兵庫県芦屋市。
雨の夜、定食屋「ばんめし屋」を訪れた珍客は、青年の幽霊・塚本だった。
元俳優で店員の海里は、店長の夏神たちと事情を聞くことに。
なぜか今までのどの幽霊よりも意思疎通できるものの、塚本は「この世に未練などない」と言い切る。
けれど成仏できなければ、悪霊になってしまいかねない。
困惑する海里たちだが、彼ら自身にも、過去と向き合う瞬間が訪れて……。
優しい涙がとまらない、お料理青春小説第8弾!
プロローグは奈津でした。奈津が児童養護施設で生活していた頃の苦い思い出。きっと意味があるんだろうと思いましたけど、今回の幽霊さんも同じような境遇でした。珍しくハッキリ見える幽霊に海里と夏神とロイドはなぜ成仏できないのか頭を悩ませる。
それと同時に海里は自分の過去について家族と改めて話し合うことに。お母さんが思っていたこともなるほどと思ったし、亡きお父さんも凄いなと思いました。でもやっぱり、お兄ちゃんは辛かったよね。お母さんがお兄ちゃんの意見を聞いてしまうのは分かる気がする。
奈津が海里のお母さんに言われた言葉は読んでいて涙が出ました。お母さん素敵だなぁ。
海里のことや周りの人たちのことがだんだんわかっていくのが楽しいです。
塚本が無事に成仏出来て良かったし、なにより夏神さん!良かったね!ずっと思い悩んでいたことが少しだけでも報われて良かったです。次作も楽しみ。
<KADOKAWA 2017.6>2024.7.15読了