高梨家の一人娘・真奈が婚約者の渡辺優吾を連れて実家に来た。優吾は快活でさわやか、とても好青年であることは間違いないが、両親の健一と智子とはどこか会話が嚙み合わない。
真奈は優吾君とうまくやっていけるのか? 両親の胸にきざす一抹の不安。
そして健一と智子もそれぞれ心の中にモヤモヤを抱えている。健一は長年勤めた会社で役職定年が近づき、最近会社での居心地が良くない。週末は介護施設の母を見舞っている。将来の見通しは決して明るくない。
智子は着付け教室の講師をして忙しくしているが、家で不機嫌な健一に辟易している。もっと仲のいい夫婦のはずだったのに……。
娘の婚約をきっかけに一家は荒波に揺さぶられ始める。
父母そして娘。三人それぞれの心の旅路は、ときに隔たり、ときに結びつき……
つむがれていく家族の物語。
あらすじからなんだか嫌な予感はしていたんですよ…。予想通りでした^^;未婚の人が読んじゃいけないやつ。ますます結婚したくなくなるやつ(笑)
結婚願望がないからか誰にも共感が出来なかったんですよね。それが悪いというわけではないのだけど。
真奈が1番気持ちが分かるところはあったけど、やっぱりあの人生設計を決めつけた感じが少し気になったかな。優吾はいい子だとは思うけど、やっぱり金銭感覚が違うから一緒に暮らしたら苦労すると思うなー。お金に関することのあれこれを読んでいるだけで結婚は止めた方が良いんじゃない?って思ったもの(笑)まあ、慰謝料の件を直接お父さんに話に行ったところは良かったと思うけど。
優吾の人柄や人気と真奈がどうして自分を選んだのかと思うところが少し「傲慢と善良」を思い出しました。
智子も最後どうしちゃったんだろう。今までの鬱憤が積もりに積もってそうなってしまったのか…。健一もなんだかなぁと思うところは多々あったけど。確かに毎日ため息つかれるのは嫌だな。
健一の妹のデリカシーのなさも嫌だった。優吾の親は論外。まだ父親の方がましだっただろうか。母親に関しては私が智子に言われたことを言われたら一生許せないと思う。智子も真奈も優しいね。
最後は色々うまい事まとまって良かったけど、感想としてはやっぱ結婚は嫌だなっていう一言に尽きるかもしれない^^;
<文藝春秋 2024.5>2024.6.12読了