをしてるという、簡単な理由ではなかったんだね。
読んでいて、1番重たくて、話を聞いていかなきゃいけない人は、直ちゃんじゃないかって思った。
直ちゃんの彼女はケバケバしていて嫌いだったんだけど、なかなか良いヤツ。最後は好きになりました。
でも、後半は読んでて辛かったな。
こんな結末になるとは、思ってなかった。
ハッピーエンドとはいえないのかもしれないけど、佐和子が前を向いて生きようとしているのには救われたかな。

〈講談社 2004.11〉H18.8.1読了

強運の持ち主 瀬尾まいこ5

強運の持ち主

オススメ!
吉田幸子、ことルイーズ吉田は占い師。
ショッピングセンターの片隅で占いを始めてから1年近く経つ。
占い師になってからは3年だ。
初めは姓名判断の本や、四柱推命の本を片手に、お客さんを占っていたが、今は直感で占いをすることが多い。
わりと盛況で、悩めるお客さんは絶えない。
連作短編「ニベア」「ファミリーセンター」「おしまい予言」「強運の持ち主」の4作品。

面白かったです^^やっぱり瀬尾さんの作品は好きだなぁ。
2時間くらいであっという間に読んでしまったよ。
やっぱりあったかい。読んでよかったと思える。
中でも私は「ニベア」が好きかな。
子を思う親の気持ちが、伝わってきて何だか感動してしまいました。
子どもが親を思う気持ちもね。
他の作品も大好きです^^
ルイーズの彼氏の通彦もなかなか好きです。
占い師と公務員のカップルっていうのもまたいいね^^
料理を作ってくれる男の人って何だかいいなぁ。ちょっと変なものが入っているのは、困るけどね。
でも、実際の占い師がこういうやり方で占いをしていたら些かショックかも^^;
だって、やっぱりお金を払ってみてもらってるんだからさぁ。
私は何言われるかわからないから、怖がって行った事はないけど。
本当に悩んでいる時って、人の助言も大事だよね。
私は特に優柔不断でヘタレだから、人の意見は凄くほしい。
揺れ動いている気持ちを、決心させてくれるから。最後に決めるのは自分なんだけど。
そう考えると、ルイーズはやっぱり占い師は天職なのかな、なんて、思ってしまいました。

P114「悩みなんて、人に話せた時点で半分は解決だから」

〈文芸春秋 2006.5〉H18.7.12読了

優しい音楽 瀬尾まいこ5

優しい音楽

オススメ!
「優しい音楽」
彼女、千波との出会いは不思議なものだった。
たいしてかっこいいわけでもないのに、千波はじっとタケルを見つめていた。
それが、始まりだった。
不思議な女の子だけど、可愛くて、一気に好きになってしまっていて、告白をした。
そして付き合うことになったのだが、一つ気になることがあった。
千波は、タケルが両親に挨拶することを、ずっと拒み続けているのだ。
「タイムラグ」
彼氏の平太には奥さんと子どもがいる。
付き合ってしばらく経った後に、それを告白された。もう、分かれることは出来ないでいた。
そして、妻と旅行に行くから娘を預かってほしいという。
お人よしで、平太の頼みを断れない深雪は承諾する羽目に。
深雪と平太の娘、佐菜との不思議な1泊が始まった。
「ガラクタ効果」
同棲をしている彼女、はな子はガラクタを集める趣味がある。
かわいいと思うし、負担がかかるとも思う。
そんな彼女が、今度はとんでもないものを拾ってきた。
全く関係のない赤の他人、佐々木さんを拾ってきたのだ。

短編集。
なんとまぁ、不思議な設定の話ばかり。
でも、どれもホント好き。
瀬尾さん、作風ちょっと変わった?そんな気がするのは私だけか。
こんな不思議な設定の話じゃなかったような気がするの・・・
でも、とってもいいのよ。うん。前のも今回のも。
どれもラストが初めは想像できないんだわ。
ほ〜、こうきたかぁ。という感じ^^
どれも暖かくて、ほんわかする。
読むと、何だか幸せな気持ちになるよ。
瀬尾さんの作品は本当に好きだ〜〜〜。

〈双葉社 2005.4〉 H17.10.9読了

卵の緒 瀬尾まいこ5

卵の緒

オススメ!
「卵の緒」
僕は捨て子だ。なぜなら家にあるはずのへその緒がないんだから。
鈴江育生は母親と2人暮らし。育生は父親の顔を知らない。
僕は本当の子じゃないの?というと、祖父母は激しく動揺する。
母親はこういう。
「母さんは誰よりも育生が好き。それはそれはすごい勢いで、あなたを愛してるの。今までもこれからもずっと変わらずによ。」
納得はいかなかったけど、母さんが僕を好きでいてくれるならいいか。と納得はした。
「7’s blood」
七子には7つ下の弟七生がいる。
とはいっても、異母兄弟で七生は父と、父の愛人の子どもである。
父が死に、七生の母親は刑務所に入っている。
そのため、身寄りのない七生を七子の母が引き取ったのだった。
七子は七生のことを好きになれなかった。
七生は子どもらしくなく、人の意見を伺っている。
七子は腹ただしく感じていた。

瀬尾さんの作品、初読がこれでした。
すっごくあったかい。
どちらも凄く母親の愛情を感じた。
共通点は主人公2人は母子家庭だと言う事。父親の愛情を受けずに育ったと言う事。
だけど、素直になれないところもあるけど、お母さんの事が大好きで、大切に思ってる。
不思議な母子関係だけど、素敵だと思いました。
七子と七生は本当に不思議な関係ですよね。
以前ドラマ化されていました。蒼井優と知念侑李。
雰囲気は合ってたかな。私は好きでした。ラストもちょっとほろっときます。

〈マガジンハウス 2002.11〉 H16.7.31読了

図書館の神様 瀬尾まいこ4



図書館の神様

早川清は学生時代、ずっとバレーボールに打ち込んでいた。
中学で3年間続けており、高校でもずっと打ち込んでいた。
ずっと、自分のやり方は正しいと思っていた。
厳しいことを言っても、正しいことならみんな分かってくれると思っていた。
しかし、高校時代、ミスをした部員を厳しく叱った数日後、その子は自殺した。
原因は清ではないかもしれない。でも、清かもしれない。
清はずっと打ち込んできたバレーを辞め、噂や父母の視線から逃れるために田舎の大学へ進学する。
そして今は、高校の講師である。
少しでも、バレーと関わっていたかったからだ。
バレー部の顧問を希望したが、実際顧問となったのは、文芸部。バレーとは全く関係のない部活動。
しかも、部員は1人。垣内くんのみ。
垣内君はひたすら本を読み、芥川龍之介や山本周五郎などを繰り返し読み、文学に勤しんでいる。
顧問は何をしていればいいのか、清は分からずにただ座っていただけだった。
清には浅見さんという彼氏がいる。
浅見さんには奥さんがいる。
でも、清は、浅見さんのことがすきだった。一緒にいたいと思った。
また、清には弟の拓実がいる。いつも何かと世話を焼く弟。
清は仕方なく、今の生活を送っている。

タイトルに惹かれて手に取った本。
始めは、清があんまり好きになれなかったんだ。
だら〜っとしてて、何かあきらめているような感じの生活ぶり。
それは、過去の事件が影響しているのだとは思うけどね。
でも、だんだん変わっていく清はいい感じに見えてきたよ^^
私は不倫は絶対に許さない人。嫌だ。
でも、清にとって、この恋愛は必要なことだったんだろうなぁって思う。
でも!浅見さんは私は嫌い。
浅見さんが持ってくるものは食べたいとも思わないし、教室に通いたいとも思わない。
清の弟の拓実のほうが、よっぽどいい。
清は一人ぼっちじゃなくって、ずっと拓実が味方してくれてたんだなぁって、それが素敵だなぁって思ったよ。
垣内君もよかったし^^
垣内君みたいな子、好きだなぁ。

〈マガジンハウス 2003.12〉 H16.8.2読了

天国はまだ遠く 瀬尾まいこ5

天国はまだ遠く

オススメ!
仕事も人間関係もうまくいかず、毎日辛くて息が詰りそう。23歳の千鶴は、会社を辞めて死ぬつもりだった。辿り着いた山奥の民宿で、睡眠薬を飲むのだが、死に切れなかった。自殺を諦めた彼女は、民宿の田村さんの大雑把な優しさに癒されていく。大らかな村人や大自然に囲まれた充足した日々。だが、千鶴は気づいてしまう、自分の居場所がここにないことに。心にしみる清爽な旅立ちの物語。

面白かったです。
瀬尾さんの本は本当に大好き。
人として大切なことを、毎回教えてくれている気がします。
最初の千鶴は暗くて、読んでいていて嫌な感じだったけど、でも、その雰囲気は私が落ち込んでいる時もそうだなと思ったりもして。
私もこういうところがあれば癒されに行きたいなと思いました。
田村さんも最初は苦手なタイプかなと思いましたが、ぶっきらぼうで大雑把だけど思いやりがある人だし、素敵でした。

〈新潮社 2004.6〉 H17.2.8読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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