神
フェルディナント・フォン・シーラッハ
東京創元社
2023-09-11


78歳のゲルトナーは、医師に薬剤を用いた自死の幇助を求めている。彼は肉体的にも精神的にも健康な状態だ。ただ、愛する妻を亡くし、これ以上生きる意味はないと考えている。ドイツ倫理委員会主催の討論会では、医学、法学、神学の各分野から参考人を招いて、彼の主張について議論する。彼に致死薬を与えるべきか? ホームドクターや弁護士も意見を述べるが、最終的な結論をくだすのは――「あなた」だ。医師による死の幇助について、観客が投票する衝撃の戯曲!

168ページの短い作品ですが、内容は安楽死についてなのでとても重厚で短さを感じません。
戯曲なので舞台を観ているような感覚で読めました。ゲルトナーは愛する妻を喪い、生きる気力を失っている。不治の病に罹っているわけではなく、身体は健康体である。家族にも安楽死を希望していることを伝えており、大反対を受けたが最終的には納得してくれたのだそう。それでも果たして安楽死は認められるのか。様々なジャンルの証人が安楽死について語っていきます。
日本でも言えることですが「死ぬ権利」は果たしてあるのか。死生観などはこれからも考えて行かなければならないことであると思います。

<東京創元社 2023.9>2025.12.5読了