江戸の料理屋「千川」で料理人として働くきよ。一人前の料理人を目指して精進を重ねていたある日、良き競い相手だった彦之助が独立し、己の店を持つことになった。「彦之助が店を持てるのならば、自分だって……」と揺れる心を持て余していたある日、母から帰郷を促す文が届く。実家に帰れば、店を持つ後押しをしてもらえるかもしれない――誘惑に駆られるきよ。一方で、彦之助は自分の店の奉公人とうまくいかず、信頼できる相手と働きたいと、きよを己の店に引き抜こうとして……
良き競い相手だった彦之助が独立して自分のお店を持ったことで、きよは自分が持っている欲に気づいていきましたね。今まで忌み子と言われて隠れて暮らしてきたんだから、そのくらいの欲は持っていいと思いますよ。それにしても彦之助が根本的には変わっていない気がして、大丈夫か?って思いましたけど^^;末っ子気質なんでしょうか、調子が良すぎますよねー。要はきよを自分のお店で働かせたいだけですよね。勝手だなー。親も末っ子に甘すぎですよね。特に母親の言い分には腹が立ちました。きよの意志が伝わって良かった。そしてそのいざこざから清五郎の成長ぶりもうかがえてよかったです(笑)そして今回思いましたけど、弥一郎はおきよのこと好きですよね?弟子とかそういう気持ちじゃないですよね?彦之助からもらった本を見てお揃いかよって言ったのは完全に嫉妬ですよね^m^そのあたりの人間模様も書かれていくのでしょうか。次作も楽しみです。
<アルファポリス 2023.5>2025.1.31読了