大嫌いだった姉を亡くした35歳の小説家・高代槙生は、姉の娘である15歳の田汲朝に無神経な言葉を吐く親族たちの態度に我慢ならず、朝を引き取ることに。他人と一緒に暮らすことに戸惑う不器用な槙生を、親友の醍醐奈々や元恋人の笠町信吾が支えていく。対照的な性格の槙生と朝は、なかなか理解し合えない寂しさを抱えながらも、丁寧に日々を重ね生活を育むうちに、家族とも異なるかけがえのない関係を築いていく。
原作のマンガを少し読んで、実写化作品が気になっていました。
始めに朝が両親を亡くすということ以外に大きな展開はなくて、日常を描いた139分という作品なのに、長さを感じませんでした。
親を喪うという悲劇のヒロインが描かれているのではなく、槇生と、朝と、朝の友達のそれぞれの成長していく過程が描かれている作品だと思いました。
槇生は小説家として身を立てていて、稼ぐという部分では自立しているけど、人見知りで家事は苦手で、そんな不器用さが私は好きでした。奈々も笠町くんもとってもいい人たち。
中学生活はあとは卒業式だけで、「普通に」みんなと卒業したかったのにできなくて。高校の入学式では自ら両親を喪っていることを自ら伝える。思春期の感情の機微がひしひしと伝わってきました。
槇生は最初から朝のことを子ども扱いせず、対人として自分の意見をちゃんと伝えているところがとても良いなと思いました。
朝がずっと両親を亡くしても涙を流せなかったのに、最後に流した時に少しだけ前に進めたのだろうかと思いました。それは槇生も。とても良い作品でした。


