記憶の森を探り行き、本との出会いを綴る。深まる謎を追い、魅惑の創作世界へ――映画、詩歌、演劇、父との思い出。萩原朔太郎『猫町』とジャン・コクトー、江戸川乱歩「パノラマ島奇談」と美術館のパノラマ。塚本邦雄生誕百年、シェークスピア劇での松たか子、大竹しのぶの慧眼……はるかな異界へ連れ出される9篇。
「水 本の小説」に続いて第2弾です。映画や本の話は著者さんの博識さが伺えますが、特に印象的だったのはお父様との思い出ですね。著者さんがお父様のことを尊敬していることとそして多大な影響を受けていることが伺えます。中野のお父さんシリーズのように一つ気になったことが調べていくうちにその答えはもちろん、派生していろんなことが分かっていく感じがとても好きでした。
<新潮社 2024.3>2024.5.5読了