見ました…
22分のドラマなのに、1本の映画を見ているようでした。
っていうか今日ちょうど映画「まる」を見ていたから、売れない40代画家みたいな図を続けて見ることになって驚いている(笑)そしてこちらの作品の方が現実的で、そして衝撃的でした…凄かった。
高校生で、母子家庭なのかな。だからアルバイトをしていて、現実を分かっている。絵を描くことは好きだけど、美大はお金がかかるし、卒業したからと言って食べて行けるかどうかわからない。そんな人生諦めモードの春文君と、同じコンビニでアルバイトをしている御所さん。御所さんが画家だということを知って、春文君は御所さんに手ほどきをしてもらい、同じ場所で絵を描くようになります。
このドラマのテーマは「価値」なのでしょうか。それは命であり、絵であり、いろんなものの「価値」御所さんは理屈っぽいけど、言っていることはとても現実的。犯罪者に賞金が付いてある意味価値が生まれていること、1万円の絵がゴッホが書いたと分かった途端に6600万円の価値に跳ねあがったこと、全ての価値は、周りが決めていく。決められていく。
御所さんは、きっと始めは春文君のように純粋に絵を描くことが好きだったのだと思う。でも、年を重ねていくうちに価値に気付いて絶望してこんな屁理屈なおじさんになってしまったのだろうな。それでも御所さんの描く絵は自分の目で見た風景画で、そこに御所さんの純粋さを感じたような気がしました。だからこそ、生きづらかったのだろうな…
コンビニに強盗殺人犯が現れた後、なんだか違和感があったんですよね。御所さんが逃げられたって言っていたけど強盗殺人犯が持っていたデパートの紙袋を持っているし、その後にテレビのニュースでその殺人犯が殺されてそうな報道が出ていたし、もしかしてって。
最後の御所さんのシーンは凄まじくて、春文君はパニックを起こして叫んだり動き回ったりするのかなと思ったけど、その場から動かなくてただ御所さんを見つめていて、状況が目まぐるしすぎて衝撃的過ぎて動けなくなってしまったというのが正解なのかな。
シナリオも読みました。御所さんと春文君の関係がより分かった気がします。御所さんの絵の価値を、春文君だけでも生きている間に分かってくれて本当に良かったと思いました。「俺、御所さんの絵好きだわ」と言った時、ドラマの中では御所さんは泣いてなかったけど、少し笑いましたよね。嬉しかったんだろうなというのが伝わってきました。そしてドラマで分からないと思った部分もシナリオを読んで理解出来たところもあったので良かったです。
風間ぽんの演技のすさまじさは勿論、それにくらいついていった齋藤君の演技も素晴らしかったです。