兵庫県芦屋市。定食屋「ばんめし屋」を訪れた中学生の少女。その目的は「幽霊に会うこと」。元俳優で店員の海里たちは困惑し、幽霊など出ないと嘘をつく。しかし彼女の会いたい幽霊とは、幼い頃亡くした父の霊だった。
一方、海里はテレビ番組のCMで、作家の淡海が海里をモデルに書いた小説が完成したことを知る。しかも淡海が、モデルが海里であることを明かし、さらに驚きの発言をしたことで大騒動となり……。
大波瀾の第11弾!!

いやー本当に大波乱でしたよ…。せっかく落ち着いてきたのにまたばんめし屋にマスコミがやってくるし。淡海先生は一体何を考えているんだろうと思いましたよね。きっとちゃんと考えてくれているんだろうとは思いましたけど…。
幽霊に逢いたいカンナちゃんの想いは切実で、どうして死んでしまったのか知りたいというのが切なかったです。亡くなった真相も。離婚してしまったけど、お父さんもお母さんもそれぞれにお互いを想い、そして何よりもカンナちゃんを大事にしていたことが伝わって来てじーんとしました。
そして海里のこと。今回は家族も総動員で助けてくれて、頼もしかったですね。1巻の時には実家を追い出されて読んでても辛かったから。そしてマスコミと闘った夏神さんもかっこいい!海里は周りに恵まれてます。でもそれは、海里の人柄もあるんですよね。海里が最後に下した選択は正しいと思います。きっとこのまま芸能界に戻っても優しい海里はどこかでまたくじけてしまうような気がしたので。これから海里はどんな道を選んでいくのか、読み進めるのが楽しみです。

<KADOKAWA 2018.12>2024.9.8読了