ちひろは、海辺の小さな街にあるお弁当屋さんで働く元・風俗嬢。ちょっと口が悪くて、マイペース。そして自由。そんな彼女は街では浮いている。へんな‟おとな‟だ。でもなんでだろう、彼女に会いたい。ひとり母の帰りを待つ小学生、誰にも本音が言えずにいる女子高生、そして無口なホームレスのおじさん・・・・・・ちひろの優しくない言葉と素っ気ない態度が、さびしくて不思議とあったかい。この不思議を体験しに、さぁ、ちひろさんに会いに行こう。
以前試し読みでこちらの原作を読んだことがあって、ミステリアスなちひろさんに私も魅了されて、映画化されたということで気になっていました(原作結局買っていないのですがすみません…)
ちひろさんの飄々としたところや物おじしないところを羨望の眼差しで見ていました。私はいくつになってもビクビクオドオドしていてちっとも変わらないから。きっと、ちひろさんが今まで経験してきたすべてのことが現在のちひろさんを作っているのだと思うけど。「ちひろさん」という名前の由来を知らなかったので知ることが出来て良かったです。なんて素敵なお話。
ちひろさんと同じ星からやってきた2人はどちらも相手に寄り添っていて、とても優しい。ちひろさんが関わった周りの人たちも優しいし温かい。少しずつほぐれてほわっと暖かな気持ちになれるようなお話でした。だからこそ、ずっとその場所にちひろさんがいてほしかったなぁ。