人の記憶を本のようにして読む特殊能力を持つ漫画家・岸辺露伴(高橋一生)。新作を執筆する過程で、青年時代(17歳の露伴/長尾謙杜)に淡い思いを抱いた女性・奈々瀬(木村文乃)に聞いたこの世で最も「黒い絵」のことを思い出した露伴は、現在その絵がフランス・ルーヴル美術館に保管されていることを知る。「黒い絵」―それは、この世に存在しえない黒で描かれた、この世で最も「邪悪な絵」。その絵にまつわる奇妙な事件に興味を持った露伴は、取材とかつての微かな慕情のために担当編集・泉京香(飯豊まりえ)とパリへ向かう。
ネタバレあります。
岸辺露伴がかつて想いを抱いていた奈々瀬という女性が大きなカギとなる今回の作品。
露伴の青年時代ということで長尾君が登場していましたが、特に歩き方が現代の露伴を彷彿とさせていて凄いと思いました。なぜだか惹かれる奈々瀬という女性。でも、何かに憑りつかれているような怯えているような姿にこちらもなぜだろうと思いながら引き込まれていきました。
奈々瀬が言った山村仁左衛門の「黒い絵」を見つけるために、露伴と泉はルーヴルへ向かいます。
そこで起きた様々な出来事…って軽く書くには重すぎる展開でしたけど^^;
後悔を映した絵。そこでみんなが様々な後悔に捕らわれてスプラッタな状態になったわけですけど、露伴の前に現れた黒を纏った武士のような人は一体誰なのだろうか。そしてどうして奈々瀬がその人から露伴を守れたのか、危機を脱して良かったのですが気になっていました。
それが最後に明らかになります。
青年時代の露伴の頃の奈々瀬を見ていた時も思ったんですよね。とても長い黒髪だけど、キューティクルな感じではないし、何となくぼわっとしていて、綺麗な黒髪ではないなと。その違和感も回収されました。伏線凄い。
露伴に語った「黒い絵」の作者である山村仁左衛門は、奈々瀬の夫だったんですね。2人の末路はとても切なく哀しい。そして露伴の前に現れた黒を纏った武士のような人の正体も分かりました。ただ、露伴に直接関係なさそうなのに…とも思ったんですよね。そうしたら、奈々瀬と露伴に血の繫がりがあることが判明し、全てが腑に落ちました。ヘブンズドアが生者以外にも通用するのかとそこにも驚きましたけど(笑)
怖かった部分も多々ありましたが面白かったです。素晴らしかったです。