ーー決して解かれえぬ謎と共に炎に包まれ、この世から消え去った「大樹館」。
この館に住み込みの使用人として働く穂村時鳥は、「これから起こる大樹館の破滅の未来」を訴えるおなかの胎児の声を頼りに、その未来を塗り変える推理を繰り返すがーー!?
乙一さん初となる館ものだそうです。
でも、ミステリとは少し違ってファンタジー要素もありました。
主人公はこの大樹館で働く使用人である時鳥(ホトトギス)彼女は突然幻聴のような声を聴くようになる。その声は自分のお腹の中にいる胎児を通して未来の子供が話しかけているらしい。始めは疑いながらも胎児の声を聞きながら、時鳥は館で起きた殺人事件の真相について調べていきます。
時鳥の日頃の話し方なども相まって何だかずっと幻想的な世界に迷い込んでいるような不思議な感覚に陥りました。時鳥を始め登場している人たちがどこか浮世離れしているからかもしれません。
始めは疑っていた胎児の言葉を次第に信じるようになり、愛情をもって接しているような気がして、最後には微笑ましさも感じました。息子であるツバメは、未来で母親は無実の罪を着せられ非業の死を遂げるため、母親の名誉を守りたいと奔走しているのですから、それは次第に愛情を持ちますよね。
事件の真相や犯人は意外なようなそうでもないような。でも不快感は無かったのでまあ良いです(良いのか?)
早々と父親が誰か判明するので、なるほど…と思ってからの真相にそっちのほうが恐怖を覚えました。ハッキリと書かれていないけど、もしかして父親は…?
久しぶりの乙一さん名義の作品を楽しむことが出来ました。
<講談社 2024.9>2026.5.11読了




























