犯人はあなた。名探偵がそう決めました。裁判中継が国民的娯楽に!?真実なき時代のモキュメンタル・ミステリ!!
裁判の生中継番組が一大エンターテイメントとなり、「名探偵」が活躍するようになった社会。法学部生の僕はじいちゃんと裁判中継を観ていた。一瞬でトリックを暴く名探偵。有罪は確定。しかし、じいちゃんは言う。
名探偵の推理は間違っている。
凄腕の探偵だったじいちゃんは法廷でかつての弟子と推理対決をすることに――。論理(ロジック)の刃は、空気で決まる“真実(フェイク)”を切り裂くか?
面白かった…!夢中で読みました。似鳥さんの作品は元々私は文章が読みやすくて好きで、作品によっては緩めとダークな作品があるイメージがあるのですが^^;こちらの作品はどちらもあった気がします。裁判の生中継番組がエンタメ化していて、台本が用意され名探偵が事件を解き明かす。それがたとえ間違っていてもそれが正しくなるというとんでもない世界。それが当たり前だと思っている社会、現代でも内容は違えど関連しているものがあるような気がしてゾッとしました。ネットもテレビも見ないまっさらな状態でじいちゃんが目撃したのはいいきっかけだったのかもしれないですね。プロローグで事件のことが書かれていたので、じいちゃんはその事件に関わっていくのかなと思ったのですが、かつての弟子に苦言を呈しただけで終わって、違うのか…と思ったのですが。その後の展開から私の読む手はさらにスピードアップしました。言い方があんまりよくない気もしますが、やっぱり動きだす時は自分の身内に被害が及んだ時ですよね…。よかったー…良かったよー…小さなころから人生を懸けて努力し続けてきた夢をくだらないことでつぶされなくて本当に良かった…
プロデューサーが「でも、テレビに出られますよ?」って言った時、テレビに出ることって何よりも凄いことなのかなぁと読んでいて思いました。もっと大切なもの、この世にいくらでもあるよ?って。
でも逆に「俺もだよ…好きだもん。テレビ」はぐっと来たんですよね…。この熱意、たまりません。
そしてなにより、じいちゃんがとてもかっこよかった!自分の話を多くは語らない男ってかっこいいですよねぇ!介護士の安藤さんもいい味出していました。似鳥さん、いつもこういうキャラクターが登場しますよね。そしてこういうぶっ飛んだキャラクターが大抵顔が良い(笑)悠人くんもとってもいい子で良かったし、内海さんはかっこいいし^^キャラクターも物語もとても好きでした。やっぱり私は最後にスカッとするお話が好きです(笑)
<講談社 2025.8>2025.10.3読了


