芦屋の定食屋「ばんめし屋」。
節分の恵方巻きを振る舞う店員の海里と店長の夏神のもとを、作家の淡海が訪れた。
彼は海里が小説のモデルであると発表し、騒ぎになったことを謝罪。
そして罪滅ぼしのように、海里にオーディションを提案する。
それは小さな店で行われる、往年の人気女優との朗読舞台。
一方夏神は、昔懐かしい料理を復活させ、看板メニューにすべく動き始めるが、厄介な幽霊が現れ……。心震える青春お料理小説第12弾。

淡海先生との関係が気になっていたので、今回ちゃんと和解?出来て良かったです。意外と張本人の海里が冷静で、夏神さんとロイドが敵意(という言い方は語弊があるけど)を向けているのが意外だったかな。海里も大人になったね。そして少しだけ踏み出すために海里は人気女優と朗読をするためのオーディションを受けることに。っていうかゆう子お姉さんって!私もゆう子お姉さんに育てられたんですけど!?←反応しちゃいましたよね。でもこちらの世界のゆう子お姉さんは息子さんを喪っていて、切なかったな。まだ特訓しか受けていない状態なので海里が朗読をどうマスターしていくのかこれからが楽しみです。若干不穏な文章もあったし…これに参加することでまた何かあるのだろうか。
そして夏神さんは厄介な幽霊に課題を出されて悪戦苦闘していましたね。カステラ=シフォンケーキだとは思わないよ。
海里も夏神もそれぞれ自分の道を前を向いて進んでいる感じが良かったです。ゆう子お姉さんが海里に言った中途半端でもいいじゃないって言葉が好きだったな。とにかく挑戦することって大事だと思う。次回も楽しみです。

<KADOKAWA 2019.6>2024.9.20読了