その一言が、謎を呼ぶ――。
自由律俳句の伝道師といわれる俳人・虚池空白と編集者の古戸馬は、本の企画のため、世の中の落書きや看板などに落ちている言葉を、詠み人知らずの名句〈野良句〉として集めている。
そんな彼らが手にした〈野良句〉の裏には、喜怒哀楽に満ちた、それぞれの秘密が隠されていた――。
行きつけのバーの紙ナプキンに書かれた「柱に当たって月消し帰る」、急逝した作家が一筆箋に残した「金拾お我より見つけろ白は黒」、夜の動物園のキリンの写真と共にSNSに投稿された「おりのなかキリンしかしらないこわい」、消息を絶った自由律俳句の天才が箸袋に残した「あかい雨降らばいつかの帰路」など、言葉の裏に潜む人間の愛憎や秘密、時にはある犯罪を、迷コンビが解き明かしていく。

自由律俳句がテーマで最初は仕組みがよく分からなかったのですが、面白く読みました。野良句から分かる数々の謎。謎が解き明かされていくのは面白かったです。『九マイルは遠すぎる』に着想を得たそうですがそちらの作品を知らないので気になりました(笑)
この名コンビは続いていくのでしょうか。続編も楽しみにしています。

<集英社 2025.8>2025.11.7読了