月島美佐はネイルサロン『月と星』を営むネイリストだ。爪を美しく輝かせることで、日々の暮らしに潤いと希望を宿らせる――ネイルの魔法を信じてコツコツ働く毎日である。そんな月島のもとには今日も様々なお客様がやって来る。
巻き爪に苦しむも、ネイルへの偏見からサロンの敷居を跨ごうとしない居酒屋の大将。子育てに忙しく、自分をメンテナンスする暇もなくストレスを抱えるママ。ネイルが大好きなのに、パブリック・イメージからネイル愛を大っぴらにはできない国民的大河男優……。
酒に飲まれがちながらも熱意に満ちた新米ネイリスト・大沢星絵を得て、今日も『月と星』はお客様の爪に魔法をかけていく。
月島美佐 『月と星』を営むネイリスト。丁寧で正確な施術が得意。悩みは人手不足。仕事に忙しく、恋の仕方は忘れてしまった。
大沢星絵 求職中の新米ネイリスト。独創的なセンスの持ち主だが、基礎技術に少しだけ難アリ。すぐに人と打ち解ける高い能力を持つ一方、酒に飲まれると記憶を綺麗に失う。
松永 居酒屋「あと一杯」の大将。巻き爪に苦しむも、ネイルへの偏見からサロンの敷居をまたごうとしない。煮付けを大沢に溺愛されている。
上野琴子 子育てに忙殺される。ネイルをしたいが、「母親失格」と思われるのではと気に病んでいる。
村瀬成之 国民的人気を誇るイケメン俳優。ネイルを心から愛するも、パブリック・イメージからそれを明かせずにいる。
今回の主人公はネイリスト。私は小さい頃からエレクトーンを習っているので爪を長くしたことがなく、更に小さい頃に爪を噛む癖があったので爪が小さいからか何一つ爪に施しをしたことがなく^^;磨いたことも無くて…女子力皆無ですみません…。全く知らない世界でした…奥深い…。美佐の仕事への熱意が凄くて感動を覚えるくらいでした…。そこまで熱意をもって働けるって凄いな…。
好きだったシーンは、美佐が久しぶりに専門学校時代の友人と会って、その友人には10歳の子供がいて、自分のことを自虐的に言ったあと友人が「真剣に働いていたんだね」と言ったところ。自分を肯定してくれて、嬉しかっただろうなぁとなんだかこっちまで嬉しくなりました。ちょっとうるっとしてしまいました^^;私は全然真剣にやってきていないのに(笑)星絵とのコンビも面白かった!…のですが、最後の最後にまさかのコロナ禍がやってきて、でもそこをさらっと終わらせていたのが良かったです。きっとコロナ禍もこの2人なら大丈夫。と、前向きなラストで良かったです。
<文藝春秋 2024.11>2025.1.13読了