嵐の夜の海で遭難した王子を助けた人魚姫(倉橋童話の人魚姫は上半身が魚、下半身が人間)。魔女に頼んで上半身も美しい女に変えて貰い、王子と再会。けれども王子が別な女との結婚を決めた時、人魚姫が再び魔女に願った無邪気で残酷な望みとは。
世界中の名作童話を縦横無尽にアレンジ、物語の背後に潜む人間の邪悪な意思や淫猥な欲望を露骨に焙り出す。著者一流の毒に満ちた作品集。
桜庭一樹さんが倉橋由美子さんについて書かれた本を出されたということで、その本を読むには倉橋さんの作品を読んでいないとだめだろうと思い読んでみました←初読み作家さんです。
世界中の名作がアレンジされていますが、なかなかなものが多かったですね^^;物語の最後に書かれている教訓がなおのことブラックです。
最後の方にあった「魔法の豆の木」はジャックと豆の木が基になっていますが子供の末路があまりにも不憫でこれは完全に大人向けだなと思いました^^;元ネタを知らない作品もいくつかあったので、読んでみたいと思いました。倉橋作品を他にも読んでみたいです。
<新潮社 1984.4、1998.7>2024.4.30読了