今川家御一家衆・関口氏純の娘で、従属国衆・松平元信(徳川家康)の最初の妻・築山殿。
今川家との敵対による互いの立場の逆転と、長年にわたる別居状態にともなう信頼関係の希薄化から、嫡男・信康に対する思いを強くしていくが、二つの事件によって、終幕を迎える……。
信頼に足る後世史料を丹念に読み解き、信康「逆心」事件の実態と築山殿の死の真相を探る。
築山殿について興味を持ったのは「おんな城主直虎」を見た時でした。脚色しているところはあったと思いますが、とても魅力的な女性だと感じたからです。築山殿の資料がとても少ないということは知らなかったので、そんな少ない資料から推測していく歴史学者の凄さを感じ、また、少ないのに悪女のようなイメージが付いているのか不思議だなと思いました。まあ、亡くなり方が前例があまりない珍しい形だったからというのがあるとは思いますが。瀬名という名前も確定しているわけではないんですね。
築山殿の周りの人物についても丁寧に描かれていて面白く読みました。
<平凡社 2022.10>2024.6.22読了