夜だけ開店、メニューは1種類。
海里が働く芦屋の定食屋「ばんめし屋」に、迷惑な酔客が現われた。
カラフルな髪色の彼女、レイナは、海里の役者時代のファンだという。
しかし彼を見て失望し、品切れのトンカツを食べたいと言うなどやりたい放題。
聞けば「人生最後の夜に、憧れの人に会い、大好物を食べたかった」らしい。
実は彼女は地下アイドルで、未来に絶望していて……。
海里の新たな挑戦にも胸躍る、青春お料理小説第14弾!

シリーズ第14弾です。何だか強烈なキャラクターの女性がばんめし屋に現れ、なんだなんだと思っていたら地下アイドルをしていた女の子。でもそのグループは解散していてソロになっていて家族のことも複雑で、最初はなんて無作法な子なんだと思いましたが、だんだん愛おしさを感じるようになりました^^レイナは死を選ぼうとしていたけど、夏神さんが作る料理を食べて生きれるかもと感じたシーンがとても好きで。「食べることは生きること」とあるマンガで出てきた言葉なのですが事あるごとに思い出すんです。今回も思い出しました。お腹が空いたと思えて、食べ物を食べていられるうちは人はまだ頑張れるんですよね。レイナが生きる気力を持てて良かったです。最後のおまけも良かったですね^^敏腕社長が付いてるみたいだからきっと大丈夫。
そして夏神さんも、彼女さんの死を人に言えるようになったって凄く大きなことだと思います。次回はまた少し展開があるかな?読むのが楽しみです。

<KADOKAWA 2020.8>2024.11.5読了