鬼は外、福は内。外へ外へと追われた鬼はいったいどこへ行けばいいの?ひなぎくは心を痛め、心で呼ぶのです。鬼さんこちらへいらっしゃい。「ここ」なら誰もあなたを嫌わない。魔法の力に祝福され、不思議を招く竜宮ホテル。今回のお話はひなぎくと節分の夜の物語、「水仙の夢」。小さな書店を響呼が訪う、「椿一輪」。玩具の白猫の魂と懐かしい奇跡の物語、「見えない魔法」など四編。
シリーズ3冊目です。
今回はひなぎくも頑張っていました。ちょうど読んでいたのが節分の時期だったのでタイミングが良かったです。鬼は外と言われて追い出されてしまう鬼。どうしてそうなってしまうのか、不思議に思うひなぎく。ホテルの屋上で出会った鬼には哀しい過去があり、ひなぎくは鬼に寄り添っていました。裏切られ、娘を失ってしまった可哀想な鬼。でも、後世の人々に支えられて、少しは安らげたのでしょうか。だったら良いな。
私は「椿一番」が好きでした。響呼が訪れた長崎の小さな書店。ずっと逢いたかった店主さん。読んでいて何となく予感はしていましたがやっぱりそうで。切ない気持ちになりましたけど、きっと店主さんは響呼がお店に来てくれて本当に嬉しかっただろうなと思います。
響呼が新しい図書館にお呼ばれしたというくだりを読んで、そういえば長崎県立図書館って新しくなったよね!と思ったけど、この作品の数年後の話だったので勝手に勘違いしてしまいました^^;
長崎は1度家族で行ったことがありますがそれからもう30年近く(!)が経ちます。また行きたいな…と思いました。
こちらのシリーズは今回で最後なのでしょうか…。また響呼達に逢えたら良いなと思います。
<徳間書店 2016.5>2025.2.3読了