山白朝子による、戦慄の小説家奇譚。
文章を読むと、作家の内面を体感できる共感覚を持つ女はある時、吐くほどにおぞましい内面世界を持ったΩという作家を見つける。Ωの驚愕の正体とは。(スコッパ―の女)
著者が知り合った奇妙な作家L。彼は物事の終焉までの距離を【深さ】として観測できるらしい。ある日Lは鏡に映った自分に【深さ】が全くないことを知る……。(終焉を告げる小説家)
自分が生み出した天峰翔陽というキャラクター。同名の人物が現実にいることが分かり、やがて物語と現実がシンクロし始める。(シンクロニシティ) 他2編。
小説家に纏わる身の毛もよだつ戦慄の短編集。

小説家にまつわる短編集です。
恐かったけど面白かったです。私は特に「終焉を告げる小説家」が好きかな。少し強めに飲みに誘われた主人公。作家Lの話を聞いているうちにもしかして…?と読んでいるこちらも疑ってしまいましたけど、結果的に少しほろ苦い素敵なお話でした。
「小説講師の憂鬱」がオチが予想外で背筋がゾゾッとしました。「シンクロニシティ」は切なすぎましたね…ただ小説を書いて偶然同姓同名の知り合いの名前になってしまっただけなのに関わった人すべてが不幸になってしまったのが切なかったです。怖いというか辛い…
山城さんらしいブラックな感じが今回もとても良かったです。

<角川書店 2026.3>2026.4.8読了