商品誕生に秘められたドラマ、新入社員の由寿の奮闘が始まる!
吾輩は乳酸菌である。名前はブルガリア菌20388株。
学生時代に読んだネット投稿小説がきっかけでブルガリア菌が「推し」となった朋太子由寿(ほうだいし・ゆず)の日々を温かく見守っている。
「株式会社 明和」に就職した由寿は、配属となった大阪支店量販部で、阪神・淡路大震災のときに活躍した「おでん先輩」のエピソードを聞き感銘を受ける。
入社して一年後、広報部で由寿は社内報の制作を担当することになり、「明和ブルガリアヨーグルト五十周年」特集のために関係社員にインタビュー取材を行ってゆくのだが……。

宮木さんの新刊だ!(と言っても2年前ですが…)とあらすじを読まずに手に取ったのですが、何よりもタイトルが面白すぎますね。そしてきっとあちらの会社に取材したんだろうなということは分かりました^^
主人公は新入社員の朋太子由寿(ほうだいし・ゆず)始めに大阪支店に配属となり営業を担当、1年後本社の広報部に配属となります。新人ということで昔はありがちだったパワハラやいじめ的なのもふわっとでもあるのだろうかと思ったら、どちらの部署でも大切に育てられていましたよね…時代…となりました(笑)物語は由寿視点の話と乳酸菌の話とネット投稿小説が入り乱れているので始めは少し読みずらかったですが途中から慣れてきました(笑)
朋太子という名字から明太子ってよく言われていましたけど、私は「朋」が名前にある身内がいて、「明」に間違われて訂正するのが嫌だったと散々聞かれて育ったので(笑)明太子に読み間違える…か…?と思いながら読んでいました(笑)
そして由寿が小学生の頃に経験した東日本大震災の話が割とキーになっていたかなと思います。宮木さんは以前東日本大震災がきっかけでとある物語の内容がガラッと変わってしまったみたいなことを話されていたことがありましたが、物語を書くことで当時色々抱えていたものを昇華していったのだろうか…と思ったりしました。東日本大震災を経験した事での家族との関わりとか、読んでいて少し辛かったです。由寿もだけど、お兄ちゃんもとってもいい子で、2人ともそれぞれに幸せになってほしいと思いました。
ヨーグルトやブルガリアの歴史も知ることが出来て面白かったです(笑)

<KADOKAWA 2023.11>2025.10.27読了