二ノ宮こと葉は、製菓会社の総務部に勤める普通のOL。他人の結婚式に出るたびに、「人並みな幸せが、この先自分に訪れることがあるのだろうか」と、気が滅入る27歳だ。けれど、今日は気が滅入るどころの話じゃない。なんと、密かに片思いしていた幼なじみ・今川厚志の結婚披露宴だった。ところが、そこですばらしいスピーチに出会い、思わず感動、涙する。伝説のスピーチライター・久遠久美の祝辞だった。衝撃を受けたこと葉は、久美に弟子入りすることになるが…。
私はYouTubeの有名人に1万円を渡して本屋さんで本を選ぶ企画が好きなんですが、登場した2,3人が連続で最近読んだ本で面白かった作品ということでこちらの作品を上げていて気になって手に取りました。
確かに素晴らしい作品でした。スピーチライターという仕事も、政治の世界も自分には縁遠いものだと思っていたけど、厚志君の立候補により急に勝手に身近なものに感じながら読んでいました。
こと葉がスピーチライターという仕事を知り、自分もその仕事に邁進する決意をしてからは本当にキラキラしていて働く女性として素敵だなと思って読んでいました。
最後も素敵!なんて素敵なラストなんだろう。素晴らしい物語でした。
久美さんが絶望すること葉に向かって言った言葉、私も心に刻んで生きていきたいです。
<徳間書店 2016.5>2024.9.14読了
「困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。3時間後の君、涙がとまっている。24時間後の君、涙は乾いている。2日後の君、顔をあげている。3日後の君、歩き出している」