淡路島で母を看取った百花。満月の夜、散歩に出かけると、閉まっているはずの遊園地に見知った猫が入っていき……。花巻の祖父母の家で療養する少年、宮島で姉妹関係に悩む女子、人生に迷う人々の近くで、満月珈琲店が開店する。星遣いの猫たちのあたたかな言葉と、美しいイラストが共鳴する大人気書き下ろしシリーズ、第5弾!
大好きなシリーズです。前回舞台は札幌だったなーと思い出しながら読んだのですが、今回最初の主人公だった百花でその異母兄弟が前作の主人公の同僚として登場した総悟で…と話が続いてる…!と嬉しくなりました。更に総悟の従姉妹のお話も続きます。
母親のために生きてきた百花、自分は罪の子だと思って育ってきた総悟、妹に対して劣等感を抱いていた姉の果歩。どのお話も切なくて温かくて好きだったけど、1番印象に残ったのは果歩の回でした。私も妹がいて、同じような劣等感を抱いていたから。まあ、私は妹の彼氏を好きになったことはないけど(笑)私も外見も中身も地味で「妹さんは可愛いね。全然似てないね」なんて言われたこともありましたよ。若干抉られながら読んでました。果歩は素敵な終わり方になっていてよかったなー。幸せになれたら良いな。そして総悟も上手くいくと良いな。優しい気持ちになって読み終えることが出来ました。
<文藝春秋 2023.12>2024.3.4読了