1940年、ロンドン。ドイツとの戦争が始まったばかりの英国。
12歳のウィリアム、11歳のエドマンド、9歳のアンナの三人きょうだいの保護者がわりだった祖母がなくなった。三人の両親は幼いころ亡くなっている。遺産がのこされたが、未成年の三人は、後見人がいないと遺産にも手をつけられない。そこで、弁護士のエンガーソルさんが、集団学童疎開に三人も参加することを提案した。空襲の恐れのあるロンドンにいるよりは安全だし、ひょっとしたら疎開先で、後見人になってくれる人が見つかるかもしれない…。
疎開先では辛いことも多い。厳しい疎開生活のなか、3人の救いとなったのは、村の図書館だった。
ロンドンから疎開した本の好きな3人きょうだいの心あたたまる物語。
タイトルが気になってずっと読みたいと思っていました。ようやく読めました。実話なのかなと思っていましたが、そういうわけではないみたいですね。ただ、戦争が起きて集団学童疎開は実際にあって、辛い目に遭った子供たちもたくさんいたようです。
どんな状況に置かれても前を向いて生きている三兄弟がとても健気で切なかったです。そんな三兄弟の心のよりどころは村の図書館とそこで働くミュラーさんとの関わり。ミュラーさんと暮らしたいと言っても反対され、そしてミュラーさんは村の人々になぜか嫌われているようで。その理由が分かった時、戦争の怖さを感じました。直接ミュラーさんは関係がないのに悪者にされて。初めて会った時から三兄弟のことを気にかけていていたことが分かる、3人にそれぞれ手編みの靴下をプレゼントするところはなんだかじんわりと温かい気持ちになりました。最後は心から本当に良かったと思い、笑顔で読み終えることが出来ました。本当に、心温まる素敵なお話でした。
私もミュラーさんまでいかなくても、一人一人に寄り添える図書館司書になりたいなと思いました。
<徳間書店 2023.7>2024.8.13読了


