幼なじみの真理子と利恵を待ち受けていた苛酷な運命――それは文化祭準備中の事故と処理された一女子高生の墜落死だった。真理子は召され、心友を喪った利恵は抜け殻と化したように憔悴していく。ふたりの先輩である〈私〉は、事件の核心に迫ろうとするが……。生と死を見つめ、春桜亭円紫師匠の誘掖を得て、〈私〉はまた一歩成長する。
シリーズ初の長編作品。〈私〉の大学生活を作品を読みながら一緒に時を過ごしているような気持になります。今回は〈私〉の母校である高校で起きた出来事の話。事故か自殺か分からない状態で物語は進んでいくので出来事という言葉でしか言えないのだけど、亡くなった女子高生が面識のある子だったから、なおのこと気になって真相を探ろうとします。前作の「夜の蝉」でちらりと登場した子だということを知り、なんだかこちらも重たい気持ちになりました(5歳の子を連れてお祭りに行った時に冗談で「お子さんですか〜?」と投げかけた近所の子)
そしてその真相はとても辛くて重たいものでした。亡くなった子も遺された子もやりきれない。
円紫さんが言った「許せないと思うけど救おうと思うことは出来る」という言葉が、少しだけ未来を明るくしてくれたように思います。
<東京創元社 1991.2、1997.2>2025.2.26読了


