「真」犯人
石持浅海
祥伝社
2025-10-10


仕方がない。犯人になってもらおう。
アーティストを支援する山あいの芸術村に、九人の芸術家の卵と一人の居候、そして四人のスタッフが暮らしていた。ニックネームで呼び合うこの村で、ある日、スタッフのわたしは、発明家エジソンさんの死体を発見。殺したのは恋人で歌人の小町さんのようだが、彼女を犯人にしたくない村長さんは、わたしに、CGアーティストの写楽さんを「真」犯人にするよう指示する。無茶苦茶な要求に戸惑うわたしだったが、いつしか冤罪作りに夢中になって……。

殺人が起きていても警察を呼ばないことが多い石持作品ですが(笑)今回もそんな感じで、とんでもない内容でした(笑)人が死んでいて、犯人が明らかで、でもその人を犯人にしたくないから別の人を仕立て上げよう。あなた、小説書いてたよね、上手いこと物語考えて…ってひどくね?(すんごいざっくりなあらすじ)最初からトンデモだったけど、丁稚である私がストーリーを考えて、上手いこと流れが出来ていたなと思ったけど、ひょんなことから書生さんにバレて書生さんが一般人ならではの考えを述べて、元芸術家の丁稚や寮母と話がかみ合わないくだりはちょっとゾッとしましたね。私も飲み込まれていましたけど^^;至極当然なことを言っている書生さんだけど、この芸術村の中では当然と認識されていない部分があって。この小さな世界が怖かったな…。
殺人事件の犯人に関しては特定の犯人は私は分からなかったけど、冒頭の殺人に関しては勝手に犯人だと思って進めていって大丈夫?とは思ったんですよね。
そして最後に一応事件は解決はするんですけど、最後にスタッフと書生さんが語るシーンも何となく違和感を感じて気持ちが悪かったし、何よりも丁稚が過去と決別して今回の事件をバネに(という言い方が正しいか分からないけど)かつての自分の夢をかなえているのもちょっと気持ちが悪いというかゾッとしたんですよね…。そして最後のシーンで久しぶりの再会を楽しみにしてるくだりとか、普通に男女の関係ではあるんだけど激しい違和感と気持ち悪さが…なんでだろう^^;それも著者さんの狙いなのだろうか…と、色々考えさせられるお話でした(笑)

<祥伝社 2025.10>2025.11.6読了