マスカレード・ライフ
東野 圭吾
集英社
2025-07-30


ホテル・コルテシア東京で開催されることになった、『日本推理小説新人賞』の選考会。
当日、文学賞受賞の候補者として、ある死体遺棄事件の重要参考人が会場に現れる!?
警視庁を辞め、コルテシア東京の保安課長となった新田浩介が、お客様の安全確保を第一に新たな活躍をみせる!

シリーズ最新作です。
今回は「日本推理小説新人賞」の選考会と、そして新田自身が絡んだ過去の事件が交錯するお話でした。選考会の模様がとても興味深かったですね。この心理戦は東野さんじゃないと書けないだろうなとニヤニヤしながら読んでいました(笑)死体遺棄事件の重要参考人になっているのに本名で投稿しているというのは怪しいなとは思っていたんですよ…。新田が考えた疑問に対して警察は誰も何も感じなかったのだろうかとは思いました。何気ない会話の中にここに繋がるのか…と伏線があったりして(ホテルマンが名簿がなくても大丈夫って警察の味方←をした発言とか)、さすがだなぁと思ったりしました。
殺人事件の真相も、30年前の事件に関してもホテル側に何事もなくて本当によかった。見当違いな事件も起きなくてよかった。ただ、どちらも切なくて哀しい。今までのこちらのシリーズの結末とはまた違った余韻に浸っています。

<集英社 2025.7>2025.10.30読了