花咲家の怪 (徳間文庫 む 9-7)
村山早紀
徳間書店
2016-10-07


鍵盤に手を置くと指が自然とメロディーを奏でる。弾けないはずのピアノなのに、まるで魔法のように。そして桂は思い出す。会えないはずの少女に会った記憶を(「別れの曲」)。かすみ草を使って優しいお見舞いの花束をつくる木太郎。届け先は老いたパティシエがひとり住まう家。彼には遠い日に亡くした愛娘がいた(「火車」)。哀切で愛らしく、ほのかに怖い短編集。

花咲家シリーズ第4弾です。
今回は怪と言う言葉が入っているだけあって、花咲家が出会った少し怖いお話がまとめられています。
1番怖いという意味ではおじいちゃんの木太郎が遭遇した同世代のパティシエのお話がちょっと怖かったかな…末路が怖いし切なすぎました。傍に娘さんがいるようですけど、気づいていないようだし…切ない…。有城先生の身に起きたことも怖いこともあったけど、守ってくれる人もたくさんいて、こちらはほっとしました。先生と茉莉亜の関係って進展はしないんですかねぇ…←
こちらのシリーズは今のところ4冊で終わっているようですが、今後も会えるのでしょうか。特に桂が成長した姿を見たいと思っているので、また出てくれたら嬉しいなと思います。

<徳間書店 2016.10>2024.3.11読了