兵庫県芦屋市。元俳優の海里の職場は、夜だけ営業の定食屋「ばんめし屋」。
人間だけではなく幽霊も常連客という不思議な店で、それなりに楽しく働いている海里だが、近頃気になる事があった。誰かの気配と視線を感じるのだ。
気のせいと割り切って、後輩の李英と芝居を見に行った帰り、海里は「シネ」という言葉とともに突き飛ばされる。
その犯人は、視線の持ち主でもある「重い女」の幽霊、フミで…。

シリーズ9冊目。今回は海里の身が危なかったですねー。そしてそこを救ってくれたのが仁木さんとロイドというのがまだ良いです。そしてなんで海里がそんなに恨まれるんだろうと思ったけど、勘違いとか本当にはた迷惑な。そして成仏しようとするたびに悔しさが出てきて死ねなくて海里達に迷惑かけるとか最後まで好きになれませんでしたけど、その分ちゃんと成仏させてやろうという海里の気持ちにきゅんとしましたね。優しいいい子だなぁ。そして今回はロイドがかっこよかったです。主の命を守るため、自分が壊れることも忘れて闘って、どちらも無事でよかった。そしてお互いに親友だと思うなんて素敵です。いいお話でした。

<KADOKAWA 2017.12>2024.7.16読了