その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか
アグラヤ・ヴェテラニー
河出書房新社
2024-11-15


ピエロの父、曲芸師の母、踊り子のわたし。祖国を逃れ放浪生活を送る、サーカス一家末娘の無垢の物語。39歳で非業の死を遂げた伝説の作家による自伝的傑作。シャミッソー賞・ベルリン芸術賞受賞。
「地獄は天国の裏にある。」
祖国ルーマニアの圧政を逃れ、サーカス団を転々としながら放浪生活を送る、一家の末っ子であるわたし。ピエロの父さんに叩かれながら、曲芸師の母さんが演技中に転落死してしまうのではないかといつも心配している。そんな時に姉さんが話してくれるのが、「おかゆのなかで煮えている子ども」のメルヒェン。やがて優しいシュナイダーおじさんがやってきて、わたしと姉さんは山奥の施設へと連れて行かれるのだったが――。
世界16カ国で翻訳、伝説の作家が唯一残した自伝的傑作が、ついに邦訳!

とある界隈で読書モンスターと呼ばれている(笑)池澤春菜さんが出版区に2度目に出演された際、大急ぎで買い物をした本の中にあった1冊です(笑)タイトルが気になりすぎました。
ただタイトルからも、装丁の絵画からも分かるように、内容はとても重たく、そして個性的です。
小さな女の子が必死に生きていく中で抱えている闇を覗いているような、そんな感覚でした。父親も、母親も、姉も歪んでいて、だからわたしも歪んでいっている感じが伝わってきます。
一筋の光も感じることが出来ず、また著者さんが自死されていると知り、本当に絶望しかない…。
それでも著者さんが死を選んだことで心が穏やかになるのならば、それでよいのかもしれない…と思ったりもしました。

<河出書房新社 2024.11>2025.11.26読了