春休みに出会った探偵は
大崎梢
光文社
2024-03-21


中学2年生の花南子は、父親の海外勤務によって春休みから一人暮らしを始める。その場所は曾祖母の五月さんが経営するアパート「さつきハイツ」。その矢先、五月さんがぎっくり腰で入院、心細い花南子のもとに宛先不明の謎の封書が届く。同級生男子とともにその謎を調べ始める花南子だが、偶然出会った”名探偵“の存在が、花南子の生活を大きく動かし始める……。ちょっぴり切なくて、心にしみる極上の読後感をお約束します。

父親の海外勤務のため、曾祖母が経営するアパートに住むことになった花南子。そこで謎の封書を見つけ、同級生の根尾君と共に調査をし始めます。この2人が近所の出来事に首を突っ込むからこちらはハラハラしながら読んでいましたが^m^それぞれの事件の真相はなかなかに深いしえげつないし中学生が聞いてはダメな内容もあって結構ヘビーでした^^;そして職業柄色々巻き込まれる今津さんお疲れ…って思っていたら最後の展開に呆然としてしまいました。え?そういうこと?
始めの直井さんの事件(事件でもないけど)の時に言っていた言葉を読み返すと、あぁ、そう言う事かと納得しました。有耶無耶になっていてはっきりとは分からないけど、火事場で身の危険も顧みず助けてくれたということは、多分そう言う事なんだろうな…。
花南子も根尾君もまだ15歳で未来はいくらでも選べる。春休みからの経験を踏み台にして、未来へ羽ばたいていってほしいと思いました。

<光文社 2024.3>2024.6.20読了