小学5年生から母の介護。僕はヤングケアラーでした。
いつも優しくて明るくて、自慢のお母さん。そんな母が48歳で若年性認知症を発症したあの日から、幸せだった毎日は徐々に崩れ始めました。
学校から帰宅すると、徘徊する母を捜して連れ戻したり、うまくできない排泄の後始末をする日々。「僕がやらなきゃ家族が壊れる」と思い必死にこらえるも、自分のことすらわからなくなっている母に怒りと悲しみが湧いてきて…。
11歳にしてヤングケアラーになった著者の衝撃の実体験をつづったレタスクラブWEBで人気の連載が書籍化。

最近ネットを開いたらお試しで出てくるようになったので気になって本書を手に取りました。著者さんが割と大人になってから介護保険制度が出来たようなので、1980年代から90年代くらいのお話なのでしょうか。当時はまだ制度は確立していないし、40代で発症されたのなら助成とかもきっとなかったですよね。
近年、ヤングケアラーと言う言葉が用いられるようになりましたが、家庭によってもちろん状況は様々で、でも、対象の人は割と多いのだと言う事に気付かされた気がします。
主人公のお父さんは家庭を顧みなかったわけではなく、子どもたちの学費と、妻の治療費をねん出するために夜遅くまで働いて、帰ってきてからちゃんと介護をしていることが分かりました。お兄さんが辛くて部屋に閉じこもってしまう気持ちも分かりましたけど、でも、主人公が責任を負わされて可哀想だと思いました。
もう手に負えないからと叔母さんの家で暮らすことになっていましたが、叔母さんもちゃんと介護をしていたと思います。多分ひとりで暮らしてきて突然4人暮らしになって、大変だったと思うのに、みんなのご飯を用意して。
誰も悪い人なんていなくて、だからこそ家族のことだからと個人で抱え込まず、社会に頼ることが出来る形に、もっとなっていくことが出来ればと思いました。

<KADOKAWA 2022.11>