宣教師フロイス、布教に捧げた半生の深い嘆きと苦悩が井上流手紙文で鮮やかに甦える。キリスト生誕2000年、井上氏受洗50年記念。
先日WOWOWで見た舞台「フロイス-その死、書き残さず-」の原案?がこちらの作品だったということで読みました。ルイス・フロイスは歴史の授業で名前は目にしたことがありましたが、そこまで深くは知らなかったので、こういう人だったのかと改めて知りました。
この作品は往復書簡のような形で始まります。フロイスの両親は3人子どもがいたけど、兄も姉も神に命をささげてしまったから、ポリカルポだけは、仕事をして結婚をして子供が出来て、普通の生活をしてほしいと願っていました。でも、それは叶わなかったんですね。
13歳の時に父親に宛てた「ザビエル神父の右腕になる」との決意の手紙から物語は始まります。
人生の大半を日本で普及活動を行って過ごしたフロイス。
日本の歴史には欠かせない三英傑とも関わり、その他の武将たちとも関わってきました。宣教師から見る武将たちの目線はまた違っていて新鮮でした。
宣教師だけど、人間くささがある感じが舞台と通ずるものを思わせました。面白かったです。
<文藝春秋 1999.12>2025.11.2読了


